あらすじ
点滴殺傷事件で母親が逮捕された由惟は不登校の妹を養いながら職場での嫌がらせに耐えていた。母親の無実を信じる弁護士の伊豆原は検察の立証を崩すべく、病院関係者の証言集めに奔走する。有罪率99%の刑事裁判で無罪を勝ち取る打開策は見つかるのか。驚愕の真実まで一気読み必至!信じることの困難さと尊さを描く著者渾身の記念碑的傑作。
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Posted by ブクログ
素晴らしい作品でした。
下巻の後半まで来ても、なかなかスムーズに進まずハラハラしました。
しかしなんといっても、霧がはれた瞬間の描写が素晴らしかった。読み終わった後に、もう一度そのシーンを読んだくらい。
霧がはれる時って、スッキリ晴れるのではなく、切れ目に出会うように、突如光が届くようでした。
また霧が覆うかもしれないけれど、今、この瞬間神々しいほど「霧がはらう」瞬間を体験できました。
Posted by ブクログ
Audibleにて耳読しました。兎に角安達祐実さんの凄さが伝わる!こんなに色んな方の声をそれっぽく使い分けられるものなのかと。
さなの手紙には泣かされました。これは、Audibleがおすすめ!
Posted by ブクログ
病院で点滴への薬物混入が起こり、2人の命が失われた。逮捕されたのは当時入院していた少女の母親。彼女は悪い人じゃないけど、お節介で距離感がバグってるような人。こんな人いるなーと思いながら読んだ。長女の由惟が会社で理不尽に辛い目に会うのが本当に可哀想で、彼女のために母親が無罪で良かったと思った。人は追い詰められると、やってないことでも自分がやったと言ってしまう、このことを由惟が会社での出来事を通して理解し、母親の側に寄り添うことができるようになるまでの描写が見事。母親の無罪確定後はすんなり終わるのかと思いきや、大物弁護士のまさかの一面も暴露される結果となり、最後まで気の抜けない作品だった。
Posted by ブクログ
弁護士・伊豆原が素晴らしい!
「やってない」ことを証明するのは難しい。でもほんの少しの証言の差で犯行の可不可が変わってくる。それを問い詰めた事件だった。
Posted by ブクログ
とても面白かったです。
確かにこのお母さん野々花はちょっと変わった感じで、疑ってしまったところもあったのだけど、そういった感情が冤罪の引金になりうるのではないか、と自戒。
それにしても、検察の「冤罪が生まれたとしても自分のせいとは思わない」という言葉は、耳を疑いました。これはフィクションなんですよね…
冤罪によって苦しんでいる人が現実にもいる。それは、検察の人達も目を背けられる話ではないでしょう。
一方で、弁護人の立場でも、真実をねじ曲げようとする…いかに事情があるにしても、法を司るものとしてあり得ない…そこも小説の上の話でしょうけど…
救いは、二人の姉妹の純粋さでした。
これから少しでも良い未来が続くように祈らずにはいられませんでした。
Posted by ブクログ
冤罪をテーマに無罪を勝ち取るまでのリーガルストーリー。
最初から犯人と決めつけて、そのストーリーに落とし込むような誘導尋問。
取調自体は可視化されているとはいえ、世間話はそれに含まれていないなど、ホントだったら怖いの一言。
最後の展開・真相部分は少し強引かなと感じたが、全体的に飽きさせず、娘の手紙の部分も良く、スッキリとした終わり方だった。
なによりタイトルが良い。
Posted by ブクログ
最後の「真相は」…のことろは
強引すぎ!
だけど、んなこたぁ〜どうでもいいくらい良かった(語彙力ひでぇ(笑)
由惟ちゃんが吹っ切れてから、かっこよすぎる
反面、「あのクズ共に天誅を!!」と、ずーとモヤモヤ
ほんと、クズ!(作者さんの術中に嵌ってる
Posted by ブクログ
点滴毒殺事件
ドラマの99.9のようだった
周りに誰も味方がいなく、ずっと責め続けられる時間を過ごすと
やってもいないことでも、やったと自供してしまう
人は1人だととても弱い動物
だけど、支えてくれる人が近くにいるとどんなことも乗り越えられるのだと
教えてくれた本でした
Posted by ブクログ
人情味溢れる弁護士は本当にいるのか。万が一冤罪になってしまったら…。そう考えると怖い。
正直に生きる勇気、正義を善とする覚悟、その大切さを教えてくれた物語。下巻は一気読みだった。
Posted by ブクログ
久しぶりにサスペンス小説を読んだけど、
読み進んで止まらないくらい面白かった。
中学の時ずっと東野圭吾読んでたけど、
雫井脩介は初めてで、これからも色々読んでみたい
Posted by ブクログ
判決結果やそれに至るまでの裁判の様子にとにかくドキドキした。よかった、よかったね。
Audible
安達祐実さんの朗読がこれまで聞いた誰よりも上手で心地よかった。ちゃんと誰の声なのか聞き分けもできてとてもわかりやすかった。
Posted by ブクログ
面白かった。
下巻は由唯が職場で惨めな思いをしたり、実際に裁判が始まって野々花の前で証人が決めつけで非難の言葉を浴びせるなど
読んでいて苦しい場面が多かったし、一緒になってイライラしたり悲しくなったりして落ち着かなかった。
後半から一気に展開が変わりスピード感があったので最後はノンストップで読み続けた。
伊豆原弁護士は正義感が強い。まっすぐで優しく、頭も良い。圧倒的に正しいので気持ちよく読めた。
強くあたられても人に裏切られても、「気持ちがわかるような気がした」みたいな描写がほぼ必ずあって、いつでも冷静で真面目な性格なんだと好感が持てた!
Posted by ブクログ
上と下まとめての感想
娘の入院している小児科で同室の子供たちが同時に突然急変する。そして娘の母親が捕まる。
逮捕から裁判まで
とりあえずお母さんしっかりしなよ!と言いたくなった!
Posted by ブクログ
読みやすくて内容も面白いのですいすいと読める。
裁判がメインの下巻だったけど、こんなに面白いんだと再発見。
しかし、手弁当での弁護でここまでできるか。
あそこまでページを使った犯行の手口なので、加害者の手口を詳細に知りたかった。
Posted by ブクログ
この巻は、裁判小説のようだ。その様子を描くのが巧みなので惹き込まれる。最終的に無罪になってホッとするのだが、真相の落ちがちょっとどうかなと思いましたが、上下巻をオーディブルで聴いてその集中力が継続したのだから、出来の良い小説なのである。
Posted by ブクログ
点滴殺傷事件で母親が逮捕された由惟は不登校の妹を養いながら職場での嫌がらせに耐えていた。母親の無実を信じる弁護士の伊豆原は検察の立証を崩すべく、病院関係者の証言集めに奔走する。有罪率99%の刑事裁判で無罪を勝ち取る打開策は見つかるのか。驚愕の真実まで一気読み必至! 信じることの困難さと尊さを描く著者渾身の記念碑的傑作。
Posted by ブクログ
リーダビリティという言葉を久しぶりに思い出した。初めてこの言葉を聞いたのはやはり雫井さんの「火の粉」だっただろうか?病院での事件をめぐって、さほど過剰に大げさな出来事があるわけでもないのに読み進めるのをやめられない。日常の些細なエピソードと事件の真相を追及する地味な活動だけでこんなにも惹き付けられる小説を書く雫井さんはやはりすごい。
実際に状況証拠だけで無実の人がここまで犯人に仕立てられるものかどうかはわからないが、過去から現在に至るまで、きっといくつかの事件でこういったことはあったのかもしれない。
最後に語られる暴露話が蛇足に感じられるほど、完成度の高い裁判劇でした。
Posted by ブクログ
上巻で漂っていた謎や疑念という『霧』が、下巻で次第に晴れていく。
真犯人や犯行の描写が薄い点は気になったものの、共闘してきた桝田弁護士の突然疲弊した振る舞いについては腑に落ちた。終盤で明かされる謎も魅力的だったが、中盤で長女が耐え難い経験を乗り越え、勇気をもって成長していく姿が特に印象的で頼もしく感じられた。
この小説の魅力は、法廷小説にありがちな派手な論戦に頼らず、登場人物全員を丁寧に描かれている所。その結果、推理小説でありながら、骨太な人間ドラマとしての深みがあり読み応えのある作品であった。
Posted by ブクログ
霧をはらう。人の無罪を信じるには、それに足る確証と勇気が必要。また人は弱く儚い。事件を取り巻く人間像でその様子が描かれており、想像以上に心が動く一著。
Posted by ブクログ
入院患者の家族の話や看護師や医師たち病院関係者の証言などにより、状況証拠が積み重なり、野々花の立場は悪くなるばかり。
当初、伊豆原も彼女の犯行否認に疑念を持っていたが、賢明な証拠調べの結果、無実を確信することになる。
事件時の時間の詳細な実験により、「霧が消え、見つめるべきものがくっきりと目の前に現れた感覚だった」
しかし、99.9%有罪の刑事裁判で果たして無罪を勝ち取ることが出来るのか、いやがうえにも興味は増すばかり。
折しも再三の再審請求により、無罪判決が確定したばかり。
現代の司法制度にも一石を投じる社会派ミステリー。
Posted by ブクログ
販促帯に伊坂幸太郎「雫井さんの小説は全部読んできているけど、個人的1位はこれ!」
小児病棟で4人の子供の点滴にインスリンが混入された殺傷事件。
逮捕された母親の無罪を信じきれない娘と、稼ぎにならない事件にも最善をつくす若い弁護士の二人の視点で書かれた事件・法廷もの。
ミステリ色は薄く、サスペンス色は無いが、読みやすく、主人公を応援しながら読んでしまう小説。(伊坂幸太郎には同意しないけど・・・)
Posted by ブクログ
小児病棟で起こった点滴殺傷事件の真相をめぐるリーガルミステリ。
最後の最後まで楽しめる物語でした。
いよいよ下巻です。
無実を勝ち取るための証拠もそろわない弁護側。苦しい展開です。
このままでは、有罪が確定してしまう..
さらに弁護側も一枚岩になれず。無罪の勝ち取りに消極的な枡田と袂をわけ、私選弁護人として伊豆原は動くことになります。
さらに、母親の無罪を信じられない由惟。
それを解きほぐしていく伊豆原。
伊豆原ってとても良い人。こんな弁護士っているの??
そして、裁判がはじまります。
そこで、出てきた証言...
裁判の行方は?
という展開です。
途中、由惟が痴漢冤罪事件に絡みます。
ここから、由惟がかわっていくのもよいです。
そしてくだされた審判!
さらに事件の真相が明らかになり、伏線がするするっと回収されてすっきりです。
これは面白かった。
とっても、お勧めです。
2時間ドラマで見てみたい(笑)
Posted by ブクログ
上巻のこれから裁判はどういう内容で進んでいくんだろという疑問持たせてから、終わりまで、この事件に、裁判に取り巻く人間像や生き方が語られている。上巻では濃いままだった霧が、最後にさっと引いていくような。人を裁くということがどれほどのことなのか改めて考えさせられた。ただ少し下巻スタートからが長く感じてしまったのも否めない。