竹岡美穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2010.12
『ファージョンにとっては、空想は現実で、
現実もまた空想で、その境は本当に曖昧で、
息をするくらい自在に、楽々と、行き来できるものだったんじゃないかしら。』
遠子先輩は花のように笑いそう言った。
きっと遠子先輩にとっての物語の世界に浸ることもまた自在なことなのだろう。何事にも一生懸命な彼女だから…
ある朝、ふと顔を上げると彼女はリボンを片手に木にしがみついていた。
誰にも見られず校内の木にリボンを結ぶと願いが叶うらしい。最近噂になっているおまじないだ。この現状をあんなしどろもどろな言い訳で誤魔化そうとしているらしい。まったく…
今日も僕は先輩のためにおやつを書いている。
先 -
Posted by ブクログ
灰色名詠を巡る一連の騒動の決着回
前回、昏睡するクルーエルを『眠りの森の美女』みたいだと思ったけれど、
本当に『眠りの森の美女』になるとは思わなかった!(笑)
いや、実に王道な展開。
途中でほとんど展開は読めた。
にもかかわらず、その感動は損なわれない。
いや、むしろ、期待した場面がその通り実現した時の感動は、
これぞ、王道と言いたくなる。
まだわからない謎や、よく納得できない場面はあるけれど、
それはもう、どうでもいいや(笑)
やっぱり、いい!
ただ少しおしいと思うのは、
盛り上がる場面で話が別の場所に移ってしまって、
盛り上がりに間が空いてしまうこと。
もっと、畳み掛けるような書き -
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Posted by ブクログ
文学少女「見習い」シリーズの完結作。最後にふさわしい最高の出来だった。作品単体での物語・構成もシリーズ屈指の完成度だし、それと併せて、主人公である菜乃の成長も十分に描ききっている。
個人的に気に入っているのは、心葉の成長については敢えて心理描写を行わず、あくまで菜乃の視点から客観的に表現することに徹したところ。遠子さんから受け取った想いを糧に、自分の足で歩んでいけるようになった心葉の姿をうまく表現出来ていたと思う。
あと見習いシリーズは、本編と比べてレギュラーで登場するキャラのメンヘラ表現が抑えられているのもよかった。
巻末に次期シリーズの予告もあり、「文学少女」がまだ終わらないことがわか -
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Posted by ブクログ
文学少女シリーズは、読み終えるたびに感動しますが、
今回一番感動凄かったかも…いや他の本読み直したら同じこと
言いそうなんだけど、素晴らしかったぁぁぁぁ!!
特に参ったのは、「穢名の天使」の夕歌ちゃんの可愛さ。
今回のサブタイは「穢れなき歌姫」なのも良い
口絵で期待してましたが、あまりの可愛さに感動しました。
でも、「天使」で…うわぁぁぁぁぁん…
彼女を継ぐ?とも言える歌姫、晴音ちゃんも可愛い。
あいまいな「マリちゃん」との顛末も泣けます。
今回は、ななせたんがほぼ出てこない(夕歌ちゃんの電話相手ぐらい)
からか、新キャラでツンデレ娘が大暴れ。
そんなツンデレ娘も、葛藤を抱えて大人になっ -
Posted by ブクログ
なぜ、こうも菜乃を応援したくなるのか。
もちろん、木葉は遠子と結ばれるべきだし、周囲の登場人物も、そう思っている。
もちろん読者にも「木葉と遠子の関係に割り込む女?許せない!認めない!」と思う人はいるだろう。
菜乃の味方は、作中にも、作外にも(?)少ない。
しかし、読んでいるうちに、「文学少女」に似て非なる少女・菜乃を応援せずにはいられなくなるのだ。
それは、どんなに菜乃が努力したところで木葉の気持ちは変わることはないという安心感もあるせいなのかもしれないが、菜乃の素直でひたむきな性格が、そういう気持ちを起こさせるのだろう。
アンチ菜乃の「文学少女」ファンの人、だまされたつもりで読んで -