コナン・ドイルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ワトソンの後の妻となるモースタン嬢からの依頼。後の妻となることを仄めかしながら進む作中では、大金を手にするモースタン嬢には告白しにくくないだろうかと無粋な妄想をしていたため、箱の中が空っぽだったのを見て、心が温まる思いだった。
「不可能なものを除外していって、残ったものがどんなに信じられないものでも、それが真実である」たびたび出てくる名言。緋色の研究でも触れていたが、今回はより印象に残る言い口だった。
さて、これまで緋色の研究と本作とを読んできて、コナンドイルという人物が少し見えてきた気がする。2作続けて殺人犯側の視点が作中の20%程度を占める分量で描かれている。現代のミステリーにおいて、殺人犯の過去については少し触れられる程度である。
ドイルの場合は、彼らを主人公として描けるだけのストーリーがある。殺人犯と言えども1人の人間。彼らの境遇から、殺人という大罪を犯すに至ってしまった経緯を丁寧に描いている。
殺人を犯すかどうかは生まれ持った狂人性ではなく、その人の人生を読み解くことが重要であることを示しているように思えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ名探偵コナンにたびたび登場ふるシャーロックホームズが気になり、ついに購入。少し古臭い言い回しや書き口ではあったが、大変読みやすくてページをパラパラと。
ホームズは推理力がずば抜けているのだと思っていたが、観察力に優れた人物。ワトソンがアフガン帰りの軍医だと見抜くシーンは有名だが、殺人現場において、足跡から犯人の特徴や性格まで見抜くのは末恐ろしい。
緋色の研究というタイトルの意味を深く捉えたことはなかったが、英題では、"A Study in Scarlet"。緋色はスカーレット。そして、「人生という無色の糸には殺人という真っ赤な糸が紛れている」の真っ赤も原文だとScarlet。日本語だとリンクしにくかったが、英語だととてもわかりやすい。
毒の研究や心理学の研究をしていたホームズは、まさしく殺人(事件を解き明かすため)の研究をしていたのだと理解した。
シャーロックホームズシリーズの続きか読みたくなる一作だった。 -
Posted by ブクログ
相変わらずホームズの仕草のひとつひとつが魅力的で、読書中の頭の中でホームズが生きているかのようにいろいろな姿を見せてくれる。
洞察力や推理力や華麗なアクション等のかっこいい場面だけではなくて、悩んでいたりだらけていたりやんちゃだったりする部分までドイルが生き生きと描いてくれているから、こんなに世界中で愛され続けるキャラクターになったんだろうなあというのが分かる。
ホームズの人物としての魅力が爆発している反面、ストーリーの方は『冒険』や『回想』にあったゾクゾクするような半分怪奇もののようなシチュエーションは減り、なんだか薄味になってしまったなあという印象。
シチュエーションの面白さより込み入った人間関係の面白さ勝負になった感じでした。
印象に残ったのは『アビィ屋敷』のラストのホームズの判断、『第二のしみ』のスケールのでかさと、話が複雑になってきたなあと思ったらいろんな謎がひとつに繋がり収束していくガイ・リッチー映画のような構成。
ガイ・リッチーはこの話を脚色して映画にしたらよかったのに。 -
Posted by ブクログ
バスカヴィル家に伝わる恐怖の魔犬伝説という非現実的な話題に対してホームズがどう論理的に解決するのかという構造がこの作品の魅力であろう。
解決編および終盤に「実は〜だったんだよ」みたいな種明かし・解説があったのは、大事なことを中々教えないホームズらしさであるが、伏線で驚きたい自分としてはいささか物足りなさを感じてしまった。昔の作品でも現代の作品より面白いものはたくさんあるが、やはり昔の作品ゆえに現代の作品よりディテールやフェアという点で見劣りしてしまう部分があることは否めない。もちろん、ポーなどを含めて現代に繋がる探偵のスタイルの原型を確立した功績は大きいが、そういった歴史的価値ではなく純粋にミステリー小説の完成度・面白さを考えたとき★3というのが妥当だと思った。シャーロキアンには怒られるかもしれないが個人的にはホロヴィッツの「絹の家」の方が好きである。 -
Posted by ブクログ
200冊以上ミステリー読んでて何気に本家本元のシャーロック・ホームズを読んだのは初めてだったのだが、名探偵として語り継がれるだけあって伝統を感じる作品だった。ポーの作品を読んだことがないので一概には言えないが、年代的にもいかにもな探偵らしさを確立したのはホームズなのだろう。
200ページ前後という長編としては短めの作品にも関わらず後半が長いと感じてしまったので、最後の謎解きはある程度面白く、一定程度納得もしたのだが、満足度という観点では★3かなという感想だった。そういった意味では、特にシャーロキアンでもない私としては、構成・フェアという観点において近年の海外作家達が出すようなホームズ作品の方が今の読者には合っている場合もあるのではという気もした。