あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
手に取るべきか悩んだのですが、結果的には読んで良かったと思います。
策士・瑞垣を主人公にした「バッテリー」の後日譚でありサイドストーリー。いつの間にやら巧は完全に脇役。姿さえほとんど現しません。まあ、発展させ難いキャラですからね。さらに「バッテリー」の最後の試合も、既に過去の出来事としてチラチラ語られるだけ。関連を持ちながら、それらをキッチリ切り離した構成は見事です。また、瑞垣の妹を登場させるなど、物語の幅も少し広がっていますし。
続編として読もうとすれば、圧倒的に物足りない。しかし、あの「バッテリー」の終わり方で続編が出ては不味いでしょう。それが手に取るべきかの悩みだった訳なのですが、そういう意味で予想を裏切られ、まずは見事なクールダウンさせて貰ったという感じです。 -
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94年の「あかね色の風」と98年の「ラブ・レター」2本を収録した文庫。2007年刊。
北川遠子は12歳。
走るのが純粋に好きだったが、陸上部で不本意ないきさつで怪我をしてからヤケ気味。
そこへ、転校生の千絵がやってきた。色白でふっくらして家庭の事情もあるのに屈託のない千絵は、長身でとんがった遠子とは対照的。
一つしかない6年生のクラスではろくに口もきかなったが、化石が好きだという千絵と遺跡の発掘現場へ遠出をすることになる。
遠子はバッテリーの原型のようです。
「ラブ・レター」は高校生の姉の恋を見守りながら、自分も初めて好きな男の子に手紙を書こうとする話。自然な語り口で、いかにもありそうな、さりげなく充実した内容。 -
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あさのあつこさんって、「本の雑誌」で北上次郎氏が文庫化された『バッテリー』に注目!としたところからブレイクしたように思うのだけど、その時、一緒に絶賛していたのがこの『No.6』。
昨年10月に待望の文庫化で、5ヶ月たって、これが第2巻。
今回は、城砦都市No.6の外にある西ブロックの苛烈な環境の中での「知よりも情を、約束された将来より己の意志で掴みとる未来を優先」させた紫苑の成長の物語。
僅かに繋がり続ける火藍の希望、拉致された沙布の行方、もちろん紫苑とネズミのそれぞれの戦いと運命は…。
一気に読めて、息子なんかは次が待てずに単行本のほうを買おうかという始末。
待て、次巻!(いつ出るの?) -
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二人の少女の出会いと成長の物語
周囲から浮かないように気を遣って過ごしている鈴美が、自身の気持ちをまっすぐにぶつける比呂との出会いをきっかけに、周囲や自分自身に対する様々な気付きを得て成長していく。
私が一番気に入った部分は、親への気付き。親のことは愛しているものの、価値観を受け入れられるか否かは別の問題だということ。自分自身の経験や心境とも重なる部分があり、深く胸に染み入った。
登場人物は子どもだし、ましてや大人でも解決できない問題が世の中にはたくさんある。本作でも、必ずしも問題が解決されるわけではないものの、かけがえのない友人との出会いによって成長への一歩を踏み出す姿が描かれており、前向きな余韻を感じる作品だった。 -
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『NO.6』崩壊後、それぞれの登場人物が歩み始めた日々を描く四つの短編。
「イヌカシの日々」は、孤独だったイヌカシが、紫苑やネズミと過ごした時間を振り返る物語。
「過去からの歌」は、ネズミの断片的な記憶をたどり、彼の原点ともいえる「歌」へとつながっていく。
「紫苑の日々」は、No.6に残り再建委員会の一員として働く紫苑の、公と私の暮らしを描く。
「ネズミの日々」は、No.6の外を旅するネズミが、紫苑との日々を夢に見ながら、一人の男との出会いを経験する物語。
文庫版(2015年)のあとがきでは、あさのあつこさん自身も、紫苑とネズミの未来をまだ模索している様子がうかがえる。本書は完結編ではなく、二人の「その先」を描くための布石のような一冊だったのだと思う。