福井晴敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画を観た後に、補完のような気持ちで読みました。
ノベライズだから仕方ないとして、映画ありきな内容です。心情、内面的な物は補完されていて、なるほど、と思えましたが、映画観てないと情景とか特に戦闘シーンは迫力が伝わらなかったと思う。
福井さんの本はそれなりに好きで読みましたが、これはストーリーだけで小説は別の方が書いてらっしゃるのですね。通りでなんか雰囲気違うと思った。何だかラノベ風。
映画の方がハーロックの風格感じられたのは映像と音楽の効果かなあ…小説を先に読んでたら映画は観にいかなかったかも知れないです。
私は原作のハーロックは漫画を読んだくらいですが、それでも拒否感を感じました。まだ映像 -
Posted by ブクログ
池上司によるフィクション海戦記『雷撃深度一九・五 』(文春文庫)を原作にした映画作品用の脚本を元に小説化した本作。『ローレライ』『亡国のイージス』と並ぶ“夏の福井晴敏・海モノ3部作”の内の一つ。
終戦近い大東亜戦争で最後の雷撃作戦に赴いた「伊-77」と、それを撃沈せんとするアメリカ海軍駆逐艦「パージバル」の戦いは敵の作戦を読み合う「心理戦」で展開されるので心理描写を描きやすい小説は映像作品とは違った緊迫感とスペクタクルを堪能する事が出来る。
フィクションの架空戦記なので史実上でのツッコミは野暮とは思うが、福井作品の反戦のメッセージは「戦後の価値観」で日本の戦争が語られる部分が多く見受けられる為 -
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Posted by ブクログ
「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」とか「日本人に覚醒を促す」なんて惹句は、ホントなんだかな。
一昔前であれば、この手のものには、即、飛びついてたはず。
平和ぼけな有り様を憂い、国防やら国家がなんたらと、先のフレーズも含めて、とかくややこしい文脈のみが伝わってきてたんでね、きっとガンダム世代のお兄ちゃんらには受けが良いんだろうけどと、正直、敬遠してたのだった。
実際に、読破(この分量だとこの表現が適当)してみると、そんなことどもから想起される限りなくマイナスに傾いた憂国の念ではなく、ずっと理性的な思考に帰結しており、共感さえ覚えてしまう。贔屓のジャンルなのだから、読まず嫌いはいかんかったね -
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Posted by 読むコレ
ようやく全3巻、読了。頑張ったオレ。
確かにこの大掛かりな事件の最終最終局面での
異様なテンションとスピード感は息を呑む
面白さだったと思います。ここまでの苦労を
取り戻すようにグイグイ読めましたし、宿命の
2人と対決、そしてその後のシーンにはかなり
鼻奥が...ツンとしてしまい、電車ので中で
噛み殺すのが大変でした。
こういう描写はベタですが上手いですねー。
よりリアルに...という意味なのか、(個人的には)
病的なまでの細かい描写には最後まで馴染まなかったのが
残念。他の作品に挑戦するにはかなりの時間が必要だなー。
不謹慎なのはわかっていますが...テロ、テ -
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Posted by ブクログ
忘れ得ぬ痛み。
何となく読んでしまったダイスシリーズ。前回の流れを引きずりつつ、終わりはちょっとマシ?
今回は割と様々な人に入れ替わり立ち替わりスポットが当たっているよう。
だが、相変わらずの国防の存在意義を問う姿勢は継承。いいねー。そういえば、今回はその答えを出していなかったような。
是非を問うための行動だが、結局止めたのはその手段が間違っているから。
そもそもの是非を問う部分には何の答えも出されていなかったよう・・・な。うーん、一度その路線で突っ走ったのを読んでみたい。
1人1人の為人よりは、全体の問題提起に対して、どのような意見を持ち、どう行動するか。
が、意見を持ってたのは一部で、中 -
Posted by ブクログ
夏になると、なぜか「戦争」関連の話の本を読みたくなるのです。
今回は、映画の「真夏のオリオン」を読んでみました。
今まで戦争の話で記憶に残るのは『出口のない海』と『戦場のピアニスト』
この真夏のオリオンも出口のない海と同様に海軍の話でした。
お国のために死ぬんだ!!っと思う日本人ばかりの時に
主人公の倉本館長は・・・「生きるために戦う」っという新年を貫き通し
同じ戦艦に乗り組む乗員を大切にし
自分よりも位が低くても年上の人を敬い
友人を愛し
そして、愛おしい人を心より大切に想った。
非常に泣ける内容でもなく
非常に内容が濃いというわけでもないが
時間があるときに、サラっとでも読んで見 -
Posted by ブクログ
不幸な過去を背負い過酷な訓練を受けた超人的な青年主人公、
能力はありながらも、挫折や慣れに足を引っ張られ斜めに構えた
熱い心を持つことに目を背けたオヤジ、芯が強く可憐なヒロイン、
闇に葬られる運命に抗いながら、自らの信念を通す敵役、
福井氏の他作品によく出てくるキャラは一切出てきません。
震災シミュレーション小説というより、国や自治体の
震災想定の解説書。と、2011年3月11日前なら言えたのかも。
しかし、関東在住の人間は震災を間接的にしか経験していないので
あの時を経験したということは忘れず、
知っているという過信ないよう「その日」に備えたい。
そして本当に考えなければならないのは、後日談