劉慈欣のレビュー一覧
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謎の発光体、球電によって両親を奪われた主人公は取り憑かれた様に球電を追い求めるようになる。やがて球電の兵器利用を目論む軍部との接触をきっかけとして、その驚くべき正体が明らかになっていく...
「三体」の前日譚とは誇大広告もいいところだが、このタイトルでなければ読んでいないのも確かなので、まんまと命名者である大森望の術中にはまっていると言える。
主人公の感傷的すぎる一人称や終盤の悲劇的な展開はあまり好みではないが、大暴走の果てにとんでもないことになった「三体」3部作に比べて、一冊できちんと完結しているのは高評価。とはいえ球電の正体、捕獲、兵器化、そして量子状態など、今作も十分とんでもないこと -
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ワンミャオは?ワンミャオどこ行ったの!?
この巻から新しい主人公に切り替わる。
この主人公の妄想やらデート描写がやたら長く、「いったい何を見せられているのか」という感じ。
また、急に世界の命運を背負わされた主人公にまず訪れる「イヤイヤ期」の描写もあり、さっさと話を進めてくれよ…という気持ちになった。
きっとキャラクターの深掘りとして、必要だったとおもえる日が来ることを願う。
二部の上巻の時点で、1000ページを超える文量を読んでるわけで、それだけ読ませるということは面白くないわけではない。でも、これを知り合いにおすすめ出来るかというと、話が長すぎ&一向に進まない点から躊躇してしまう。 -
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ネタバレ総じて面白いが、傑作とは言えず意欲作といったところ。ストーリーの原動力が文革という歴史背景などの枠組み頼りで、それ以上ではない。登場人物もストーリーもプロットありきで個性が生きてこない。それが顕著なのはゲーム描写。主人公が主体的に進めたのは本当に1プロセスだけであとはただただゲームーオーバーまでのムービーを眺めてるだけなのに、彼はゲーム内で異常に持ち上げられ、そんなゲーム性をもまた異常に持ち上げ。「このゲームはとにかく面白くて難しいのである。」「そんな難しいゲームを解いたことになっている主人公はすごいのである」を飲み込めないものはエリートから除外される。
続編で漂ってる死体を拾うほど人類の情報 -
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面白い。とは思うんだけど、助走が長い。
この一巻の後半で漸く何の話か、前振りがつながり始めるんだけども、そこまで大体400ページくらいなんだかよく分からないゲームの話や、地球外生命とコンタクトするきっかけ作った人物の動機が延々と掘り下げられる。
それを辛い、退屈と思う人には向かない。
また高校から理系の大学で習う程度の科学知識、リテラシーがないと何のことやらついていけない気がする。特に三体世界の話。それらがあっても何のことやらって感じではあるけども。
あとは中国人の名前が読んでいて覚えられず辛い。
そのことを見越してか、文庫には登場人物のメモ書きみたいな紙がついている。…序盤で目を通してし -
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・劉慈欣「老神介護」(角川文庫)は「流浪地球」と同時に刊行された短編集である。5編を収め、「老神介護」と「扶養人類」、「彼女の眼を連れて」と「地球大砲」が関係あるらしき物語である。3編目の「白亜紀往時」だけは別の物語である。「彼女の眼」が1999年、他は2000年代の作である。習某下ではないからか、政治的な問題はなささうに見える。といふより、さういふことは気にせずに書いたのか もしれない。
・「白亜紀往時」は白亜紀の昔のこととでもいふ意味であらうか。竜蟻戦争の物語である。白亜紀はパンゲア大陸の分裂が進み、恐竜の闊歩した時代である。その代表がティラノザウル スであつた。ここで竜とは恐竜のティラノ -
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ネタバレスケールの大きさに驚く!まさか太陽系が二次元に崩落して紙ペラになってしまうなんて誰が想像できるだろう?なぜこんなストーリーが思いつけるのか。作者の桁違いの想像力に敬意を表したい。
特に好きなのは、童話に隠されたヒントを解読する場面と、プラネットブルーに着陸できず途方もない時間が経ってしまうシーンだ。全ての生き物たちと時の流れで隔たれてしまう切なさと言ったら....これがSFの醍醐味だと思う。
ただ、程心のキャラクターは好きになれなかった。愛の象徴だとしても、一辺倒すぎるというか、人間らしい奥行きを感じられない。ウェイドの研究に迷いなく終止符を打つあたりはウェイドの言う通りもう少し考えるべきだっ -
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ネタバレ四次元世界との絡みをもっと膨らませるのかと思ったらファンタジーな話に。まあ、広大な宇宙からしたら人類とは...となるとそうなるかという感じ。広さもそうだが何万年何億年と言う時間軸を人は想像できない (by ドーキンス) 難しい世界...。
原著は2008年出版(元は2006年頃連載?)の小説。量子もつれで超高速通信?智子(ソフォン)の11次元構造→2次元展開?冬眠(SF定番ですね)?水滴は強い力(相互作用?)で全部結合してるの?推進力は?突っ込みどころは多々あると思われるが、気にしてはいけない。それっぽい物理用語 (10次元宇宙は超ひも理論からかね?) とSF用語が散りばめられているだけでわ