夢枕獏のレビュー一覧
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とにかく登山家たちの登頂への思いは想像するより遥かに強い。
エベレストに三度挑んだジョージ・マロリーが登頂できたのかは、マロリーが亡くなって何十年も経った今でも謎のままである。
ネパールの地で、マロリーのカメラの謎と羽生という登山家を追う深町。
ある意味山岳ミステリーとも受け取れる作品。
主人公の深町自身は、ちょっと情けないというかふがいないというかそんな印象を受けるが、その経験を通して強く成長していく。
そこら辺も見所のひとつだと思う。
マロリーが残した名言「そこに山があるから」は、正確には「そこにエベレストがあるから」である。
なぜか日本語ではエベレストを山と訳されるのだが。
実在の登山家 -
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ネタバレこの物語は主人公・安倍晴明の活躍と、その親友である源博雅の悲恋を描いた物語です。
博雅は12年前のある夜、得意の笛を吹いている時に一人の姫と出会う。
その後も笛を吹くたび現れる姫。彼は名も知らぬまま彼女に惹かれ、いつしか会えなくなってからも ほのかな想いを持ち続けていた。
時が流れ、博雅はある男から相談を受ける。
かつて情を通じたが今では疎遠になった姫が、夜な夜な呪いをかけて男を殺そうとしているというのだ。
博雅は男を救うべく親友・晴明の力を借り、共に姫を待ち受けるが、生成りとなり現れた女…徳子姫は 彼が思いを寄せたその人であった。
あさましき姿を博雅に見られたことに絶望する徳子 -
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【神々の山嶺】
夢枕獏の最高傑作!!
どうだ!!と叩きつけられるような本でした。
昨年のアニメ映画じゃ全然伝わってなかった…。漫画もあるけど、これは絶対に小説で読むべき。この熱量はそんな簡単にトレースできない。
山岳小説ど真ん中!ストレート一筋。超どセンターを一切躊躇なくこれでも足りないか!というほどに叩き込む。磨きこまれてるが、ゴツいダイヤモンドのような物語。
もうこれ以上熱くて面白くて夢中になれる山岳小説はないんじゃないか。今後出てこないんじゃないか。と、思ってしまうくらい圧倒的な作品。こんな本があったのか…夢枕獏、恐るべし。
あとがきの「書き終わって体内に残っているものは、もう、 -
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夢枕獏『大江戸火龍改』講談社文庫。
江戸時代に凶悪犯を取り締まる火附盗賊改に実は裏組織が存在したという設定の連作短編小説。火龍改と呼ばれる裏組織は秘密裏に人外のものを狩ると言う。しかし、裏組織と言いながらも、様々な怪異と対峙するのは遊斎という白髪の奇異な風体をした男のみという不可思議。
夢枕獏らしい、なかなか面白い歴史奇譚小説であった。
『火龍改の語』。まずは、軽く火龍改についての説明から。
『遊斎の語』。ここからが本編なのだが、まだ序の口。火龍改の相談役か頭らしい遊斎が次々と明らかにする怪異事件の数々。
『手鬼眼童』『首無し幽霊』。こちらも遊斎が解決した数々の怪異事件が紹介される。