伊藤典夫のレビュー一覧
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『《川の左右に生命の樹ありて十二種の實を結び、その實は月毎に生じ、その樹の葉は諸國の民を醫すなり》 そうだ、これを昼まで大事にとっておこう。昼のために… 街に着いたときのために。』
名著、として知られるこの物語。
本を燃やす男がある1人の少女と出会い…という触りの部分だけ知っていましたが、長年読んでいませんでした。
何故か?だって、難しそうだから…。何十年も前の作品だし、きっと長々と1人の男の内省をダラダラ書き綴った読みにくい小説なんだろうなと思いつつ読み始めると…
おもしろ!!!!!!!!!!!!
いや、めちゃくちゃ面白いんかい。
自らが住む環境、国、自分を取り巻く様々な事に疑問を感じ始 -
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YouTubeとかLINEとかでなんとか昼間はやり過ごせるとして、
夜です、ポカーン…壁と私しか部屋にいませーん…みたいな時に、ふと思い出す一作
好きなので線を引いてずっと引き出しに入れてある。
別に華氏451度になれって訳じゃないけれど、
私は別に人付き合いもチャンネル登録してる人の動画も、本当に好きなものなんて何もないんだった、って思い出すことができるね。あいつらが好きじゃないって気がつくのってポカーンとしてる夜だけだからね。。
本の大事さを説いている本だとは私は思っていなくて、
私だけが華氏451度なんじゃなくて、
皆の中に華氏451度はあったりなかったりするんだよねーと思う。
皆 -
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謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。
物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとな -
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気持ち古めでSFだから読みずらいと警戒してたけどなんてことなかった。
確かに詩的な部分は所々よく分からないのがあったけれど、ストーリーの展開が現代の小説と遜色ないから拒否反応が出なかった。SFだから『ラウンジ』『巻貝』『猟犬』といった固有の物をイメージしずらいっていう問題もある。
それを差し置いても小説の意味や価値とかをもはや著者レイ・ブラッドベリの立場から語ってくれてて凄く感動した。
名言も多い。
「救いに向けて自分のできることをしなさい。そうすれば、たとえ、溺れようとも、少なくとも岸に向かっていると自覚して死んでいける」
薬を服用しながら学校に通っている今の私に刺さりました。
小説は確か -
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面白かった!
映画を数年に一度観ては、ああ、この歳でもまだ理解出来ない、とがっかりして、数十年前。でも、この本を読んで、ようやく意味がわかった!
以下興味深い文章、メモ。
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おたがいに大きな打撃を与えることができない。そのような非生産的な行為にかまけるほどの余分なエネルギーはなかった。
「新しい岩」が彼らの心を探り、、、トランス状態がとけた後、長い草の茎を引き抜き、不器用な手つきで結び目をつくる動作を始めた。
「月を見るもの」の石のハンマーがふりおろされ、イボイノシシを抹殺した
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電子新聞の見出しを見ていて、もうひとつ思い出されることがある。コミユニケーション手段が発達するにつ -
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ごく稀に、ほんとうに元気…というよりも逆に追い込まれているのか、いまここに生きていることを実感するために、どう生きるか考えるために、生きること、死ぬことを描いた小説を、無性に読みたくなるときがある。(とても傲慢な感覚なので、言葉にするのがとても難しいです。ご不快に思われたら申し訳ありません。)
タイトルと、そのタイトルの由縁、戦争、捕虜、ドレスデン大空襲、それを描いたSF小説。
あらすじを読んで、このテーマがどう絡み合うのかがずっと疑問だった。ずっと読んでみたかったけれど、読むとくらってしまう性分なので怖気付いて敬遠していた。でもふと、読みたくなって手に取った。
戦争がはじまったとき、あ -
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ビリー・ピルグリムは検眼医
彼はけいれん的時間旅行者で、つぎの行先をみずからコントロールする力はない。したがって旅は必ずしも楽しいものではない。人生のどの場面をつぎに演じることになるかわからないので、いつも場おくれの状態におかれている、と彼はいう。
そんなビリーはトラルファマドール星人に拐われ、トラルファマドール星で動物園に入ることになる。
そして人生のなかばを過ぎるころ、トラルファマドール星人から助言を受けた。「幸福な瞬間だけに心を集中し、不幸な瞬間は無視するように、美しいものだけを見つめて過すように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから」と。