ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
14pt
自動車や家電だけでなく、ロケットやミサイルにもふんだんに使われる半導体は、今や原油を超える「世界最重要資源」だった。国家の命運は、「計算能力」をどう活かせるかにかかっている。複雑怪奇な業界の仕組みから国家間の思惑までを、気鋭の経済史家が網羅的に解説。NYタイムズベストセラー、待望の日本語訳!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
ここまで重要な半導体に対してなぜ今まで無知だったのか!と気付かさせる良書。 半導体をめぐる世界情勢の理解、投資で話題の半導体の今後を見据える上でも、必読だと思います。
9月4日のNHKスペシャルは「1兆円を託された男 ~ニッポン半導体 復活のシナリオ~」という番組でした。恥ずかしながら視聴するまでファブレスとファウンダリの違いがわかっていませんでした。つまり半導体会社の世界ランキング1位NVIDIAと2位のTSMCの違いです。慌てて積読だったこの本を開きました。自...続きを読む分の世代の理系の優秀な奴らはNECとか富士通とか日立に就職しています。そろそろ会社から離れ始めた彼らと飲むと日本の会社の半導体事業戦略の失敗と通産省(また経済産業省になる前!)の失策を吐き出すように語ったりしています。そんな日本半導体の成功と凋落も本書のテーマの一部ですが、もっともっと大きな物語、興奮しながら満喫しました。無茶苦茶面白く、世界情勢についての解像度も滅茶苦茶上がります。ローマ帝国興亡史ならぬシリコン帝国興亡史。でも、それは現在進行形の歴史です。書名の「半導体戦争」はビール戦争、液晶戦争のようなビジネスアナロジーとして読み始めましたが、後半にはストレートな意味での戦争と半導体の一体感に慄然としました。AIの発展で半導体は人間生活のますます奥深くに埋め込まれていくと思われます。それは国際政治の緊張感とダイレクトに繋がっていく時代なのだと思いました。
半導体についてトランジスタ誕生から現在のサプライチェーンまで学べる本。黎明期のシリコンバレーの様子、ソ連の半導体、黄金期の日の丸半導体、そしていかにして台湾が半導体生産の主役に躍り出たか等よくわかる。以前感想を書いた『2030半導体地政学』とともに読んでおいて損はない本。
めちゃくちゃ面白かった。 半導体が、どこかひとつの国ではなく「多くの国々の共同作品」になるまでの戦国絵巻。地政学的観点が連動する理由がひしと分かる。これからのニュースの見方が明らかに変わる1冊でした
産業の米ともいうべき半導体の国家間戦争。日本がいかに米国の尾を踏み、技術的にハブにされ、オランダや韓国/台湾に中心地を移されていったか。日本人の視点から読めばまた米国読者と違う世界が浮かび上がる。 とはいえ半導体全盛のころの金曜日夜の羽田は週末バイトで台湾や韓国に向かう、NECや日立の技術者で溢れか...続きを読むえっていたというから自業自得と言えば自業自得。大層な話は一つもなく自分たちで技術流出させて死んだだけなのかもしれん。
半導体産業の歴史から詳細に解説されており、産業構造について理解が進む。例えば、何故半導体産業は不況期でも巨額投資を行う必要があるのか?は、日本の半導体産業の没落、および韓国半導体企業の隆盛という観点から解説がされている。分厚いが読みやすいのも良かった。
半導体を取り巻く国家間の課題と歴史を学び、国家間の戦いの内幕を想像することができた。半導体は重要な戦略的資源であり、装置メーカーやサプライチェーンを含めても決して多いとはいえないプレイヤーたちが国家間で微妙なバランスの上に立っていることがわかった。同じ戦略的資源の石油は採掘できる場所は神しか決めるこ...続きを読むとはできないが、半導体を作る場所は人間が決められる。故に国家間の駆け引きは戦争に通づるものがあるようにも感じる。人がつくる戦略的資源の行く末と、米中を中心とした静かでしたたかで狡猾な戦いに注目したい。
原題Chip War、(2022年10月刊)。 鉄鋼と石油(と愛国心教育)が20世紀80年代までの軍事の要だったように、チップには一般語で「木っ端≒つまらないもの」の意味があるが縦横10mmぐらいの半導体チップは21世紀の世界支配の要となっている。 65年提唱のムーアの法則「年間2倍」提唱の見事...続きを読むな長期的実現(途中から「2年で2倍」)。回路は三次元となり線幅2nm加工には超紫外線が必要となっている。 中国が世界の覇権国になるには進歩の速いチップ技術で最先端となる必要がある。それは軍事でもAIなど最新の応用に決定的な基幹技術で、早い話が半導体供給を大量生産廉売で押さえれば、産業の生死を押さえられるし、軍事的にもミサイルの命中精度が上がれば破壊力は段違い。ベトナム戦争で、 一つの橋を爆撃ではなかなか破壊できなかったが、現在なら遠方の戦闘機からミサイル一発で十分。 各章が瞠目すべき歴史的展開点となりうるエピソード 序章 原油を超える世界最重要資源 第Ⅰ部 半導体の黎明期 第1章 戦後の技術者たち 第2章 トランジスタの誕生 ’48トランジスタ発明、 第3章 シリコンバレーの始祖と集積回路 ‘58集積回路発明(キルビー特許) 第4章 軍に半導体を売りつける アポロ計画が開発を後押し、 第5章 半導体を量産せよ 第6章 民間市場は存在するか 第Ⅱ部 半導体産業の基軸になるアメリカ 第7章 ソ連版シリコンバレー 第8章 コピー戦略 第9章 日本の経済復興 第10章 どこで半導体を組み立てるか 第11章 ベトナム戦争の誘導爆弾 第12章 太平洋を超えたサプライ・チェーン 第13章 インテルの革命 第14章 チップを載せたスマート兵器 第三部 日本の台頭 第15章 成功しすぎた日本 第16章 日米経済戦争 第17章 「最高に熱いハイテク企業」、日本に敗れる 第18章 「1980年代の原油」と化した半導体 第19章 シリコンバレーとロビイング 第20章 パックス・ニッポニカ 第V部 アメリカの復活 第21章 アイダホ州のハイテク企業 第22章 インテル再興 第23章 敵の敵は友 韓国の台頭 第24章 ミードとコンウェイの革命 第25章 コピー戦略の末路 第26章 思考する兵器無能 第27章 湾岸戦争の英雄 第28章 日本経済の奇跡が止まる 第Ⅵ部 集積回路が世界をひとつにする 第29章 TSMCの隆盛 第30章全員で半導体をつくるべし 第31章 中国に半導体を届ける 第32章 リソグラフィ戦争 第33章 携帯機器の市場規模 第34章 アメリカの驕り 第Ⅶ部 イノベーションは海外へ 第35章 工場を持つべきか 第36章 ファブレス革命 第37章 モリス・チャンの大同盟 第38章 アップルの半導体 第39章 EUTリソグラフィ 第40章 7ナノメートル・ブロセス 第41章 イノベーションを忘れたインテル 第Ⅷ部 中国の挑戦 第42章 中国指導部の方針転換 第43章 半導体の自給自足 第44章 サーバ向けチップを攻略せよ 第45章 台湾の秘宝 第46章 ファーウェイの隆盛 第47章 5Gの未来 第48章 「知能化」する戦争 第Ⅸ部 武器化する半導体 第49章 半導体の支配という土台 第50章福建省晋華集積回路 第51章 ファーウェイ排除 第52章 中国版スプートニク・ショック 第53章 半導体不足とサプライ・チェーン ま 第54章 台湾のジレンマ
2024.4.19、TSMCの四半期決算が発表され過去最高の増収増益決算であった。売り上げは四分の1を占めるアップル向けスマホからエヌビデアなど生成AI向けサーバー需要(24年10%前半から28年までに20%以上に)の高単価先端品に移行中でAMD・メタなどからも広く受託生産を増やしている。最先端の2...続きを読むnm品は25年量産を目指し開発中で台湾で2拠点、米アリゾナで3工場建設中、「先端パッケージング」も台湾で増産・・・『日経新聞』の当日の記事である。 この決算発表の日、この本を読み終えた。 『半導体有事』に続いて面白く読めた。 半導体は人類の未来を左右するキーファクターだ。 序章に書いてある、「典型的なチップは日本企業が保有するイギリス拠点の企業アームの設計図を使い、カルフォルニア州とイスラエルの技術者チームによって、アメリカ製の設計ソフトウェアを用いて設計される。完成した設計は超高純度のシリコン・ウェハーや特殊なガスを日本から購入している台湾の工場へと送られる。その設計は原子数個分の厚さしかない材料のエッチング、成膜、測定が可能な世界一精密な装置を用いてシリコンへと刻み込まれる。こうした装置を生産しているのは主に5社で1社がオランダ、1社が日本、3社がカルフォルニアの企業だ。その装置がなければ先進的な半導体を製造することは基本的に不可能だ。製造が終わると半導体はたいてい東南アジアでパッケージングとテストが行われ次に中国へと送られて携帯電話やコンピュータへと組み立てられる。」、半導体サプライチェーンのあらましである。 又、「台湾製のチップは毎年世界の新たな計算能力の37%を生み出している。2社の韓国企業は世界のメモリ・チップの44%を生産している。オランダのASMLという企業は最先端の半導体の製造に欠かせない極端紫外線リソグラフィー装置を100%製造している。それと比べるとOPECの産油量の世界シェアなどとたんに色褪せて見えてくる。」とも書いている。 世界経済における半導体産業の重要性と開発競争の凄まじさ、地政学的駆け引きと日本メーカー復活の可能性など歴史や技術的細部もさらに掘り下げる。 ATTベル研究所のウイリアム・ショックレーが真空管を凌ぐトランジスタを発明し半導体研究所をパロアルトに設立することが口火を切る。テキサスインスツルメント社(TI)のジャック・ギルビーが半導体集積回路を発明する。ショックレーのもとを離れた「8人の反逆者」がフェアチャイルドセミコンダクター社(FT)を立ち上げシリコンバレーの始祖となる。 ベンチャーキャピタルのセコイアを創業するクライナー・パーキンスもその一人である。 ロバート・ノイスがジーン・ハーニーとメサ型(台形)をプレーナー型(平板)にして複数の電子部品をまとめる集積回路を作りそれを他の電子部品と結合してシリコンチップに統合する。ゴードン・ムーアらがその集積回路をNASAのアポロ計画や軍用ミサイル開発用に技術開発を進める。フォトリソグラフィという工程で配線をプリントし集積度・性能を向上させ「ムーアの法則」といわれる集積化の指数関数的進化が始まる。FT社のアンデイ・グローブやTI社のモーリス・チャン(TSMC創業者)らが集積化を進め、購買者を宇宙開発・軍用から民間の大衆市場向けに転換する。 「金持ちになりたい」をエネルギー源としたエリート達の凄まじい競争が展開される。 大型コンピュータ時代のIBM、PCのIntelとMicrosoft、スマホのARMとAppleとTSMC、AIのNvidea等々人や企業の多彩なビッグネームが次々と登場し、スタンフォード大学やMITも人材供給や技術開発のバックグラウンドになる。シリコンバレー発のドキュメンタリーパノラマは興奮ものだ。 技術や人、国の政策や企業の戦略についての徹底した調査と研究をふまえて、正確・冷静な描写で読み手を引き込む表現は絶妙で滑らかな翻訳も手伝いノンフィクションでありながら本格的な科学冒険小説を読んでいるようだ。 急速で不可逆なデジタル社会の進展下、最も重要で本質的な心臓部品である半導体にフォーカスし、将来の社会を洞察するための価値ある一冊であった。 クリス・ミラーのこの作品を五つ星の評価とした。
ライフラインが石油から半導体に変わりつつあり、故に世界の勢力図も不安定になり国家間の争いも段々と表面化してきているように思います。 世界で起きている国家間の争いを半導体の視点でみるとまた違った見え方ができるのではと思いました。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
半導体戦争
新刊情報をお知らせします。
クリス・ミラー
千葉敏生
フォロー機能について
「ビジネス・経済」無料一覧へ
「ビジネス・経済」ランキングの一覧へ
Adaptive Markets 適応的市場仮説―危機の時代の金融常識
アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史
アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのプログラミング
忙しい人に読んでもらえる文章術
偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか
インターネットは言葉をどう変えたか
億万長者だけが知っている教養としての数学―――世界一役に立つ数学的思考力の磨き方
おバカな答えもAI(あい)してる~人工知能はどうやって学習しているのか?~
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲半導体戦争―――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防 ページトップヘ