砂村かいりのレビュー一覧

  • へびつかい座の見えない夜

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    「梅雨が来る前に」
    「きみは湖」
    「トカゲのいる闇」
    「ハマエンドウが咲いていた」
    「へびつかい座の見えない夜」
    収集をテーマにした5話収録の短編集。

    全作読んでいる推しの砂村かいりさん。
    やっぱり大好き。

    どの物語にも思わず二度読みしたくなるキラリと光るフレーズがあって、砂村さんの言葉のチョイスに惚れ惚れする。

    全話良かったが、特に秀逸なのは「トカゲのいる闇」。
    トカゲの給餌シーン以上にグロテスクな夫の言動に嫌悪感で一杯になる。
    妻の決意が記されたラスト4行が最高。

    表題作も良い。
    主人公の瑞季の揺れ動く感情に共感しかなかった。

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    2025年07月13日
  • 炭酸水と犬

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    2025/07/13
    主人公の舘野由麻は9年間付き合っている彼氏の小平和佐からいきなり「好きな人ができた」と告げられる。
    結婚を視野に同棲までしていた矢先。でも和佐は一番好きなのは由麻だと言い続けて結婚に向けての話も進めていくのだが、その過程で好きになったという相手のアサミの存在が目立つようになってくる。
    和佐の弟の真先は兄のことをありえないとか散々貶してはいるけど、別れるという踏ん切りをつけることができずズルズルと進んでいく関係を描いた小説…だと思います。
    テーマ自体は浮気とかそんな感じなんですが、どうにもそんなドロドロした感じを受けないのがこの本の不思議なところだと思います。
    いわゆる修羅

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    2025年07月13日
  • コーヒーの囚人

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     魅惑的な香り、美味しさ、濃く、苦味、コーヒーと恋愛を重ねながら、読んでいた。恋愛には、酸いも甘いもあるけれど、この作品集は、酸いが多めで、恋愛する中で、知らないうちに通り過ぎる違和感や噛み合わなさみたいなものが思い起こされる感じがした。
     最後に、実果の人となりに触れる機会があって、嬉しかった。

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    2025年06月28日
  • へびつかい座の見えない夜

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    ネタバレ

    帯にあった「あなたが集めてきたものは、決して無駄なんかじゃない」という言葉に惹かれて読んでみた作品。

    短編集になっていて、とても読みやすい作品。
    1つ1つの章を読み終わると、心が温かくなりました。

    今は、好きな作家さんの本を集めることや、好きなキャラクターグッズを集めることが好きなので、何かを集めることが好きな主人公たちに共感できる部分も多かった印象でした!
    これからも、好きなもののコレクションを続けていきたいと改めて感じた作品です!

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    2025年06月26日
  • 駅と旅

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    ネタバレ

    「そこに、私はいなかった。」が胸が張り裂けそうなくらい青春だった。
    「東京駅、残すべし」もファンタジー要素があって好きだった。
    遠くに行きたくなる短編集。

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    2025年06月21日
  • マリアージュ・ブラン

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    ネタバレ

    結婚とはなんだろう。
    本作は友情結婚?に近いのかもしれないけど、ラストの章を読んで、身体的なつながりがないとしても、それは愛情がないということにはならないと思えた。

    子どもを望むならどうするの?とかいろいろ課題はあるかもしれないけど、このような結婚も良いのかなと思う。

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    2025年06月15日
  • アパートたまゆら

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    ネタバレ

    あらすじと帯に惹かれて、久しぶりに本屋で文庫本を購入しました。

    「たまゆらにしたくない」というタイトルの回収に、
    あーーーーーーーー……………(サラサラと灰になる絵文字)もう言葉になりません。こんな、こんな………恋愛小説をそんなに好んで読むことがなかったんですが、これはもう心臓にぶっ刺さって抜けない素晴らしい作品です。

    良かった、この作品を読める現代に生まれて。
    ちゃんと学生時代に国語の授業サボんなくて良かったです。
    思わずアカウントを作るくらいには、すごく心を揺さぶられました。

    明日、コーヒー飲みながらもう一回読もうと思います。

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    2025年06月01日
  • アパートたまゆら

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    マリアージュ‪ブランが良かったので砂村かいりさんの他の作品も読みたくなり、アパートたまゆらを購入しました。結果読んで良かった。そんな始まりがあるんだってなり、キュンキュンしながら一気読みです。恋がしたくなります。

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    2025年06月01日
  • 炭酸水と犬

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    「もうひとり、彼女ができたんだ」
    そうですか別れましょうとはならない2人の関係が面白かった!主人公の友達目線で読み、心の中で「別れろ」と何回唱えたか。好きになるのは一瞬なのにどんなに傷つけられても嫌いになれない...恋愛のややこしさが煮詰まってました。

    結構分厚めなのに、スルスル読めてあっという間に読み終えました!

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    2025年05月27日
  • マリアージュ・ブラン

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    恋愛感情はない。手を繋いだこともない。世界で一番気の合う、大切な友人と結婚している――男女の新しい在り方を鮮やかに描いた長編小説! 夫婦としてつつましく暮らしている31歳の奈穂と尊。元同級生で、記念日も忘れずに祝い合う仲の良いふたりだが、性交渉はもとより、恋愛感情も存在しない。友人関係だったふたりは、経済面や体裁面でのメリットから婚姻関係を結ぶことを決めたのだった。 恋愛感情に振り回されない、淡々とした暮らしに満足していた奈穂と尊だが、少しずつ二人の関係に綻びが生じて――。


    『独身とは、人生の未完成な状態なんだろうか。』

    『簡単に結婚しろとかいうけれど、男性に人生の主導権

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    2025年05月11日
  • 炭酸水と犬

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    好きだったところが嫌いになっていく、好きな時は全てがよく見える、すごくリアルでした

    恋愛はやっぱり頭で考えるのではなく心で感じるものですね

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    2025年03月15日
  • マリアージュ・ブラン

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    ネタバレ

    現時点で今年一番心に刺さった。
    自分自身どちらかといえば奈穂や尊寄りだと思っているからかもしれない。
    恋愛や結婚をしなきゃ!なんて思わないし焦燥感もないしそこを軸に据えるつもりがない、という点においてだけど。

    ただ、かつて普通の恋愛に身を置いてみようと思ったのはともかくそこで相手の言い分に疑問を持てど対話するでもなく能動的にはほぼ一切動かないで身のうちに我慢だけ重ねて相手がブチ切れたらトラウマ負いました!とかちょっと二人とも自己中ではあるよな。
    お互い同士ではうまく付き合っていけてるんだし、単純に相性の問題のようにも思った。
    っていうと作中の表現の問題になってしまいそうだけど、相性よくても子

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    2025年03月01日
  • コーヒーの囚人

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    コーヒーは苦くて甘い。
    人生も苦くて甘い。

    悩みにとらわれた人々の転機にコーヒーが立ち会う。それぞれが選択する未来とは──。
    日常の先に潜む、どこか不思議な5つの物語。

    ある日、ルームメイトの実果が出ていった。入れ違いに現れた彼女の婚約者と、なぜか同居することになり──「コーヒーの囚人」
    真面目が取り柄の地味な会社員が、上司との不倫におぼれた先で出した答えとは──「隣のシーツは白い」
    新たな住まいに引っ越した家族の元を訪れる、前住人の老婦人。初めは彼女の訪問を疎ましく思っていたが、待っていたのは意外な結末で──「招かれざる貴婦人」

    『「きょうだい児には苦労が多いことは事実だ

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    2025年01月23日
  • 炭酸水と犬【電子特典付き】

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    今年一作品目
    まーーーじで読んでてしんどかった
    新しいしんどさ
    自分に置き換えてしまって終始心苦しかった
    でも私も自分に甘々なので最後ハッピーエンドになってくれてよかった
    いやでもほんとに和佐とアサミは一生許せません
    辛いのに読み進めちゃう感じ、悔しくもどハマりしました

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    2025年01月08日
  • 炭酸水と犬

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    表示が可愛い!

    苦しいくらい感情移入してしまった。
    砂村さんの恋心の描写がとても好き!
    恋人との甘やかな時間、恋人がもう一人の彼女に向けた淡い気持ちへの強烈な嫉妬心、恋人の弟を意識してドギマギしてしまうところ、共感できすぎて胸が張り裂けそうだった。ドキドキした。恋人の煮え切らない態度には苛ついたし、何で早く別れないのかと思ったけど、あまりに現実味がなくて受け入れられないのだなと思ったし、何より9年も付き合っていたし、妙齢だし、すぐに決めきれないのがリアルだなと感じた。

    最近、20代後半の女性が恋愛に悩む小説がとにかく刺さる。自分と重ねて苦しくなってしまう。でも、5年後、10年後にこんなに強

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    2025年01月04日
  • アパートたまゆら

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    王道の恋愛小説。
    主人公と一緒に恋してた。
    久し振りにこんな純度100%の恋愛小説を読むのもいいな。
    昨今は不倫だのDVだの虐待だの、人の仄暗い部分や「痛み」をエッセンスのように入れてくる小説が多いから。

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    2024年11月17日
  • 炭酸水と犬

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    読み終えた今は「めちゃくちゃ好き!!」って感想だけど、読んでる間、3分の2くらいはずっと彼氏にイライラしてたのは本音。笑
    これは好き嫌いが分かれる作品かも。

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    2024年11月17日
  • アパートたまゆら

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    縮まりそうで縮まらない、上手くいきそうなところで絶妙な邪魔が入る。それと紗子の控えめなようで大胆な性格と行動。このもどかしさがたまらなく好き!久しぶりのきゅんでした。

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    2024年11月03日
  • アパートたまゆら

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    「ときめきが致死量」って言葉に笑ってしまった。
    共感できたりクスッと笑えたり読みやすい恋愛小説だった。

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    2024年10月26日
  • アパートたまゆら

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    「ときめきが致死量だ」まさにこの言葉通りにときめきで死にました。琴引さんがかっこよすぎて即死。これはもう少女まんがレベルの恋愛小説。ただ砂子ちゃんの魅力がいまいち分からず。男性目線では魅力的な女性なんだろうけど、琴引さんは紗子ちゃんのどこに惹かれたのか最後まで分からなかった。女性目線からしたら、「ただ男にモテる女子」という感想以外なし。まさか顔のみ?だったらショック。ということで、ぜひ琴引さん目線での「アパートたまゆら」を砂村かいりさんに書いてほしいな。

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    2024年10月04日