あらすじ
わたしの名はジョーナ。いまプエルト・リコ沖のサン・ロレンゾ島にいる。“パパ”モンザーノの専制政治に支配されるこの島で、『世界が終末をむかえた日』の著者となるべきわたしは、禁断のボコノン教徒となったのだ。 “目がまわる、目がまわる”世の中は複雑すぎる。愛するサン・ロレンゾ一の美女モナが、世界中のありとあらゆる水を氷に変えてしまう〈アイス・ナイン〉が、柔和な黒人教祖ボコノンが、カリプソを口ずさむわたしのまわりをめぐりはじめる――独自のシニカルなユーモアにみちた文章で定評のある著者が、奇妙な登場人物たちを操り、不思議な世界の終末を描いた長篇。
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装丁が見えなくされたままに、この本を偶然ーボコノン教的に言うのであれば"定められたとおり"ー手に取ったわけだけれど、これまた素敵なものに出会えた。
荒廃的であるのに、ず一っと痛快。
なんなら終末が近づけは近づくほど笑えてくる。
「本書には真実はいっさいない。<フォーマ(無害な非真実)〉を生きるよるべとしなさい。」
このことばに救われた。
いつだってカルチャーは孤独でいさせてくれる、
孤独を受け入れてくれる。
この本はそんなカルチャーのすべてだった。
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一つひとつのフレーズを、時間をかけてゆっくり読み解くのが楽しい本。疲れるけど、たまに浸りたくなる世界観だった。現実逃避しているように思えながら、実は現実の問題と真っ向から対峙しているような不思議な感覚。SFに興味を持つきっかけになった話!
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序文
本書には真実はいっさいない。
「〈フォーマ(無害な非真実)〉を生きるよるべとしなさい。それはあなたを、勇敢で、親切で、健康で、幸福な人間にする」
ー『ボコノンの書』第一の書第五節
p32
"実験だよ"
p34
人間は父の専門ではなかったからです。
"今や科学は罪を知った"
"罪とは何だ?"
p37
「これは私事です。たんなる恋愛事件です。ぼくは後悔してはいません。何が起ころうと、それはぼくとズィンカとのことで、みなさんには関係ありません」
p88
「おかしな旅の誘いは、神の授けるダンス・レッスンである」
p157
自分の本に索引をつけるのは素人作家のすることだ、とも言った。
p219
真実は民衆の敵だ。
p233
「わたしが何かしたのですか?」
「これからするんだ」
p251
「成熟とは苦い失望だ。治す薬はない。治せるものは強いてあげるとすれば、笑いだろう」
p300
「過去の正確な記録がなかったら、人間はどうやって将来起こすかもしれない重大な過失を避けるというのか?」
p301
"よし、世界を滅ぼしてやる"
初ヴォネガット。超好き。
村上春樹やたくさんの作家に多大な影響を与えたヴォネガット。敷居が異様に高くなっていたことを反省せざるを得ないくらい軽やかで面白い。
うまくは言えないけれど、この作品の持つどこか荒廃とした雰囲気がこれまで読んだいくつかの作家作品、映画などにあったような錯覚を覚える。不思議な体験。この本に全部詰まってるのでは、とも。
ここ最近、宗教についてよく考えるので、本作にある角度で読むと逆に新鮮にも感じる。パワーワードの連発は好みが分かれるところもあるかもだけど、端的に詩的に読み取れるそれらの言葉は皮肉と風刺に満ちていて、それが読んでいるときの爽快感にもなっている、と私は感じました。
他の作品もちびちび読み進めたいと思った次第。
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好きだ〜〜
ボコノン教の宇宙からの視点が皮肉が効きまくってて最高だったな
私が好きなのは戦闘機が墜落して宮殿が壊れてアイス・ナインで世界が凍結するシーンです
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甚だ奇っ怪な小説。
まえがき
「本書には真実はいっさいない。」「〈フォーマ〉を生きるよるべとしなさい。それはあなたを (略) 幸福な人間にする。」(p4)
※フォーマ=無害な非真実
これがこの物語を端的に表している。
ジョークやユーモアが私たちを豊かにしてくれる。
中身は荒唐無稽の極み。
「世界が終末をむかえた日」について、謎の宗教・ボコノン教徒の男、自称ジョーナが語る。その述懐が人を食ったような、あまりにもヘン。
原爆研究者、フォーニクス・ハニカー博士が開発した究極兵器‘アイス・ナイン’を巡り、カリブの小国サン・ロレンゾ共和国を舞台に破茶滅茶が巻き起こる。
世の中に意味が無いものがあっても良いではないか。私はそんな風に捉えたが、無理して意味を求めなくても良いように思うのであまり考えないようにする。
猛烈に好きな作品。
23刷
2021.2.8
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カート・ヴォネガット・ジュニアは、スローターハウス5以下、沢山の本を出版しているが、彼の作品として一番最初に読んだこの本が強烈な印象を残している。ハインラインやハーバートのSFとは全く違っているが、カルト的な魅力に溢れた作品だと思う。映画界の「2001年宇宙の旅」や「天井桟敷の人々」、「ドクトルジバゴ」のように、読書士としては必読書の1冊だと思う。
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仕事できつかった時、この本が救ってくれた。
今悩んでいることは生きる上で本当に重要なのか?悩んでいることは周り、自分にとって何か本質的に影響を与えているのか?
そうマインドセットしたら、なんてことないくだらないことだった。
大人になったら、本質的なことが見えにくくなる。それがただのあやとり(にせもの)だと気付けないのだ。
子供は猫のゆりかご(あやとり)をいつまでも見つめて、猫なんていないし、ゆりかごもないことに気づく。
あなたが悩んでいることに、"猫はいますか?ゆりかご、ありますか?"
そうヴォネガットに語りかけられた気がした。
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8月上旬に読んだ。
原爆の父であるとされるハニカー博士の投下当日の様子、こども達からの証言や関係者をめぐる旅から始まる前半
“本書に真実はいっさいない”と目次の前に明言されていることを忘れて、この時期に「たまたまー”定められたとおり”とボコノンならいうだろう」手元にやってきたこの本を読み、
原爆開発側の国の視点にも触れるつもりになりページをめくっていった。
「もしあなたの人生が、それほど筋のとおった理由もないのに、どこかの誰かの人生とからみあってきたら、その人はおそらくあなたの〈カラース〉の一因だろう」などと、最もらしい教義を散りばめてボコノン教の世界、謎の島サン・ロレンゾに読みながら連れ去られて行く。
「真っ赤な嘘」とされるボコノンなりの真実にまんまと目が離せなくなっていく。
私は日本人で、英語圏の人がゲラゲラ笑うような部分は全くわからない。どちらかといえば、”壮大なズシーン”という展開をついにきたなと受け止めたり、真っ赤な嘘だ、笑ってくれといいたげなストーリーにも根底に流れる真実に考え込んだりする。
真剣に読んでいるこちらからすると、
猫なんていないし、ゆりかごもないんだ
うそっぱちだー
といわれ
なんだか色々複雑なことを考えて心に留めておきたいんだけど、結局なんでもなかったのか?ただ奇天烈な展開におもしろかったなぁ!とスッキリしておけばいいのか、感想がまとまらない。
ひとつ、シニカルとかユーモアって自分にはまだまだ掴みにくく理解しにくいものなんだと痛感した。
Posted by ブクログ
SF。
ボコノン教という宗教を中心とした終末SF。
登場人物は変な人ばかり。ボコノン教もおかしな宗教。ストーリーも荒唐無稽。
とにかく奇妙な作品だが、地味に感動できて、印象的なセリフも多い。
ヴォネガットの著作の中でも、かなり好きな作品。
Posted by ブクログ
ヴォネガット長編3冊目は『猫のゆりかご』
出だしからしてヴォネガット節がきいている笑
本書には真実はいっさいない。
「<フォーマ>*を生きるよるべとしなさい。それはあなたを、勇敢で、親切で、健康で、幸福な人間にする」 ー『ボコノンの書』第一の書第五節
* 無害な非真実
そうだよねえ...いやそうなんだよ....
話はシニカルでユーモアたっぷりだったが、個人的には読んだことある長編他二作(タイタンの妖女、スローターハウス5)の方が好きだったかなあ
さて次は短編集の2を読む
Posted by ブクログ
「猫のゆりかご」ってなんだろう。
マザー・グースの詩に
「風が吹くと、ゆりかご揺れる、ゆりかご揺れて赤ちゃん落ちる、落ちると...」(思い出したまま)
という恐いのがある。
読み始めてすぐに謎はとける、がその後の展開に怖ろしい予感。
世界が終末をむかえるのか。
短い文章の章立て。勿論シニカル。さびが効いている。
たたみかけて大団円に。まるでSFXの画面を観ているよう。
「専制」「大統領」「とりまき」「兵士」「科学者」「金持」「多くの貧困者」「カルト宗教」「カリスマ教主」「アメリカ」「ジャーナリズム」
と、キーワードを上げるだけで現代と酷似している。1960年代に書かれたSFだのに。
ちなみにあの頃は映画「渚にて」とか小松左京の「日本沈没」があってはやったけど。
これは普遍性があると思う。「ソ連」が出てくるのは時代性。
あーあ、相も変わらずの変らない世界よ!
『フォーマ=無害な真実を生きるよるべとしなさい。…』と作者はフィクションの宗教『ボコノン教』の聖書に語らせる。
つまり、「うそからまことがでる」と。
でも、そんな哲学よりもユーモアと展開の面白さを愛でよう。
カリブ海に浮かぶ孤島の断崖絶壁に建つお城にいざなわれて。
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広島の原爆…ボコノン教…世界の終わり…
最後のほうはハチャメチャです。わたしは前半のほうがおもしろかった。いや、しかしシニカル。でもユーモラスティック。
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筒井康隆の名短編「あるいは酒でいっぱいの海」(1977年)を思い出したが、「猫のゆりかご」(1963年)の方が元祖なのか。
書かれて50年を経過した作品とはにわかに信じがたい。半世紀経とうが、1世紀経とうが、ヴォネガットの人を食った作風を凌駕する書き方は、そうそう生まれるわけがない、か。
Posted by ブクログ
さー、久々にハードSFでも読んでみるか!と手に取ってみたら全然違った、という本。
むかしSFはよく読んだけど、この著者は初めて読む。
なぜハードSFだと思ったかというと、別件で調べものをしていて「アイス・ナイン」という物理学方面の単語に出合ったからだ。
9番目の氷? なんか素敵じゃん。と。
ところが、開いてみたらこれはそういった科学的興味の本ではなく、著者自身が冒頭で示唆している通り虚妄の大伽藍で、平たく言えば偉大なるホラ話だったのである。
さて、作中でいうアイス・ナインは、常温・常圧で水を凍りつかせる「種」なのである。
たとえばコップの水にそれを落としたら、その水はたちまち凍ってしまう。「種」に口をつけ、体の水分に触れさせたら、体がすぐに凍ってしまう。その遺体がもし海に落ちたら、海すらもあっという間に固体と化してしまうのだ。
そうした世界の救いなき終末までを、この小説は描き上げる。
猫のゆりかごとは、この本によるとあやとりのX字が重なったもので、指をほどけば解けてなくなってしまう象徴。すなわち絢なる世界もひと皮むけばすべて無意味で虚しいのだ、ということが主題らしい。
たいへん面白かった。
結末は、わたくし的には非常に納得の行かないものだったけどね。
Posted by ブクログ
吉野朔実が子どものときに読みたかった本として挙げていたため、興味を持って読むことにした。どうしてこれを子どものときに読みたいと思ったのだろう、と疑問に思ったが、確かに小さな頃に見ていれば、価値観というか見方がひっくり返ったかもしれない(?)。
最初はただの普通の話だと思っていたが、空想の島「サン・ロレンゾ」が出てくるにつれ、段々と不思議な世界に突入していく。一般人がアイス・ナインという一歩間違えば大量殺戮兵器にもなり得るようなものを持っていて、この道具を個人の好きに使ってしまって、きな臭くなっていく。ハニカーの子どもたちに対しては、良心もある程度の分別もあるけれど、私欲も勿論持っている人間なんだな、と思った。天才はどうなのか知らないが、一般人がこういった危ない兵器を利用しようとすると、最初から大きな自体にはならないが、小さなところから波紋のように大きく影響が広がっていくと分かった。
読んでいて一番気になったのは、ボコノン教から見る宗教のあり方(この宗教は独裁があるからこそ島民の心に平和と歓喜をもたらす)だった。宗教と社会的平和は共存できないのだろうかと考えるに至った。
おそらく話の内容は世界全体に通じることなんだろうけれど、世界規模で急に書き出すと、規模が大きすぎて問題が浮き彫りになりにくいのだと思う。それをサン・ロレンゾという小さな規模の社会(小さな世界?)の出来事として書くことによって、宗教や戦争は何なのかという問題と答えが、読者(というか私)に考えやすく、自分や作者なりの答えが見つかりやすくなっているように思った。
Posted by ブクログ
かわいいタイトルだけど、内容は相当に人を喰っている(笑)。
ジャンルは終末世界SFになるのだろうか。架空のボノコン教という宗教が出てくるのだが、その『ボノコンの書』の冒頭はこんなだそうだ。
「わたしがこれから語ろうとするさまざまな真実の事柄は、みんな真っ赤な嘘である」
すべての物事は大まじめに進んで行くが、それらは同時にとても滑稽で、それでいて哀れである。
目がまわる、目がまわる。うんざりするほどの混沌と単純さが入り混じった世界で、しかしヴォネガットさんは現実をありのままに語る。この作家さんは、そんな現実をそのままジョークにしてしまうのだ。いやはや。
現実に対してユーモアで反骨しているのだと思う。ほんとに皮肉屋ね。でも、それは一つの許しなのだとも思う。人間は愚かだということへの。
「<フォーマ>(無害な非真実)を生きるよすべとしなさい。それはあなたを、勇敢で、親切で、健康で、幸福な人間にする」 ――『ボコノンの書』第一の書第五節
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「キャット・クレイドル」の名は、宇宙船の名として知った。『宇宙英雄物語』の最終話にぽっと出てきたキャラの愛機だ。ぽっと出のキャラだが紅龍を逮捕するなどの活躍をしており、もっと活躍する予定のキャラだったらしいことがおまけページに書かれている。
別の機会に同名の小説作品が存在することを知った。
本を手に取るまで『タイタンの妖女』の著者の作品であることを知らなかった。知ってしまえば期待は爆上がり。クールに虚無を積み重ねていく語り口調はパラニュークや『パルプ・フィクション』を思わせるもので、発表順からすれば影響を与えたかもしれない側となる。
短いエピソードの連なりで物語は構成されている。外堀が少しずつ埋められていくような、完成図が見えないジグソーパズルが全体像を想像させないまま次第に出来上がっていくような。読んでいる最中はとても幸せだった。
しかし、どうにも期待をかけすぎたようだ。美しいクライマックスであるとは思える。しかし、完璧な結末とは思えない。
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マッドサイエンティストが生み出した世界を破滅させる物質をめぐる物語ですが、舞台となる南の島の独裁国家での主人公達のやりとりが面白いです。あやとりもやってみたくなりました。ゆりかごなら簡単にできそうですね。
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カート・ヴォネガット・ジュニアの代表作のひとつ。
広島に原子爆弾が落ちた日、アメリカの重要人物たちの様子を記録した書物となるはずだった「世界が終末をむかえた日」。その執筆にとりかかった主人公ジョーナは、いまや禁断のボコノン教徒。一方、いまは亡きフィーリクス・ハニカー博士とは、原子爆弾の”父”のひとりにして、”アイス・ナイン”の発明者。
ジョーナは、ハニカー博士の様子を記録すべく、博士の息子や上司、その他大勢にインタビューを試みるうちに、奇妙な孤島に降り立つことになります。そこはプエルト・リコ沖のサン・ロレンゾ島。ボコノン教に魅せられたこの島で過ごす奇天烈な日々は、誰も予想しない運命へ彼をいざないます…
独特の諦観的世界観、ユーモアな章立てに言葉運び、ナンセンスギャグ。おおよそ感じるヴォネガットの魅力は、もちろんそれだけでは言い表せませんが、本書で見出した彼の作品の魅力は、「肩の力を抜いて読めること」。
真面目で堅苦しい言葉が連なるSFに刺激され、人が殺され謎を解明するミステリーにどきどきし、ヒューマンドラマに心揺さぶられる読書生活のなかで、こういった趣向の作品は、実は貴重な存在(とはいえ、まだ彼の作品は3冊目ですが…)。なにか教訓めいた言葉を追うことも忘れて本書を読み進められたことも、これに起因するのかも。
さてさて、表題の「猫のゆりかご(Cat's cradle)」とは、装丁にも示されるとおり、あやとりのこと。なぜこの表題がつけられたのでしょうね?
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お気に入りの本の主人公がこの本を薦めていたので読んでみたものの、私には難解だった。あとがきを読んでなんとなく大まかな意味合いがわかったような、わからないような…。
しかし、ボコノン教の〈カラース〉や〈グランファルーン〉などの考えには納得できる部分があるなぁと思った。
ひとつひとつの章立てがとても短いので、さくさく読むことができた。
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この間読んだ本(図書室の魔法だったかな)でベタ褒めしていたので読んでみました。あやとりって猫のゆりかごっていうんですね。初めて知りました。
何冊かこの方の本は読みましたがひねくれている感じが読みにくい。大嘘なんだけど原子爆弾という兵器があり、それを取り扱う科学者や政治家にモラルが欠けていたらどうなるのか、というようなお話だったと思います。考えさせられますね。
この方の書かれる世界は宗教が結構大きく絡んできて面倒くさいというか面白いというか。きっと多くの現代日本人にとってさほど日常的に大きな容量を割いていないであろう宗教、信心というものが話しの中枢に据えられているので個人的にはだから?と言いたいような事柄が物凄い重要事項だったり。その辺りは読んでいて全然響かないなあ、と思います。
主人公は見た目だけで超絶美女の女の子を心から愛していると勘違いしたり、世界の終わりに義憤は感じるものの特に何をする訳でもないのであまり好きになれるタイプではありませんでした。ところどころ面白いなあと思う所はありますがボコノン教?だったかな?にはあまり入信したいとは思えないな。わかったようなことを言って人をけむに巻く詐欺師みたいな教祖だなあ、と信心のない自分は胡散臭く読んでしまいました。
Posted by ブクログ
私が今まで読んだヴォネガットの中でもかなり良かった。人類滅亡の裏側にあるのは…。短いチャプターの積み重ねでテンポ良くも読める。こんな時期に読んだので冒頭の原爆という単語にドキリとした。タイトルの猫のゆりかごは日本で言うあやとり。いい得て妙なタイトル。2012/519
Posted by ブクログ
マッドSFと呼ばれるものを理解するのは読み返す必要有
表紙 6点和田 誠
展開 4点1963年著作
文章 5点
内容 580点
合計 595点
Posted by ブクログ
『戦争を思いおこすのだったら、わたしたちは服を脱ぎ捨て、身体中に青いペンキを塗って、四つん這いになり、一日中、豚みたいに唸るべきでしょう。』
宗教には迫害が必要で、それにより教義は神聖化し、完成する。なるほど。すっげー
タイタンの幼女もなんですが、幕引きの切なさは天下一品。どこまでもドライなのに、叙情的で、壮大。なんだか、感動してしまう。
Posted by ブクログ
短い章の連続なので読みやすいかと思います。スケールの大きなSF作品。
いやぁ、カート・ボネガット・ジュニアの本を読むのは二度目です。
「タイタンの妖女」以来です。
「タイタン」はなかなか、良い意味でキテレツな感じだったけど、
今作もそんな感がありながら、2頁とか3頁だとかで一章が構成されている
からなのか、テンポが良いです。グターっとした感じがない。
それでいて、内容がある。いや、ないのかな。ボコノン教っていう
オリジナルな宗教が出てきて、その専門用語みたいなのが
小学生が作ったような言葉のように思えてくるようなおかしさがあります。
まぁ、かいつまむと、面白かったってことです。しょうゆうこと。