伊藤典夫のレビュー一覧

  • 華氏451度〔新訳版〕

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    映像音楽、科学技術の発達による考えることなく人々が楽しく暮らしている世界。人は激しい音楽と映像に浸かることで外からの刺激のみで内側から何も生み出さなくなり。

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    2025年11月09日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    『《川の左右に生命の樹ありて十二種の實を結び、その實は月毎に生じ、その樹の葉は諸國の民を醫すなり》 そうだ、これを昼まで大事にとっておこう。昼のために… 街に着いたときのために。』

    名著、として知られるこの物語。
    本を燃やす男がある1人の少女と出会い…という触りの部分だけ知っていましたが、長年読んでいませんでした。
    何故か?だって、難しそうだから…。何十年も前の作品だし、きっと長々と1人の男の内省をダラダラ書き綴った読みにくい小説なんだろうなと思いつつ読み始めると…

    おもしろ!!!!!!!!!!!!
    いや、めちゃくちゃ面白いんかい。
    自らが住む環境、国、自分を取り巻く様々な事に疑問を感じ始

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    2025年10月13日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    50年代の小説だが、娯楽に対する変化や著者が想像した未来が今の現実にも通じる部分を発見し面白かった。(短い娯楽が好まれ、本のような長い娯楽は好まれない)

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    2025年09月30日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    なんとなく焚書をテーマにした本ということだけ知っていた読む前は、巨大な陰謀によって本が禁止された世界の話だと思っていた。実際は、大衆が娯楽を求めていった結果として本=知識が忌避されるという、ある意味もっと恐ろしいディストピアを描いた物語だった。
    月並みな表現だが、現代に通じるものを感じた。「反知性主義」という言葉が巷で流行っているが、現代のSNS社会、スマホを手放せない人ショート動画で時間を浪費する人…思い当たる節がたくさんある。もっと本を読み、考え、苦しむべきだと考えさせられる本だった。

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    2025年09月25日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    1953年刊行のSF小説ですが、今読んでも古く感じません。
    焚書により知識を封じられ、考えることを禁じられた世界の出来事です。
    我々もインターネットやAIによって、権力者から情報操作をされているのではないかと恐れます。

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    2025年09月21日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    Audibleにて。

    倫理よりも任務(目的)を優先させたHAL9000の完全性の病は一歩間違えば人間にも起こり得るということだろう。いや、我々が倫理を失うのはもっと容易いかも。

    スターチャイルドとしての転生はあまりしっくりくるものではなかったな。直前に鈴木大拙の『禅と精神分析』: 禅の無意識の箇所を読んでいたせいかもしれない。

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    2025年09月15日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    YouTubeとかLINEとかでなんとか昼間はやり過ごせるとして、
    夜です、ポカーン…壁と私しか部屋にいませーん…みたいな時に、ふと思い出す一作
    好きなので線を引いてずっと引き出しに入れてある。

    別に華氏451度になれって訳じゃないけれど、
    私は別に人付き合いもチャンネル登録してる人の動画も、本当に好きなものなんて何もないんだった、って思い出すことができるね。あいつらが好きじゃないって気がつくのってポカーンとしてる夜だけだからね。。

    本の大事さを説いている本だとは私は思っていなくて、
    私だけが華氏451度なんじゃなくて、
    皆の中に華氏451度はあったりなかったりするんだよねーと思う。

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    2025年09月10日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    最高!1984 、未来世紀ブラジルもよろしく体制側の犬が体制の矛盾に気づくのが常なのかぁと少し切なくなってしまいます。
    その世界に居ないと分からない事もあるのかな?

    ps賽目さんの解説がわかりやすかったので何言ってんの?と言う人はyoutubeで観てみても良いかもです。

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    2025年08月31日
  • スキャナーに生きがいはない

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    謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。

    物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとな

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    2025年08月28日
  • たんぽぽ娘

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    ネタバレ

    片道切符だとわかっていても全てを賭けた妻の勇気がかっこいい。
    最初から最後まで想い合っていたのは感動した。
    大切な人に贈りたい本

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    2025年08月05日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    気持ち古めでSFだから読みずらいと警戒してたけどなんてことなかった。

    確かに詩的な部分は所々よく分からないのがあったけれど、ストーリーの展開が現代の小説と遜色ないから拒否反応が出なかった。SFだから『ラウンジ』『巻貝』『猟犬』といった固有の物をイメージしずらいっていう問題もある。
    それを差し置いても小説の意味や価値とかをもはや著者レイ・ブラッドベリの立場から語ってくれてて凄く感動した。
    名言も多い。
    「救いに向けて自分のできることをしなさい。そうすれば、たとえ、溺れようとも、少なくとも岸に向かっていると自覚して死んでいける」
    薬を服用しながら学校に通っている今の私に刺さりました。
    小説は確か

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    2025年07月28日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    面白かった!
    映画を数年に一度観ては、ああ、この歳でもまだ理解出来ない、とがっかりして、数十年前。でも、この本を読んで、ようやく意味がわかった!
    以下興味深い文章、メモ。
    、、、
    おたがいに大きな打撃を与えることができない。そのような非生産的な行為にかまけるほどの余分なエネルギーはなかった。

    「新しい岩」が彼らの心を探り、、、トランス状態がとけた後、長い草の茎を引き抜き、不器用な手つきで結び目をつくる動作を始めた。

    「月を見るもの」の石のハンマーがふりおろされ、イボイノシシを抹殺した
    、、、
    電子新聞の見出しを見ていて、もうひとつ思い出されることがある。コミユニケーション手段が発達するにつ

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    2025年05月31日
  • スローターハウス5

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    随分前になるけど、これ読んだあと、東欧あたりを旅したときに、ドレスデンを訪れた。とても美しい街だった。教会の戦争を伝える傷跡なども見学したなぁ。

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    2025年04月20日
  • たんぽぽ娘

    購入済み

    他作品で名前があがり、気になったため購入しました。
    英文学作品はほとんど読んだことがなかったのですが、一つ一つのお話がとても丁寧で美しいです。
    特に、たんぽぽ娘は短編傑作であると思います。

    #胸キュン #エモい #ほのぼの

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    2025年04月10日
  • スローターハウス5

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    ごく稀に、ほんとうに元気…というよりも逆に追い込まれているのか、いまここに生きていることを実感するために、どう生きるか考えるために、生きること、死ぬことを描いた小説を、無性に読みたくなるときがある。(とても傲慢な感覚なので、言葉にするのがとても難しいです。ご不快に思われたら申し訳ありません。)

    タイトルと、そのタイトルの由縁、戦争、捕虜、ドレスデン大空襲、それを描いたSF小説。

    あらすじを読んで、このテーマがどう絡み合うのかがずっと疑問だった。ずっと読んでみたかったけれど、読むとくらってしまう性分なので怖気付いて敬遠していた。でもふと、読みたくなって手に取った。

    戦争がはじまったとき、あ

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    2025年03月23日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    映画見て訳わかんなかったので小説を見た。
    1968年に出版されたのに、AIが人類の脅威になってしまうことを描くなんて驚き。仕事柄ITを扱うので、身近で言うと生成AIを使う時ハルを思い出す。外国の研究で、ハルのようにAIは自分がシャットダウンされそうな事を理解すると、ハルシネーションの発生確率が増えたり、保身に走ってしまう結果があるみたい。偶然か分からないけど当時この発想に至るのは改めてびっくりした。個人的には、最後のスターチャイルドの章が短くてよく理解できなかった。。。そこだけ考察動画とか見てみようかな。

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    2025年02月18日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    人類の進化系、未知なる宇宙をSFという形で想像を広げさせてくれた。映画とセットで2度楽しめる。

    物理用語はあまり分からないが、土星(映画は木星)までの旅路は、フィクションとは思えない細かい描写力で、著者の豊かな想像力に驚いた。

    AI(HAL)が暴走するシーンは、これからの人工知能のあり方、向き合い方を考えさられる。

    SF作品として心躍らせながら楽しみつつ、これからの未来に対するメッセージも込められた世界的名著。

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    2025年02月06日
  • スローターハウス5

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    ビリー・ピルグリムは検眼医
    彼はけいれん的時間旅行者で、つぎの行先をみずからコントロールする力はない。したがって旅は必ずしも楽しいものではない。人生のどの場面をつぎに演じることになるかわからないので、いつも場おくれの状態におかれている、と彼はいう。

    そんなビリーはトラルファマドール星人に拐われ、トラルファマドール星で動物園に入ることになる。

    そして人生のなかばを過ぎるころ、トラルファマドール星人から助言を受けた。「幸福な瞬間だけに心を集中し、不幸な瞬間は無視するように、美しいものだけを見つめて過すように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから」と。

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    2025年02月04日
  • 猫のゆりかご

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    装丁が見えなくされたままに、この本を偶然ーボコノン教的に言うのであれば"定められたとおり"ー手に取ったわけだけれど、これまた素敵なものに出会えた。

    荒廃的であるのに、ず一っと痛快。
    なんなら終末が近づけは近づくほど笑えてくる。

    「本書には真実はいっさいない。<フォーマ(無害な非真実)〉を生きるよるべとしなさい。」

    このことばに救われた。
    いつだってカルチャーは孤独でいさせてくれる、
    孤独を受け入れてくれる。
    この本はそんなカルチャーのすべてだった。

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    2025年02月02日
  • 猫のゆりかご

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    一つひとつのフレーズを、時間をかけてゆっくり読み解くのが楽しい本。疲れるけど、たまに浸りたくなる世界観だった。現実逃避しているように思えながら、実は現実の問題と真っ向から対峙しているような不思議な感覚。SFに興味を持つきっかけになった話!

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    2025年02月12日