福井晴敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海上自衛隊の最新護衛艦イージスを拠点に、日本政府に対するクーデターが発生するという、「沈黙の艦隊」並みの巨大スケールの物語。公安やら北朝鮮のテロ部隊やら謎の組織が色々と登場する上に、「米軍が開発した最高機密の特殊兵器」まで出てきて、ハリウッド映画的な大掛かりさなのだけれども、下地となっている設定はとても細かく綿密に練られていて、かなり話しには現実味がある。
主人公の、如月と仙石のキャラクターがとてもきわ立っていて、この二人の存在が、物語を格段に面白くしている。悪い組織を正義の味方が懲らしめる、というような単純な図式ではなく、それぞれにそれぞれの考え方と事情と立場があって、どちら側にも読者を共 -
Posted by ブクログ
これは空想の小説というよりも、緻密な調査と整然とした史観に基づいた、壮大な歴史小説であると思った。
第二次世界大戦がどういう戦争だったのか、戦時中の日本人のメンタリティーがどういうものであったのか、この本を読むととてもよくわかる。
第二次世界大戦は、人類に考えるテーマを様々と与えた戦争だった。
ナチスの異民族虐殺と人体実験、南太平洋のミッドウェー海戦での極限の飢餓状態、原子爆弾で一瞬のうちに起こる、街の消滅。戦争でしか起こりえないシチュエーションの中で、自分だったらどう行動するだろうと想像せずにはいられない。
日本にとっての「あるべき終戦」とは何だったのか。1945年8月、日本はこの先どういう -
Posted by ブクログ
よく映画一本分をここまでの長編に仕立てたな、と言うのが率直な感想。後半からは完全にゾルタンが主人公。過去編が長い割に、肝心のどうやってゾルタンになったかは描かれなかったのが残念。ここまでやるなら最初からゾルタン視点の物語にすれば良かったのに。ヨナ達本来の主人公チームは登場場面も少なくなり、あれ?こいつら何してたんだっけ?状態。最終決戦はもはや何やってるか分からんような絵に。
映像作品を忠実にコミカライズした作品よりは遥かに良いが、全体通して面白かったか?と言われると微妙な所。話の進展が遅く、冗長に感じられた。10巻ぐらいにまとめてたらもっと違う評価だったかも。 -
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Posted by ブクログ
読書録「Twelve Y.O.」3
著者 福井晴敏
出版 講談社文庫
p308より引用
“ 攻撃開始から、三十分弱。トゥエルブが
証明して見せたのは、利便性を追求してウワ
バミのようにデジタル化技術を取り込み、そ
れがなければなにもできない体質に染まって
しまった現代軍事力の本末転倒と、有言実行
を貫いた自らの愚直だった。”
電子戦を駆使するテロリストと、彼の引き
起こす事件が巻き起こす陰謀と、それに関わ
る人々を描いた長編サスペンス。
江戸川乱歩省受賞作。
世界最大と言われる艦隊戦力が、母港から
一斉に離脱していく。その事態を引き起こし
たのは、たった一組の男女だった…。
上記 -
Posted by ブクログ
ナーバルの回収から戦闘シーンが多くなり読む速度が少し上がる
ナチスの人体実験はニュルンベルクコードと呼ばれ実際に行われていたので、その中で子供たちを対象に実験が行われていたとしても不思議ではない
その中から発見された超能力による索敵というチートな技術を使う
でも、一度使うとしばらく使えないという設定はナイスと思いました
自由に使えるとほぼ無敵になり話が単調になるので
しつこいアメリカ人のキャスバル艦長は最後精神を病んで特攻したのでもったいないと思いました
これからも駆け引きを行いながら戦いが続くのかと思っていたので
2巻が479ページと中々のボリューム、続く3巻も同じ程のボリュームある