砂村かいりのレビュー一覧
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恋愛感情をもともと持ちづらい二人が利害関係一致で結婚
理想的な生活を送る二人なのになぜかほんのりざらつく描写
性行為なく恋愛なく結婚していることへの罪悪感や、アセクシャルかもしれないという不安
でもどう考えって2人は愛し合ってるし、この話全編通して所謂普通の夫婦だったとしても起き得る課題なのではと感じた
2人とも出会った頃からお互いを唯一無二に思ってるのに気付いてない
友人の自分以外の友人関係に傷付くのは31歳としては幼い
恋愛から結婚したって常に意見の一致があるわけでなく、一致しないことがたくさんあるのにそれを自分たちが恋愛してないからと、そこだけが原因のように考える視野の狭さ
性行為以外 -
Posted by ブクログ
砂村かいりさんの作品は「黒蝶貝のピアス」「アパートたまゆら」に続いて3冊目。この作品は特に、内面を客観的に振り返って、反省しつつ、明日に繋いでいこうとする生き方が印象に残りました。夫婦の形は色々でその2人だけで世界が回ってるわけじゃないから、両親・兄弟・友達・職場のたちを交えたら、それは多少大変なこともあるよね。可愛いロシアンブルーが出てくるのは、不意打ちだったけど、猫推しには嬉しかった(=^・・^=)
『女性を見下しているつもりはない。むしろ尊敬の対象だ。男よりも落ち着いてるし、頭がいいし、清潔で、何をするにも丁寧だ。それでもなぜだろう、「女みたい」と言われるたびに自尊心が傷つく。それは無 -
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帯に書かれていた『王道の恋愛小説』の言葉。
まさにその一言に尽きる作品でした。
恋する2人が愛おしくてたまりませんでした。
恋愛ってめちゃくちゃ素敵やし、大切なもんやっていうのはもちろんあるんですけど、体力がなかったらできないなぁって思いました。
相手のこと1人で勝手に考えて、想像して、悩んで、そして勝手に怒ったり喜んだり悲しんだり。
絶対しんどい。
でも恋愛っていうのはそれを超越するくらい素晴らしい。
もっというならそのしんどさを含めて大切なんだろうなって感じました。
砂村かいりさんの作品は初めてでしたけど、すごく読みやすかったです。
とても素敵な作品でした。
ありがとうございました。 -
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本の見返しと扉の色が、コーヒーを彷彿させてくれる本。五つの短編のなかの様々な場面で、コーヒーが登場していました。
『コーヒーの囚人』
自分を守るためのちょっとしたずるさが、三者三様の形で表現されていました。彼女と彼が、出ていくのと訪れるのが少しの違いだったことで繰り広げられた時間は、一見穏やかでした。しかし、その穏やかさの裏の心のなかは複雑でした。信用していた人の裏切りを、どう自分のなかで咀嚼していくのかが表現されていたように思いました。
グスタフ三世の、コーヒーの囚人の話は面白かったです。
『隣のシーツは白い』
箱入り娘の不倫。なにも失わないずるい男性に嫌悪感を感じました。最後の場面は -
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初読みの砂村かいりさん。
他の作品も読んでみたいと思わせてくれる短編集でした。
5つの短編は、自分にとっては価値のあるものを集めている人が主人公でした。どの作品も結末は、現実味を帯びている感じがしました。
読んでいるうちに、人の気持ちを理解しようとする相手の優しさに対して、自分の気持ちに正直に決めていいよと言われているように感じました。
【梅雨が来る前に】
コンプレックスをもつ清掃業者の男性が主人公。集めているもののは、仕事先で収集していました。優しさを受け入れるのが楽とは限らないのが現実的だと思いました。自分のことは自分で選択するという主人公の心理に想いを馳せました。
【きみは湖】
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Posted by ブクログ
コレクションにまつわる5つの短編。
きっと誰もが何かしらコレクションしているもの、ってあると思う。コレクションしているつもりじゃなくても捨てられないものとか。
最初から、えっ?!そんなものを集めているの?!と思う第一話から始まり、ふむふむと思うこともありつつ、何だかハッピーエンドでもない話も多くて、あまり好みではないかも…と思う話もあった。ただ、表題の「へびつかい座の見えない夜」が一番好きだった。職場や家族など日常にモヤモヤを抱える主人公が自分の唯一の楽しみとしてペットボトルについている好きなキャラクターのおまけを集めている。そのおまけをきっかけに職場で浮いている存在の人と接するようになり、