劉慈欣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恐竜と蟻がもし思考力を持っていたら
面白かった!
恐竜と蟻が思考力を持っていたら、白亜紀はどうなっていた?
というIFのお話。
思考力がある恐竜と蟻は、
お互いの特性を活かして高度な文明を築き、
話したり、書いたり、お互いがコミュニケーションをとって、共存を図る。
作者の劉慈欣さんの想像力がすごいです。
物々交換、貨幣制度、筆記技術、蒸気機関、電気、通信と、
ある意味人間の歴史を学べるし、恐竜や蟻についても学べる。
恐竜にしかできないこと、蟻にしかできないこと、をしっかり住み分けして、
それを、劉慈欣さんらしい科学設定満載のSF要素に落とし込む。
とにかく面白くてスラスラと読めます。
200ページくらいの短さもちょうどよいですね。
最終的にこの本読んで思ったのが、
生物が思考力を持ったことで行き着く先は、
人間が辿る末路と同じになるんだよなぁ、ということでしたね。 -
Posted by ブクログ
風呂敷ではなく魔法の絨毯だ
こどもたちだけの世界になる。潤沢な生活が送れる日常からゲームへ、戦争へ。ここまでは多少の眉唾を感じながらも、「こども」の理解が深いことに驚きながら読み進めることができた。「エンダーのゲーム」を思い起こしながら。
そこからの展開が、まさに風雲急だった。少しダレてきた感じの戦争ゲーム終結からの展開は、風呂敷ならぬ絨毯をひろげたものだった。これには驚いたなぁ。
その狙いや効果についてあまり理解が追い付かなかったのは事実なんだけれど、着眼点というかゲームの延長としての発想に、純日本人である私は驚愕したわけだな。地や血が知を上回るという島国感情かなぁ。
ラストはほぼ想定通りで、その必然性や過程の想像が困難なんだけれど、とにかく発想の豊かさや分枠などないのではないかと思うような「本ならではの」「SFならではの」自由奔放な発想の展開に大いに満足。
人名から性別が認識でないとか、なんか中国語そのもので日本語になっていないんじゃないの?とかローラーコースターよりジェットコースターっていうほうが理解しやすいんじゃないの?ってな日本語的障壁は残るものの、大事にとっている「三体」にそろそろ着手しようかな。
とにかく間違いなく☆4だな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレようやく読めました、劉慈欣の長編一作目!やはり一作目なので荒削りで、最初の盛り上がりから、途中でお?となり、おお?となって、なんか終わった笑という感じでした。
14歳未満の子供たち以外が死滅するという設定は超面白いし、それまでに大人たちが必死に子どもたちに何かを残そうとした最初のパートはお涙頂戴のエンタメとしてはぐぐっと読ませる面白さがあった。ただその後の展開としては、超スーパーコンピューター最初だけしか登場しないじゃん…?とか、いくら子供でも戦争途中で止めるんじゃない?とか、こういうことしているうちに大人になっていくわけで、そうしたらやっぱり《西暦時代》と同じような習慣になるんではないか?とかハテナハテナなまま話が進んでいく感じで、そこが「まあ長編一作目だもんね!」というとこで差し引きながら読む感じ。南極でのオリンピックという名の大戦争や、国土交換ゲーム(ゲーム?)など、話が飛んで行ったと思ったらさらに飛んでいきました…このあと三体に繋がっていくんだなあといういつもの感慨はありましたが、よく考えると三体以降、劉慈欣長編書いてないんだよな…三体を超えるものが出てくるのか…気長に待ちたいと思います。『白亜紀往時』も出るとのことなので。 -
Posted by ブクログ
中華SFの大作『三体』の劉慈欣による、今のところ唯一の童話、だそうです。
挿絵たっぷり、余白たっぷりの絵本の体裁で70ページほど、短ければ数十分もあれば簡単に読み終わってしまう1冊ですが、余韻も感じる素敵な1冊でした。
こういう「夢(夜見る方です)」のような展開を、綺麗にして世に出す、というのは物語としてとってもプリミティブな営みで、短い読書体験ながら、普段と違う脳の部分が刺激されるようで、心が洗われるような気持ちになりました。
1日の色々が全部落ち着いた夜に、ウイスキーかブランデーか赤ワインでも飲みながら、ゆったり読んでいくと、その日の寝付きが良くなりそうな気がします(笑
ただ本著、どう見ても大人向けのパッケージングではあるのですが、ストーリー的には子ども向けでも良いのでは?とも思いました。もちろん、本著は本著のままで、大人向けの1冊として素敵だと思うのですが。
言い回しも平易に直す必要が出てきちゃうとは思いますが、こういうストーリーに子どもの頃から触れるコトで、何らかの化学反応を引き起こせるような気がします。
ただ、それで若年層に売れるの?と言われると急に自信が無くなるので、KADOKAWAさんの判断はきっと正しいんだろうな...。
あらためて翻訳も、絵も装丁も素晴らしい1冊でした。