福井晴敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
再読です。
前回読んだのはもう十年近く前で
そのときはもっとすんなり解かった気がしたんですけど
今読み返してみると
ありえなさそうな設定がどれぐらい現実的なのかとか
余計なところに気を取られてしまって読み進めるのが遅くなりました。
特別な組織で特別な訓練を受けた少年と
彼が守ることを使命としているひとりの少女が
元刑事のぐうたら警備員の元へ偶然転がり込みます。
それは世間を揺るがした宗教テロ事件や
さらに大きな政治的背景の闇の核心に触れるとても危険な出会いで・・・。
多くの方が
この本のジャンルをミステリーやサスペンスに分類されているようでしたが
あたしは敢えてハードボイルドを選択。
なんとなくそのほうがぴったり収まる気がして。
命を賭して任務を遂行しようとする少年。
見ていて清々しいのに息苦しいです。
モテるだろうけれど幸せとは縁遠い感じで
自分の息子があんな風に育ってしまったら寿命が何十年も縮まりそう(笑)
でもその少年と主人公のやりとりは
これがもし大和魂と呼べるようなもので
どの男性の中にも隠されている情熱だとするなら
日本もまだまだ捨てたもんじゃないと思えると思います。
「川の深さは」というタイトルも秀逸。
ストレートに読んだら
日本という国に絶望するかもしれないし
警察を信じる気になれなくなるかもしれない危険性を孕んだ小説ですが
メッセージ性をポジティブに捉えることができるタイプで
漢字だらけの軍事&政治絡みの物語がお好きな方には
お勧めできる一冊です。 -
Posted by ブクログ
2011.3.11以前に書かれた本だと気づいたのは、読み始めてからのこと。
なんとなく違和感を感じて出版年月日を見てみたら2007年。
その当時にこれが書けたことは、すごいと思う。
あの当時、多くの人は、大地震がいつかくる。と、言われてはいたが、いつかはいつかであり、自分があうなどとは思っていなかったと思う。
でも、3.11を経験し、この小説が作り物ではないことを知っている。
直下で都心を襲ったわけではないので、この小説とは被害状況が全く違うが、土地を変えてそれが起こったことを知っている。
実際は、書かれていない危険がまだまだあることも知っている。
被災地以外では、薄れてきてしまっているように感じるが、改めて考え、備え、行動をしていかないとな。と、読み終わって思った。
また、小説最後の部分。
仮説が建ち、仕事に戻り、電車が走った後。
命が助かりながらも、心が助けられなかった人々がいると書かれており、そこが復興において大事なんだろうなと、感じた。