砂村かいりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
五編の短編集。
日常のなかにある消化しきれないモヤモヤした気持ちを、自覚しながらどうすることも出来ずにいる人たち。
そんな彼女たちが、自分の殻を破り一歩踏み出す瞬間が描かれていました。
一番良かったのは表題作「へびつかい座の見えない夜」。職場でのモヤモヤ、わかる気がするなぁ。どんより曇っていた空から、晴れ間が広がっていくような清々しさを感じました。
「トカゲのいる闇」は、登場する夫に嫌悪感。悪気があるのかないのか、こういうのは質が悪いと思う。「まさかそこから!?」という、主人公の変化と未来への可能性に胸がすく思いでした!
読み終えたあと「爽快」まではいかないまでも、どこか晴れやかな気持ち -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作 -
Posted by ブクログ
「マリアージュ・ブラン」、フランス語で「偽装結婚」という意味みたいです。
今作にでてくる奈穂と尊の夫婦は「友情結婚」かはたまた「偽装結婚」か。この物語は、そんな「普通」になりたい2人のお話でした。
私自身、「普通」になりたくて結婚した2人とは少し違うのですが、結婚への憧れがあるので、2人くらいの年齢になったら焦りそうで、そういう部分は共感できました。
「普通」になりたくて結婚した2人ですが、「友達夫婦」だとやはり世間の「普通の夫婦」とは違うのかもという、2人の葛藤が窺える作品でした。
私もいま一度、世間にたくさん存在する「普通」について考える良い機会をいただけました。
この物語のテーマで -
Posted by ブクログ
全てのお話がにコーヒーが出てくるので飲みたくなる。
お話事態もほろ苦さがあって切ない。
コーヒーの囚人は同居している友達が不在の間その恋人と暮らすことになる奇妙なお話。だんだんと距離が縮まる二人だったが、お互いの秘密には踏み込めないもやもや感がありつつ、最後は意外な真実だった。
隣のシーツはもう虚しさしか残らなかった。上司が滅茶苦茶嫌な奴かと思ったが後半はどっこいどっこいかな。
どこかの喫煙所で会いましょうがスピード感もあって、はっきりしたストーリーだったので印象に残った。さんざん男性達を振り回してきたけど、最後に見切りを付けられたであろう最後にスッキリした。
招かれざる貴婦人がちょっとホラ -
Posted by ブクログ
私は、恋愛というものを真剣に考えられない。
恥ずかしいとかそんなものではない。
私は相手の行動で自分が揺さぶられることが
好きじゃない。
好きな人となるとさらに揺さぶれる。
真剣に考えるほど、人をおかしくさせていくのか
恋愛だと思う。
本作、「炭酸水と犬」は恋愛というものに揺れ動く人たちばかりが登場する。
どの主人公も恋愛が絡んだ時の行動がリアルで生々しい。
主人公の由麻は、長年付き合っている恋人への愛情から不義理なことをされても決断ができない。
由麻の恋人、和佐は由麻を愛してるからではなく、自分のルールとポリシーを中心に動いてるゆえ、由麻を傷つけていることに気づかない。
和佐