夢枕獏のレビュー一覧
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今度は、秦の始皇帝と徐市(じょふつ)の話で、ここにも赤(せき)が出てくる。始皇帝も不老不死を追い求め、キマイラが始皇帝の死に関係しているという。どこまで歴史の中にキマイラは存在しているんだ。でも、今回は、龍王院弘の復活だ。復活にとどまらず、進化している。あのフリードリッヒ・ボックにここまでやるかというところまで来た。ボックとの対決は、一応の結末を見た。凄いの一言。作者夢枕獏の描く闘いは、読みながら頭の中に鮮やかに動きが浮かんで、ワクワクゾクゾクしてくる。こんなシーンを今まで待っていた。ここまで読んできてよかったと思えた。それにしても、その次はまたしても狂仏ツォギェルの過去の話。テンジン・ツォギェルと名前までわかり、テンジンが生まれ育っていく中で下法絵の話が出てくる。敦煌の莫高窟の壁に描かれた絵は誰が描いたのか、その絵を羊の皮に模写したのは誰か、全てが繋がるときが来たのか。そして、ここでも赤とカルサナク寺を開いたギャツオ・ツェリンとの出会いまで遡る。赤がはるか過去から莫高窟やカルサナク寺の下法曼荼羅図へと繋がるキマイラのルーツだったのか。これで過去からの話は語り尽くし、物語が進むことを願うばかりだ。
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まさか西城学園を支配していた「もののかい」がルシフェル教団と関わっていたなんて。この事件を機に九鬼のことが知れて、ボックが1年後日本に現れることになる。トランシルヴァニア症候群や伯爵病についても、ここで触れられている。そして、この事件で闇狩り師のあの人がキマイラ本編にサプライズ登場。長く書き続けられていると、こんなこともあるんですね。さて、この後でグルジェフの過去まで語られ、(また1人掘り下げられた、阿久津まで含めると2人か)やっと現在に戻りました。九鬼玄造達、九十九と雲斎、大鳳は、拉致された深雪が伊豆にいることをそれぞれに知る。深雪を助け出すために動く大鳳。ついに割れた円空山の裏手の石、九十九が動く。坂口が、阿久津が…?やっと物語が進むのか。1巻めが始まったときは、大鳳が入学した4月だった。現在は、その年の12月。信じられますか、まだ1年経っていないんです。それでも、この物語を読みたい。
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深雪の事件を知った龍王院弘は、九鬼玄造の屋敷へ。捕えられた菊地は、金髪の少年グリフィンと対峙する。円空山に戻ってきた雲斎は、大鳳と一緒に雪蓮の一族である亜室健之に会ってきたと告げる。そして、雲斎は亜室健之から聞いたキマイラの秘密について九十九に語り出す。またまた過去の話になり、いよいよキマイラの秘密に触れるのだが。遥かな昔、中国の周の時代に遡り、赤須子(せきしゅし)と耼(たん)の話。そして、インドのシッダールタとセキ(赤須子)の話では、十番目のチャクラがアイヤッパン・チャクラだと判明。それにしても、キマイラの謎に迫るためにもっと過去の話になり、また一巻だけでは終わらない。どこまで行くんだ、あと少しのところかと思ったのに。深雪の拉致については、これを語り終わらないと進まないんでしょうね。雪蓮の一族の故郷が中国政府に見つかってしまったことも気になる。次に期待しよう。
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橘瑞超の『辺境覚書』、吉川小一郎と能海寛の『西域日記』、この2冊を読んでいるのが九鬼玄造と梶井知次郎で、そのことを九十九三蔵や宇名月典善、菊地良二に語っているのが九鬼玄造であるという複雑な状況の現在。語っている最中にも、忍び込んできた金髪の青年と、キマイラの腕を典善が取り合いになり、半分を持ち去られる事が起こる。しかし、過去の話はまだ続く。能海寛と真蓮との出会いがきっかけで能海は狂仏になり、下法曼荼羅図をこの世から抹殺して不老不死の秘密を守り、真蓮と共に王母の谷に帰らなければいけない務めがあったことを能海の手記から知る玄造と梶井。玄造は、馬垣勘九郎の葬儀の後に起こった息子の勘十郎とアレクサンドルの対決や、梶井の死からキマイラを捜す旅に出る決心をする。やっと、ここから玄造はチベットに渡り陳岳陵として吐月と一緒に下法曼荼羅図を見ることにつながるのかと、長い長い話だなとつくづく感じてしまった。実際にこのキマイラという物語を読んでいる時間も10年、それ以上続いていることに驚きです。でも、やめられない。そして、現代では、キマイラ化した九鬼が、龍王院弘や狂仏ツォギェル、そして九十九や玄造、菊地、典善達の前から去ろうとしている。まだ九鬼と大鳳の運命は見えない。
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父勘介の死から中国大陸を渡り歩くことになった馬垣勘九郎は、橘瑞超や吉川小一郎の探検隊と巡り合う。それから出合った幻獣との闘いで獣の腕を勘九郎が切り落とし、橘瑞超が持ち帰ることになる。キマイラの腕は、再び勘九郎のもとへ来るが、すぐに九鬼玄造へと渡る。ここまでの話を丁寧に語るために、馬垣勘介・勘九郎の父子から始まり、前田光世、周礼文、徐分強、王洪宝、ハッケンシュミット、そして、橘瑞超、吉川小一郎、ついに、グルジェフ、アレクサンドル、曹元深、謎の少年といった核心に迫る人物達が登場してくる。虚実の様々な人物が絡み合い、キマイラの謎が描かれているが、やはり長い。でも、おもしろい。ソノラマ文庫で出版されていた昇月変まで読んだときには、自分の頭の中で整理ができなかった。文庫では、ここで一旦途切れてしまうような事態(ソノラマ文庫の問題)のせいもあったと思う。何回も読んでいくうちに、如何にしてキマイラという獣、下法曼荼羅図の謎に近づいているのかがわかってきた。それでも、過去の話がまだ終わらない。次巻までいくと、やっと理解できると思う。本当の一巻ずつになり、現代が見えて来るかな?
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吐月と九鬼玄造が再会することによって語られる玄造の過去。玄造が持っているキマイラの腕がどのようにして日本に持ち込まれたのかを知るために、話は明治時代の大谷探検隊について触れることになる。でも、事実に絡ませてキマイラの真相に辿り着くように話を紡ぎ出すのは凄い。橘瑞超、吉川小一郎、能海寛といった実在の人物達のことも知らなかった。玄造が若い頃に出会った馬垣勘九郎がその探検隊に関係するということからまたその前の明治時代に話が移っていく。どこまで遡るというのか。馬垣勘九郎の父、勘介が大陸に渡ることになるところまで遡り、格闘家のことになると長くなる作者の癖が出ているような。とうとう次巻まで過去の話は続く。早く現代につながってほしい。
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巫炎、大鳳、九鬼の関係が明らかに。しかし、キマイラの謎はそのまま。雪蓮の一族を知る手がかりは吐月に話を聞くことなのか。九鬼はキマイラ化が抑えられないまま。そして、物語は少し動きました。玄造の屋敷に忍び込む大鳳が菊地と対決、典善も。さすがに2人を相手にしてはというところへ巫炎が助けに入り、そこに斑孟も関わり…。巫炎に対する斑猛の復讐心に決着。やはり、この物語は対決シーンがおもしろいです。誰が誰とやり合うか、そんな場面をいくつも紡いでいけるのが夢枕獏だと思います。それだけなら、これまでも夢枕作品には、「獅子の門」「餓狼伝」等があります。様々な対決を描きながら、キマイラという獣の謎に迫り、大鳳と九鬼の運命をメインに進むストーリーを読まずにはいられない。
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原案・板垣恵介、原作・夢枕獏、漫画・藤田勇利亜『漫画 ゆうえんち −バキ外伝− 8』秋田書店。
5巻をもって完結した夢枕獏の『小説 ゆうえんち』でイラストを担当した藤田勇利亜が漫画化するという何ともややこしい作品。
月1連載につき、ようやく第8巻に到達。今回は主人公の葛城無門の闘いは無い。
夢枕獏は『ゆうえんち』を執筆するにあたり、板垣恵介から範馬刃牙と範馬勇次郎を登場させてはいけないが、それ以外は自由にやって良いと制約を受けていたようだ。恐らく、懐の深い夢枕獏のことだから、藤田勇利亜に一切の制約をしてないのではないかというくらいに原作とは内容が異なる。しかし、却ってそれが面白いのだ。
今回は、無門が『ゆうえんち』で復讐の相手として捜し続ける柳龍光が神野仁と対決する。化け物のように強く、奇天烈な技を繰り出す柳に対して、神野はマスター国松から盗んだ技で対抗する。何時の間にか神野は倒され、その前に葛城無門が現れるのだ。
場面は変わり、力道山がモデルと思われるプロレスラーの力剛山が刺殺された事件の顛末が描かれる。力剛山を刺殺したのは、裏社会の住人の田村辰二という男だった。しかし、その前に後に大横綱となる龍金剛が力剛山を完膚なきまでに叩きのめしていたのだ。
力道山の死を巡る逸話は確か板垣恵介の漫画『餓狼伝』にも描かれていた。こちらでは力道山がモデルの力王山が、アントニオ猪木がモデルの猪狩に叩きのめされ、腹を切ったことになっていた。
その龍金剛は『ゆうえんち』で元傭兵の鬼神群平と対決する。
本体価格720円
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久しぶりに夢枕獏先生の作品を読んだ。
陰陽師シリーズが好きだったので、これは江戸版陰陽師…?ということでワクワクだった。
短編2話、中編1話という感じだった。
たぶん陰陽師なのであろう遊斎が(遊斎が何者なのかははっきりと書かれていない)、読み進めるうちにどんどん魅力的になっていって、自分の中でちょっと推しになってしまった(笑)
短編2話では、遊斎が1人で妖を片づける感じだが、中編では仲間的存在を引き連れて、チーム戦という感じがとても良かった。
敵でも味方でもないと思っていたあの人が、最後に力を貸してくれたところも意外で良かった。
終始、魅惑的で落ち着いた雰囲気の遊斎がとても魅力的だった。
続編でないかなぁ…
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夢枕獏『新・餓狼伝 巻ノ六 変幻鬼骨編』双葉社。
40年も続いているという驚異の世界最長の格闘技小説シリーズ。5年ぶりの刊行となる第6巻。
どうやら、この格闘トーナメント『闘天 TOUTEN』が最終トーナメントとなるようだ。
時代の流れと共にプロセス、空手、古武術、ボクシング、キックボクシング、マーシャルアーツ、サンボ、コマンドサンボ、ブラジリアン柔術、異種格闘技戦からMMAと、格闘技の対戦形式が変遷する中、誰が一番強いのかという疑問への答えが出るのはもう間もなくである。次巻は『新・餓狼伝 巻ノ七 邪拳聖拳編』で、夢枕獏のあとがきによれば、2年少しで刊行されるとのこと。
夢枕獏が癌の治療で連載が中断していたのだが、無事に寛解し、連載が再開されたようだ。何とも嬉しい限りだ。
『新・餓狼伝』シリーズは、次々と登場する化け物のような強さの男たちが闘い続ける描写には毎度ながら驚かされる。
勿論のことなのだが、この40年の間に登場人物は殆ど歳を取っていない。自分は20代前半の頃から読み始め、還暦を過ぎているのに、登場人物が老けていないのは少しズルい気がする。そして、松尾象山のモデルである大山倍達や巽真のモデルであるアントニオ猪木も連載中に鬼籍に入っているのだから、架空の世界の格闘技小説ということになり、格闘SF小説と読んでも良いのかも知れない。
序章ではキュウシン・オキナこと翁九心という謎の武術家の得体の知れない強さが描かれる。身体の頑丈さだけが自慢の元プロレスラーの平田万太は、アメリカのテキサスで、キュウシン・オキナという男と闘い、こてんぱんに叩きのめされる。
一章。網走の特等集治監を出所した竹宮流の藤巻十三は、奈良で北辰館の河間一と対峙する。藤巻の口から語られる網走の集治監での出来事とは。
二章。姫川勉との対決で脱糞した丹波文七が道田薫から新たな格闘トーナメント『闘天 TOUTEN』への出場を打診されるが、トーナメント形式の闘いに疑問を感じ、出場を保留する。
トーナメントへの出場者は立脇如水、姫川勉、梶原年雄、猿飛跳魚、京野京介、関根音、翁九心、堤城平、平田万太、ホセ・ラモス・がルーシア、マカコと化け物ばかりだった。そんな時、丹波文七は久我重明と会う。
三章。松尾象山が巽真の元を訪ねると、突っ掛かってきた若手レスラーを手玉に取り、その強さを見せ付ける。巽と共に『闘天 TOUTEN』の特別試合にエントリーされていた松尾象山も丹波文七と同じ疑問を感じていたのだ。
四章。道田薫の異常な性癖と翁九心との出会いが描かれる。
転章。カイザー武藤が巽真に自らの引退試合を申し出る。
本体価格900円
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5年ぶりの新刊!
餓狼伝も40年も経ってる〜
いよいよ最強を決めるトーナメント「闘天 TOUTEN」が始まる!
って言っても、まだ、メンバー確定してないやん。
文七は、出ないって言ってるし、松尾象山、巽もあんまり納得してなさそう。
今回は、そのトーナメントに出る人物を紹介しながらの話。
でも、格闘はある。
象山の圧倒的な強さに痺れるわ〜
技というか、バン!って突き一発で破壊とかレベルが…
幻惑的な強さの面子もおり、楽しみ!
って、いつまで待たせるの!とは思うけど、ワクワクしてしまうねんな。
これだけ、猛者が揃うとトーナメントとか試合とかのルールが邪魔みたい。
生まれた時に持っていたもの以外は、何も身につけない。真っぱだかになった時、おのれがその時身につけているものだけで勝負をする。
こだわるとすれば、そこだ。
素手。
1対1。
その二点に尽きる。
あとは、みんな余計なものではないか。
このまま、トーナメントに突入するのか?
何か皆んな、やりたい時に、何のしがらみもなく闘う!が全てになって来てる!
相変わらずの格闘シーン、ええわ!
でも、登場人物忘れるのも多々あり。
あとがきで、
次作は早く出せると宣言してはるけど、2年後やし(−_−;)
夢枕獏さんも、74歳。
頑張って!!!
描き続けたい宣言してるけど、終わるとは描いてないのが…寂しいとこあるけど、まぁ、ずっと続いてもええかも?
久々で楽しめた! -
Posted by ブクログ
巫炎から明かされる衝撃の真実。「大鳳吼は、……」
大鳳、九鬼、巫炎の3人から導き出される真実は、今まで読んできた人には何となく感じていたことだと思います。これまで少しずつ出された事実から予想すると、当然この真実に行き着くはずです。そして、次の真実も。巫炎のこの言葉が、巻の最後を飾るのは見事としか言い様がありません。
だけど、キマイラについての謎はこれから。狂仏(ニヨンパ)という僧も出てきて、キマイラを抑えるのが先か、それとも謎を解くのが先か、それとも大鳳と九鬼の対決が先か。これらのどれか一つでも解決しようと展開していくうちに、巻を重ねていくことになります。まだまだ道は遠いぞ。