あらすじ
金融市場を駆け上った男の末路とは? クレイジーでダークなノンフィクション
東ロンドンの貧しい家庭出身の著者は、類いまれな数学の才能を武器にトレーダーとして成り上がる。リーマンショックや3.11の帰結を精確に予測し大金を稼ぎ出すが、一方で虚無感が膨れ上がっていき……金融界の狂気的な内幕を赤裸々に描く全英No.1ベストセラー
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。資本主義や金融のような大きなシステムに対する違和感、それに無意識的に従属することで大金を得ながら、人間性や人生の目的を持たない会社人への違和感が、描かれていた。
その違和感は怒りやカラダの不調となって、筆者に現れており、それに耐えきれなくなったために会社を辞めることになる半生が描かれている。
きっと筆者は、「本質的なこと、真っ当なこと、自分の納得できる目的に向かって、まっすぐに自分の知識や時間を投入することで価値を出したい!」と考えるような正義感の塊なんだと思う。そこに強く共感したし、好感を持てた。
Youtubeも観たが、そのキャラクタそのままのイメージだった。真っ当だからこそ、変な環境下で少々おかしくなってしまっただけなのだ。
Netflixでの映画化を期待したい。
Posted by ブクログ
展開の早さに理解が追い付かなかった。
が、なんだかすごい奴だということはわかった。
イギリスはロンドンの貧しい家庭に生まれた少年、高校を退学になるような奴、
しかし数学が得意で名門スクールに入り、さらに、
その数学のチカラと根性でシティバンクが開催したゲームで勝利し、
シティバンクで働くようになる。
すると彼のトレーディングは連戦連勝、利益の何パーセント高のボーナスで
一気に億万長者にのし上がる。なんで儲かるのかは読んでてもわからなかったけど。
しかし日本・丸の内に異動してから何かが壊れる。食べ物はおいしいが上司が悪い。
マイクロマネジメントで神経をやられる。
そうなったらあとはいかに辞めるか。
彼の業績で退職時にもらえるはずの株式がもらえるか微妙。
最後はその戦い、、、
動きが早すぎて、彼がいつ日本に来たのか読み飛ばしてしまい、読み直した。
彼にとって日本はいい場所だったのかどうか。
数学の才能だけでなく、肝が据わっていることが必要なようだ。
彼はまだ40前。どんな人生をこれから歩くのかな。
パート1 成りあがり
パート2 お前もやってみるか?
パート3 家に帰って母ちゃんに訊いてみな
パート4 サーモスタット
パート5 転落
Posted by ブクログ
主人公では金持ちでもないけれども、名門の大学に入りたまたま大企業に入ります。しかし主人公はびっくりします。この金持ちたちはずっと経済新聞ばかり見ているけど、それは本質ではない。本当の本質は違うものだと気づき、他の人と逆のことをし儲けします。見ていて気持ちいいし、様々な事の本質を考えさせられました
Posted by ブクログ
すばらしい。久しぶりにここまでおもしろい文章を書く人に出会ってしまった。もともとの頭の良さだったり、日頃培われていた観察眼やウィットに富んだ視点が活きているのだろうなと思った。本著に出てくる環境ほどのユニークな人間に囲まれることは未来永劫ないと思うけれど、常に持ち続けたい思考。文字書きたくなったな〜。
Posted by ブクログ
最高に面白かった!
中々トレーダーの実務現場の話を聞くことが少なく、かつ株式ではなく、通貨スワップ取引経験者の赤裸々な告白は貴重。
ボリュームは一定あるのに、一切退屈なシーンが無いままに最後まで読み切ることができた。
舞台が日本に切り替わった時には、映画の中の主人公が急に家に遊びに来たような気分だった。
私個人的には東京という街そのものにも興味があるので、深く感情移入をした、1人のイギリス人の視点で書かれる東京というのも、主題とは異なるはずだが、私にとって面白いと思わせる大きな要素になった。
Posted by ブクログ
500ページ近くあるのに、1日でさらっと読めるほどの疾走感、それでいて満足度のかなり高い読み物だった。
映画や小説などの脚色された物語ではない、実在した男の物語であるが、まさかこんな世界が現実にあるのかと感じるほど自分の想像を超えていた。
「面白い話を聞かせてやろう」
この文章から始まるプロローグは、これから先忘れないだろう。
Posted by ブクログ
トレーディングで成り上がり、そこから足を洗うまでの物語。
日本も出てくるが巨額の繰延報酬の権利と、最初に出てくるドイツ銀行のトレーダーの例とでなかなか香ばしい。
心を病み転落する彼は勝ったのか。
Posted by ブクログ
貧しい家庭だが数学がよくできた作者のシティバンクに入るまでと入ってからの働き方 徐々に心を病んでいき辞めるまでのストーリー
トレーディングで高額な報酬を得ることに異論はないが、天才たちがこぞって金融機関を志望するのはもったいないと感じる。
Posted by ブクログ
通過スワップ取引の世界を観ることができた。トレーディングの世界が広がる世界から抜け出た、現在の著者の格差社会へのアプローチについて調べてみたくなった。
翻訳本の描写記載、これは英語で読めたら臨場感が違うだろうか。
Posted by ブクログ
トレーディングフロアや登場する面々の雰囲気はうまく書いているんだろうと思う。
著者は若くしてすぐ稼いですぐ辞めたので勘違いしたままのようだが、著者の能力がすごいから稼いだんじゃなくて、たまたまそこに座ってたから稼げたというのが大前提。他の人間でも額の上下はあれ、相応に稼げたはず。
やってるトレーディングもニッチ市場なんで著者が属するシティバンクの力が大きくて殿様トレーディング。リスクテイクしてポジションとるというよりは注文が来るので、それをさばきつつうまく立ち回って鞘を抜くって感じだろう。音声で注文が来て情報端末とExcelファイルを見て値段を提示するなど昭和的なトレード原始時代の延長線上にあるレベル感なんで。2010年頃っていうのは、まあそんなもんだったということ。
稼いだボーナスをゲットして辞めるために不貞腐れて赴任したエキゾチック日本でプラプラとブー垂れてボーナスゲットしてハッピー!金融はクソだぜ!なんてyoutubeでおしゃべりして今に至るってところかいな。
Posted by ブクログ
激務すぎて何のために働いているのかを自問したことはあるが、そこから社会問題(経済格差)を見出し解決しようと思えたことはないのが正直なところ。観測する限りだが、優秀でステータスもあり、経済的に恵まれた人は広く社会に貢献するようになる傾向があるように思える
Posted by ブクログ
金持ちになるためには、金持ちの親のもとに生まれてくることというようなことを述べていた元シティバンクの通貨トレーダーの自叙伝。
著者は金持ちの親のもとに生まれてはいないが、数学の才能で成り上がっている。
読み物としては面白かった。ただ、私にはこの生き方はできそうにない。
Posted by ブクログ
自伝としてのお話としておもしろく次々と読み進めてってしまう展開が広がってくる。実際、シティバンクで、そして東京支店も含めてこのような取引の時代があったこと、これは外からはなかなか見えないところである。
ただ、取引のとても目を引くところだけが書かれているという印象も強かった。実際にこのような取引を自己ポジションとして利益を上げていくことに。リスク管理など銀行の経営管理のところには言及がほぼない。銀行は無制限に取引できるわけではない。少々、お話を面白くしすぎているようにも見え、後半3分の1ぐらいは惰性で下記進められているような印象も強くなってきた。
やっぱりお話ではある。
Posted by ブクログ
丸の内の丸善にて購入。
世界の滅亡に賭けて、ボロ儲けをした男の半生。
貧しい家庭育ちの著者が、持ち前の数学的才能を武器にトレーダーとなり、若くして億万長者へと成り上がっていく姿を描く。
若くして稼ぎまくっていた著者が羨ましいか?
すごいなーずるいなーとは思うけど、別にそんなでもない。
Posted by ブクログ
皮肉と悪態に満ちたモノローグと共に疾走する暗黒金融自叙伝。労働者階級出身ながら並外れた才能とトレードへの強迫観念でトップに上り詰めるも、虚無感に塗れて抜け殻と化していく。世界経済は崩壊するが、富裕層は更に富み、トレーダーは大儲けする。サイコパス以外が資本主義というゲームに勝ち続ける為には、正気を失うしかないのかもしれない。
Posted by ブクログ
面白い。
東ロンドンの貧しい家に生まれた著者は、類まれな数学の才能を武器にトレーダーとして成り上がっていく。
大金を稼いでいくのだが、その一方で虚無感が募っていく。
タイトルにあるようなトレーダーとして活躍していた時の葛藤や信念、責任感やプレッシャーなどに物語の焦点があたっているではなく、トレーダー時代を経た自分の人生がどのように変わっていったかを中心に描かれる自伝的な内容。
「欲望と幻想の市場」の様なトレーダーにとっての箴言などは軽め。
文章がサラサラしていて読みやすいのだが、その分状況説明があっさりしていて、わかりにくい部分もあるが、読み物としては面白かった。
世界の格差が広がり、その溝は広く深い。
実力も運のうちであり、親ガチャの恩恵は計り知れない。
これを読むと、資本主義社会が行き過ぎて来ている気がしてくる。