夢枕獏のレビュー一覧

  • 陰陽師 烏天狗ノ巻

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    8編+あとがき。この8編が多様なお話で、とても充実、得したような気分になった。
    このシリーズを読むと、いつも真っ先に思うのは、このように酒を呑んでみたい、酒を楽しみたいということである。この夕べをページの奥とは言え、主人公らと共有できるのが実に嬉しく、しかしながら同時にページの隔てがあることが寂しい。
    「媚珠」は不思議と芥川龍之介を感じた。文体はもちろん、異にする。芥川の雲母の欠片がプレパラートでも思わせるようなヒリヒリとするような輝きとは違うが、どこか共通するリズム感があるように感じた。そして、杜子春だろうか、羅生門だろうか、怪しい雰囲気は一つに思えた。全く個人の感想だから、違うと言われれば

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    2023年11月07日
  • 陰陽師 瀧夜叉姫(上)

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    京都では将門ゆかりの人物に次々と事件が起こるようになっていた。将門が謀反したのが20年前

    p344 女に釘を打たれる夢をなん度も見て苦しむ平経基。晴明は女の生き霊(隠態)だという。
    p360、平将門登場!!

    まさか陰陽師に出てくると思わず、びっくり

    将門は俵藤太が、久々に会いにいくと顔が変わって、性格も荒々しくなって(興世王の影響?)、戦いでは分身6つを使ってくる。

    児干?

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    2023年11月06日
  • 陰陽師 龍笛ノ巻

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    シリーズ6冊目

    虫めづる姫君、露子姫が魅力的
    現代ぽい子、研究者向け?

    探求心
    大きな目、化粧しない、眉毛抜かない、お歯黒しない
    19歳

    また出てきてほしいなぁ!

    。。。。
    名前を呼ばれて返事してしまったら、そこに縁という呪が結ばれてしまう

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    2023年10月28日
  • 陰陽師 生成り姫

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    シリーズ5番目
    晴明からたびたび、お前は良い男だな、優しいな、と言われる博雅の魅力がいっぱいに散りばめられたストーリーとなっています。

    博雅と晴明のキャラもよく見えて、エンタメとして読むのが楽しみになってきました。

    。。。
    博雅と長年の思いびとの徳子姫との一部始終。
    博雅の笛を橋の袂で聞いたことから、お互い恋心を持ってきたが、徳子姫は別の男性と結婚して、そののち捨てられ、鬼に変貌してしまった。男性の新しくできた恋人を呪い殺し、浅ましい姿になり、それを博雅に見られるという失態。
    恨みと辱めと愛憎がぐるぐるして恐ろしい情景が描きだされるのだが、最後は大きな博雅の愛に包まれて、元の徳子に戻ってい

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    2023年10月23日
  • 神々の山嶺 下

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    文句のつけようなど一つとしてございません。

    漫画→アニメ映画→原作という順だが、
    結局この原作小説が一番心に来た。

    理由の一つに、とにかく夢枕獏氏の文章の巧みさ、読みやすさが上がる。

    本当に賢い人は、誰にでも伝わりやすい言葉で簡単に表現できると言うが、
    まさに氏のような方のことを指すはずだ。

    とにかく氏の文章は、読み易いばかりでなく、人や時代が匂い立つように浮き上がる。

    こと本作の表現の話題になると、
    冬山の美しさや冷徹なまでの過酷さ、孤高の登山家の心の在りようなどに焦点が当たる。

    しかし私はそれ以上に、
    当時の日本の情景や日本人たちの描写が異様に巧みであるがために、
    その勢いのま

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    2023年09月20日
  • シナン(下)

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    下巻は政治的に事が大きく動き全体を通して非常に面白かった。
    首席建築家になったシナンが建てていくジャーミーを画像検索しながら過去に思いを馳せる馳せて読むのも一興かと思います。

    個人的には終わり方がとても好みでした。
    大当たり本。

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    2023年09月20日
  • 陰陽師 付喪神ノ巻

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    シリーズ3冊め

    飄々とした安倍晴明と優しい源博雅のコンビ、
    とっても好き。

    「ものや思ふと…」
    よい歌を作りたいけども才能がないことに気づいて鬼に作ってもらってきた貴族が、最後に自分がこれぞ!と思って自作した歌が、歌会で選ばれなかった無念。
    このお話は面白かった!

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    2023年09月19日
  • 神々の山嶺 下

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    なぜ命を賭してまで山に登るのか?
    それはなぜ生きるのかと同じ問いだという。
    そこに山があるから登るのではない。
    オレがいるから山に登るのだと羽生は言った。
    生きることに意味がないのと同じように、山に登ることに意味はない。
    生きた時間の長さではなく、生きた時間の濃さなのか?
    私にはわからない。
    そこまで危険と隣り合わせな濃い時間を過ごしたことがないから。
    私はできるだけ安全で安心に生きたいと思う。
    けど、そこまで、命を賭けれるものがあって、闘っている熱い男たちに惹かれるし、羨ましいと思う。

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    2023年09月05日
  • 陰陽師 飛天ノ巻

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    安倍晴明 源博雅がホームズとワトソンのようという記述があり、なるほどと思う

    なんとなく居心地のいい相手といて、ここぞというとき共に活動するというのは楽しいものですよね

    博雅の笛が葉二(はふたつ)という名前で、ステキだなぁと思う

    【飲食深かった物の怪】
    小野小町の物の怪には晴明もなんともしょうがなく、ただ見守るだけだった。
    美を諦めなれなかった小野小町と、その愛を得たくて彼女が死んでまでもしがみつく身分の低い男との、一心同体となってしまった哀れな姿が心に残る

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    2023年09月04日
  • 陰陽師 飛天ノ巻

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    ネタバレ

    読みやすかったです。
    「露と答へて」が好きでした。
    博雅の人柄が出てて可愛かったです。
    桃薗の話で子供の手握ってみたいと思ってしまいました。
    何も害がないこと前提ですが。

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    2023年08月27日
  • シナン(上)

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    全く知識なく手に取った「シナン」。

    オスマントルコの宗教建築家の話。
    実在の人物でありながら物語仕立てになっているので、入口としてはとても入りやすい。
    上巻では、シナンはまだまだ建築家として活躍はないが独特な考え方や人柄がクローズアップされ主に来歴と人ととなりが描かれている。
    絶版本フェアで見つけた本だったが、大当たり、

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    2023年08月27日
  • 神々の山嶺 上

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    この本を買ったのは随分前で、有名な作品だし、読んだら面白いのはわかってたけど、分厚い上下巻でなかなか手を出せずにいた。
    けど、読み始めたら止まらない!面白い!
    登山のことはよくわからないし、エヴェレストのこともよく知らない。
    そして、なぜそこまでして登山家は取り憑かれたようにして山頂を目指すのか、ほんとによくわからないけど、読んでて引き込まれた。
    ミステリー要素も多分にあって、これからどうなるのか、下巻が楽しみ!

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    2023年08月21日
  • エヴェレスト 神々の山嶺

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    とにかく登山家たちの登頂への思いは想像するより遥かに強い。
    エベレストに三度挑んだジョージ・マロリーが登頂できたのかは、マロリーが亡くなって何十年も経った今でも謎のままである。
    ネパールの地で、マロリーのカメラの謎と羽生という登山家を追う深町。
    ある意味山岳ミステリーとも受け取れる作品。
    主人公の深町自身は、ちょっと情けないというかふがいないというかそんな印象を受けるが、その経験を通して強く成長していく。
    そこら辺も見所のひとつだと思う。
    マロリーが残した名言「そこに山があるから」は、正確には「そこにエベレストがあるから」である。
    なぜか日本語ではエベレストを山と訳されるのだが。
    実在の登山家

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    2023年08月15日
  • 陰陽師 生成り姫

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    ネタバレ

    この物語は主人公・安倍晴明の活躍と、その親友である源博雅の悲恋を描いた物語です。

     博雅は12年前のある夜、得意の笛を吹いている時に一人の姫と出会う。
     その後も笛を吹くたび現れる姫。彼は名も知らぬまま彼女に惹かれ、いつしか会えなくなってからも ほのかな想いを持ち続けていた。
     時が流れ、博雅はある男から相談を受ける。
     かつて情を通じたが今では疎遠になった姫が、夜な夜な呪いをかけて男を殺そうとしているというのだ。
     博雅は男を救うべく親友・晴明の力を借り、共に姫を待ち受けるが、生成りとなり現れた女…徳子姫は 彼が思いを寄せたその人であった。
     あさましき姿を博雅に見られたことに絶望する徳子

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    2023年08月04日
  • JAGAE 織田信長伝奇行

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    長編なのに、短編を読んでるかのように章ごとに場面が切り替わる。しかも皆が知っている内容と信長を知っている人にも楽しめるように随所見解と飛びの加藤を登場させて信長の死についても書いている。
    合理主義の信長が唯一認めた妖怪、そして人の心に巣喰う飛びの加藤が秀吉や光秀を操る。
    2日で読めてしまうほど面白く分かりやすい内容だった。

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    2023年08月01日
  • 神々の山嶺 下

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    【神々の山嶺】

    夢枕獏の最高傑作!!
    どうだ!!と叩きつけられるような本でした。
    昨年のアニメ映画じゃ全然伝わってなかった…。漫画もあるけど、これは絶対に小説で読むべき。この熱量はそんな簡単にトレースできない。

    山岳小説ど真ん中!ストレート一筋。超どセンターを一切躊躇なくこれでも足りないか!というほどに叩き込む。磨きこまれてるが、ゴツいダイヤモンドのような物語。

    もうこれ以上熱くて面白くて夢中になれる山岳小説はないんじゃないか。今後出てこないんじゃないか。と、思ってしまうくらい圧倒的な作品。こんな本があったのか…夢枕獏、恐るべし。

    あとがきの「書き終わって体内に残っているものは、もう、

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    2023年07月13日
  • 瀧夜叉姫 陰陽師絵草子 第二巻

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    1巻からの俵藤太の三上山の大百足退治伝説の見事なコミカライズ。
    瀬田の大橋に登場する大蛇の一枚絵、痺れました。この人の漫画で古事記とか見てみたいな。

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    2023年05月14日
  • 瀧夜叉姫 陰陽師絵草子 第一巻

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    原作夢枕獏の「陰陽師」を伊藤勢が漫画化ってどんな最強タッグなんだ!
    とずっと読みたかったものを紙で購入。電子じゃなくて紙で見たかったので。
    とにかく絵がすごい。かっこいい。キャラデザもかっこいいし背景もとんでもないし何より漫画としての構図がかっこよすぎて脱帽。すごい世界観です。
    平安時代日本が舞台なのになんとなく大陸の香りがするのは先に「天竺熱風録」コミカライズを見ていたせいか。凄惨なシーンでも陰湿な感じがしないのも漫画としての画力がすごいせいかな。晴明の柔烏帽子?が魔法使いの帽子みたいで斬新です。

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    2023年05月14日
  • 大江戸火龍改

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    夢枕獏『大江戸火龍改』講談社文庫。

    江戸時代に凶悪犯を取り締まる火附盗賊改に実は裏組織が存在したという設定の連作短編小説。火龍改と呼ばれる裏組織は秘密裏に人外のものを狩ると言う。しかし、裏組織と言いながらも、様々な怪異と対峙するのは遊斎という白髪の奇異な風体をした男のみという不可思議。

    夢枕獏らしい、なかなか面白い歴史奇譚小説であった。

    『火龍改の語』。まずは、軽く火龍改についての説明から。

    『遊斎の語』。ここからが本編なのだが、まだ序の口。火龍改の相談役か頭らしい遊斎が次々と明らかにする怪異事件の数々。

    『手鬼眼童』『首無し幽霊』。こちらも遊斎が解決した数々の怪異事件が紹介される。

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    2023年05月22日
  • 混沌の城 上

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    やはり獏サン、すごいの書いてたねー。久しぶりの再読ですが、ついつい新刊本を読んでしまいました。古いのが家にあるのにネ^_^
    でも古さも感じます。少し説明が足りない感じ、今ならもう何冊か書くのかもね!

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    2023年04月15日