千葉敏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クリス・ミラーの『半導体戦争』を読んで、私の世界の見方がガラリと変わりました。
そもそも私は「半導体って何?」というレベルからのスタートだったのですが、この本のおかげで、その歴史や経済、そして世界の安全保障にどれほど深く関わっているかを学ぶことができました。小さなチップの裏側には、天才的な研究者たちが血の滲むような努力で積み上げてきた、気が遠くなるような知恵の結晶が詰まっています。
特にハッとさせられたのは、製造を海外に任せる「オフショアリング」が進んだことで、かえって世界中に複雑なリスクが生まれてしまったこと。
そして、最先端の技術をめぐって大国が激しく火花を散らしている現状です。今のウクライナとロシアの戦争を見てもわかるように、これからの戦争にAIは絶対に切り離せない時代に入っています。最先端の半導体を勝ち取ることこそが、国の命運を分けるのだと知りました。
AIの登場は、私たちの暮らしを劇的に便利にしてくれる一方で、人を傷つける恐ろしい武器も生み出してしまいます。これほど便利なものを扱うからこそ、今、私たち「人間の資質」が厳しく問われているのだと感じます。
現実問題として、この世界から戦争を完全になくすことは難しいのかもしれません。だとしたら、私たちはただ目を背けるのではなく、危機感を持って世界の仕組みを正しく知ることから始めるしかないのだと思います。激動の時代を生き抜くために、半導体という「世界の中心」で起きていることを学ぶのは、現代を生きる私たちにとって、とても大切なことなのだと痛感しました。 -
Posted by ブクログ
登場人物も多く、FXスワップや飲み会祭りの仕事内容なのに、何故こんなにも面白いのか。
まるで自身がシティバンクのインターンから成り上がるまでの追体験をしているような書き口になっている。
この著者は最終的にこの資本主義社会が格差を助長する構造になっていることの問題を伝えたかったんだと思う。YouTubeでも格差の是正について話しているし、大企業の世界に踏み入ったことある人なら、一度は感じたことがあるだろう。
勝者と敗者、それは構造によってだけでなく本人の努力、運、その他膨大なパラメータによって決まるので、一概に資本主義が悪いとも言えないと思うが、格差問題は今や世界的に同時進行している。
私は、格差問題を是正するよりも勝者側に回ることを優先してもいいと思うが、どうなのだろうか。 -
Posted by ブクログ
⚫︎感想
タレブは、この著書自体で「反脆弱性」を体現している。意図してやっている。
この本は生きる勇気を与えてくれる。
頭の中に、常に反脆弱性を飼えば、
どんなときでも期待を持って生きられる。
脆弱の反対は頑強ではなく、「反脆弱」。
頑強(打たれ強い)とは全く異なる。
ランダム性や不確実性の打撃で
以前よりも強くなるのだ。
これは自然界にも、どこにでもみられる現象である、とタレブは語る。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
世界騒然の大ベストセラー!
『ブラック・スワン』のタレブ最高傑作!!
経済、金融から、人生、そして愛まで――。
この不確実な世界で私たちがいかに生きるべきか、
すべてに使える思考のものさし
「脆弱/頑健/反脆弱」をもとに解き明かす。
◆「万に一つ」が、明日来るーー。
世界最高の「知の巨人」が放つ最強の啓蒙書、ついに上陸
リーマン・ショック、アラブの春、
地震と津波、そして原発事故……。
昨日までは「ありえない」「絶対ない」と言われた事象が
今日、現実のものとなる不確実な世界。
ではどうすれば、ビジネスから、政治、医療、生活全般まで、
ランダムで、予測不能で、不透明で、物事を完璧に理解できない状況でも、
不確実性を味方につけ、したたかに生き延びていくことができるのだろう。
サブプライムローンに端を発する金融危機を喝破し、
ベストセラー『ブラック・スワン』で全世界に衝撃を与えてから10年。
世界最高の哲人タレブがついに見つけた「答え」、
それこそが、「反脆弱性(はんぜいじゃくせい)」だ。
「三つ組(トライアド)」で構成されるこの新しい「知」の本質を理解したとき、
あなたは不確実な環境にあっても、予測に頼らずに意思決定することができるだろう。 -
Posted by ブクログ
傑作としか言いようが無い、素晴らしい書籍。
半導体の始まりを形作った偉大な米国人が、日本の台頭に振り回されながらも、やがて復活を果たすまでの栄枯盛衰の話。今では考えられないですが、当時、ソニー盛田さんと石原慎太郎さんが日本が世界を牛耳る的な米国を挑発する書籍を共著で出して、米国に波紋を広げたという話は面白かったです。その後湾岸戦争、ソ連崩壊、日本のバブル崩壊で、米国一強体制になったものの、その後慢心した米国を横目に、韓国と台湾がモノづくり革命の中心地となるというのも、今にもつながってますよね。最後にファーウェイへの経済制裁で苦しみながらもそれを逆境にして挑戦し這い上がった中国が、TSMC有する台湾を力づくで取得するかどうかの地政学リスクの話も。
半導体は大国間の攻防という文脈で語られる事が多いものの、やっぱり半導体と言えども、根本はものづくり作りなんですよね。いかにコストを抑えるか、どこで作るか、誰に売るか、みたいな。そういう飽くなき探究心と野望を持った男達の泥臭い話もふんだんに盛り込まれていて、感動的でもありましたね。
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。資本主義や金融のような大きなシステムに対する違和感、それに無意識的に従属することで大金を得ながら、人間性や人生の目的を持たない会社人への違和感が、描かれていた。
その違和感は怒りやカラダの不調となって、筆者に現れており、それに耐えきれなくなったために会社を辞めることになる半生が描かれている。
きっと筆者は、「本質的なこと、真っ当なこと、自分の納得できる目的に向かって、まっすぐに自分の知識や時間を投入することで価値を出したい!」と考えるような正義感の塊なんだと思う。そこに強く共感したし、好感を持てた。
Youtubeも観たが、そのキャラクタそのままのイメージだった。真っ当だからこそ、変な環境下で少々おかしくなってしまっただけなのだ。
Netflixでの映画化を期待したい。