千葉敏生のレビュー一覧
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分析よりも意思決定のプロセスの方が6倍も重要。
バイアスを弱める4つの方法
1.選択肢を広げる(Widen)。視野の狭窄によって選択肢を見逃してしまうのを防ぐ
今ある選択肢に集中している間は、他の選択肢には気が付かない。「~べきか否か」形式の意思決定は52%が失敗している。選択肢が2つ以上ある意思決定は32%しか失敗していない。機会費用とは、ある意思決定をした際に断念しなければならないものを指す。同じ時間とお金で手に入れることができる次善のものを考える。自分の成功事例を意思決定のプレイリストとして記録すると、新しいアイディアが刺激される。
2.仮説の現実性を確かめる(Reality)。確証バイアスによって都合の良い情報ばかりを集めてしまうのを防ぐ
反証的な質問をする。自分と同じ状況では、一般的にどんな事が起きているかを確認する(外部の視点)。小さな実験を行って仮説を検証する(ウーチング)。
3.決断の前に距離を置く(Attain)。一時的な感情によって間違った選択をするのを防ぐ
現在の感情だけでなく、未来の感情についても考える。当事者の気持ちで考えるよりも、他人にアドバイスするときの方が最重要な要因に注目しやすくなり、選択は明白になる。目の前の用事(最も鮮明で切羽詰まった状況)が私たちの注目を常に独占してしまう問題がある。核となる優先事項を見つけて明文化する。
4.誤りに備える(Prepare)。予測を信頼しすぎることを防ぐ
計画の各段階で発生しうる不具合を特定し、その一つ一つについて、失敗の確率とその影響の大きさを考える。それぞれに1から10の点数を割り当て、2つの値を掛けたものが最大の項目に注意を払う。アラームや期限を設定する。小分けにする。 -
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ネタバレロシアのプーチン大統領がなぜウクライナを侵攻したのか?その理由の一端を説明している本。
しかし、プーチン大統領個人を分析するだけでは、現在のロシアの行動をすべて説明はできまい。実際には、ロシアがいくら独裁国家といえど、プーチン大統領個人だけで重要な政策決定を勝手に下せるとは思えないので、この本だけでウクライナ侵攻含めたロシアの行動の背景すべては説明できないだろう。
だからといって、最高権力者である大統領の頭の中を理解することの重要性はもちろん薄れない。
筆者はハーバード大で博士号を取得する程の明晰な頭脳を持つ、フィオナ・ヒル女史。本書の刊行は2024年2月24日以前のことである。今回の侵攻も踏まえた続編の刊行が楽しみである。 -
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ゲーデルとアインシュタインのエピソードが面白い。
数学的対象が実在するかどうかについては断片的に書かれすぎてていまいち頭に残らない向きもある。海中で生きるクラゲのように外界から連続的な刺激しか受けない生き物に離散的な自然数の概念が生じうるか?という問題は一考の価値がある。ただ、人間が感覚する外界も突き詰めれば連続的なものしかないのでは? 前景と背景を区別する境界を認知して1つ2つと離散的に対象を数えられる能力は自明ではなく、そんな能力が自然に発生しうるのは何故かと考えると、やはり自然数は何らかの意味で自然にあるんじゃないかとも思えてくる。 -
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多くの具体的事例を挙げ、反脆弱性の持つ強みを様々な角度から述べている。一言で表現するのはのは難しいが、何となく全体を通じて受け取ったメッセージは「将来において絶対なんてものは絶対ない」ということだろうか。
時には失敗もするし、不運にも遭うだろうし、しかし時には受け流しつつ、また時にはその経験から学び以前よりも強く成長する、といった臨機応変さや柔軟な思考が大切であることを理解した。
著者の軽妙な語り口が個人的には読みやすく、また分野を問わず豊富な知識には驚かされる。
一点もし要望するとすれば、全体としてもう少しコンパクトにできるかも?という部分。
多数の事例は理解が深め易い一方で、冗長感も出てしまうのでその点だけわずかに気になった。
他の著書も興味が湧くものが多いのでぜひ読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ハードウェアの中身】
あらためて、私たちは無形のサービスではなく、物理的な資源やモノがあって初めて生活が成り立っているのだと考える。
この本の原題『Chip War: The Fight for the World's Most Critical Technology 』で、チップという形で人間が発明した半導体という技術作品が、いかに私たちの生活品の中に組み込まれていて、その半導体の技術の発展と普及が、地政学的な展開上に成り立っていることを示している。
例えば今現在私たちが使用しているスマートフォンの製造には、様々な国をまたぐサプライチェーンから成り立っていることは、「グローバル化」についての授業などでよく聞く話だけれど、
今回提示されているのは、半導体を必須とするこれらの生活用品は、東アジア、とくに台湾への依存が進んでいるということ。
一つの機器の製造が複雑化する分、サプライチェーンはグローバル化しつつも、中核となる部品においては、多角化ではなく一点集中、競争からの独占、といった現象が生じていること。
これを、特に筆者の国、アメリカの視点から、安全保障上のリスクとして警鐘を鳴らしている。
20世紀半ば、シリコンバレーの創設者とされる人々の手により発明されたこの技術は、当時の冷戦を背景に、一時は国防のための技術としても発展してきた。
半導体チップのチップ当たりのトランジスタ集積密度の指数関数的な増加を予測する「ムーアの法則」という言葉を生み出したのも、当時のシリコンバレー創設者たちであった。
その予測を実現する形で、今日私たちが使っている半導体チップは1平方センチメートル当たり100億個のトランジスタを搭載するものとなっていると知る。
つまり、半導体チップの微細化がムーアの法則に従って進んできた。
本書では、その過程で突破口を見出してきた個々人について、そして国家間の関係性の移り変わりについて、具体的な人物を紹介しながら論じられている。
当初は、アメリカとソ連間で繰り広げられた戦争は、
今日、米中間に主戦地を移している。
半導体サプライチェーンが、台湾という地政学的な要所を核として武器化していること、
これは米中関係にとどまらず、世界の国際秩序を揺るがすリスクを含んでいるものであり、日本は最も高リスクな関係上に位置していると考えざるを得ない。
インターネットやソフトな技術が注目されてきたIT革命だけれど、半導体の今を知ることで、本当に現実主義的な国際関係が見えてくる。
だからと言って自分に何ができるかと問われると答えられないけれど、
日々使っている技術が、常にあるものとは限らないこと、国際関係のバランスゲームは、私たちの普段の生活を簡単に揺るがしかねないものであることを教えてくれる -
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20世紀は石油資源を争い世界大戦となったが、21世紀は「半導体」が戦争に関連し戦争には最先端半導体が鍵となる。 地政学にも半導体は多いに関係する、台湾だ。アメリカをリーダーとする西側諸国はオフショアリングとフレンドショアリングにより友好国が半導体産業の肝を握っている。超大国となりつつある中国の台頭にアメリカは中国に対して半導体輸出規制を友好国でしHUAWEIを弱体化させ一歩先に速く行く戦略を取るが。中国は軍事力でも力を付け台湾海峡を制圧出来る力は有にある、中国は台湾のTSMCが欲しいのだ。
それが近年囁かれる一つの中国を肝にした、台湾侵攻の可能性。付け焼き刃の技術力では身に付かない先端半導体技術を中国が得られば中国は超大国アメリカに肩を並べて越す可能性が出てくる。 ロシアはウクライナに侵攻した、可能性はゼロではない。
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1 どんな本?
「変えたくても変えられない人達」に向けて、
個人、組織、社会を変える実践的なコツが紹介さ
れている本。理性、感情、環境を象使い、象、道
筋に例えて、この三つを整えると思うより簡単に
変化を引き起こせると説いている。
2 なんで読んだの?
(1) 意見を言う時の参考したいから。
(2) 組織的な習慣を変える方法を学びたい。
(3) 読後自分を変える取り組みが出来る状態にな
りたい。
3 構 成
全3パート11章構成352頁
変化の三つの意外な事実から始まり、「変化の過
程にはパターンがあるが、変化を引き起こす人々
に決まったパターンは無い。」と終わる。
1パート目は理性に訴えかけるコツを、2パート
目では感情に訴えかけるコツを、3パート目では
環 境を整えるコツを紹介する構成。
4 著者の問題提起
変化を引き起こすのは無理だと思っていませ
んか?変化の阻害要因は他人だと思ってません
か?
5 命題に至った理由
著者の取材、研究、考察から。
6 著者の解
人間が行動を変えるのは環境が要因であること
が多い。変化を引き起こすパターンは理性、感情
、環境の三つのフレームに当てはまる。
7 重要な語句・文
(1) ブライトスポット
全体の中で上手く行ってる少数のパターン。
(2) 大事な一歩の台本
具体的な行動の一手目
(3) 目的地の絵葉書
具体的なビジョン(感情に訴える。)
(4) 変化を細かくする。
自他に要求する変化は細かくして抵抗を極限
させる。
(5) アイデンティティに訴える。
(6) しなやかマインドセット
(7) 人では無く環境を変える。
物の配置、A41枚配布、システム
(8) 環境を変える。
アクショントリガー、変化を楽にする習慣を
生み出す。(起立会議、1日2杯のスープ)
(9) 仲間を集める
物理的スペースと機会の用意
(10) 変化を継続する。
報酬の継続、褒めることの継続
8 感 想
読み物として単純に面白かった。
刺さったのはしなやかマインドセット。失敗を
想定した計画が必須。変更や阻害要因は絶対に現
れる。向かうゴールは変わらないと言う意識が必
要。
深く知りたい事は環境の変え方。考え無くても
行動できる環境が大事。(紙に行動を明記、物の
配置を変える、仕組みを変える。)目的に沿った
習慣形成が出来る環境作りが出来たらより良い。
人に勧めるならブライトスポット。何故か上手
く行っている部分の原因を分析、普及すれば全体
を良くする事ができる。
ビジュアル要素は無し(絵とか図とか)
タイトルのスイッチの通り「切り替える事」
を説く本だった。
9 TODO
(1) アクショントリガーで習慣を一つ形成する。
手帳に時間と箇所を記入して毎日一箇所1分
以上片付ける作業をする。
(2) 各種目標の具体的な行動の一手目を手帳と
ビジョンボードに書く。
(3) 目的地の絵葉書を書く。
目標達成した状態とメリットと達成した時
の感情を手帳とビジョンボードに書く。
(4) 週、月、年の振り返りでブライトスポットを
分析して書き出す。それを目標に反映する。
10 問 い
出来る人と出来ない人の違いは?
11 答 え
人間の性能は皆同じ。違うのは環境。
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ネタバレ「全てのものにデザインがある」ということは、私たちはデザインに取り囲まれて生きている。
良いデザインもあれば、イライラする悪いデザインもある。
この本で「良いデザインとは?」について考察を重ねる。
よいデザイナーは、文脈を十分に理解できるよう、どのプロジェクトでも必ず次のふたつの疑問を投げかける。
①何を改善しようとしているのか?
②誰のためにそれを改善しようとしているのか?
誠実なデザイナーなら、真のニーズを理解するためには、顧客の声に耳を傾けたり、顧客の仕事の様子を静かに観察したり、初期段階のデザインのプロトタイプをテストしたりすることに、それなりの時間をかけなければならないと知っている。
しかし一方、上記のように使い勝手の良いデザインだからといって、普及するわけではない。例えば導入コストがかかるので採用されるとは限らない。「自分のアイデアに資金を提供してもらえるよう、誰かを説得することが欠かせなかったのだ。」
またはシステム上の問題で「醜い」デザインが生まれている場合もあるので、良いデザインに改善したとしてもまた別の問題が浮上してくる場合もある。
「次回、どこかで残念なデザインを見かけたら、どういう経緯でそれが生まれたのかを考えてほしい。私たちが体験するデザインは、デザイナーが対処しなければならないビジネス、組織、エンジニアリングの課題全体から見れば、氷山の一角にすぎないのだから。」
・デザイナーが直面した隠れた制約は?
・デザイナーの選択に影響を与えた技術、組織、予算の制約は?
・デザイナーが行ったトレードオフは?
・あなたはユーザー?顧客?それともその両方?
・デザイナーは他にどんなユーザーや顧客のためにそれをデザインしたのだろう?
・今日あなたが利用したほかの物事の中で、見事なデザインのおかげで気にも留めなかったものはないだろうか?
ヘンリー・ドレフュスは20世紀中盤のプロダクトデザイン界の伝説的人物。彼はプロトタイプをつくり、自身のループの中で使い、顧客のところへ持っていって、どこに問題があるかを調べるべきだと説いた。また彼は顧客の体験を直接学ぶべきだとも述べている。
価値とトレードオフ
シンプルで洗練されているデザインだからといって、そのユーザーにとって価値のあるデザインとは限らない。
デザインとは流れである。
・連続性
・発見性
・一貫性
・明瞭性
うまくできたつまり「良いデザイン」でも倫理的に問題があるものもある。苦痛の体験に特化した拷問器具や依存性を高めるスロットマシーンなどは良いデザインではなく最悪なデザインである。
見方を変える
あなたの世界を改善するためのデザイン・チェックリスト
四つの疑問
①何を改善しようとしているのか?
②誰のためにそれを改善しようとしているのか?
③どうやって成功を実現するのか?
④現在または将来、あなたのデザインによって害をこうむるかもしれない人は?
あなたの身の回りにある物事に対して問うべきこと
・それは何を改善しようとしていたのか?
・それは誰のために改善しようとしていたのか?
・改善にどれくらい成功したか?
・その欠点を生んだ隠れた制約は?
・その決定を下した権力者は?
・その対価を払ったのは?
・人間優先、技術優先、組織優先のどれに当てはまるか?
・そのスタイルがあなたに伝えているメッセージは?包摂または排除されている人は?
・そのデザインはどんなシステムの一部か?
・自然界や別の文化に、その問題のより効果的な解決策はあるか?
・そのデザインは流れを生み出すのか、対立を生み出すのか?
・そのデザインが成功した場合に生じる新たな問題は?
・あなたはこうした問題にどう対処するつもりなのか?(迷いがある場合は、誰かと話し合おう)
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数式を使わずに、数学とは何かを歴史から掘り起こして説明している。文系頭には最高の数学説明書。数学は発見か発明か、というのが背後にある大きな命題。発見であるということは、もともと自然の中にある規則的なものを数学という形で表すことができることを「発見」したという意味。逆に発明であるということは、ヒトの頭が数学を作り出した、という意味。神は発見か発明か、という問いと同じだ。神が自らの想像で人間を作ったのか、人間が自らの想像で神を発明したのか。
アルキメデスやピタゴラス、ガリレオ、ニュートン、ラプラスなど、数学が得意でない私でも一応は知っている人々の話を通して、カオスや非ユークリッド幾何学、ひも理論まで分かりやすく記述されていて、素直に面白かった。 -
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ネタバレ『ビジョンとともに働くということ』(山口周 中川淳)で【ソマティック・マーカー】を知り、その関連書を読みたいと思って手に取った『ダマシオ教授の 教養としての「意識」 機械が到達できない最後の人間性』(アントニオ・ダマシオ)。
ソマティック・マーカーというのは、本書著者が出した《意思決定において情動的な身体反応が重要な信号を提供するという仮説》であり、
簡単に言えば、《人が何かを実行しようと思った時の判断には、身体感覚や感情が不可欠》というものです。
「え、大事な事を体の感覚と感情で決めちゃっていいの」と思いますが、
過去の経験によって生まれた情動(身体感覚)・感情を記憶する部分である眼窩前頭皮質が除去された事で、
今まで通りの行動ができなくなくなり、同じミスを繰り返したり、意思決定ができなくなったりした事例があったそうです。
今回の本では、その感情を出す人の意識はどのようにして作られているかが書かれており、
❶ホメオスタシス(体外環境が変化しても体内の環境を保つために内分泌系、自律神経系、免疫系などに変化が起きる機能)由来の感情。
[ホメオスタシスの例]
暑い時、体温を下げるために汗をかく。
寒い時、体温を上げるために体を震えさせる。…etc。
❷情動的感情(記憶から呼び戻された今この瞬間の私、最近の私、遠い昔の私についての知識)
の2つで出来上がってるとの事で、
答えを出すのが難しい物事を「疑問には答えがあるし、難問は解ける」とずっと研究し続けるダマシオさんって、すっごいチャレンジャーだなって思いました。
「私たちの感情や近くの客体と主体な同じ生物の内部に共存するので「相互作用が可能になる」と読んだ時には、
《大笑いする事を続けたらガン細胞が減った話》や『マカン・マラン』(古内一絵)の《満たされない気持ちより先にお腹を先に満たして気持ちを整理する話》を思い出しましたし、
体と気持ちは繋がってるから体にとって良い事をしないと、
気持ちの面に表れるんだと思った1冊でした。