砂村かいりのレビュー一覧
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もう どれもこれも 痛すぎる。
痛いところ順番に押してくるアンソロジー。
圧倒的安定感 我らが一穂ミチ「感傷旅行」
そんな女子コミュニティ内部を覗かないで、
麻布競馬場「独身の女王」
カクヨム発 令和のOLも辛いわね、泣けそうだったわ、砂村かいり「オレンジシャドウの憂鬱」
他者を食いつぶす寂しがりやはいかんね、
こざわたまこ「さみしがりやの恐竜たち」
昔は 仏の顔も三度までなんて言葉がありました、間に合うと良いね、田中兆子「不機嫌依存症」
出会いは恋愛だけでなし 仕事も良いよ
朝比奈あすか「出会い」
そうそう 正しい判断ですね、
千加野あい「振りかぶって、さよなら」
そうそう 男子だって辛いよね 結婚出産と友達関係 カツセマサヒコ「となりの独り」
ほぼ「CLASSY.ONLINE」から
不機嫌依存症は 小説宝石
どの小説の女子も辛いけど哀しいけど
泣かないし いろんな次のステップへと
『CLASSY』って 美容院でしか見たことないけど
確かに前向き女子って感じかも -
Posted by ブクログ
ネタバレ特殊な環境での青春
最後まで、先の展開が気になって一気に読んでしまった
最後は三人で会えたかな?
千浩:開業医の後継ぎ
浪人生。そんな不思議な生き物に、僕はなってしまった。高校生でも大学生でもない。不思議な身分。人生のエアポケットにすぽんとはまってしまったような、どうにも落ち着かない状態。
どこかで歪んでしまったものを直せないまま、あるいは環境のせいでその歪みにも気づけないまま、彼女(二瓶杏奈)はここまで生きてきたんだろう。しかし、だからと言って、自分に何ができたのだろう。医者の子という共通の境遇を持っているだけの僕に。
二浪目の春。宙づりにされているような落ち着かない日々を、これからもまた一年間も過ごす。考えるだけで呼吸が浅くなる。
三浪はしない。ここへ来て、ようやく心が決まった。
成人式に出席しようかどうかぎりぎりまで迷って、結局やめた。
直接的に命を救う。人生を引き延ばす。それがどんなに意義深いことか、僕はこの長い受験生活で初めてリアルな実感を持って考えていた。
積み重ねた勉強だけでなく、浪人中に起こったでき事や出会った人々の全てが僕を成長させ、この身分にふさわしい次元まで運んできてくれたのだろう。心からそう思う。
突然の高校生らしいはしゃぎぶりに笑いながら、あの日々の片鱗を思い出す。どうしようもなく未熟で不安定で、だからこそ尊く、まぶしい記憶。長いこと波に揉まれて質感が変わったからこそ価値があるシーグラスみたいな。
陸:医師に憧れる努力家
努力は自分を裏切らない。もちろん結果がついてくる保証なんてないし、それがわからないほど子供じゃない。なんたって、本命の大学に落ちた。でも、「努力した」という事実は、自分の中にずっと残るから。努力した自分は、次の困難へ立ち向かうときひとまわり大きくなっているはずだから。努力できる人間であることを、自分自身が知っていたいから。
医者になるのは歓迎だけど、できれば国立大へ。そんな思いを娘に伝えることの、両親の精神的負荷やその背景を思うと胸が痛む。大丈夫、わたしは絶対に国立大学の医学部に入ってみせる。これだけはもう、譲れないラインだ。
わたしが、彼女より優秀であることはゆるぎのない事実なのだから。
店の利益を出すためのシステムを無視して、本来にはない権限を使って、自分だけが気持ちよくなって、医学部生であることのプライドを肥大させて。
世の中には、努力だけじゃどうにもならないこともある。そればかりか、努力で達成したはずのものが音をたてて崩れ去ることもある。どうにか解剖実習に慣れてきたと思った頃、子宮切開に入り、わたしはまた医務室に駆け込んでしまった。冷たく硬い臓器から、今にも小さな胎児の兄が現れる気がして。そして、自分がその胎児をうっかり刃先で傷つけてしまいそうなイメージにとらわれて。二回、三回と実習を休んでいるうちにそれが癖になり、とうとう大学に足が向かなくなった。
適応障害と診断された。
『休学を検討しています』
耕平:ノリで医学部を目指す資産家の子
人生怖いものなしだと思っていた。だからあれは、俺の初めての挫折だった。合格発表の掲示板に自分の受験番号がなかったあの日、急に神様にそっぽをむかれたような気がしたんだ。
浪人生。浪人生。なぜだろう、現役大学生にそう言われるとなんだか、うっすら見下されているような気がした。
今輝いているものが、全てじゃないから。今目に見えているものなんて、後世ではきっと全然当てにならないから。なにが功を奏するかなんて、わからないから。一生、わからないものだから。
転落するのは気持ちよかった。気を緩めたら、転がり落ちるのはあっという間だった。
今にして思えば、俺の短い大学生活は二日酔いみたいなものだった。不健康な生活。やばい遊びに誘ってくるクラスメイト。こじれにこじれたサークルの人間関係。溜まってゆくレポート。退学届が受理されたことでそれらとすっぱり縁が切れ、胸の中の醜い魂を吐き出したようにも感じられた。そんな自分に少し、罪悪感も湧いたけれど。
先の見えない不安はもちろんある。突然荒れ狂う海に放り出されたような絶望も、大陸から孤絶した無人島に流れ着いてしまった恐怖も、忘れることはない。けれど、こうして親子三人で向かい合って夕食を食べる毎日は、ある意味では以前の俺たちより豊かなものであるように思えるのだった。誰となにをしても満たされなかった俺の心は今、春の海のように凪いでいる。
ああいう無垢な頃に戻りたい気もするけど、俺は今の自分がちょっと好きなのだ。 -
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9年付き合った結婚秒読みの彼氏に突然もう1人好きな人ができた、でも君のことも好きだと公開浮気宣言される…というトンデモ設定が面白いなと思って読み始めた一冊。現実世界では即別れておしまいなのだが、フィクションなのでもちろんすぐ別れずズルズル関係を継続しもう1人の彼女と引き合わされるなどして、主人公のジェットコースター並みに揺れ動く感情を楽しめるようになっております。逆をいうと、それを楽しめなければ登場人物の行動が理解できず腹が立って離脱してしまう笑。
いっしょにいてつらいことのほうが多いけど、今までの思い出とかしてもらったこととか、たまにある幸せな瞬間が手離せなくて、なかなか相手と離れられない主人公に共感。 -
Posted by ブクログ
私はコーヒーが好みではない(飲めない)ので、普段紅茶ばかり飲んでいる。読んでいる本の中に紅茶を淹れる描写があると、ちょっと嬉しい。
だけどこの本の登場人物たちの傍には、紅茶ではなくコーヒーが似合う。そういう、どこかザラリとして苦味を感じる雰囲気の話ばかりの短編集。
視点人物達の何気ない心理描写から醸し出される自分勝手さ、差別意識、被害妄想、コンプレックス等々……。誰しもが何かしら持っている『エグみ』みたいなものの表現がとてもリアル。
短編集だし、文体がとても読みやすいのでサクサク読み進められるけど、内容はちゃんと心に刺さる。
装丁もとても好みで、カバー用紙のざらっと感、見返しの濃い茶色の紙なども作品の雰囲気にぴったりだった。 -
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ネタバレ一瞬で読み終えてしまった。読み始めからずっと早く終着点が知りたすぎて。
お互い「愛」なんてものより「情」に依存し合ってるようにしか思えなくてひたすらにしんどい思いだった。「愛」なんていう形のない移ろいやすいものより、それまで過ごしてきた「情」に執着して流されるまま生きる方が楽は楽なんだろう。
ただ「愛」も「情」もよく分からないので、イライラしっぱなしだった。なんなんだ和佐は、頭の回路どうなんってんの?とか、途中で由麻がもう和佐が居なくても平気そうに思えたから、とっとと婚約破棄しちゃいなよ!とか思っちゃった。
そんな中2人とも結婚という終着点まで行こうとするからどうなるのか気になって気になって一気読み。
真先くん然り、アサミ然り、本当の自分の心の内にある思いに寄り添える人とみんなハッピーエンドになってまあ良かった。みんな散々傷ついた後に、一緒に傷を癒せる相手が居て救われた。
これが誰か一人でも欠けていたら、こんなにも綺麗な終わりにはならなかっただろうからね。なんなら警察沙汰になるような事件が起きても仕方ないドロドロ関係だもんなー。
それでも最初から最後までイラッともだいぶんしたけれど、そんな気持ちも本当に楽しめる恋愛小説でした。
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Posted by ブクログ
恋愛感情も性的関係も持たないまま、気の合う友達同士で結婚した奈穂と尊。その関係性が、仕事や他者との関わりにより揺らいでいきます。
私は、恋人同士であっても、長く付き合うと恋というよりは次第に深い友情のようになっていくように思います。それならいっそのこと、友情からスタートするのも大差ないのか、さすがにスタートの違いは大きいのかなどと考えながら読み進めました。
友情結婚と恋愛結婚は、どちらが持ち堪えやすいのでしょうか。どちらにせよ、信頼関係を裏切らないことが大事なのかな。結婚までしているのだから、友情結婚であっても、相手を世界で一番思いやる存在になるべきではないかと、個人的には思いました。
所々に、同世代として共感できる一文がありました。後半は、小説だなあというテンポ感のいい展開で、おもしろかったです。 -
Posted by ブクログ
自分のことのように分かるからこそ、辛くて面白い。
付き合った当初に感じた気持ちってずっと心の中にあるけど、月日が経つと相手にとってそのとき抱いた気持ちや思い出って薄くなっていったりするんよね。
それで、なんで自分はこんなに二人の思い出を覚えとるのに、相手は忘れるんやろって勝手に悲しくなる。どうせ逆も然りなのにね笑
途中、和佐がどんどん変わっていく描写は心が抉られる感覚がしました。僕だったらめちゃくちゃ詰め寄るな。なんで昔はこんなことせんかったのに?!って笑
あと、僕もアサミみたいな人大嫌い!笑
こういう人と接すると、自分の方が上だという事実が簡単に翻ってしまうような感覚になるんよね。それでまたイヤになる。イヤになるのをわかって、その人の情報を追ってしまうのもめちゃくちゃわかる。笑
鍵外れてないかな、とか。