砂村かいりのレビュー一覧
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帯に書かれていた『王道の恋愛小説』の言葉。
まさにその一言に尽きる作品でした。
恋する2人が愛おしくてたまりませんでした。
恋愛ってめちゃくちゃ素敵やし、大切なもんやっていうのはもちろんあるんですけど、体力がなかったらできないなぁって思いました。
相手のこと1人で勝手に考えて、想像して、悩んで、そして勝手に怒ったり喜んだり悲しんだり。
絶対しんどい。
でも恋愛っていうのはそれを超越するくらい素晴らしい。
もっというならそのしんどさを含めて大切なんだろうなって感じました。
砂村かいりさんの作品は初めてでしたけど、すごく読みやすかったです。
とても素敵な作品でした。
ありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
本の見返しと扉の色が、コーヒーを彷彿させてくれる本。五つの短編のなかの様々な場面で、コーヒーが登場していました。
『コーヒーの囚人』
自分を守るためのちょっとしたずるさが、三者三様の形で表現されていました。彼女と彼が、出ていくのと訪れるのが少しの違いだったことで繰り広げられた時間は、一見穏やかでした。しかし、その穏やかさの裏の心のなかは複雑でした。信用していた人の裏切りを、どう自分のなかで咀嚼していくのかが表現されていたように思いました。
グスタフ三世の、コーヒーの囚人の話は面白かったです。
『隣のシーツは白い』
箱入り娘の不倫。なにも失わないずるい男性に嫌悪感を感じました。最後の場面は -
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初読みの砂村かいりさん。
他の作品も読んでみたいと思わせてくれる短編集でした。
5つの短編は、自分にとっては価値のあるものを集めている人が主人公でした。どの作品も結末は、現実味を帯びている感じがしました。
読んでいるうちに、人の気持ちを理解しようとする相手の優しさに対して、自分の気持ちに正直に決めていいよと言われているように感じました。
【梅雨が来る前に】
コンプレックスをもつ清掃業者の男性が主人公。集めているもののは、仕事先で収集していました。優しさを受け入れるのが楽とは限らないのが現実的だと思いました。自分のことは自分で選択するという主人公の心理に想いを馳せました。
【きみは湖】
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コレクションにまつわる5つの短編。
きっと誰もが何かしらコレクションしているもの、ってあると思う。コレクションしているつもりじゃなくても捨てられないものとか。
最初から、えっ?!そんなものを集めているの?!と思う第一話から始まり、ふむふむと思うこともありつつ、何だかハッピーエンドでもない話も多くて、あまり好みではないかも…と思う話もあった。ただ、表題の「へびつかい座の見えない夜」が一番好きだった。職場や家族など日常にモヤモヤを抱える主人公が自分の唯一の楽しみとしてペットボトルについている好きなキャラクターのおまけを集めている。そのおまけをきっかけに職場で浮いている存在の人と接するようになり、 -
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砂村かいりさんの二冊目。
展開や構成が抜群!というわけではないんだけど、この人の選ぶ言葉で綴られるストーリーと、波長が合うような気がする。
奥田亜希子さんみたいに。
「コーヒーの囚人」は、同居人の元?恋人が急に押しかけてきて一緒に住むという話なのだけど。
真波が副業として働くスーパーでのエピソードに、なんだかグッと心を掴まれる。
今までは一つの業務に集中できたのに、なぜかチーム毎に調理から陳列までを競わされる。
それが明らかに効率を悪くしているのに、リーダーは自分のやり方が正しいと固執するのだ。
あー。なんか分かるなー。
そうやってイライラしても、何も変わらない。
どころか、自分の立場 -
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じっくりと読みました。友情婚たからこその良さもあり、もどかしさもあり、気まずさもあり。
恋愛結婚だったら気まずくならないかもしれないところが友情婚だからこそ気まずくなってしまったり。
読みながら色々考えました。自分の性自認って本当はどうなんだろうとか、無意識に男らしいとか女らしいとかで誰かのこと差別したりしていないだろうか、とか。
尊にとっての奈穂、奈穂にとっての尊のような存在にはなかなか出会えないだろうなと思います。
結婚とか出産とか性自認とか、自分とは違った考え方を持っていても、それを否定するのではなく、ただあなたはそうなんだね、と受け止めてくれる社会であったらなぁと思います。 -
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ネタバレコーヒーが登場する短編集。砂村かいりさんといえば、炭酸水と犬やアパートたまゆらを読んでときめきの過剰摂取をし、1人できゃあきゃあした思い出があるので、ほっこりするお話が多いのかなと思いきや。濃く入れすぎたコーヒーの苦味がべったり舌に残っているような、そんな苦い余韻が残る。
所々に日頃「何か嫌だ」と引っかかりつつ深く気にしないようにしてきた感情のささくれみたいなものが散りばめられていて胸がザワつく。そのザワつきが癖になり、あっという間に読み終わってしまった。もっと読みたい。
"招かれざる貴婦人"の得体の知れない不穏な空気がとても好きだったなあ。
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Posted by ブクログ
初めましての作家さん。そして久々の恋愛小説だった。いい恋って、背中を押してくれる感じがすごく好きだなー、と思う。
人はみんなそれぞれに事情がある。相手を思いやりながら、自分の心と折り合いをつけながら、人間関係を構築していく。相手のことを考えすぎて変な方向に解釈してしまったり、自分の思いを不適切なタイミングでぶつけてしまったり、単純にはいかないからこそ、悩むことも多い。
けれど、何度失敗したとしても、ちゃんとやり直すことができる。謝ったり、許したりすることで、もっと相手を知ることができて、深い仲になっていく。
人間関係にもがきながら、それでも一緒にいたい人と一緒に居続けるために動いていた主人