竹岡美穂のレビュー一覧
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ネタバレ心を抉るような愛憎。「見習い」である菜乃のキャラクターが物語をふんわり持ち上げてくれるけれど、やっぱり読んでいて、こんなに愛しくてこんなに切ない本は他にない。
「傷心」はシュトルムの『みずうみ』に準えたストーリー。心葉に「大嫌いだ」と言われた菜乃が、それでも文学少女を目指しながら、心葉が好きでたまらない気持ちが溢れて。『みずうみ』のラインハルトとエリザベートは、結ばれない。ラインハルトはエリザベートに心を寄せたまま、結婚したエリザベートが幸せになることを遠くで祈る。エリザベートは彼を心の中では愛しながら、追わない。菜乃なら…本当に、追いかけていた?心葉の幸せを、誰よりも祈っているのに。
菜乃が文学少女になりたくて、なきながら本を食べるところは本当に切なくて。遠子先輩は、心葉の心を持って行っていまったのかな。「見習い」を読んでいると、現金だけれど菜乃を応援したくなる。菜乃は、遠子先輩に、似てる。
「怪物」は、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』に準えたストーリー。元ネタは読んでいないのですが、ホラーだと思っていたら、こんなに秘めたる想いが詰まった本だったのですね。怪物を作ってしまった博士。家族を殺され、彼は自らも怪物になったのか。一人怪物を追うと決めた時、もし隣に誰かが居てくれたなら…。
だからこの、心葉が付け加えた台詞が素敵。一人じゃ、ないよ。一緒の道を歩く友がいるから。
心葉が、菜乃が一歩ずつ、歩き初めて。二人はどうなるのかな。最終巻も切ない予感。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ源氏物語を元にしたラノベなので、当然出てくるロリキャラ「若紫」が、シリーズ三巻にして、満を持して登場。しかも破壊力抜群のツンデレぶり。小学四年生が美人局…。やっぱり家庭がなく、親の愛に餓えているのは、いつもの野村美月。紫織子が久世の娘な所はなんとなく読めてましたが、久世逮捕に裏で手を回していたのが朝ちゃんとは、読めませんでした。
あ、自宅に引き取るとことまで「原作」を踏襲したんですな。今きがつきました。
ヒカルの死は女の恨みじゃなくて、後継者争いのとばっちり??
ひいなのお兄ちゃんって?
葵ちゃん、まさかまさか、ライバルの前で告白!
シリーズ全体も広がっていきますね。 -
Posted by ブクログ
2011年度ノベル大賞受賞者のデビュー文庫。
雑誌cobaltは毎号買っているのですが、内容を読むまではいってなくて。
なので受賞作はまだ読んでいません。
基本的にコバルトの受賞作家さんのデビュー文庫は買うことにしていまして。
この「ロスト・グレイの静かな夜明け」は表紙イラストと裏表紙のあらすじを読んでわくわくしていました。
最近、少年向けラノベを重点的に読んでいたせいか、少女向けラノベの雰囲気がちょっと新鮮でした。
プロローグを読んで、舞台は現代なのかな? と思っていたのですが、読み進めていくうちに違うかも? と思うようになって。
「霧の壁」の向こう側には「死者の世界」があり、心残りを抱えて亡くなった者がたどり着くらしくて。
主人公・アズサはデパート火災に巻き込まれ、15歳で亡くなってしまった女の子。
両親が「霧の壁」の向こう側を信じて「水葬」で送り出し、両親の願いどおりアズサは「霧の壁」の向こう側で目を覚ましたのです。
スピード感あふれる戦闘とか、そういうのはないけれど、なんだかゆったりとした雰囲気に惹きこまれてしまいました。
ああ、そういえば地の文が一人称の作品を読むのもひさしぶりですね。
なんというか私小説を読んでいるような、そんな感じの作品でした。
いやあ……本当に新鮮。
アズサが出会い、つないでいく絆がひとつの物語となっていく様はすごいなあ、と。
流浪の料理人・サムシィの男前っぷりに惚れぼれします。
女性なんですが、サムシィ。
それにしても「霧の壁」を越えることができる人は煙に巻かれて死亡、が共通点なのでしょうか?
アズサもそうですし、他の人たちもそうだったし。
ただの偶然?
あとハイアットのお師匠さまはあれですね。
確かにサムシィさんと気が合いそうですね。
いや、もしかしたら犬猿の仲だったりするのか?
――なんてことを考えながらラスト方面を読んでいました。
おもしろかったです。