伊藤典夫のレビュー一覧

  • 3001年終局への旅

    Posted by ブクログ

    オデッセイ4部作の最終作。

    2001年宇宙の旅から1000年後の第4ミレニアムが始まった時代が舞台となる。2061年の最後の章が3001年となっているので、2061年の続編かとも思われるが、作者のクラーク氏としては独立した作品だということだ。
    登場人物や、内容の描写に関しては、オデッセイ前3作を引き継いではいるが、4部作品はそれぞれ独立したものとしている。今回は最終作なので、全てが明らかになると思われたが、読後の感想としてはなんとなくはぐらかされた感じもある。しかし、今回再び2001年で活躍した人物が帰って来たのは驚きだった。

    1000年後の世界というのはどんなだろうか。自分にはちょっと想

    0
    2019年08月11日
  • 猫のゆりかご

    Posted by ブクログ

    さー、久々にハードSFでも読んでみるか!と手に取ってみたら全然違った、という本。

    むかしSFはよく読んだけど、この著者は初めて読む。

    なぜハードSFだと思ったかというと、別件で調べものをしていて「アイス・ナイン」という物理学方面の単語に出合ったからだ。

    9番目の氷? なんか素敵じゃん。と。

    ところが、開いてみたらこれはそういった科学的興味の本ではなく、著者自身が冒頭で示唆している通り虚妄の大伽藍で、平たく言えば偉大なるホラ話だったのである。

    さて、作中でいうアイス・ナインは、常温・常圧で水を凍りつかせる「種」なのである。

    たとえばコップの水にそれを落としたら、その水はたちまち凍って

    0
    2019年06月19日
  • たんぽぽ娘

    Posted by ブクログ

    青春SFを書かせたら世界一のヤング先生による名短編集。こういう心温まるどんでん返しが得意な作家は、たまにシリアスなの書いてくるからギャップがまた素晴らしい。

    生死観を交えた話もあれば、「最後の地球人、愛を求めて彷徨す」のようにディックっぽい話も収録されているのでバラエティ豊かな一冊だと思う。

    0
    2019年05月11日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ストーリーが映画の続きだったので、ちょっと混乱しながら読み進めた。
    全体的にもうちょっとすっきりしててもいいかなと思わなくもなかった。
    映画も観たけど、まぁなんというか観なくても別に良かった。

    2010: Odyssey Two(1982年)

    0
    2019年05月03日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

    Posted by ブクログ

    これも、結構前に購入したのだが、なぜかそのまま積ん読になっていた。2001年宇宙の旅を読んでから10年以上経っており、内容も忘れていたので、最近また2001年を再読してから読んでみた。
    続編だと聞いていたのだが、(新販)ということもあってか、色々と手直しをしたと書かれていた。旧版の方は読んだことはないのだが、やはりその時代を反映した形で書き直されるのだろう。2001年では米国とソ連という大国が出ているが、今回はすでにソ連はなくなっている。この小説での国際情勢の変化はよくわからないが、今回の内容は、米国とロシアの協力がテーマに書かれていたように思う。

    主人公が、ボーマンからフロイド博士に変わっ

    0
    2019年04月01日
  • 猫のゆりかご

    Posted by ブクログ

    19のときに読んだ思い出のボコノン。
    久々に再読して、楽しめました。
    代表作かつ、思い出の一冊。

    0
    2019年02月10日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

    Posted by ブクログ

    どれもいかにも寓意富む作者らしい短編集
    ただ作者作品の愛好家でもなければ
    あらためて開く価値あるような発見は感じなかった
    出自やSFとつく文庫だからといって内容に関係なくSFとレッテル貼られるのは
    作者が亡くなろうがいつまでもたぶんどこまでも変わらない

    0
    2018年12月09日
  • たんぽぽ娘

    Posted by ブクログ

    SF成分の摂取。飯田橋の書店のフェアで見つけたのだっけな。
    初めての著者だったけど表題「たんぽぽ娘」「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」「ジャンヌの弓」あたりが好きだったな。ロマンスの方がうまくまとまってる気がするんだよなぁ。いやオチがつきやすいからすっと入ってくるという話かもしれない。
    そうか。全編訳者の厳選した傑作だから、どれもしっかりまとまってるんだ。一定の完成度が担保ぽされてる。実際どれも読んで面白かったし、ギミックや世界観に唸った。ただやはり短編だから、「こじんまり」綺麗にまとまってる感もあって。物足りない感もあったのかな。その中でスパイス的にハッピーなロマンス要素がある

    0
    2018年10月26日
  • 無常の月 ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン

    Posted by ブクログ

    SF。短編集。
    同タイトルの古い方の短編集とは収録作が違い、同じ作品はは2作だけ。
    「無常の月」「ホール・マン」「終末も遠くない」は既読。
    〈ノウンスペース〉シリーズの3作品がとても面白い。本格宇宙SFプラス適度なユーモアという感じ。パペッティア人が印象的。
    他作品は、終末、コメディタッチのタイムトラベル、ファンタジーと、また違った雰囲気。
    ハヤカワ書房さん、傑作選の出版ありがとうございます。この調子で、ニーヴンの全作品復刊してくれてもいいのよ?

    0
    2018年05月28日
  • あまたの星、宝冠のごとく

    Posted by ブクログ

    J•ティプトリーの宇宙人は相変わらず可愛らしく魅力的で、お話は少しブラック。
    いや、自殺する少し前の作品らしいからブラック度はだいぶ増している。
    それにしても各短篇のテーマは同じ人が書いたと思えないほどバラエティに富んでいて、宮部みゆきさんを思い出す

    0
    2017年12月28日
  • 三惑星の探求

    Posted by ブクログ

    SF。中短編集。
    人類補完機構シリーズが5作品。うち4作品はキャッシャー・オニール・シリーズ。
    キャッシャー・オニールの物語は、冒険小説の趣向が強い。
    情景描写の美しさと、キャラクターの魅力が素晴らしい。
    やはり「嵐の惑星」がベストか。ト・ルースが魅力的すぎる。
    「三人、約束の星へ」は極めて特殊なキャラ設定・場面設定が印象的。好きだなぁ。
    シリーズものの作品以外は、あまり好きではなかった。「親友たち」が良かったくらい。それでも、人類補完機構シリーズの作品を読めるだけで大きな価値がある一冊。
    それにしても、なぜこんなに美しいのか…。これで全作品が翻訳され、コードウェイナー・スミスの新たな作品を読

    0
    2017年11月19日
  • あまたの星、宝冠のごとく

    Posted by ブクログ

    2年ぶりのティプトリー作品は、装丁がこれまた印象的な「あまたの星、宝冠のごとく」。この作品、初訳にしてなんと2016年刊行。早川書房の創立70周年を記念する文庫企画「ハヤカワ文庫補完計画」の一環として発表されたようですが、没後30年を経過してなお読書を魅了し続けるティプトリーになんだか感動してしまったり。

    本書は中期から晩年にかけての10篇を収録。2年前に読んだ「故郷から10000光年」に比べると、やはりどれも読みやすい作品ばかり。あのついていくのが大変な作風にちょっぴりの懐かしさを覚えつつも、とりわけ以下4作品が印象に残りました。

    「ヤンキー・ドゥードゥル」
    薬漬けの帰還兵を描いた作品で

    0
    2017年11月27日
  • 三惑星の探求

    Posted by ブクログ

    壮大なSF、ファンタジー、神話的、宇宙史。
    その一部分を1長編と3中短編集で垣間見ることが
    できるが、残念なのはその全てを知る
    神に等しい人物が全てを明らかにする前に
    未来の世界に帰ってしまったこと。
    そして、うっかり数千年分の歴史を紛失したこと。
    作者も読者も不完全燃焼であろう。
    完全に整っていると想像される構想が
    部分的に提示された、この不完全さが
    無限の想像力を伴い、惹きつけられるのかもしれない。

    0
    2017年09月14日
  • 歌おう、感電するほどの喜びを!〔新版〕

    Posted by ブクログ

    表題になっている一編が気になって読んだ。収録作品はどれも面白かったけど、やっぱり歌おう!が格別すてきだった。

    0
    2017年07月22日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

    Posted by ブクログ

    壮大すぎてなにがなんだかわからないといったところはあるが、やはり今回もSFらしいSFで、満ち足りた読後感。
    ハルとの最後のやりとりは緊張感がある、そして小さなどんでん返しもチャンドラ博士のユーモアが垣間見られて愛おしい。偏屈な人がここぞという時に見せる笑顔って恐ろしく魅力的だよなーと。
    そして、ハルとボーマンの和解もよかった。ボーマンの独白部分の描写や2人?の会話はできる短く抑制が効いているが、ボーマンがハルに対し懐かしさや親愛の情を感じていることが、よくわかった。意識生命体となった彼は、言葉以外の手段でそういったものを伝えて来た。著者の手腕だなー。

    0
    2017年06月24日
  • 3001年終局への旅

    Posted by ブクログ

    クラークさんが頑張ってモノリスを終わらせた
    表紙   6点
    展開   6点
    文章   6点
    内容 645点
    合計 663点

    0
    2017年05月07日
  • 死の鳥

    Posted by ブクログ

    ワン・アンド・オンリーな孤高のSF作家、ハーラン・エリスンの日本独自編集短編集。
    日本人SF者として何が嬉しいかって、収録作全てが伊藤典夫氏の翻訳だということ。エリスンの作品は、全編これ暴力と狂気の世界です。猥雑で非情で容赦のないこの世界観を、悪趣味一歩手前のギリギリのラインで美しい言葉遣いでまとめる手練の技は、正に伊藤典夫氏の職人芸。

    10編の短編が収められていますが、「これSFじゃないでしょ」な作品も結構あります。でも、何だろうなぁ、SFというジャンル分けするのがもったいないような独特の存在感。
    ブラッドベリの妖艶さでもなく、ディレイニーのスタイリッシュさでもなく、正に「エリスン節」とし

    0
    2016年12月12日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

    Posted by ブクログ

    2016/11/09-2016/11/10
    星4.3

    『2001年宇宙の旅』の続編。この後に2061年、3001年と続く。

    2001年に比べて随分ダイナミックな文章になっていて、すぐ読めた。2001年の方で投げっぱなしだった疑問点がいくつか解消するような、そういう話だった。ここからどうやって2061年へと時代が移るのだろう?

    0
    2016年11月10日
  • 死の鳥

    Posted by ブクログ

    「悔い改めよ、ハーレクィン」とチクタクマンはいった、とか、おれには口がない、それでもおれは叫ぶ、とか、いやいやいや、邦題がww
    読んでいる間じゅう不吉さが低周波のように感じられるところが大好きなマルケスっぽいんだけれど、あの乾いた感じがなくてずっとぐじゅぐじゅしててきもちわるい。でもページをめくる手が止まらん、そんな作品。

    0
    2016年09月19日
  • 死の鳥

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『ランゲルハンス島沖を漂流中』に挟まれる
    愛犬の感傷的エピソード、
    『ジェフティは五つ 』が突き付ける圧倒的ノスタルジー
    にもかかわらず絶対者による徹底的、無慈悲な暴力。
    それに抗う人や飲み込まれる人。
    甘く苦く切なく辛く、常識的で狂気もはらむ、
    いろいろな感情・感性を刺激させられる短編集。

    0
    2016年08月31日