福井晴敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり久々の福井晴敏!
面白かった。
VIVANTよろしく、諜報活動にかかわる短編6編。
この独特の語り口は短編でも福井晴敏さんですね。
■いまできる最善のこと
退役した男と見ず知らずの子供
山中で追い詰められていきます。
まさに、いまできる最善のことを尽くす
■畳算
愛する男を待ち続ける女の悲哀
■サクラ
19歳ながらもSOF上がりの少女との組み合わせ
任務の裏側にあったものとは..
ちょっと暖かい気持ちで終わる物語
■媽媽
次作の前編?
子供を持つ母親がAP。そういうパターンってあるの?
ターゲットが監視体制のなか戻ってきた理由..
それが故に母親のAPの気持ちが熱くなります。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半めちゃめちゃ退屈でした。
美由紀がどうして今の立ち位置にいるのかとか暢人とのなれそめとかこれまでの美由紀の人生を振り返るような。
なぜ退屈に感じたかというと、美由紀が「おんな」なんですよね。冷静に小隊を率いて体術にすぐれ銃火器も操る美女。
それが、ただただ暢人に対しては「ただのおんな」なんです。がっかりしましたよぉ~。
ものすごい努力をして才能を磨き、あらゆる計算と判断の上で行動してきたクセに はぁ?
それで読み始めて数か月放置した。
でも本読みの読み終えたい根性が出てきて再開したら中盤以降美由紀が目覚めるじゃないですか!真舟とか石に触発されたのか。遅いわっっっとは思ったけど、俄然面白く -
Posted by ブクログ
U.C.0097。ラプラス事変の一年後の地球圏。消息不明となっていたユニコーンガンダムの3号機「フェネクス」。フルサイコフレームMSをめぐって騒乱再び。
というざっくりストーリー。
小説版も劇場版も見たけれど、人類の進化の先にあるニュータイプ。人と人とが誤解なくコミュニケーションをとることのできる存在、というニュータイプの定義(だいぶ端折った言い方)に沿っているのであれば、その行き着く先がリタのような精神生命体になってしまうというのは悲しすぎるよなぁ。普遍的無意識の存在になってしまった、という考えであるならば「誤解のないコミュニケーション」は可能なだろうけども。
その存在はララァが代表だと思 -
Posted by ブクログ
ゼータプラスを駆る防衛隊員はここで退場か……。そもそも名前が明かされていない時点で事前に示唆されていたとも言えるんだけど
ゾルタンが切り札のつもりで出撃させたⅡネオ・ジオングがとんでもない事に…!というよりナラティブがヤバいパターンか、これ?
『UC』ではユニコーンとバンシィ等多くの者を苦しめたラスボス機体の後継機、それを一瞬とはいえ新主人公がジャックしかけるなんて……
NT-Dすら超越するニュータイプ。幾度も戦場をひっくり返してきたニュータイプがここに来て見せる新たな奇蹟。ただ、ヨナのそれは方向性を持たないから誰かを助けるものではなく、破壊する力になりかねないわけで…
ようやく明かさ -
Posted by ブクログ
フェネクスの暴走と失踪、そしてリタの行方不明。これらが描かれた事でようやく『不死鳥狩り』の物語が本格始動したように思えるよ
また、本作だけに関わる『不死鳥狩り』の始まりだけでなく、ダカール演説に絡む宇宙と地球の対立、そして強化人間への注力などこれまでの宇宙世紀にも関わる部分が描かれたのは印象的
こういった描写が挟まれる事により、今回の騒乱がごく一部の人間達の物語ではなく、ニュータイプそのものを巡る因縁に含まれる歴史の一つだと感じられるね
ただ、そこに巻き込まれたリタ達にとってそういった歴史はそれはそれで関係のないのだろうけど
『奇蹟の子供たち』として注目を集めてしまったリタ達がテレビの面白ネ -
Posted by ブクログ
『ラプラスの箱』解放から1年が経った宇宙世紀が舞台の物語ですか。あれだけの騒乱と覚悟と願いの果てに『箱』が開かれたというのに、大して世の中が変わらなかったというのは虚しいね…
ただ、本作の場合は単純に『箱』解放から1年が経った世の中を舞台とするだけでなく、むしろジオンが地球にコロニーを落としてきた悲劇をこそ源流としているのか
予知のような形で人々を悲劇から救った三人の子供達、『奇蹟の子供たち』こそ新たなる騒乱の始まりのようで
源流のズレは新たなる物語の開始を意味するわけだけど、それでもUCとNTを繋ぐ存在が居れば物語は繋がっていると感じさせる。その役はあのマーサに任せられた感じか
ユニコー -
Posted by ブクログ
圧倒的な物量でユニコーンやバンシィを押し潰さんとするネオ・ジオング。おまけにフル・フロンタルが見せてくるのは刻の終わりですか
どれだけの奇跡によって可能性が示されても変わらずに争いを続けた人類が行き着く先。それこそがフル・フロンタルが見たニュータイプとしての絶望か…
未来への可能性を考えられなくなったフル・フロンタルにバナージが示すのは「それでも…」という人間の可能性と刻の終わりに至らない永遠の光
正直、この辺りの描写の意味は観念的過ぎて自分にはよく判らなかったりするのだけど、空っぽの器でしかなかったフル・フロンタルが本物のシャア・アズナブルと巡り会えた、その一点でフル・フロンタルが持ち得な -
Posted by ブクログ
サイアム・ビストが語る宇宙世紀の始まりと、そこに秘められたささやかな善意。
これから果てしない世界へ送り出される宇宙棄民への贖罪の一文。最初は何の意味もなかったそれがジオン勃興とニュータイプ神話に拠って意味が様変わりし、憲章に関わる人々を呪い縛り、それが知られた時に何が起きるか判らないという恐怖を刻み込んだ
それこそが『ラプラスの箱』の正体だったわけだ
いわば『箱』は可能性そのものだね。憲章の一文も未来の可能性に言及しただけ、その憲章を今持ち出しても連邦が認める可能性は少ない。だが旗印にしたい者達が新たな闘争の御旗として掲げてしまう可能性がある
ユニコーンガンダムを巡る一連の旅もいわば可能性 -
Posted by ブクログ
本作において、かなり異質なエピソードを含むこの13巻。けど同時にネェル・アーガマでの内紛を描くことで異なる立場の集団による信頼や許容の難しさをこれでもかと表現しているね
前巻ではユニコーンが発する虹の光に包まれた事で連邦とジオンの間に和解への道が開かれたのではないかと思われた。でも、その程度の奇跡で和解できるなら、それこそアクシズショックの時に和解できていたはず
それを思い知らされる内容だったね
ネェル・アーガマに拾われマリーダも救出できた状況。ジンネマン達としてはそれだけで充分と言えるかもしれないのに、戦争が終わったわけではない彼らはその程度で平和なんて享受できない
というよりも対策と監視