千葉敏生のレビュー一覧
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長らく経済学の基本原則とされてきた「効率的市場仮説」。ホモ・エコノミクスとしての人間は、最も効率の良い方法で選択し、意思決定すると言うのもであるが、最後通牒ゲームやなどの結果やボランティアの行動が示すように、必ずしも効率的とな言えない面も多々あり、この原則が通用しないことも多い。これに代わる新たな原則として提案されたのが本書であり、過去の株式・債権取引等の実績、リーマンショックなどのブラックスワン的事例などを説明できるものとして語られている。確かに、人間と言っても動物のすることだから、進化論的・随時適応的な行動を原則とする考え方は理解できる。太刀川さんの進化思考にも共通する、納得できる説明が多
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ネタバレ人間の問題ではなく環境の問題であることが多い=環境を変えれば人を変えなくてもうまくいく。
感情は象、理性は象使い。
セルフコントロールは消耗資源。筋肉と同じ。怠けているのではなく、疲れ切っているだけ。
象使いだけでは、方向は決定できない。象にも訴える必要がある。象は、戸惑っているだけ。
象使いに方向を教え、象にやる気を起こさせ、道筋を定める、ことが行動を変える方法。
象使いに方向を教える
象使いは考えられるが、空回りする=分析麻痺。
うまくいかない原因を考えるのではなく、うまく行っている方法に着目する=解決志向。何が旨く行っていて、それを広めるにはどうすればいいか。ブライトスポットを探す -
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クリエイティビティを妨げる「恐怖」について知る。
恐怖を克服するためのマインドセット
1. 人と比べない
2.次のステップをぎりぎり実施可能な範囲に定める
3.失敗が当たり前の事だと知る→ゲームだと捉えテスト、実験を繰り返す
勇気とは、小さなステップの積み重ねにすぎない。
唯一の正解がない問題に直面した時、焦って判断を下そうとせず大きく網を張る。
0.着想→創造的体験を積極的に求める、見知らぬ環境に飛び込む
1.共感→他人(エンドユーザー)の観察、理解
2.統合(意味づけ)→パターン、テーマを見つけ、実現可能なフレームワークや原則に落とし込む
3.アイデア創造と実験→アイデアを素早くラフな形 -
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「ブラックスワン」のタレブさんの著書。できるだけ堅牢なシステムを作ろうとしたり、安全神話を信じてしまうことが多いが、「想定外=ブラックスワン」のことが起こると、予想以上の被害(あるいは利益)が発生することがある。これに対抗する唯一の術が「脆弱性」であるという説。毎年軽い風邪にかかった方が深刻な伝染病にかかりにくいとか、多少のプレッシャーやストレスがあった方が成長しやすいとか、日常にもこういった脆弱性を活用する「反脆弱性」のメリットが多いということ。言い換えると、変化を好むことこそが安定につながるということで、大企業とスタートアップの関係にも似る点が多く、参考になる。
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ボクサーの村田諒太さんが雑誌でチラッと話題に出していて気になった本書。(ただのファン)
著者は、世界的なイノベーション・デザインコンサル会社創始者の仲良し兄弟。仕事、日常でクリエイティブを発揮するための心構えとヒントが惜しみなくぎゅぎゅっと。
・とにかく、恐れずに自分の力を活かすことだけを信じて、挑戦、失敗、行動する回数を増やすこと。
・最も大切なエンドユーザーへの共感とは何か?を様々な角度から解説
・問題の枠組みを捉え直すテクニック
目新しい情報はそこまでなくとも、良い事例や組織の変え方、ワークショップ内容など具体的なアプローチ方法が満載だった。個人的にも、仕事で直面している課題へ活 -
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「どうせ変わらない」と思ったことは誰にでもあるだろう。「どうせ社会は変わらない」のような壮大な諦めではない。ダイエットや禁酒、運動といった自分のことですら何度も失敗した経験のある人がほとんどだろう。『スイッチ!』は自分と周りを変えるための知見を紹介する一冊である。
表紙に描かれている象を見ればピンと来る人もいるかもしれないが、この象は本能(システム1)と理性(システム2)についてのジョナサン・ハイトの比喩に由来している。心理学の再現性危機が叫ばれる昨今であるが、二重過程理論自体は否定されるべきものではないだろう。
本書の主張は以下の二つに集約される。
象使い=理性は消耗する。象=本能に訴 -
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意思決定の質を上げるには?に答える1冊。
スタンフォードのビジネススクールの教授&デューク大学シニアフェローの兄弟(凄いな…)による、全米ベストセラーになった著書だそうで、明日からの仕事に役立てられそうな良著でした。
例えば、「人生で『AかBか』と迷ったら、答えは『両方』かもしれないと考えるずうずうしさが必要だ。」というのは名言だと思います。
そもそもの「AかBか」で問うているコト自体が選択肢を狭めてしまっている…という訳で、本著の副題「正解を導く4つのプロセス」の1つ目が、「選択肢を広げる」というコトなのです。
ちなみに4つのプロセスは、
W:選択肢を広げる
R:仮説の現実性を確かめる
A -
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ファイナンスを学ぶ際に、空気のような存在として当然に前提とされる効率的市場仮説に対抗する理論として唱えられた適応的市場仮説。この本を手に取るまでは恥ずかしながら全く知らなかったのだが、進化論的観点からホモ・エコノミクスを捉える切り口は明快且つ納得感がある。
一方で、金融市場とはこうである、という明示的な答えが示されているものではないので、各論は面白いものの読後感がすごくいい本でもない。また、規制に関する論考はどことなく筆者にも答えが出ていないような歯切れの悪さを感じた(私が筆者の主張を理解できるだけの能力がないだけかもしれないが)。各論の面白さを以てして充分に評価できるので、星は4つ。
ア -
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決定力、仕事していく中で差し迫る決断力を高めることだけを期した内容ではなく、
生活していく中で、何をどうするのかを選ぶ際の失敗を限りなく減らすノウハウが記されている。
街で見かけた品物を欲しくなった際のどうするかの決定力、連れ添う二人の間に生じた問題発生でどうするかの決定力、はたまた決定することができずに先延ばししていたことにも決定をくだすこともできるノウハウ。
出した答えに後々考えると、なぜあの2択しかなかったのかと後悔したり、納得していなかったり、そして答えを出せずに先延ばしている案件もあったりと、どうも決定することが得意でない自分にとって最適な内容であった。
いたってシンプル。WRAP、