伊藤典夫のレビュー一覧

  • 猫のゆりかご

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    ネタバレ

     吉野朔実が子どものときに読みたかった本として挙げていたため、興味を持って読むことにした。どうしてこれを子どものときに読みたいと思ったのだろう、と疑問に思ったが、確かに小さな頃に見ていれば、価値観というか見方がひっくり返ったかもしれない(?)。
     最初はただの普通の話だと思っていたが、空想の島「サン・ロレンゾ」が出てくるにつれ、段々と不思議な世界に突入していく。一般人がアイス・ナインという一歩間違えば大量殺戮兵器にもなり得るようなものを持っていて、この道具を個人の好きに使ってしまって、きな臭くなっていく。ハニカーの子どもたちに対しては、良心もある程度の分別もあるけれど、私欲も勿論持っている人間

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    2016年08月04日
  • スキャナーに生きがいはない

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    基礎知識が定まらないのと
    まだこれしか読んでいないので
    評価は難しいのだけど
    舞台や道具はともかく、物語の中にある
    人間的な部分、ロマンチックな思いは
    いまも色あせないのではないか。

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    2016年04月13日
  • たんぽぽ娘

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    SFというか村上春樹的な話で、人間の心の機微を題材にしたものが多く、また男女の交際もかなりの頻度で物語のキーになっている。短編はどれも楽しめたものの、表題にもなっているたんぽぽ娘自体は普通のタイムパラドックスものでした。

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    2015年11月17日
  • たんぽぽ娘

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    おとぎ話のような雰囲気のあるロマンチックなSF短編集。表題作の『たんぽぽ娘』のみ既読でしたが、やはりこれが最高の出来。
    『エミリーと不滅の詩人たち』『主従問題』『神風』『河を下る旅』も好み。
    面白くないなと思うものもあり玉石混交の感はあります。

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    2015年08月09日
  • たんぽぽ娘

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    ・R・F・ヤング「たんぽぽ娘」(河出文庫)の 「編者あとがき」にかうある。「ヤングの短編集を編むとき、ぼくが特化したのは、ロマンスものーーというか、彼のボーイ・ミーツ・ガールものである。ほか の作家ならいざ知らず、彼の作品中ずばぬけた出来ばえを見せているのはボーイ・ミーツ・ガールものとそのさまざまなヴァリエーションだった」(384 頁)。確かに、これはこの通りの短篇集である。これ以上でもなくこれ以下でもない、ボーイ・ミーツ・ガールもの集成である。巻頭の「特別急行がおくれた日」から最後の「ジャンヌの弓」までの全13編、外れはない。どれもおもしろい。
    ・巻頭の「特別急行がおくれた日」は蒸気機関車運

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    2015年03月09日
  • たんぽぽ娘

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    奇想コレクション最終回配本。で持っているのに
    文庫本を買ったのは、ざっくりとした短い話で
    ふわっとしたい気分になりたいときに
    ポケットに入れておけるから。
    それにしても、ちょっと前まで
    入手困難な幻の名作がうちに3冊もある。
    ネットで英語版、苦労して読んだ反動だ。

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    2015年01月13日
  • 猫のゆりかご

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    かわいいタイトルだけど、内容は相当に人を喰っている(笑)。
    ジャンルは終末世界SFになるのだろうか。架空のボノコン教という宗教が出てくるのだが、その『ボノコンの書』の冒頭はこんなだそうだ。
    「わたしがこれから語ろうとするさまざまな真実の事柄は、みんな真っ赤な嘘である」

    すべての物事は大まじめに進んで行くが、それらは同時にとても滑稽で、それでいて哀れである。
    目がまわる、目がまわる。うんざりするほどの混沌と単純さが入り混じった世界で、しかしヴォネガットさんは現実をありのままに語る。この作家さんは、そんな現実をそのままジョークにしてしまうのだ。いやはや。

    現実に対してユーモアで反骨しているのだ

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    2019年02月27日
  • 3001年終局への旅

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    モノリスは最後までモノリスでしたか~。
    物語の内容は「そこからきたか~」という感じでしたが、謎が謎のまま終わったのはちと残念な気も。大事なところは、今の知識が有効になった感じもあって。ん~、というところはありましたが、全作を締めくくるのは確かにこうなのかもね。とも思いました。
    最初から最後の作品まで一気に読みましたが、面白かったですね。

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    2014年07月28日
  • 3001年終局への旅

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    ネタバレ

    この本は「2001年宇宙の旅」から始まったシリーズの完結編です。

    2001年宇宙に放り出された飛行士が1000年後、
    海王星付近で偶然回収され、蘇生しました。

    浦島太郎となった飛行士フランク・プールが見た3001年の世界は、
    宇宙と繋がる軌道エレベーターや、脳に直接情報をダウンロードできるキャップなど、
    まさに「未来はこうだ!」みたいな科学雑誌の世界でした。
    だけどタイムマシンや光速宇宙船はありません。
    ここら辺の、SFでありながらリアリティを感じさせる絶妙なサジ加減に
    アーサー・クラークの勉強熱心さと作家の腕を感じます。

    SFの大家が描く未来予想図を楽しんでいるうちに、
    物語は人類の危

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    2013年11月16日
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕

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    太陽の黄金の林檎に比べてストーリーで魅せる。
    詩情満載な表現は控えめだが、その分ストーリーがいい。
    こっちの方が一般受けしそうな感じ。暖かみがあって、あと味のいい話が多い。


    冒頭のUボート・ドクターでいきなりがつんとやられる。なんだこれ。

    何事もなし、あるいは、何が犬を殺したか、からはSF観、科学観をうかがえる。こういうタイトルって日本語の方が語感がよさそうだな。

    機械のなかの幽霊、こういうのは星新一が得意。

    あとがきで各話の背景が解説される。
    最後の方は熱い!あとがきなのに!

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    2012年09月25日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

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    ネタバレ

    もはや説明の要すらない大傑作「2001年宇宙の旅」の9年後を舞台とした続編。設定上は、小説版ではなく映画版の続編となっており、遺棄されたディスカバリー号が漂流しているのは木星衛星群の宙域です(この辺りのいきさつは、クラーク自身による「作者のノート」に詳しいです)。

    宇宙飛行士4人が死亡、1人が行方不明となったディスカバリー号事件から9年後、木星衛星群探検のきっかけを作ったヘイウッド・フロイド博士は、ディスカバリー号回収のためにHAL9000の生みの親・チャンドラ博士と共にロシアの宇宙船に乗って木星へと旅立つ。9年前と何ら変わらぬ政治的な駆け引きに翻弄されつつも、ボーマン船長が残した謎のメッセ

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    2012年03月10日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

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    2010年が始まったとき、〆はこの小説で決まっていた。
    2001年が綿密な設定と謎にわくわくしていく古典的な名作だったのに比べ、
    この作品はどちらかというとそれの詳しい解説やエンターテイメントの面を強調している。

    実際に2010年になってもこの時代の科学力はこの小説に追いついて来れないし、明らかな矛盾が見つかるまでも無い。
    そして古臭くもない。

    人間の、クラークの想像力にただただ感服するばかりである。

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    2011年01月01日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    SFもあり、ちょっといい話風な短編もあり、の短編集。
    序文などにもある通り、テレビが普及する前の時代、雑誌の読み物が一般的な娯楽として広く楽しまれていた頃に雑誌に掲載されていたもの。
    古きよきアメリカ、的な香りもし、同時に、皮肉のきいた社会批判も織り込まれていて、まだ作家として駆け出しの頃のものでありながら、独特の個性が感じられます。
    いちばん印象に残ったのは、「パッケージ The Package」かな。

    ちょっと先の未来(書かれた当時はだいぶ先の未来、だったはず)の話、という設定。
    苦労して事業を成功させ、念願の新型住居を購入したアールとモードのフェントン夫妻。
    世界一周旅行を

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    2010年09月13日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    2000年に上製本として発売されていた、ヴォネガットの短編集がこのほどようやく文庫化された。
    書かれたのは1950〜60年代で、半世紀も前のもの。
    ヴォネガットが短編を生活の糧として量産していた時期があり、
    その大半はスリック雑誌に掲載された。
    かつて、短編集「モンキー・ハウスへようこそ」が編まれたが、
    そこから漏れてしまった23篇がここに収録され、短編の大方が網羅されたことになる。めでたい。

    ここに収録されているのは短編で、しかもアーリー・ヴォネガットと言うべき作品群。
    彼一流の文明批判や、どうしようもない人への「諦めと愛情いっぱいのまなざし」はすでに健在、
    さすがというべき。ただ、長編に

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    本を読むのなら、とりわけ「小説」を読むのなら、あなたは自分自身がひっくり返っても書けないと思える本を読むべきだ。結末の予想や著者の思想・背景を探るような余裕さえ無い程、自分を振り回してくれるような本を読むべきだ。
    そういった本を見つけるために本屋に行くべきだ。その際は出版社別ではなく、著者別にあらゆる出版社の文庫が雑然と並ぶ本屋を選ぶのが好ましい。あ行からわ行までくまなく検分するうちに、きっと心に引っかかったまま忘れかけていた作家の名前が見つかるからそれを手に取ってみるのが良い。そんな名前が見つからないなら、題名の良い本を引っ張り出して背表紙のあらすじを読むと良い。そんな題名が見つからないなら

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    2009年10月07日
  • 3001年終局への旅

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    「2001年・・・」から読んでますが、個人的には「2001年」の方が好きです。だってモノリスがー・・・。

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    2009年10月04日
  • 3001年終局への旅

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     オデッセイシリーズの最終章。基本的に2061年の続編ではありませんが、世界観は同じです。しかし、終わり方に夢がないのでこのシリーズの世界観が好きな人にはお勧めしません。
     でも、納得いかない終わりとはいえ、結末は結末です。

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    2009年10月04日
  • 3001年終局への旅

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    モノリスの創造主との戦いが繰り広げられるシリーズ最終章。
    3001年の世界では恐竜の庭師が、宇宙空間で園芸をしているという想像もつかない世界を描けるのは…Dr.クラークだけ!

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    2009年10月04日
  • 歌おう、感電するほどの喜びを!〔新版〕

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    全18篇収録。
    ブラッドベリは、ふんふんとストーリーだけを追っていっても楽しめない作家という印象で、本書もそんな感じの作品が多かったです。正直、ついていくのに苦労した作品も幾つかあったのですが、なんだかスッと心に入り込んでくる作品もあったりして、なんだか不思議な作家だなぁとしみじみ思いました。「明日の子供」「われら川辺につどう」「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」「ロールシャッハのシャツを着た男」あたりが印象に残っています。

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    2025年12月04日
  • スローターハウス5

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    時間旅行できるってところが羨ましく思いました。この小説では「そういうものだ」「云々」がやたらと出てきますね。小説に出てくるトラルファマドール星人のクセなのかな。

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    2025年11月28日