劉慈欣のレビュー一覧

  • 老神介護

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    劉慈欣が紡ぐ物語には、想像を超えるスケールと、壮大な設定を物語の終わりまで力強く貫き通す筆力があり、その圧倒的な構想力にはただ驚嘆するばかりだ。

    中国SFがこれほどまでにスケールの大きな作品を生み出す背景については、単に中国人が壮大な妄想を好むからという説明だけでは不十分だという興味深い指摘がある。政府や国家体制への直接的な批判が許されにくい中国の環境下では、現実世界の崩壊やそれに対応できない政治の姿をリアルに描くことは難しい。結果として、作家たちは現実から一歩引いた視点を取り、自然と物語の舞台を地球規模、さらには宇宙規模へと広げるようになるという。この見方には深く頷かされるものがあった。

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    2025年05月27日
  • 火守

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    作者が電車の中で書き上げた本らしい
    そんな中で書かれたとは思えないくらい、静かなそして力強い内容だった
    挿絵も素晴らしく引き込まれた
    主人公のサシャがヒオリの元に帰らず火守との約束を守り、太陽を上げる仕事をやり遂げた
    凪の中で漂っている時の気持ちが何となく読み取れそうだった
    薄い本ではあるが内容は濃いと思った

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    2025年05月31日
  • 三体3 死神永生 下

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    ネタバレ

    上下まとめての感想。昔はもっと高次元で光速も速かったって分かる下りはぞくっとしたし面白かったけど、中盤辺りは描写が多くて読むのにちょっと疲れちゃう。Ⅱが一番好きだったな。童話に伏線があるという構成はすごく面白かったから、そこをもっとたくさん読みたかったとも思う。

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    2025年08月16日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    ネタバレ

    やはり面白かった。『三体』三部作のスピンアウト作品、と位置付けされているが、先にこちらを読んでから、三部作を読む順番の方が良い気がする。
    というのは、本作品では、球電の謎が解き明かされていくに従って、量子状態やマクロ電子など取っ付きにくい言葉で説明される超(?)自然現象が、あたかも我々のいる世界で起きているかのようにすっとイメージを抱けるのではないかと思ったから。
    ある程度の現代物理学の基礎知識があった方が楽しめるシリーズだと思うので、三部作の壮大×100倍位のスケールで、いきなり馴染のない言葉を追っかけるよりも、まず我々の世界と地続きにある本作品の世界で馴化しておくと、より楽しめるのではない

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    2025年05月16日
  • 流浪地球

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    「三体」で知られる劉慈欣の短編集。どの作品も壮大でスケール感あふれるアイデアが詰まっていて非常に読み応えがあった。

    宇宙人の襲来や太陽の爆発といった多様なシナリオで地球が滅亡の危機に瀕し、登場人物たちが極限状況の中で揺れ動く心理がリアルに描かれている。

    全体を通して外れのない充実した内容だが、中でも作者自身が登場する異色のコメディSF「呪い5.0」は、独特のユーモアが際立っており、印象深かった。

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    2025年05月14日
  • 火守

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    とてもよかったです。
    科学的な話をファンタジーに落とし込んだような、これがリアルだったら素敵だよなーと思うSF童話でした。
    池澤さんの訳も素晴らしく、ヒオリという名前の翻訳も素敵だと思いました。

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    2025年05月04日
  • 火守

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     SFでもファンタジーでもない。『三体』シリーズで知られる劉慈欣の唯一の「童話」。童話と言っても、(日本では?)子ども向けではないだろう。それなりに漢字を使って書かれており、特に難しいと思われる漢字以外にはルビは振られていない。

     世界の果ての島に住む火守の老人のもとへ、サシャが訪れる。少女ヒオリの病を治すためだ。世界に生きるすべての人は、空にその人だけの星があるという。サシャは天に上り、ヒオリの星の輝きを取り戻すのだ。

     なにか切ない気持ちにさせる物語だ。やはり子ども向けではない。

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    2025年04月29日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    ネタバレ

    やっぱしスケール、規模感よな

    扱う内容がどれも自身の生活の範疇を超えすぎていて、ニヤけてしまう。
    最強の武器とは?球電とは?

    そんなスケールを扱いつつ、叙情的でいちこましい描写が並び、そちら側でない人間の心にも寄り添ってくれたりしてにっこり。

    男と女の関係性に関しては今作もほぼノータッチ、一方通行な恋慕があるだけ。まあこの作品はそれでいいんですよ。男女の関係はここに求めていないから。

    シュレディンガーの猫やシェイクスピアを引用した人間存在が描かれているのは興味深いし、様々な武器を紹介するところは驚きとともに恐怖でもある。液体地雷とかね。

    SFが強みだけどサイエンスフィクションの先端に

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    2025年04月12日
  • 火守

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    不思議な本だった。
    西村ツチカさんの絵とともに。
    本の中に入っていくというより、本のページがぶわっと自分の方までひろがって、本の世界が拡張して、現実の世界との境目が海辺のようにゆらゆらしている、不思議な本だった。

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    2025年03月14日
  • 流浪地球

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    『三体」の作者劉慈欣氏の短編集。読み応えありました。
    「山」という作品が私は一番好きです。続いて「呑食者」「呪い5・0」も好きだなぁ。
    思考の枠を外してくれるようなお話が好きな人はぜひ一読を。

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    2025年02月20日
  • 白亜紀往事

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    老神介護の短編を読んだ後に読みました。短編のときと大きく異なるのは文明の勃興期がより詳しく描写されていること。人類の大航海時代よろしく蟻文明にも恐竜の体内を探索する時代があったとかいう発想も面白い。第一次竜蟻戦争の顛末も面白く、短編に書かれていない部分は楽しく読むことかできたけれど、後編以降はすべからく短編と同じです。

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    2025年02月02日
  • 流浪地球

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    面白い。ロマンを追い求める作品が多かった。特に山なんかは知的生命体が知的生命体である所以として知的好奇心を華々しく描いており、なかなかに胸に来るものかある。また、中国太陽は農村出身の窓ガラス清掃員があろうことか宇宙空間にまで行くという壮大なストーリーであり、夢を忘れないことの大切さを教えてくれる。おおむねこのような評価ができる良い作品軍。呪い5.0は微妙。

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    2025年01月31日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    爽やかな読後感のものもあるが、後味の悪い終わり方のもののほうが多い印象。

    個人的には「詩雲」「栄光と夢」が好み。

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    2025年01月18日
  • 老神介護

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    流浪地球と同時発売だった短編集
    流浪地球より気が重くなる話が多め
    私の好みは流浪地球の方かな
    地球大砲のエピローグは良かった

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    2025年01月15日
  • 白亜紀往事

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    三体が好きなので同じ作者の本も読んでみたいと思い、こちらを読んでみた。発想は面白く、展開もなるほどという感じだったが、明確な主人公がいるような話というよりは、もしこうならこうなるだろうの連続で情景を俯瞰し続ける感じの進行なので、三体ほどのめり込むような感覚はなかった。話の長さ的にも大変コンパクトな寓話という印象。

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    2025年01月14日
  • 流浪地球

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    稀代のハードSF作家の短編集。呪い5.0が断トツに良かった。筒井康隆っぽいシニカルとドタバタあり、阿部和重っぽい視点のミクロにもマクロにも動ける機動力があり、めちゃくちゃ好きだった。他のも普通に作者の作者たる部分が出ててよかった。

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    2024年11月10日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    三体が面白かったので、劉慈欣さんの他の作品も読んでみたいと思いこの本を手に取りました。
    収録されている作品はどれも短く読みやすかったです。

    収録された作品はどれも面白かったですが、鯨歌、円円のシャボン玉が特にお気に入りです。
    鯨歌はオチが面白くて印象に残りました。
    円円のシャボン玉は、すごく優しくて幻想的な作品だと感じました。

    作品の幅が広くて飽きずに楽しめたので、劉慈欣さんの他の作品も読んでみたいと思います。

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    2024年10月06日
  • 白亜紀往事

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    蟻と恐竜の2種類の文明が織りなす栄枯盛衰を、現代では通説になっている恐竜滅亡の過程に上手く繋がるように描かれていたのが良かった。最後の蟻たちの会話が、何千年後の私たち人類に繋がると思うと胸が少し熱くなったりもした。短編だけど読み応えもあってかなりよかった!三体読んでほしいけど、いきなりヘビーすぎかも…って時に、劉慈欣作品の入口としても勧めやすいかも。

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    2024年09月29日
  • 白亜紀往事

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    白亜紀時代、蟻と恐竜が互いには協力し合って文明を築いていたら...
    そんな訳あるか!と言うビックリ設定だけどそこがSFの良い所。想像するだけで楽しい。そして恐竜のように大きすぎず蟻のように小さすぎず、大きな脳みそを持ち手先が器用な我々人類は凄い生き物なんだなと改めて思う。戦争は文明を滅ぼすということも。

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    2024年09月29日
  • 老神介護

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    『流浪地球』に続けて読んだ劉慈欣の短編集。
    『流浪地球』も面白かったが、個人的にはこちらの『老神介護』の短編集のほうが好みだった。
    表題作の『老神介護』、その続編とも言える『扶養人類』は全然違った作風で後者はノワール風な雰囲気なのも良かった。
    そして白亜紀の蟻と恐竜の共存と争いを描いた『白亜紀往時』も面白い。劉慈欣は恐竜や蟻を描いた作品がいくつかあるのだが、突飛さも含めて面白い。
    蟻に知能があるというと『フェイズⅣ 戦慄昆虫パニック』なんかを思い出す。ある事件から突然変異した蟻たちに知能があることがわかるが、なすすべもなく次第に侵略されていくというパニックホラー映画だ。バカバカしさもあるが、何

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    2024年09月23日