砂村かいりのレビュー一覧

  • 駅と旅

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    タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
    と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。

    始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
    次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
    ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作

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    2025年07月27日
  • コーヒーの囚人

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    『コーヒーの囚人』の話自体、面白かったなー。知らなかったし、囚人にコーヒー3杯、紅茶3杯毎日飲ませる実験て。そんな要所要所にコーヒーが出てくる短編集。不倫の話やきょうだい児の話はなんか救いがなくて後味悪い。

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    2025年07月25日
  • 駅と旅

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    短編集6篇
    行方不明の恋人を探す弁天島「きみは湖」砂村かいり
    行けなかった甲子園「そこに、私はいなかった」
    実家に帰った夫を迎えに行く札幌「雪花の下」君島彼方
    付喪神の調伏,唐津「東京駅,残すべし」松崎有理
    不倫報道と無差別殺人,韓国から羽田空港,額賀澪
    祖父の形見のアズレージョ,ポルト「辿る街の青い模様」鳥山まこと

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    2025年07月22日
  • マリアージュ・ブラン

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    どう見てもお互いを大切に思って好き同士でいい感じの夫婦なのに、
    私たちは普通ではない
    これは恋愛ではない
    私はアロマンティックアクセシャルだ
    嫉妬するなんて変だ
    と、自分に言い聞かせすぎてるような…
    友情の好きと恋愛の好きを区別しすぎなのでは⁉︎と思いました。

    世の中何十年もレスの夫婦もたくさんいるだろうし、たとえ恋愛結婚でもすべてを配偶者に打ち明けられるわけではないですし…

    ただ、この二人はその自分たちの価値観を、周りの人間に理解してほしい!と押し付けたりしないところに好感が持てました。

    文章は読みやすかったです。

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    2025年07月20日
  • 駅と旅

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    旅=いわゆる旅行という話ではなく。

    駅が、お話ひとつひとつに登場する彼らの、人生の岐路的役割を果たしている。
    旅は、あの時の、まだ整理できていない気持ちに自分なりの決着をつけることであり、自分のこれからのために必要なこをを見つめることであり、心の旅でもある。

    アンソロジーになっているので、普段は手を出さないSFものが読めたりしたので、良い経験になった。
    自分に身近な駅も登場したりと、楽しかった!

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    2025年07月14日
  • へびつかい座の見えない夜

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    五つからなる短編集で、ハッピーエンドとはいかないが…。

    一話目の髪の収集はちと気持ち悪さを感じたが、三話目と四話目は現実でもあり得そうな内容で、前を向いて生きる強さと若干の切なさを味わえた。

    砂村さんの著作は実は本著が初めてなのだが、他の作品に触れてみたいと思う。

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    2025年07月07日
  • コーヒーの囚人

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    短編集はそんな好きでもなく読まないのだが、どのお話も趣向をこらしてあってあっという間に読んでしまった
    「どこかの喫煙所で会いましょう」
    「招かれざる貴婦人」
    が良かった

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    2025年07月06日
  • マリアージュ・ブラン

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    「マリアージュ・ブラン」、フランス語で「偽装結婚」という意味みたいです。
    今作にでてくる奈穂と尊の夫婦は「友情結婚」かはたまた「偽装結婚」か。この物語は、そんな「普通」になりたい2人のお話でした。

    私自身、「普通」になりたくて結婚した2人とは少し違うのですが、結婚への憧れがあるので、2人くらいの年齢になったら焦りそうで、そういう部分は共感できました。

    「普通」になりたくて結婚した2人ですが、「友達夫婦」だとやはり世間の「普通の夫婦」とは違うのかもという、2人の葛藤が窺える作品でした。
    私もいま一度、世間にたくさん存在する「普通」について考える良い機会をいただけました。

    この物語のテーマで

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    2025年07月03日
  • アパートたまゆら

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    アパートの隣人に恋をする。久しぶりにこんなピュアなの読んだら夢に描いてしまいそう。「ときめきが致死量」という言葉はわたしのボキャブラリーに登録しておこう。

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    2025年06月22日
  • コーヒーの囚人

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    全てのお話がにコーヒーが出てくるので飲みたくなる。
    お話事態もほろ苦さがあって切ない。

    コーヒーの囚人は同居している友達が不在の間その恋人と暮らすことになる奇妙なお話。だんだんと距離が縮まる二人だったが、お互いの秘密には踏み込めないもやもや感がありつつ、最後は意外な真実だった。
    隣のシーツはもう虚しさしか残らなかった。上司が滅茶苦茶嫌な奴かと思ったが後半はどっこいどっこいかな。
    どこかの喫煙所で会いましょうがスピード感もあって、はっきりしたストーリーだったので印象に残った。さんざん男性達を振り回してきたけど、最後に見切りを付けられたであろう最後にスッキリした。
    招かれざる貴婦人がちょっとホラ

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    2025年06月13日
  • 炭酸水と犬

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    私は、恋愛というものを真剣に考えられない。
    恥ずかしいとかそんなものではない。

    私は相手の行動で自分が揺さぶられることが
    好きじゃない。

    好きな人となるとさらに揺さぶれる。

    真剣に考えるほど、人をおかしくさせていくのか
    恋愛だと思う。

    本作、「炭酸水と犬」は恋愛というものに揺れ動く人たちばかりが登場する。

    どの主人公も恋愛が絡んだ時の行動がリアルで生々しい。

    主人公の由麻は、長年付き合っている恋人への愛情から不義理なことをされても決断ができない。

    由麻の恋人、和佐は由麻を愛してるからではなく、自分のルールとポリシーを中心に動いてるゆえ、由麻を傷つけていることに気づかない。

    和佐

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    2025年06月11日
  • 駅と旅

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    1作目を読んだ。ミステリーで話に引き込まれる。
    ただし、文字が小さすぎて2作目から読むのをあきらめた。
    内容が良かっただけに残念!

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    2025年05月27日
  • 駅と旅

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    「駅と旅」というタイトルは旅好きには、とてもそそられるタイトル。しかも、電車旅なので、程よいスピード感が良かった。
    いわゆる旅ではなく、もうちょっと非日常な旅が描かれていて、ドラマティックなものが多い。
    好みだったのは、朝倉広景さんと君嶋彼方さん。
    誰かを追いかけて行く旅。したことはないけど、なんとなく憧れる。

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    2025年05月22日
  • アパートたまゆら

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    初の砂村かいりさんと、初の王道恋愛小説。
    久しぶりにキュンキュンした。
    付き合う前のワクワクが好きな方は本当に好きな作品だと思う。
    主人公は多分変わってる方。いや結構変わってるかも。控えめに言ってわたしはあまり友達にはなりたくないタイプ。(主人公の友達も結構痛い)
    元カレとのだらし無さが本当に...って感じです...。

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    2025年05月03日
  • 炭酸水と犬

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    ネタバレ

    彼氏の言動に苛々しながら読む場面もあったけど飽きることもなく最後まで読めた。
    途中からこうなるんだろうな、と言う展開が読めてしまったのが残念なところ。

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    2025年04月22日
  • 炭酸水と犬【電子特典付き】

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    ネタバレ

    第三者から見れば別れた方がいいとわかってはいるものの、9年もの何月、30歳手前、彼のことを愛しているという現実が中々そうはさせてくれないよな〜。
    和佐は自分も同じ立場にならないと吹っ切れないんだな〜とことごとく呆れた。由麻はもし、真先くんが自分に思いが向いていなかったら、本当に別れるという選択ができたのだろうか?と少しモヤモヤしてしまった。結局、恋愛の穴埋めは恋愛になることに対して少し違和感を覚えたが、最後は不覚にもきゅんきゅんしてしまった。真先くんの対応が、1番納得できて報われて良かったかな〜と終わる1冊だった。
    私は馬鹿だから真先くんの気持ちに全く気づかず最後にハッとしてしまった笑。でも気

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    2025年04月16日
  • コーヒーの囚人

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    私自身、そして近しい友だちも(おそらく)経験したことがない恋愛の短編集でした。恋愛で切なくなる一歩手前、泥沼化しない恋愛、男女関係を生きている人もたくさんいるのでしょうね。好きなコーヒーを飲むことと同じように、男女関係が当たり前にあって、人生に花(?)を添えているっていいなぁと思いました。『隣のシーツは白い』のラストシーンで、梶井基次郎の『檸檬』を思い出し、現実はそんなカッコ良く終わらないよね〜と、共感、クスッとしました。
    人それぞれの人生を生きた気持ちになれるから、小説を読むのは、やめられない!です。

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    2025年04月09日
  • アパートたまゆら

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    誰かを好きになって惹かれあっていく恋心や、勘違いしたり不安になったりと恋愛に真っ直ぐな主人公の心情が丁寧に描かれた作品。

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    2025年03月22日
  • コーヒーの囚人

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    タイトルは表題作からとったものではあるが、人生の岐路に立つ市井の人々の傍らに必ずコーヒーが登場する短編集。

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    2025年03月11日
  • コーヒーの囚人

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    どの物語にも必ずコーヒーが登場するのだが、それはほっと癒してくれるものだったり、ほろ苦さを味わうものだったり様々で、何だか人生の難しさやもどかしさを表しているようだ。
     特に印象深かったのは「どこかの喫煙所で会いましょう」。恋人の兄が障害を抱えていると知り、結婚を躊躇する有沙の気持ちが理解できなくもないし、それを知って気持ちが冷めていく彼氏の気持ちも分かる。しかし一番心に残ったのは有沙の浮気相手である寿のセリフ。
     「人は誰しもリスクを背負って生きている」
     「他人の持つリスクに排他的でいれば、それはいずれ己にも降りかかってくるものだ」
     まさに、そのリスクに対応する努力をし続けることこそ人生

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    2025年03月08日