あらすじ
「タイムトラベルの物語では、過去の小さな行動が現在の極端な変化につながることが多い。しかし、今日の小さな行動が、未来に劇的な影響を及ぼす可能性について考えることはめったにない」(本文より)本書の主眼は、こんな可能性を真剣に捉えるべき理由を提示することだ。そしてさらに、いまを生きる一人ひとりが「いますぐ」行動するよう説得することにある。気候変動、高度なAIや全面核戦争がもたらす脅威・リスクについて、できるだけ正確なデータ、〈長期主義〉的フレームワーク、そして数学的ツールで詳細に検討し、数世紀から100万年先までの不確実な未来の形をできるだけ正確に描き出していく。そのうえで、「そもそも人類の絶滅は悪いことなのか?」「幸福とは何なのか?」といった根源的な問いにまで踏み込むことで、議論は深みを増している。科学をはじめ、歴史、哲学と使える知見は何でも使い、熱意にあふれた筆致で読者を巻き込んでいく若き哲学者、マッカスキルの説く、未来のための思想。
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Posted by ブクログ
慈悲心や自己だけでなく利他的な考えも大切にするために、大変重要な一冊、特に短絡的な考えに囚われてしまう人間にとっては長期的に物事をみる重要性が大きいことが分かる
月に向かえ!と共に何度も読み返したいし、これも教科書にすべき
Posted by ブクログ
道徳観で世の中のあり方が変わるというのが面白い。時代や宗教が変われば、当たり前だったことがありえないことになったりする。奴隷制や食べてもいい生き物とダメな生き物。医療(人間が踏み込んではいけない領域があるとするのか)など。また、矛盾を孕んでいるのに当事者は気付いていないことなど。
Posted by ブクログ
2024/1/12 読みたい
冒頭の表現がSNSで紹介されていて、とても面白い思考実験だと思ったので購入。
2024/2/19 読み終わった
「長期主義」という考え方についての本。長期主義について一言で言うと、「未来のために今いいことをしよう!」という考え方。この考え方がなぜ合理的なのかを全体に亘って解説している、という感じだった。
未来のためになることを、と言われて、そりゃそうだし、そうした方がいいと言う人がいるのはわかる。でも未来の不確実性の方が勝つんじゃないかなーと浅い感想。そもそも「良い」の定義が難しい。本の中では人類の滅亡を最悪のパターンの一つとして例示しているけど、それが悪いことか?と言われると反論はできる気がする。
未来についての予測や、ではどんな状態が悪い、または最悪な状態なのか?など、思考実験がたくさん行われていて、そこは興味深かった。