砂村かいりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この小説のジャンルは、多分『恋愛』じゃなくて『地獄』。
ことの始まりは、自分の恋人から「もう1人恋人ができた。でも君とも別れたくない。しばらく見守ってほしい」
と言われることからスタートする。
…読む前は、ちょっと不思議な倫理感覚を持った人たちの不思議な話なのかな?と思っていた。
でも違う。
この恋人は、元々は真面目な人。
主人公も、彼と出会う前は荒れていたこともあったけれど、彼に会ってからは彼を愛して過ごしてきた。
だから話を聞いた人が全員ドン引き。(私もドン引き)
なんか、Xの人生相談みたいなやつでありそうなエピソードだなと思った。
X民はみんな「早く別れた方が良い」「結婚する前に気づけて良かったと思おう」みたいにコメントしそう…。
だけど、彼女が簡単に別れに踏み切れない気持ちも分かる。
これまで積み重ねてきた2人の歴史がある。
彼に今まで特に不満を感じていなかったし、大切にしてもらってきた記憶がある。
9年付き合ってきて、結婚すると思っていて、もう30になる。
今別れたら、また新たな人と出会ってお互いを知るところから始まるのか。
…そんなことを考えて、でも自分はこの状況を許容できるのか。とか、ぐちゃぐちゃ考えてしまう気持ちは、痛いほど分かる。
だからこそ、地獄だった。
読んでいて本当に苦しかった。
だから、ラストの選択は良かったと私は思う。物語はハッピーエンドに限る。
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Posted by ブクログ
ネタバレ恋とは意図せず落ちてしまうもの、だけど
「もうひとり、彼女ができたんだ。」(P4)
長く同棲中の彼氏からそう言われた由麻はあっさり承諾してしまう。大学時代にまぶしく映る男の子と付き合えて同棲して、そしてその男の子には他にも好きな女子ができて、なんと二股していいですか、なんていう内容を真面目に言ってきた。
なんだこの「ごめんね。」と泣きながら精神を殴ってくるような行動を取る男は、と思いました…。人としてダメすぎるぅ。
人間関係はひたすら水面下でドロドロと渦巻きながら最後はそのドロドロが爆発してあちこちに飛び散る。でもその爆発のきっかけは結局のところ主人公だったのかもしれない。
意図せず落ちてしまうものだから責任なく許されるものなのかどうか…読書感想を読むとみんな彼氏の和佐が嫌いでちょっと安心した(笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレいつもイヤミスばかり手にとってしまうので、たまには恋愛物をば。 アパートの隣人に恋をするという、フィクションとしてはベタなお話で、その隣人もまた理想と妄想を詰め込んだような雰囲気のいい男性で…主人公と同じ気持ちで無条件にきゅんきゅんさせられました。 その他の登場人物も含めて最初から最後までザ・王道の展開でしたが、恋って直球が一番ですからね。こういうのでいいんですよ。 面白かったけど星があと一つ足りなかった理由→登場人物で1人だけ救われなかった人がいたので、ここまで色々回収したのなら、そいつも悪い奴ではないのだから何か光を与えて欲しかったなあ。
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Posted by ブクログ
恋愛や性愛なく結婚した二人の話
何作か読んだが、砂村かいりさんは日常にはびこるちょっとした不快感や、なんとなくモヤモヤしていた感情を掬い上げ言語化するのがとても上手いと思う。私自身は恋愛も結婚も出産もしたけど、奈穂たちが感じる『恋愛・性愛ありきの男女(夫婦)関係への違和感』にもとても共感を覚えた。
そういう煩わしいあれこれとは無縁の、居心地の良い関係。自分に合ってる気楽な職場に、気さくで理解ある友人。優しくて気持ちいい理想の生活は、読んでいてとても心地よかった。
だけどある時から二人の生活に、そして読んでいる私に、『気持ち悪い』が襲いかかってくる。
繊細な筆致で日々の不満や違和感を言語化してくれていた文章が、同じような繊細さで、奈穂や尊の無自覚さ無神経さ、鈍感さを明らかにしていく。
気持ちいいだけの関係なんてあり得ない。そう言われたような気がした。
だからこそ、ラストの着地点が余計に沁みた。星夜のことも、衿子のことも。作中で出てきた「グラデーション」という言葉は、セクシュアリティだけじゃないのだなと感じた。どんな人にも『気持ちいい』ところと『気持ち悪い』ところがあって、それは日々グラデーションのように揺れているのかなと。
そんな中でラストで二人が選んだ道はとても素敵だなと思ったし、この本を読んで良かったなと心から思った。 -
Posted by ブクログ
砂村かいりさん。
『あらすじが変わってる話を書く人』というイメージがあって気になっていたけど、今回初めて手に取ってみたら…。
文章もとても読みやすくて、期待していたよりもかなり面白かった!
自分の中高生時代も、れいちゃんみたいな子っていっぱいいたなー。
学生の頃って、『学校内の世界が全て』みたいなところがあるからキツかったな…。
れいちゃんが、散々主人公に嫌な思いさせて、時々気まぐれに無邪気に遊んだりイチゴ飴をくれるところが、DV彼氏が殴ったあと優しくしてるみたいなイメージで、傍から見ると(うわぁ)なのに、当事者はちょっと喜んじゃう感じもリアルだった。
色々あったけど、読後の後味は良くて面白かった。 -
Posted by ブクログ
《30代の恋愛は、人生と地続きだ》
とびきり不幸でもないけれど、完璧な幸せでもない。そんな「30代」を切り取った、人気作家さんたちによる「うまくいかない恋」がテーマのアンソロジーということで…
これはきっと30代は読みたくなるヤツ!
まだ一応30代の私もまんまと気になって手に取ったσ(´˘` )
♥「感情旅行」一穂ミチさん
葬儀って悲しみの場であると同時に、残された人の縁を繋ぎ直す場でもあるよな、と自分自身の経験も踏まえて改めて感じた。
過去の記憶、懐かしさ、言えなかった気持ちー…旅を通じて、心もあの頃へ。
そして、きっと旅をする前とは少し違う気持ちでいつもの日常に戻っていく。
あぁ、余韻が…( ˊ꒳ˋ ) ᐝ
17日発売の新刊も楽しみ♡
「独身の女王」麻布競馬場さん
他人の物差しではなく、自分の心に従って生きる勇気をくれる作品。
どう生きていくのか、決めるのは自分だ。
これは独身の時に読みたかったな(꧞ 'ᢦ' )
「オレンジシャドウの憂鬱」砂村かいりさん
女ってヤツは…!と頭を抱えたくなった(ノд-。)
そして「自分への扉」がいつまでも自分のために開かれているとは限らないっていうのがホントその通りで…過去の自分と重なってかなりグサッときた=(´□`)⇒グサッ
世界は自分中心に回っていないってことを少しずつ受け入れることが、大人になるってことなのかもしれない。
「さみしがりやの恐竜たち」こざわたまこさん
ワードセンスが結構好き。
序盤はほぅ( ´͈ ᵕ `͈ )♡となり、中盤は「奥平ー!ヽ(ꐦ`Д´)ノ」となり、終盤は絶句…!ᔪ(°ᐤ°)ᔭ短編なのになかなか感情が忙しかった。
さみしさを完全に飼い慣らすことはきっといくつになってもできないと思うけれど、さみしさとうまく付き合えるようになることが、結局は自分を好きになるということなのかな、と思った。
「不機嫌依存症」田中兆子さん
昔働いていた会社で「不機嫌ハラスメント」な人たち、いた!ᔪ(°ᐤ°)ᔭ機嫌悪い時は何を言われるか分かったもんじゃないので、恐怖で身が縮むような思いをしていたなぁ…( ´-`)
「その不機嫌、一刻も早くやめて???」って思いながら読んでいたら、そういう一文が出てきて笑ったꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
自分の感情を自分で引き受けることって大事。
そのためにはまず自分で自分を大切にしないとね。
♥「出会い」朝比奈あすかさん
こちら、すごく大人の恋らしい。
相手に出会ったことで自分の人生が豊かになった、という感じが。
結果は別として、人生に必要な出会いだったんだろうな。
静かだけど、人生にちゃんと跡が残る恋。
「振りかぶって、さよなら」千加野あいさん
ここまで読んできた中で一番共感度高い主人公だった…!
一歩踏み出せない気持ちも、親を反面教師にして生きているのも分かりみが深い( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
平くん、追いかけてくれるといいね…!
「となりの独り」カツセマサヒコさん
30代の恋愛についてのハルさんの発言、周囲の変化が、自分の孤独を浮かび上がらせるっていうのが分かりみが深い…!
30代の恋愛って若い頃とは違ってやっぱり生活とは切り離せないし、同じ人生のステージにいる人と友達になりたいっていうのも頷ける。
それにしても…
男の人の思考ってホントにこんな感じ???
(一括りはできないのでしょうが…)
これは是非男の人の感想が聞きたいわ( ᴗ ̫ ᴗ )笑