清水由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫版は、もとの単行本に3章追加して全21章。章末のコラムも書き下ろし。充実の一冊。
各章、冒頭の掴みが巧い。そしてくだけた解説とちょっと奇抜な用例。最後はヨシタケシンスケの、クスッツと笑えるイラストで締めくくる。
著者は大学で留学生に日本語を教える。それもあって、彼らの笑える誤用のエピソード集かと思って読みだしたが、まったく違った。ユーモアにあふれたコアな日本語の本だった。もちろん、留学生のエピソードもあるが、彼らの誤用や正用が私たちの日本語の(ほとんど意識していない)規則性に気づかせてくれる。
ある章は、俳句「コメ洗ふ前を蛍の二つ三つ」をネタに7ページ。著者の遊びっぷりにも感服! -
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Posted by ブクログ
17章、ネイティブ並みに文章を読み解くには、”辞書に載らない知識と教養”が必要という話。生の日本語文章には、「国境」のような有名文学作品はもちろん、サザエさんのような現代のカルチャー、「鴨川の法則」といった小話(?)まで日本語母語話者であれば知っているであろう”ネタ”が満載である。
同様のことは他言語にももちろんあり、本書では言及されていないが、英文学でallusion(引喩)と言われており、特にシェイクスピアや聖書の前提知識がないと意味、あるいはおもしろさが分からない、といったことはままある。
中国文学なら漢詩や古典がそれにあたるだろうか。
(その昔、大学の第二外国語で”何日君再来”を習った -
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『日本人の日本語知らず。』を改題、章・コラム、ヨシタケシンスケ挿画を増補したことにより親しみやすく読みやすい本になってるが、取り上げている内容はけっこうハードなものが多くて、母国語ではなく外国語として学ばない限り知りえない「日本語のルール」が少なからずあるということに目を開かされた。英語も大切なのだけど、第二外国語として「日本語教育」を受け自国語に対する客観性を養うことで、物議を醸す「らぬき・れたす・さいれ」(4章)問題などに冷静に向き合えるようになるのでは。文法ばかりでなく、我々がほとんど意識していない発音でも日本語特有の一癖二癖があることに気づくと、英語の発音練習にも役立つかも…
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Posted by ブクログ
日本語以外ろくに知らないのに、なぜか「日本語は難しい」とか「繊細だ」とか言う人(だいたい年配の人)に会うと、いつもムカッとしていたが(日本人はやさしい、繊細、真面目、頭が良いなども同じ)、こういう風に理論整然と実証しながら反論できたら痛快だなあ。
清水さんは、日本語のわかりやすさ、モヤモヤする表現について、なぜそうなのか説明してくれる。
一文が短くて、比喩例が的確で理解しやすい。
「文法というのはルールブックのようなものではありません。文法という名のルールが先にあって、それにしたがってみんながしゃべったり書いたりする、そんなイメージがあるかもしれませんが、違います。文法というのは「あとからこ -
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ものすごく面白かった!著者が猫好きの方のようで、これ猫のことかな?と思わせる用法があってホッコリ
自分が外国語を勉強してるときに感じる、(こんな発音辞書にないよ?この語尾なに??)みたいなどーにもよくわからんものが、日本語に置き換えるとそういうことか~と分かって、スッキリ。
文法があって言葉があるのではなく、もともと存在した言葉に法則性を当てはめたのが文法なのだから、文法通りにいかないのは当たり前のことなんだよな~と納得できた次第。
日本人的なふるまいが日本語のなかに潜んでいる、というのは興味深い。
くれるもあげるも英語ではgiveだけど、日本人はウチとソトを使い分けるので、日本語ではソト -
購入済み
日本語びいき
普段何気なく話している日本語だけど、ふと疑問に思うあれやこれが、面白おかしく簡潔に説明されています。周りに外国人がいる人には、特にオススメ。
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日本語教師が日本語について書いた本。
ヨシタケシンスケさんの挿絵が素敵。
日本語を細かく細かく細かく
分解してみた、というような話。
ほー、なるほどねー。
そうかー、そうなるのかー。
と思いながら読み進めた。
いつも使っている言葉なのに、
分解するといろいろ新しい発見があるものだ。
米洗ふ前を蛍の二ツ三ツ p107
前に 蛍は死んでいる
前へ 生きてるけど一方通行
前を 行ったり来たりしている
なぜなのか
前に、は「いる」がつくから動きがない。
だから死んでいる。
前へ、は「来る」がつくからその場所に
向かっていく感じ。一直線。
ふわふわ感がない。
前を、は「飛ぶ」がつくから・・
じ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ以前食を題材にした小説を読んだが、本当にあるのか調べたりしたので
本作は有難い。
それこそ温泉、とか喫茶店、とか細かくジャンル分けしても作家さんそれぞれのオススメがあるはずなので
シリーズ化しないかなぁ。。
雰囲気や、ピンポイントの品物目当て、また何を食べても美味しくて通う、と色々なエピソード。
また個人店の儚さと切なさも。。
三浦しをん 京王線千歳鳥山 『Ho 100%drunker』 ベルギービール煮込み
→たかぎなおこ氏のバクダン納豆といい、京王線沿いには魅力的なお店が。。
西加奈子 渋谷 『虎子食堂』スパイス系
→渋谷も新宿も駅近ですますので、開拓したい。。
中江有里 三軒茶