砂村かいりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025/07/13
主人公の舘野由麻は9年間付き合っている彼氏の小平和佐からいきなり「好きな人ができた」と告げられる。
結婚を視野に同棲までしていた矢先。でも和佐は一番好きなのは由麻だと言い続けて結婚に向けての話も進めていくのだが、その過程で好きになったという相手のアサミの存在が目立つようになってくる。
和佐の弟の真先は兄のことをありえないとか散々貶してはいるけど、別れるという踏ん切りをつけることができずズルズルと進んでいく関係を描いた小説…だと思います。
テーマ自体は浮気とかそんな感じなんですが、どうにもそんなドロドロした感じを受けないのがこの本の不思議なところだと思います。
いわゆる修羅 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじと帯に惹かれて、久しぶりに本屋で文庫本を購入しました。
「たまゆらにしたくない」というタイトルの回収に、
あーーーーーーーー……………(サラサラと灰になる絵文字)もう言葉になりません。こんな、こんな………恋愛小説をそんなに好んで読むことがなかったんですが、これはもう心臓にぶっ刺さって抜けない素晴らしい作品です。
良かった、この作品を読める現代に生まれて。
ちゃんと学生時代に国語の授業サボんなくて良かったです。
思わずアカウントを作るくらいには、すごく心を揺さぶられました。
明日、コーヒー飲みながらもう一回読もうと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
恋愛感情はない。手を繋いだこともない。世界で一番気の合う、大切な友人と結婚している――男女の新しい在り方を鮮やかに描いた長編小説! 夫婦としてつつましく暮らしている31歳の奈穂と尊。元同級生で、記念日も忘れずに祝い合う仲の良いふたりだが、性交渉はもとより、恋愛感情も存在しない。友人関係だったふたりは、経済面や体裁面でのメリットから婚姻関係を結ぶことを決めたのだった。 恋愛感情に振り回されない、淡々とした暮らしに満足していた奈穂と尊だが、少しずつ二人の関係に綻びが生じて――。
『独身とは、人生の未完成な状態なんだろうか。』
『簡単に結婚しろとかいうけれど、男性に人生の主導権 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現時点で今年一番心に刺さった。
自分自身どちらかといえば奈穂や尊寄りだと思っているからかもしれない。
恋愛や結婚をしなきゃ!なんて思わないし焦燥感もないしそこを軸に据えるつもりがない、という点においてだけど。
ただ、かつて普通の恋愛に身を置いてみようと思ったのはともかくそこで相手の言い分に疑問を持てど対話するでもなく能動的にはほぼ一切動かないで身のうちに我慢だけ重ねて相手がブチ切れたらトラウマ負いました!とかちょっと二人とも自己中ではあるよな。
お互い同士ではうまく付き合っていけてるんだし、単純に相性の問題のようにも思った。
っていうと作中の表現の問題になってしまいそうだけど、相性よくても子 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
コーヒーは苦くて甘い。
人生も苦くて甘い。
悩みにとらわれた人々の転機にコーヒーが立ち会う。それぞれが選択する未来とは──。
日常の先に潜む、どこか不思議な5つの物語。
ある日、ルームメイトの実果が出ていった。入れ違いに現れた彼女の婚約者と、なぜか同居することになり──「コーヒーの囚人」
真面目が取り柄の地味な会社員が、上司との不倫におぼれた先で出した答えとは──「隣のシーツは白い」
新たな住まいに引っ越した家族の元を訪れる、前住人の老婦人。初めは彼女の訪問を疎ましく思っていたが、待っていたのは意外な結末で──「招かれざる貴婦人」
『「きょうだい児には苦労が多いことは事実だ -
Posted by ブクログ
表示が可愛い!
苦しいくらい感情移入してしまった。
砂村さんの恋心の描写がとても好き!
恋人との甘やかな時間、恋人がもう一人の彼女に向けた淡い気持ちへの強烈な嫉妬心、恋人の弟を意識してドギマギしてしまうところ、共感できすぎて胸が張り裂けそうだった。ドキドキした。恋人の煮え切らない態度には苛ついたし、何で早く別れないのかと思ったけど、あまりに現実味がなくて受け入れられないのだなと思ったし、何より9年も付き合っていたし、妙齢だし、すぐに決めきれないのがリアルだなと感じた。
最近、20代後半の女性が恋愛に悩む小説がとにかく刺さる。自分と重ねて苦しくなってしまう。でも、5年後、10年後にこんなに強