あらすじ
高校二年生の寿美子には、れいちゃんという幼なじみの友人がいる。通学を共にするふたりだが、過去に複雑な事情を持つれいちゃんは、可憐な容姿とは裏腹に、他人の容姿を貶めたり、陰口を撒き散らすことでコミュニケーションをとる少女だった。そんな態度に違和感を覚え始める寿美子だが、やがて彼女の吐く毒は自分自身にも及んでいるのではないかと思い至り……。 少女同士の複雑な関係に切り込んだ"青春"小説。
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Posted by ブクログ
うひょう!!最高だよおおおお!
(読後3秒のテンション)
めちゃくちゃ良いよ、苺飴。
なんだろう、読んでるとね、口の中であのザラザラした飴の感触があるの。
わたしれいちゃんのこと知ってるし、女の子はみんなれいちゃんと会ったことあるとおもう。
いや、男の子もみんなれいちゃんと面識あるよ。
毒をまとって、友達の顔をして、毒を吐き続けてないと自分を保てなくて息もできなくて、たぶん苺飴の毒にいちばん依存してたのはれいちゃんで、でもそうさせたのって本当はだれなんだろう???
なんてことを考えてしまう。
あの子が欲しい、この子が欲しい。
名前を呼ばれないのはうれしいことなのか、悲しいことなのか。
読んでると、言いようのない不快感が口の中にあって、あああああああああ!!!!って叫びたくなるの。
いちばん振られたくない場所を見つけられたみたいな、なんとも言えないこの感じ。
おそらく寿美子と同じ時代を生きていたからこそ、解像度の悪い写メの画像みたいに脳裏に浮かんできたものに数日はうなされそうだ。
あとなんといっても!!
ラストの愉くんの『やっぱり女の敵は女だね!』のセリフよ。
この抜群に女(主にわたし)を苛立たせる、ハァァァァ!!??おまえに女のなにがわかんだよ!!!黙れええええ!とぶん殴りたくなったよ(暴力反対)
ほんとこういう解像度の低いワードを、殿方ってしれって口にしちゃうんだよなぁ。
君には一生、この苺飴の味はわからんだろうなと思いながら、そっと本を閉じました。
何を飲んでも、ハミガキしても、うがいしても、苺味が消えなくて途方に暮れる、そんな昼下がりである。
Posted by ブクログ
砂を噛むような、じゃりじゃりした気持ちに毎度なる笑 れいちゃん嫌だな〜。大人目線で読むと「早く距離置けばいいじゃん」ってなるけど、でも学生の時なんて、周りの友達が世界の全てだからわかるな〜。
栞のように気の合う友達と仲良くなれて良かった。
Posted by ブクログ
高校生のときって、
中学生までと比べると交友関係が広くなったり、行ける場所も遠くなったりするけれど
今思えば狭い範囲の中で悩んでいたなと思います。
だれかに嫌われたくないと思うがあまり
なんとなくつきあって、もやもやして、を
繰り返すことがありました。
どうしていいのかわからないけれど、
そのなかで懸命に生きていかないといけない。
どうしていいかわからないと思いつつも
よくよく考えてみると、
そんなとき心の中では答えはてでいる気がします。その答えに向き合える強さがあるのかが分かれ道のように思いました。
Posted by ブクログ
こういう人いたわ〜と思いつつ、
自分はそう言う経験がないな〜と
途中で気分が悪くなり読むのやめたが、全て読んだ
主人公が友達に毒を吐かれ、言い返したときもっと言い返してほしいと思った。毒友がひどかった。
でも毒友にも事情があるみたい。最後誤ってたけど主人公はメールを返信しなかったことに、強い意志を感じた。
Posted by ブクログ
「毒」と言う言葉がやっぱり思い浮かんだ。
中高時代の(とくに)女子ってなんだかこういう人間関係があるんだよね…
後半栞さんが現れたくらいから、希望が見えてきてよかった。
Posted by ブクログ
れいちゃんみたいな子っているよなぁ。
人を小馬鹿にして見下して、噂や陰口で周りの関心を引こうとする。馬鹿にする相手は選ぶ。卒業した今でこそ、「暇なの?」と一蹴できる強さも余裕もあるけれど、学生の頃はそうじゃなかった。女子高生の友達関係って、本当に難しい。常に誰かの視線を意識していると思う。例えば、教室移動の一瞬でさえ、誰かと一緒でないと後ろ指を刺されてしまうし、カースト上位の子に嫌われるとその波紋はクラス全体に広がってしまう。個人としてはその子のことが嫌いじゃなくても、一緒にいると周りからダサいと思われるからという理由で、みんなの前ではその子と仲良くしている素振りは見せないとかもある。
この小説は、そんな人間模様がリアルに表現されていて、高校生に戻ったような感覚で読んでしまった。寿美子にもすごく感情移入してしまった。
タイトルにある「苺飴」は、れいちゃんが気まぐれで寿美子にあげるお菓子である。苺は甘いもの、毒は苦いもの。れいちゃんは、寿美子にとってまさに毒入りの苺飴のような存在だったと思う。花一匁の出来事は、どれだけ時間が経っても胸を締め付けるような、辛くて重苦しい記憶で泣きそうになる。けれど、飴をくれたり、ムクと遊んだり、そういった無邪気で純粋で楽しい思い出が確かにある分、憎みたくても憎みきれないのだと思う。最後の合評会で、菅原さんが、「純度の高い好意や友情しか感じない時間が存在したからこそ、苦しんだんだと思う。感情の両極を気まぐれに表す行為は、相手を精神的に支配することもあり得るから。それでも、どうしてももう一度見たい景色があったのだと思う。」と評したシーンは、まさに寿美子がれいちゃんに抱えていた感情を言い表しているなぁと思った。
自分を苦しめる人間関係だとしても、それから逃げられなかったり、それに縋るしかない時があるのだと思う。そういう状態に置かれた人って、多分相手を憎みつつ反撃する気もごっそり削がれていて、無力感を感じているのだと思う。この小説を読んで、そういう人間とは物理的に距離を取ること、他の依存先を見つけることが大切だなと思った。都内への進学が決まった寿美子が、れいちゃんに返信しないことでこれまでの関係にけりをつけた場面は、寿美子がれいちゃんの呪縛から解放されたことを象徴しているなと感じた。そんな寿美子には、苺飴の毒はもう効かないのだろう。
Posted by ブクログ
学生時代の「誰かと一緒に行動せず、1人でいるのはおかしい」という風潮が、自分自身も嫌だったなと思い出した。
思春期の、自分の性格を形成していく大切な時期に、自分に悪影響を与える人が近い存在なのは辛いなと感じた。
もし、れいちゃんが寿美子ちゃんの悪口を言わず、他の人達だけだったらまだ結末は変わったのかなと思うところもある。
寿美子ちゃんが、最終的に前向きに進めれて安心した。れいちゃんと縁が切れてよかった。
読みながら、自分の学生時代を思い返していた。思春期女子のドロっとした感情。自分にも似たような所があったのだろうなと反省もしつつ、寿美子ちゃんに共感しながら。
私も、寿美子ちゃんみたいに言い返せたら今抱いている感情も違ったものになっていたのかもしれない。
Posted by ブクログ
寿美子のような気持ちになること、逆にれいちゃんのような人になってることもあったと思う。
特に女子に多いんかな、嫉妬や独占欲やクラスカーストや陰口や、、なんだか忘れかけてた過去を掘り返されて痛々しい気持ちになるけど、案外、心あったまる系よりも、こういうドロドロの方が勇気もらえるかも。
学校に居づらかったり、友人関係に悩んでたりしたらおすすめしたい。いろいろと吹っ切れると思う。
この表現しづらい歪な友人関係や感情に焦点あてるのスゴイと思った!
Posted by ブクログ
幾つになっても、どこにでも、れいちゃんはいるよね~。距離を置くしかないんだよね。、、、と、冷静でいられるくらいの感覚になれたはずだけど、いざ私の知ってる直近のれいちゃんが出てきちゃって完全冷却まではまだいってなかった事を思い知る。
いや、いいのよ、陰口は陰で言ってる分には。それを誰々さんが、あなたの事をこんな風に言ってたよと伝えてきた上で味方のふりをするのがいちばん信用ならんわ!!!とちょっと熱が残ってるくらいにまだ近い過去なんだね。離れて良かった。
れいちゃんに、誰かを貶める共犯関係ではない何気なくても楽しい会話ができる友達ができますように。真っ直ぐな友情が築けますように。
Posted by ブクログ
毒友、というジャンルが新たに創設されそう…!毒親本はかなり流通してきているけど、毒友は確かに存在するのにそれを描く作品はなかったように思う。とても理解ができた。れいちゃんの裏にも色々あるのはわかるが、それでも人に毒を吐くのは違う。客観視した様子を具に描かれている作品だ。時々差し込まれる打矢さんの短歌がとても素敵だし、寿美子はきっとそれに救われている。
それにしても、砂村かいりさんの作品の、恋に落ちていく様がとても好きだ。
p.239 「私は多分…人よりも矛盾に対して潔癖なところがあるかもしれません。というより、ロジックを返して、しか理解できないことが多いので、わかりやすい整合性を好むような気がします。…それはおそらく、他人の力や言動が自分の意思を飲み込んでいくことに対する反発や嫌悪なのかもしれなくて…。そうしたときに心のゆとりがなくなってしまわないように、思考して踏ん張れる点が長所であり、柔軟性に欠けるのが短所だと思います」
p.270 想いとは新月のようあの空にあるようでない、ないようである
吐き出した息はどこまで美しく、君は心に夜を飼う人
p.279 街はおしゃれで個性的な労力なので溢れていること。電車には自転車もペットも乗せて良く、定期券はバスから地下鉄、船に至るまで共通で使えること。店に入れば店員さんと必ずハローと挨拶し合うこと。日曜日はほとんどの店が営業しておらず、24時間営業のコンビニなんてないから、生活に必要なものを照らしたのは、土曜日を迎えると窮地に陥ってしまうこと。
「学校の給食、単品でパンケーキだけ!とか、じゃがいものクリームソースかけだけ!とかだったりしたよね」「自分の誕生日にはさぁ、クラスの人数分のケーキとかマフィン持っていって、みんなに振る舞うんだよね。あれは謎のイベントだったよな」「やっぱりクリスマスマーケットが圧倒的だよね。格が違う」「あー、ジャンダルメンマルクとのあれはさぁ…店の数も気分も、何なら電気の使用量もドイツ1なんじゃないかって位、ピッカピカに眩しく賑やかだったよね」「世界一でしょあれは絶対」「焼きたてのプレッツェルにかぶりつくのがたまらなかったなぁ」「ドイツではブレーツェルなんだよね。あと、ちょっと酸っぱい黒パン好きだった」
p.295 私はもう、他人の感情の面倒は見ない。もし仮にあの飴に毒があって、れいちゃんにコントロールされていたのだとしても、私からはもうその毒は抜けきっている。与えられても、もう食べない。そして私からも、何も差し出さない。
p.302 誰かのことを憎み切らなくてもいいし、無理に許し切らなくてもいい。自分の感情を頑張って加工しなくていい。戸惑いながら手探りの日々を生きていた。あの頃の自分に、今ならそんな言葉を届けてあげられる気がする。
Posted by ブクログ
なんとも言えない感情が心の奥の奥のどこかでうようよと動く感じがずっとしてた。直視したくないような、でも懐かしさで取り出したくなるような、そんな感じ。
ただ私の高校時代の経験にはあまりないことでもあったので、わかる、と言うわけではなく、わかるような気がする、ていう。どちらかというと小中学校時代の記憶にかする感じがした。
二人の関係性がなんかこう、読んでるだけの私もどこか依存してしまう。れいちゃんは主人公にとっての毒友で、そしてきっと同じでないけれどれいちゃんにとっても主人公は毒友だったんじゃないだろうか。
誰が悪いとかそういう意味ではなく、一緒にいることがお互いにとって、毒になる。
主人公もそこはかとなく、ずっと誰かを見下すようなどこか上から目線な感じがあって、それがなんか、ふたりの絶妙な毒友感……。
ふたりだけの、ふたりにしかない、そんな思い出たちの数が読んでる私も複雑な気持ちになった(そこがめちゃくちゃ好きだと思った)
そして諭の言葉に私もがっくり肩を落としたよ!笑
Posted by ブクログ
成長やそのときの生活によって付き合う人が変わっていくのはふつうのことだと改めて思った
自分自身中学のとき親友と思っていた子でも高校が別になって、遊んだりしても話が合わなくてお互いに楽しくなくなった
それでも中学卒業後から5年間は連絡を取り合う関係だった
ふとこれは何のために続けてるんだろう?と思ったりしてそこから距離を取るようになって相手が社会人になったタイミングで完全に連絡を返すのをやめた
当時はひどいかな?とか考えることもあったけど今思えばあれでよかったし、その後の人間関係でも割とあっさりと関係を終わらすのが上手くなった
その分深く付き合える友達は2人になったけどそんなもんでいいかな
無理して大勢と関わっても自分の心が疲弊するだけだと思えた
学生時代に住んでた所から社会人になって田舎に引っ越したとき周りの人の陰口や噂話の多さに驚かされた田舎特有なのか?暇だからなのか?わからないけど社会人になってそんなこと言ってんの?と思った
だからもし今苦しくても環境さえ変われば全く違うタイプの人たちと出会えるから希望を捨てる必要はない
人との距離感や人の心に土足で踏み込んでくる人がいて困ってる人が読むとなにか変わるかもしれない本
Posted by ブクログ
女子の人間関係のあるあるが詰まった作品。
毒友やその周囲の人とのドロドロとした関係性が文字でこんなにも表現できるものかと驚愕。
自分自身人に気を遣いすぎるため主人公に感情移入して読めた。
私も自分の感情に正直に生きてみたいと感じた。
れいちゃん側の人間は著書を読んだらどのような感想を抱くのだろうか。
Posted by ブクログ
自分自身が他人の顔色をうかがいすぎてしまうことがよくある。そのため、主人公の寿美子が、他人の思考を「先回り」して想像してしまうことで、頭という「水槽」の中をたくさんの言葉が泳いでしまい、言いたいことがまとまらなくなるという比喩の仕方はしっくりときた。
また、友人であれ恋人であれ、その人だけに依存しすぎると、その人の感情の揺れ動きに大きな影響を受け、毒ともなり得る。
栞のように、フラットな姿勢とほどよい距離感で付き合える友人が複数人いる関係性が理想なのだと思う。
Posted by ブクログ
れいちゃん、嫌だなと思う瞬間も、その嫌な感じがおもしろいこ、ノリがいい子になってしまう瞬間がある。誰しも、無意識にれいちゃんになる瞬間があって、れいちゃん同士で笑っている時もあるかもしれない。主人公が、毒を吐かないで、自分を生きる選択をしたことがとても勇気がある事だと思った。でも、現実は1人より、嫌なこと2人、一人でいることが恥ずかしい、一人でいる自分に問題があると思われたくないと思うことがおおいんじゃないかな?
Posted by ブクログ
小中高と共に過ごし気まぐれで傷つけられてばかりいた幼馴染みの毒友。彼女に対して抱くその微妙で説明しがたい感情のひだをうまく表現している。いじめとはまた違って友情も一筋縄ではいかないのだとつくづく感じた。
そして、はないちもんめは考えれば怖い。
Posted by ブクログ
学生時代に出会った事がある様なれいちゃん。
途中までは何とも言えない気持ちになったけど、栞と出会い、寿美子が変わっていき、離れられたところはよかった。
寿美子にとってれいちゃんは毒友。
れいちゃんにとっても違った意味で毒友だったのかもしれない。
Posted by ブクログ
学生時代特有の誰と一緒にいるかや、噂話や、友人のちょっとした言動で心が動いてしまうこととか。
思い返して胸が痛くなった。
大人になって、いい意味でのスルースキルを身につけていけたけれど、学生時代は自分の全てが学校にあるようで苦しかった。
れいちゃんはどんな大人になったんだろう。
Posted by ブクログ
胸キュンは封印。
随所に毒が散りばめられた青春小説。
子どもの頃に遊んだ「花いちもんめ」を思い出す。
選ばれた時の高揚感と、最後の一人になりそうな時の不安感。
中高生時代は学校こそが全てで一人でいる事は悪の様に感じた。
本作に登場する少女達も狭い世界の中であがいている。
れいちゃんに悪感情を抱きながらも登下校を共にし距離を取れない寿美子に悶々とし、陰口を撒き散らす事で他者とコミュニケーションを取るれいちゃんに嫌気が差す。
本書に登場する『毒友』のフレーズには頷くしかない。
甘酸っぱい苺飴の奥に潜む苦味を痛切に感じる一冊。
Posted by ブクログ
途中何度も読むのを止めようかと思った。
れいちゃんに苛立ったから…
栞との絡みが出て来た辺りから、やっと心落ち着かせて読むことが出来た。
総合して余り好きになれないお話だった。