千葉敏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
9月4日のNHKスペシャルは「1兆円を託された男 ~ニッポン半導体 復活のシナリオ~」という番組でした。恥ずかしながら視聴するまでファブレスとファウンダリの違いがわかっていませんでした。つまり半導体会社の世界ランキング1位NVIDIAと2位のTSMCの違いです。慌てて積読だったこの本を開きました。自分の世代の理系の優秀な奴らはNECとか富士通とか日立に就職しています。そろそろ会社から離れ始めた彼らと飲むと日本の会社の半導体事業戦略の失敗と通産省(また経済産業省になる前!)の失策を吐き出すように語ったりしています。そんな日本半導体の成功と凋落も本書のテーマの一部ですが、もっともっと大きな物語、興奮しながら満喫しました。無茶苦茶面白く、世界情勢についての解像度も滅茶苦茶上がります。ローマ帝国興亡史ならぬシリコン帝国興亡史。でも、それは現在進行形の歴史です。書名の「半導体戦争」はビール戦争、液晶戦争のようなビジネスアナロジーとして読み始めましたが、後半にはストレートな意味での戦争と半導体の一体感に慄然としました。AIの発展で半導体は人間生活のますます奥深くに埋め込まれていくと思われます。それは国際政治の緊張感とダイレクトに繋がっていく時代なのだと思いました。
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Posted by ブクログ
『The NVIDIA Way エヌヴィディアの流儀』を読み終え、率直に感じたのは「表面的な成功物語ではなく、逆境と信念の積み重ねがここまでの企業を築いた」という重みである。以前に読んだ『エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界』に比べれば、本書の厚みとリアリティは桁違いだ。やはり創業者ジェンスン・フアンをはじめ、多くの関係者の肉声を拾い上げているだけに、企業の内側に流れるダイナミズムがこれでもかと伝わってくる。
印象に残ったのは、NVIDIAが「GPU」というカテゴリそのものを発明した過程である。単なる半導体メーカーではなく、GeForce3やCUDAを通じて「プログラム可能なコンピューティングの未来」を描き出した姿勢は、2020年代のAI爆発につながる布石だった。10年以上前の挑戦が今日の成功を導いている事実に、戦略とは「長期の信念の持続」であると痛感させられる。
また、GPUの用途をゲームにとどめず、バイオテクノロジーや医療へと拡張していった点も象徴的だ。ロス・ウォーカー教授との協働によって、AMBERのGPU版が登場し、世界中の研究者が自宅で最先端のシミュレーションを走らせることが可能になった。このエピソードは、技術が産業や社会に波及していく瞬間、つまりイノベーションを鮮やかに描き出しており、「NVIDIAはゲーム企業」などという短絡的なレッテルを鮮やかに打ち破る。
人材戦略もまた過激なほどに徹底している。買収できないならその会社から人を引き抜く、そこにいても負けるだけなのだから勝ち組に入れと説得する、そして入社した人材には株式付与で強力に報いる。その結果、離職率はわずか3%。「使命こそが究極のボス」というジェンスンの言葉どおり、組織は計画表ではなくビジョンと実利の両輪で動いている。多くの日本企業が「定年まで安定」や「横並びの報酬」にとらわれている姿と比較すると、発想のスケールと合理性の違いに驚かされる。
とりわけ心に残ったのは、ジェンスン自身の生き方である。成功への近道はなく、むしろ困難な道を選ぶことを信条とし、逆境を最高の教師とする姿勢。株式を「自分の血液同然」と語る成長への執念。これらは単なる経営者の名言ではなく、NVIDIAそのものの文化を形づくっている。
本書を通じて私が得た最大の気づきは、「テクノロジー企業の本質はハードではなく信念にある」ということだ。GPUの発明、CUDAの推進、AIへの果敢な賭け・・・どれも短期的には無謀に見えながら、結果として世界の産業構造を変える決定打となった。企業が未来を切り拓くとは、こういうことなのだろう。
『The NVIDIA Way』は、単なる企業研究を超えて、「不確実な時代に何を信じて突き進むべきか」を考えるための一冊だと感じた。読み終えて、自分自身のキャリアにおいても「困難な道を選ぶ勇気」を持てるかどうか、問われているような気がした。 -
Posted by ブクログ
展開の早さに理解が追い付かなかった。
が、なんだかすごい奴だということはわかった。
イギリスはロンドンの貧しい家庭に生まれた少年、高校を退学になるような奴、
しかし数学が得意で名門スクールに入り、さらに、
その数学のチカラと根性でシティバンクが開催したゲームで勝利し、
シティバンクで働くようになる。
すると彼のトレーディングは連戦連勝、利益の何パーセント高のボーナスで
一気に億万長者にのし上がる。なんで儲かるのかは読んでてもわからなかったけど。
しかし日本・丸の内に異動してから何かが壊れる。食べ物はおいしいが上司が悪い。
マイクロマネジメントで神経をやられる。
そうなったらあとはいかに辞めるか。
彼の業績で退職時にもらえるはずの株式がもらえるか微妙。
最後はその戦い、、、
動きが早すぎて、彼がいつ日本に来たのか読み飛ばしてしまい、読み直した。
彼にとって日本はいい場所だったのかどうか。
数学の才能だけでなく、肝が据わっていることが必要なようだ。
彼はまだ40前。どんな人生をこれから歩くのかな。
パート1 成りあがり
パート2 お前もやってみるか?
パート3 家に帰って母ちゃんに訊いてみな
パート4 サーモスタット
パート5 転落 -
Posted by ブクログ
・いったん何かを創造し始めれば、すべてのものには意図があることに気づく。
・もっと成功したいなら、もっと失敗する心の準備が必要。
・失敗から教訓を持つためには、失敗に責任を持つ必要がある。
・失敗できる環境を作る。
・創造力の発揮に必要な能力は、周囲に前向きな変化を起こせるという自信と、行動を起こす勇気だ。
・勇気とは、小さなステップの積み重ねに過ぎない。
・イノベーションに必要な三要素
ビジネス(経済的実現性)、技術(技術的実現性)、人間(有用性)
※3つのバランスが大切
→人間中心の考え方は軽視されがち、見逃されがちなのでここから考えるとイノベーションが生まれやすい
・人間中心のアイデアのためには、エンドユーザーのことについて考える。そうすれば自分のエゴをなくせる。
・物事の枠組みを捉え直すことも優れたアイデアの為に有用
→その際には人間中心の考え方で
・自分のニーズを表現できるほどの自己認識がある人は少ない。また、世界に存在しない選択肢まで考えてくれる人も少ない。
共感とはむしろ、人々が表せられない隠れたニーズを掴むこと。
・クリエイティブとは結果論
・クリエイティブになるための第一歩は、傍観者ではなく、行動を移すこと。
・やるかやらないか、やってみるなどない
→やってみるという言葉には言い訳が潜んでいる
・有能という呪い
・天職、労働、キャリア。仕事観の3種類。
・他の人のアイデアを土台にするという考え方。
・賢くクリエイティブなチームを築き、非凡な成果を成し遂げてもらいたいなら、平凡で冴えないスペースで働かせてはいけない。
・考え方や行動を変えるには、まず言葉を変える。
・組織に、自分に、創造力の許可書を与える
・カスタマージャーニーマップ
→ステップの中で創造性を発揮する起点を探す
・「今日をプロトタイプと考えよう、さて何を変える?」
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Posted by ブクログ
現代社会は要素が多いため予測不可能になり、程度はあれ崩壊は避けられない
その状況下で、各分岐に対して破滅しない選択肢をとることでいずれリターン勝ちする、みたいな本
確率分布とリターンの分布次第やろと思ったし、
システム崩壊側にかけた時に実際にとれるリターンはいうほど無限大でもないやろと思ったりしたが
システムの崩壊は避けられないとしたときのリスクの取り方は考えさせられた
(リスク選好しつつ退場しないよう最低の保証を合わせる、という自分がふわっと好きな戦略はバーベル戦略という名前らしい)
著者は金融トレーダーらしいしもっと金融での具体例あれば信頼性増したような
医療や社会崩壊をネガに捉えてなかったりと、人間の完全な管理を是としない感じはかなり親近感と好感がもてた
自分が少数派の考え方である認識なので、
「自分の考えを行動に移さないやつはアホ」を実行できればと思う
主旨とは関係ないが、
労働意義が自分の中で消化できてないのは、エージェンシー問題が基準として重く正しく見えちゃってて、
自分が労働の受け手側になった時に、自然近辺のタスク以外を感謝してないからかもしれない
などと思ったり -
Posted by ブクログ
内容は黄色い本の本編とあまり変わらないが、影響力の図であったり、色々な視野を広げてくれる良書。仕事に行き詰まった人、目標を見失った人に読んで欲しいと思う。
このシリーズはとてもいい本なんだけど、例えばホストや馬券やパチンコにハマって本当に生活困窮しているとか、あるいは最初から重い病気があってそれを治療することが出発点の人にとっては、出てくる話を読んで目標の中に生活困窮や治療といった形のものも入れ込まなくてはならないところもあるから(そういう人がこの本を読むかはわからないが)、そこの背後世界には暗にある程度キャリアを頑張っていて豊かな生活をしている人、大学の講義で受ける人が前提されているなというのは感じた。