千葉敏生のレビュー一覧
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ネタバレ半導体の、短い歴史の濃密な物語を、足早に駆け抜ける。その様を雑だと当初は感じたが、読み終えて今、焦点がどこに定められていたかを知った今ではそう思わない。現在の世界情勢、具体的には米中摩擦を語るためだったのだ。
中国は半導体供給を台湾に大きく依存している。半導体製造は容易ではない。何千億ドルを投入して最先端を目指し、数年後に半導体製造を実現したとしても、そのときにはすでに最先端でなくなっている公算が非常に大きい。この投資に見合わないと競争をやめたかつてのメーカーは自前工場を持たず設計のみを行うファブレス企業へと転身した。半導体の能力の差が兵器の差になる。ロシアがウクライナで使用している兵器は無 -
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面白い。およそ500ページを読ませる読ませる。タイトルに全く偽りなく、半導体の世界は既に起こっている戦争と言っても良いのかもしれない。そしてそれは今を生きるすべての人に影響するし、本質的にそこに関わることのできる国家も企業もごく僅かしかいない(そして日本の影響力はゼロではないけど薄い)ことに驚かされる。
Intel ceoパット・ゲルシンガーの言葉として
「石油の埋蔵場所は神が決めた。だが、工場の建設場所はわれわれ自身で決められる」という言葉が引かれている。p450
とは言っても最先端の半導体を作るために必要な投資、それ以上に製造を行うための技術、進歩をリードするための開発投資を行うことの -
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MITの「メディアラボらしい」本でした。仮にこの本の著者がわからず読んでも、「メディアラボ」の人が書いたのでは?と思わせるような臭いを発していました。本書は通常の経済成長・経済発展理論の本とは全く異なり、経済学、物理学、情報学のような複数の分野にまたがる非常に興味深い視野を提供してくれています。あえて経済学との関係で言えば、ヒダルゴ氏も述べているように、産業連関表を確立した経済学者ワシリー・レオンチェフのエッセンスを持っていると言えるかもしれません。経済発展理論の正統派(ソロー、ローマー、ルーカスの流れ)は、マクロの集計値(GDP等)を使って経済成長を説明しようとしますが、レオンチェフの産業連
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デザイン・シンキングとIDEOを知っている人もそうでない人も、この本はmust readでしょう。中身を閲覧するまでもなく書店で購入しました。そして期待を裏切らずとても面白かった。分量はそこそこありますが(400ページ弱)、ケリー兄弟の明快な主張と、(これが最大良かったのですが)翻訳の上手さであっという間に読めました。
原題を見るとCreative Confidenceということで、たしかにこのキーワード(創造力に対する自信)はたびたび本書に登場します。そして人間は誰しもクリエイティブである、それを目覚めさせるためには自信をつけなければいけなくて、わかりやすい例えとして子供が初めて滑り台をす -
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結構ボリュームがあり、読みごたえがありました。
特に、第7章の仕事さがしの落とし穴については、求人や面接などについての記述、たいへん参考になりました。
夢の仕事はまず公開されない、職務記述書だけでは、採用に必要な条件はわからない、スキルとは前任者が持っていたスキルである
公募している条件とうまくフィットさせないと面談はこない、面接官はすべての経歴書をみない、キーワードで検索するだけ。
デザイン思考をつかって、よりよい人生を設計していこう、よい人生は1つではなくいくつもある、が結論とおもいました。
・ライフデンザインのマインドセットは5つ
①好奇心(興味をもつ)②行動主義(やってみる -
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▼人生
・「人生を完璧に計画することなんて不可能。人生に唯一の正解なんてない。だからこそ人生はおもしろい」
・「将来なにになりたいのか?」この疑問の見方を変えるとこうなる。「将来どういう人間へと成長したいのか?」
★・人生は成長と変化だ
・ライフデザインは旅だ。目的地のことなんて忘れて、旅のプロセスに集中し、「次」だけに目を向けよう。
・多くの人々は情熱の対象を見つけなければと思い込んでいる。情熱さえ見つかれば、あとは魔法のようになにもかもうまくいくはずだ。しかしひとは自分の情熱など知らない。むしろ時間をかけて情熱を養っていく事が大事だ。
★・情熱とは、なにかを試してみて、それが好きだと気付 -
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好奇心があれば、めざとくチャンスを見つけられる
行動主義であれば、次に進める
視点の転換をすれば新たな解決策を見つけられる
情熱とは、やってみて気づくものなので、情熱があるものを見つけるということがおかしなこと。
考えても仕方のないことは受け入れて、これからを考えるのがデザイン思考。
p85,86の質問
ある→する→なるの流れがライフデザイン。
仕事観と人生観をA4一枚以内で考える。
なぜ仕事をするんだろう?
仕事はなんのためにあるのか?
仕事の意味は?
良い仕事とは?
経験、成長、充足感と仕事の関係は?
あなたはなぜここにいる?
人生の意味や目的は?
あなたと他者の関係は?
善や悪とは? -
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プーチンのペルソナを国家主義者、歴史家、サバイバリスト、アウトサイダー、自由経済主義者、ケースオフィサーの組み合わせとして分析。筆者はプーチンを現実主義者としているが、今般のウクライナ侵略はペルソナの変化(パラノイア的歴史家)なのかもしれない。本文中の興味深い点は以下のとおり。
・プーチンにとって重要なのは情報が真実かどうかよりも周りの反応。
・プーチンは副市長時代の失敗により、天然資源の備蓄が不可欠で、民間企業は当てにならないことを学んだ。
・プーチンは96年、オリガルヒの掌握という明確な目的のもとに、アウトサイダーとしてモスクワに呼び寄せられた。
・ドレスデン勤務のために80年代後半のゴル