あらすじ
世界は、インフレの恐怖を忘れてしまった――。欧州最大の銀行HSBCの上級経済顧問による、おカネの価値が減り続ける時代の経済サバイバルガイド。政府のインフレ容認は「絶望」の始まり? インフレが生み出す「勝ち組」「負け組」の特徴とは? インフレの謎がすべて解ける!
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Posted by ブクログ
僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない…
インフレって、遠い世界のことみたいに思ってたけど、じわじわ家計にもやってくる“見えないお化け”みたいですよね。結局、何を守ればいいのか、まだ誰もちゃんとわかってないのかもしれません。
Posted by ブクログ
インフレ14ヵ条と次のステップ:持続的な物価安定が保証されない新時代?
1.貨幣は重要である
政策立案者たちは貨幣供給量の伸びが異常に加速する時期があることを知っておくべき
金融政策が物価上昇を許容すれば、インフレが持続する可能性は高くなる
2.人々の態度は中央銀行の政策と同じぐらい重要である
人々の信用を失う政策立案者たちは、貨幣供給量そのものが当初は猛烈なペースで増加していなくても、計り知れないインフレの被害を引き起こしかねな
3.インフレが永久に抑制されたと信じる人は、歴史を無視している
経済モデルは限定的な標本に基づき、近年の歴史に「適合」するように構築されているから
4.政府があえてインフレという手段に訴えることもある
インフレは債権者(貸手)が罰を受ける一方、債務者(借手)が得をするメカニズムである。どの経済でも最大の債務者の一つは政府であり、インフレは袋小路のような財務状況から抜け出す「魔法」の手段となりうる。(住宅ローンを負担している人が資産を気づくが、収入が増えないと意味ないかも)
金融政策だけではインフレを抑制するのは容易ではなく、財政政策で金融政策を支えてやる必要がある。
5.デフレリスクに対処するための制度改革は、意図せずインフレ圧力を高めてしまう恐れがある
量的緩和などの緊急金融対策は、政策決定分野の定番の特徴となり、将来的なインフレ率上昇の「早期警戒サイン」を発する国債市場の役割を弱めてしまったように見える。(ユーロの方が深刻)
6.民主的に選出された政府は、インフレの誘惑に逆らえない
中央銀行が独立性を持っていても、政府も財政政策をやらないと意味がない。
政府は紙幣を印刷できるので、増税や支出削減に代わる手段としてこれを使ってしまう。(貨幣の価値を下げる)
7.ひとたび根を下ろすと、インフレはこのうえなく、不公平で非民主的なプロセスになる
物価スライド制の恩恵を受けられるのは一部の人々だけで、残りの人々は何の保護も得られない
8.価格ショックから人々の所得や富を守ることは政治的に必要かもしれないが、それでインフレの問題が解決することはない
減税などの緩和措置よりも、インフレの根本原因に対処する方がはるかにマシである
9.ハイパーインフレのほうが、皮肉にも「緩やかな」インフレより抑制しやすい場面もある
圧倒的大多数の人々が対策を求めるので、やがては制度改革が必然のものになるため。結局は、歴史は中央銀行の独立性と財政支配の解消が欠かせない
10.「ルールに基づく」政策的枠組みは重要であり、人々は政策立案者たちがとりそうな対応を把握しておく必要がある
人々も予想がつくから
11.金融政策が財政政策を支配するべきであり(その逆ではなく)、政府は借入を賄うために「貨幣の印刷」に頼るべきではない
通貨の悪鋳とはつまるところ、王や女王が金貨や銀貨を保有する人々の負担で戦費を調達する手段に他ならない。
一方、金本位制は金融支配の一つの形であり、政府が気ままに借入れできないようにする歯止めだったが、現在はこれがなくなっている。
平時は赤字財政の穴埋めのためにお金を刷るという道を選べないようにしている。量的緩和は「裏口を通じた」財政支配の道を切り拓いてしまったかもしれない。
12.「経験則」は予想よりも重要である
13.政策立案者にとって、インフレの通り雨と長雨を区別するのはやさしくない
14.中央銀行は「4つの検証基準」を用いて、インフレが持続的な問題になる危険性が全体的に高いのかどうかを判断すべきである
(1)インフレ圧力を高めるような制度変更はあったか?
(2)インフレリスクの高まりを示すような過剰な通貨拡大の兆候はあるか?
(3)「タイムマシン」や「外的ショック」などの議論を通じて、インフレリスクの高まりが矮小化されているという証拠はないか?
(4)供給サイドの状況が悪化していないか?
・イングランド銀行(日本に似ている?)
インフレ目標2.0%に達しないため、減税で需要刺激
→国民はウクライナ戦争などでインフレに苦しんでいた
→マーケットでは財政悪化懸念から国債が売られる、金利上昇
→年金基金などは流動性の問題から売却する必要性・・・
・低金利が恒久的であるとは考えないこと
→国債の金利が上がってきたタイミングで問題が表面化する
・インフレ下での資産防衛における6つの格言
1.1つの国または通貨圏に投資しないこと。
インフレ抑制能力に乏しい国や通貨圏をうっかり選び、通貨変動リスクを高めてしまう可能性がある。
2.多くの投資家のように、株式はインフレに強いと思いこまないこと。
実際、1970年代のインフレでは違った。
3.今後インフレが無期限に続くという歴史の転換点に直面している可能性に備え、一定量の金を保有しておくこと
4.現金や銀行預金の利益率はマイナスなので、過度の警戒はジリ貧になるだけ、と肝に銘じること
5.実質利回りがマイナスの場合、資金を借り入れて不動産を購入し、次なるフーゴ―・シュティンネスになるチャンスがないか、じっくり考えること
6.アメリカ南北戦争後の証拠を逆用し、ユーロの未来に対して長期的な賭けをしてみるのも面白い。ユーロ圏中心部でインフレを発端とする政治的混乱の兆しが見えれば、北ヨーロッパの債券市場が高利回りの準通貨へと大化けする。
・財政政策(国家の支出)と金融政策(中央銀行の利上げ・利下げ)は、表面上は「独立している」と言いながらも、実際にはバートンとテイラーの熱烈で波乱万丈な結婚・離婚劇のように、お互いに強く依存し合い、時に経済(インフレ)をコントロール不能な泥沼に陥れてしまう
Posted by ブクログ
そうだよなーという感想。デフレからインフレに変わっても減税を支持し、そういう選挙公約が出てくる国のコンセンサスも少しずつ変わっていくといいなと思い、もっと流行っても良いのになーと思う。
Posted by ブクログ
HSBC顧問の方によるインフレの本。
政府は量的緩和の魔力に魅せられやすいが、その後の金利上昇で利払いが増えジワジワと財政が蝕まれていく。量的緩和政策は債券市場のアラート機能を低下させるというフレーズが怖い。
■資産防衛策
・一つの通貨に集中投資しない
・株はインフレに強いと思い込みしすぎない
・ゴールドの保有
・預金利益率はマイナス。過度な警戒はジリ貧
・不動産購入を考える
・ユーロ債が大化けする?
Posted by ブクログ
2025年1冊目。満足度★★★☆☆
翻訳自体がそれほど悪いとは思わないが、読んでも内容がすっと入ってこない
これは私の理解力不足なのだろうか
いずれにしても、金融経済の知識が一定ある人向け
Posted by ブクログ
長期にわたるデフレを経験する中で、日本人にはインフレに対する感度が十分に備わっていないのではないか。日本は政策的に持続的な2%の物価上昇を目指しており、2024年12月時点で、物価は継続的に上がり続けている。インフレに対して資産防衛する必要があり、その備えとして過去のインフレの状況や処方箋についての知識を蓄えておくことが有益。
(知っていたとて個人が取り得る対応は限られているだろうが…)
Posted by ブクログ
物価が上がるインフレと貨幣が下落するインフレ。
MV=PT交換方程式。トートロジー的方程式。
MMTが支持を集めたのはインフレが長く抑制されたから。財政支配を支持しているが、虚構の世界。
インフレの代償は表面化するまで時間がかかる。
マクロ経済刺激によって失業率を下げようとしても、インフレが加速するだけ=フィリップス曲線は幻想。
金融当局が財政を支配しないとインフレになるのは当然。
パンデミック、ウクライナ、ロックダウンによるサプライチェーンの毀損、によってインフレが起きた。だけなら戻る可能性もある。戦争の終結が物価の安定に繋がる。
巨大な政府支出がこの先、どこに収まるのか。
テイラールール=バックミラーを見ながら運転する=需給ギャップを指標にする。そもそも数値が曖昧。
予測ターゲッティング=新たなインフレ率と失業率を予測する。予測が正しいかわからない。
量的緩和によって、金利という早期警戒シグナルが消えた。
中央銀行が独立性を守るために、財政政策には文句をつけない傾向にある。
全般的いんふれにならなくても、資産価格インフレが起きる。
持続的なインフレは貨幣供給量の急激な伸びを伴う。
需給ギャップは、供給を固定して考えるが、供給が悪化することもある。需要だけ見ていてはインフレの芽を見損なう。
インフレの通り雨と長期的なインフレを見分けるのは困難。
ドイツ連銀=信頼の見本。
ボルガーのインフレファイターぶり。幸運もあったのでは。
Posted by ブクログ
内容はとにかく難しいけど、言わんとしていることはなんとなく。インフラを許容する国家の成れの果てはスーパーインフレに、国家破綻。どこかの国のようだ。
Posted by ブクログ
インフレの歴史で1番印象的なのはドイツのハイパーインフレ。低い金利で融資を得られた大企業は、まるで蜂蜜のツボが無限に手に入る熊みたいなもので大金持ちになった。強い外国通貨を担保にドイツマルクを借り入れできた人は巨額の補助金を受け取って利益を追求しているに等しい状態だった。シュティンネスの例。
預金という資産を何に変えるのかということが論点だが、マイナスの実質金利と急騰する名目所得の両方によって、住宅ローンが目減りしていくことを教えてくれている。
Posted by ブクログ
自分には難しいところもあったが、最後の14の教えの部分が分かりやすい。インフレとはなにか、どう対処すべきかが、ざっくりとわかる。もう少し背景までとなった場合、もう少し読み込む必要があるかも。