砂村かいりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ29歳の主人公、9年付き合ってる彼氏に、もう1人彼女ができた。
このあらすじに敬遠し、読もうか迷っていた作品ですが、最後はハッピーエンド。
主人公は自分のことを、取り立てて良いところがなく、派遣社員で不安定な身だと自分のことを形容していて、
うーん‥彼氏ありきのあんまり好きになれない女の子かなぁと思ってたんですが
読み進めるうち、周りの評価から
あれ!?この子スタイル良くて今風の可愛い感じで、
でもそれだけじゃなくって
有名大出てて語学力も高くて、きちんと育てられてるから礼儀正しく上品で
謙虚で他人に対して優しくて
難しい本とかも好んで読んでるの。
実はめちゃくちゃ魅力的な子なんじゃないかなぁって思いました。
周りから妬まれたりしそうな女の子‥
それに対してもう1人の彼女は
服装ださい、教養がなくがさつ、下品
SNSにあげる言葉もイタすぎ、激イタ
人生の一発逆転狙って、人の彼氏を奪おうとかする。
同性としてこれっぽーちも共感できんかった。
彼氏も、主人公に対する 女として好き とは違うって言うんだけど
この人の笑顔を食い入るように見てたりするから、好きって千差万別なんかも、って思ったり。
人を好きになる表現が色々出てきます。
自分とおんなじ音楽が聞こえてきた
自分とは違う音楽がずっと流れてくる
頼りない原子が結合すべき原子を見つけた感覚
1番好きなのは
この人だって、感じたんじゃなくて、わかった
っていう言葉。
これが1番、私は理解できました。
不毛かもしらんけど、それでもわかっちゃったら、ずっとその人を思い続けちゃうんよ、でも最後は伝わってよかったね。
めちゃくちゃ、感情移入して、共感しまくって
さくさく読めた作品です。
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Posted by ブクログ
この小説のジャンルは、多分『恋愛』じゃなくて『地獄』。
ことの始まりは、自分の恋人から「もう1人恋人ができた。でも君とも別れたくない。しばらく見守ってほしい」
と言われることからスタートする。
…読む前は、ちょっと不思議な倫理感覚を持った人たちの不思議な話なのかな?と思っていた。
でも違う。
この恋人は、元々は真面目な人。
主人公も、彼と出会う前は荒れていたこともあったけれど、彼に会ってからは彼を愛して過ごしてきた。
だから話を聞いた人が全員ドン引き。(私もドン引き)
なんか、Xの人生相談みたいなやつでありそうなエピソードだなと思った。
X民はみんな「早く別れた方が良い」「結婚する前に気づけて良かったと思おう」みたいにコメントしそう…。
だけど、彼女が簡単に別れに踏み切れない気持ちも分かる。
これまで積み重ねてきた2人の歴史がある。
彼に今まで特に不満を感じていなかったし、大切にしてもらってきた記憶がある。
9年付き合ってきて、結婚すると思っていて、もう30になる。
今別れたら、また新たな人と出会ってお互いを知るところから始まるのか。
…そんなことを考えて、でも自分はこの状況を許容できるのか。とか、ぐちゃぐちゃ考えてしまう気持ちは、痛いほど分かる。
だからこそ、地獄だった。
読んでいて本当に苦しかった。
だから、ラストの選択は良かったと私は思う。物語はハッピーエンドに限る。
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Posted by ブクログ
ネタバレ恋とは意図せず落ちてしまうもの、だけど
「もうひとり、彼女ができたんだ。」(P4)
長く同棲中の彼氏からそう言われた由麻はあっさり承諾してしまう。大学時代にまぶしく映る男の子と付き合えて同棲して、そしてその男の子には他にも好きな女子ができて、なんと二股していいですか、なんていう内容を真面目に言ってきた。
なんだこの「ごめんね。」と泣きながら精神を殴ってくるような行動を取る男は、と思いました…。人としてダメすぎるぅ。
人間関係はひたすら水面下でドロドロと渦巻きながら最後はそのドロドロが爆発してあちこちに飛び散る。でもその爆発のきっかけは結局のところ主人公だったのかもしれない。
意図せず落ちてしまうものだから責任なく許されるものなのかどうか…読書感想を読むとみんな彼氏の和佐が嫌いでちょっと安心した(笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレいつもイヤミスばかり手にとってしまうので、たまには恋愛物をば。 アパートの隣人に恋をするという、フィクションとしてはベタなお話で、その隣人もまた理想と妄想を詰め込んだような雰囲気のいい男性で…主人公と同じ気持ちで無条件にきゅんきゅんさせられました。 その他の登場人物も含めて最初から最後までザ・王道の展開でしたが、恋って直球が一番ですからね。こういうのでいいんですよ。 面白かったけど星があと一つ足りなかった理由→登場人物で1人だけ救われなかった人がいたので、ここまで色々回収したのなら、そいつも悪い奴ではないのだから何か光を与えて欲しかったなあ。
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Posted by ブクログ
恋愛や性愛なく結婚した二人の話
何作か読んだが、砂村かいりさんは日常にはびこるちょっとした不快感や、なんとなくモヤモヤしていた感情を掬い上げ言語化するのがとても上手いと思う。私自身は恋愛も結婚も出産もしたけど、奈穂たちが感じる『恋愛・性愛ありきの男女(夫婦)関係への違和感』にもとても共感を覚えた。
そういう煩わしいあれこれとは無縁の、居心地の良い関係。自分に合ってる気楽な職場に、気さくで理解ある友人。優しくて気持ちいい理想の生活は、読んでいてとても心地よかった。
だけどある時から二人の生活に、そして読んでいる私に、『気持ち悪い』が襲いかかってくる。
繊細な筆致で日々の不満や違和感を言語化してくれていた文章が、同じような繊細さで、奈穂や尊の無自覚さ無神経さ、鈍感さを明らかにしていく。
気持ちいいだけの関係なんてあり得ない。そう言われたような気がした。
だからこそ、ラストの着地点が余計に沁みた。星夜のことも、衿子のことも。作中で出てきた「グラデーション」という言葉は、セクシュアリティだけじゃないのだなと感じた。どんな人にも『気持ちいい』ところと『気持ち悪い』ところがあって、それは日々グラデーションのように揺れているのかなと。
そんな中でラストで二人が選んだ道はとても素敵だなと思ったし、この本を読んで良かったなと心から思った。 -
Posted by ブクログ
砂村かいりさん。
『あらすじが変わってる話を書く人』というイメージがあって気になっていたけど、今回初めて手に取ってみたら…。
文章もとても読みやすくて、期待していたよりもかなり面白かった!
自分の中高生時代も、れいちゃんみたいな子っていっぱいいたなー。
学生の頃って、『学校内の世界が全て』みたいなところがあるからキツかったな…。
れいちゃんが、散々主人公に嫌な思いさせて、時々気まぐれに無邪気に遊んだりイチゴ飴をくれるところが、DV彼氏が殴ったあと優しくしてるみたいなイメージで、傍から見ると(うわぁ)なのに、当事者はちょっと喜んじゃう感じもリアルだった。
色々あったけど、読後の後味は良くて面白かった。