雫井脩介のレビュー一覧
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購入済み
不思議な力
悲しい物語のはずが、静かな力を感じた。そこに救いがあったからだと思う。
よくありがちな、子供の妄想。それをこんなにも信じてみようと思わせてくれる優しさ。
今の大切さを伝えてくれる本でした。 -
Posted by ブクログ
「虚貌(下)」
クライマックスは川で。
序盤からテンポがどんどん上がっていき、ラストまで駆け抜けていく。クライマックスの川辺のシーンとショウさん追悼のための鮎釣りシーンがハイライトで、真犯人の心情と描写が秀逸。
二十一年前の美濃加茂事件の加害者の内、ヤク中の坂井田、暴力団の時山が殺され、現場から荒の指紋が見つかり、荒を本ボシとして動くモリさん・辻コンビ。しかし、荒と共に追っていた山田裕二と思しき死体が発見され、更にボスのショウさんにアクシデントが発生する。
一方で結局ヌード写真を了承した朱音は、同僚とも険悪になり、更にヌード写真を見て自分がどんな表情で撮られていたかを目の当たりにす -
Posted by ブクログ
前作を読んだのはいつかと見ると、2007年9,10月となっており、結構強い印象が残っていたので、そんなに経つのかと意外に思った。
実際の時間はそれだけ経っているが、本の中では前作のバッドマン事件は半年前ということで、それが解決した後、植草は外され実質的に巻島が指揮する刑事特別捜査隊vs誘拐犯の闘いを描く。
最初の振り込め詐欺の導入がなかなか強烈だが、これはアバンタイトルみたいなもので、その後始まる誘拐事件が本筋。
振り込め詐欺でも指南役だった淡野から犯罪史上に類を見ない“誘拐ビジネス”を持ちかけられた知樹が選んだターゲットは、かつて就職内定を取り消された老舗洋菓子メーカー。
練られた計画はなか