【感想・ネタバレ】2001年宇宙の旅〔決定版〕のレビュー

あらすじ

300万年前に地球に出現した謎の石板は、ヒトザルたちに何をしたか。月面に発見された同種の石板は、人類にとって何を意味するのか。宇宙船のコンピュータHAL9000は、なぜ人類に反乱を起こしたのか。唯一の生存者ボーマンはどこへ行き、何に出会い、何に変貌したのか……作者の新版序文を付した傑作の決定版!

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Posted by ブクログ

壮大な、深淵なるスペースオデッセイ。
キューブリックの映画は、難解だったけど、この小説は最高でした。
宇宙の闇と光、哲学的な描写は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に通じるものがあると、思いました。
2001年ははるかに過ぎたけど、今読んでも、新鮮で文学としても色褪せない。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

Audibleにて。

倫理よりも任務(目的)を優先させたHAL9000の完全性の病は一歩間違えば人間にも起こり得るということだろう。いや、我々が倫理を失うのはもっと容易いかも。

スターチャイルドとしての転生はあまりしっくりくるものではなかったな。直前に鈴木大拙の『禅と精神分析』: 禅の無意識の箇所を読んでいたせいかもしれない。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

面白かった!
映画を数年に一度観ては、ああ、この歳でもまだ理解出来ない、とがっかりして、数十年前。でも、この本を読んで、ようやく意味がわかった!
以下興味深い文章、メモ。
、、、
おたがいに大きな打撃を与えることができない。そのような非生産的な行為にかまけるほどの余分なエネルギーはなかった。

「新しい岩」が彼らの心を探り、、、トランス状態がとけた後、長い草の茎を引き抜き、不器用な手つきで結び目をつくる動作を始めた。

「月を見るもの」の石のハンマーがふりおろされ、イボイノシシを抹殺した
、、、
電子新聞の見出しを見ていて、もうひとつ思い出されることがある。コミユニケーション手段が発達するにつれ、その中身がますますくだらなく、けばけばしく、陰惨に見えてくることだった。
、、、
もっと異様な見解をとる論者たちは、真に進化した生物が、有機的な体を持つ必要があるとは信じていなかった。
最後には、脳さえ消えてゆくだろう。
精神もいつかは物質の束縛を逃れ、やがては人々がむかし精霊と呼んだものに至るのかもしれない。

スター・ゲートは三百万年間、待ち続けてきた。
ひとつの世界で知性が生まれ、惑星のゆりかごから抜け出そうとしている。
精神以上に貴重なものを見出すことができなかった彼らは、そのあけぼのを促す事業についた。
進化が新しいゴールをめざして進み始めた。機械が肉体を凌駕するやいなや、移行のときがきた。初めは脳を、次には思考そのものを、彼らは金属とプラスチックのすみかに移し替えた
彼らは、空間構造そのものに知識をたくわえ、光の格子のなかに思考を永遠に保存する仕組みを学んだ。
、、、
なかは空っぽだ、どこまでも伸びている、そして星がいっぱいだ!
、、、
地球から2万光年隔たった二重星の真っ只中に浮かぶ空っぽの部屋で、赤ん坊が目を開き、産声をあげた。

すでに人間を超える集中力をその眼差しに見せて、赤ん坊は透き通ったモノリスの深みをのぞき、多くの謎をながめた。

これほどの力を得たいまでも、自分がまだ赤ん坊並であることは知っていた。とすれば、新しい形態をとる決心がつくまで、あるいは物質にたよる必要がなくなるまで、いまの姿でいるだけだ。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

映画見て訳わかんなかったので小説を見た。
1968年に出版されたのに、AIが人類の脅威になってしまうことを描くなんて驚き。仕事柄ITを扱うので、身近で言うと生成AIを使う時ハルを思い出す。外国の研究で、ハルのようにAIは自分がシャットダウンされそうな事を理解すると、ハルシネーションの発生確率が増えたり、保身に走ってしまう結果があるみたい。偶然か分からないけど当時この発想に至るのは改めてびっくりした。個人的には、最後のスターチャイルドの章が短くてよく理解できなかった。。。そこだけ考察動画とか見てみようかな。

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2025年02月18日

Posted by ブクログ

人類の進化系、未知なる宇宙をSFという形で想像を広げさせてくれた。映画とセットで2度楽しめる。

物理用語はあまり分からないが、土星(映画は木星)までの旅路は、フィクションとは思えない細かい描写力で、著者の豊かな想像力に驚いた。

AI(HAL)が暴走するシーンは、これからの人工知能のあり方、向き合い方を考えさられる。

SF作品として心躍らせながら楽しみつつ、これからの未来に対するメッセージも込められた世界的名著。

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2025年02月06日

Posted by ブクログ

 映画『2001年宇宙の旅』は映画史上に燦然と輝く名作である。歴史上最高のSF映画として名を挙げる人は数知れず、その影響力は計り知れない。本作がその映画版と並行して執筆されていたこともまた、あまりに有名であるが、映画と異なる部分もかなり多い。

 まだ人類が月面着陸を果たしていない時代に、宇宙ステーションや月面基地、また木星探査に向かう宇宙船等をこれだけ微細に設定し描写していることにただただ驚くばかりであるが、2024年現在これを読んでもほとんど違和感を感じないことも本当に驚嘆すべきことである。ディスカバリー号が土星を目指していく後半から結末に向けては何とも形容できない世界観が提示され、クラークの本領が存分に発揮されている。しかし、個人的には映画と並行して執筆されたことで、アイディアやストーリー展開にどうしても制約がかかり、クラークが自由に書いた時の思い切りのよさが感じられない部分が多々あったように思う。HAL9000の反乱については一般的に了解されている解釈があるようだが、私にはどうしても「ストーリー展開上必要だからやむを得ずそうなった」ように思え、乗り切れない残念感があった(当時の状況に関する情報を見ると、実際にそうだったようである)。それ単独では確かに重要な問題提起をしているのだが、本作のメインテーマと合致しないような気がして違和感が残った。「科学技術の進歩と人類の進化」が本作のテーマとの主張は数多いが、私には物語の主軸が何なのかははっきりとはつかめなかったように思う。本作が誰にでも発想できるような代物でないことは確かであるが。

 また、多くのことがそれなりに説明されているので映画よりはだいぶスッキリするようだが、本作だけではなぜモノリスが存在するのかもわからないので、続編を読む必要はあるだろうと思う。

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2024年11月01日

Posted by ブクログ

『幼年期』に続き、クラーク作品二作目。第六部からの展開にはもう、言葉もない……天才すぎるだろ、クラーク!!これこそSFの醍醐味だ。知的好奇心を刺激されるぜ。凄いところで終わってるからすぐ続編を買わなくては…。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

映画視聴済み。
映画とセットで楽しむべき本。
昔の本なのにリアルな描写ばかりで凄いなと思った。
ディスカバリー号の動くスピードは度外視されてたように思うし、惑星の温度(気温)も見積もりが甘いと思ったけどそれ以外は割とリアルだなと思った。
ボーマンさんおつかれさまです。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

Chat-GPTが流行る昨今、改めて読み返すとHALの存在がよりリアルに感じられる色褪せない傑作。機械は現実に自我を持とうとしているのか、それとも人間の知性を模倣する存在に過ぎないのか。何度でも読み返してその時の情勢と照らし合わせたい。

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2023年03月14日

Posted by ブクログ

原題 2001 : A SPACE ODYSSEY

D'où venons-nous ?
モノリスに与えられた〝きっかけ〟により、
Que sommes-nous ?
道具を駆使することで世界のあり様を変え、
Où allons-nous ?
ヤペタスを通って似合の玩具を手に入れる。

HAL(アルファベット順で一文字ずらすとIBM)9000の反乱は、人が作り出した道具に人が除外されるという、進歩の昏迷に息苦しくなります。

相対性理論(光より速くは移動できない)が足枷となって知的な存在との邂逅はないでしょうし、宇宙で孤立していることに変わりはないですね。

それじゃつまんないなぁ、となると存在として飛躍するしかないわけで、モノリスを作った存在に導かれる300万年の長い旅、になったのかな…

ゴーギャンの絵にも超越者?が描かれてますね。
49年前のアレシボメッセージに返事こないかな。

Dieser alte Heilige hat in seinem Wälde noch nichts davon getötet.

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2023年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画2001年宇宙の旅を製作50周年記念上映で視聴しており、帰りに本書を書店で購入して帰って以来積んでいたがようやく消化。アーサー・C・クラークは地球幼年期の終わりを途中まで読んだ程度。
本書と映画の関係がいまいち掴みきれていなかったが、どうやら原作でもノベライズ化でもなく制作は同時進行だった模様。途中までは足並み揃えていたが……ということらしい。訳者あとがきに試写会に参加したレイ・ブラッドベリの逸話が載っており、ちょっとクスッとした。

映画が観念的すぎてよくわからなかった……と消化不良に陥る人は多いのではないかと思うが、本書はかなり丁寧にさまざまな事柄が説明されているため読後はスッキリする。ただ映画版は語ることが少ないために自由な解釈ができその余白が不思議な魅力となっているので、しっかりと設定が語られる本書とはあまり相容れないようにも思える。相互補完的に読むよりも、あくまでも各々の創作者が同じお題で自由に創造したらどうなる、くらいの気持ちで読むと丁度いい気がする。

内容的には、前半はややゆったり話が進行するものの、有名なHALの反乱が始まる中盤から後半にかけて物語は一気に加速する。アーサー・C・クラークは個人的にかなり言葉を尽くして状況や設定を説明してくれる作家だなという感想があり(そしてわかりやすい言葉であまりにも全て説明してくれるため壮大なスケールの物語が逆にチャチに感じられるときがある)、HALの「心情」までもが丁寧に描写されている。その結果、ボーマンによるHALの「殺害」描写はより生々しく感じた。
宇宙船そのものになる知的生命体(のちにそこからも解脱)であったり、「(向こうは)星でいっぱいだ!」というセリフであったり、あの作品の元ネタはこれかと膝を打つ機会がたびたびあった。往年の名作を読む楽しみのひとつだなと思う。

訳者あとがきにあったボーマンの代わりにHALが人類代表としてスターゲートに辿り着いたらどうなっていただろうと考えるのも面白い。一方で本書を読んで何よりも心に残ったのは、HALとの死闘や偉大すぎる知的生命体ではなく、骨格のデリケートな宇宙世代の人類のことだった。続編に期待したい。

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2022年03月08日

Posted by ブクログ

モノリスという言葉は知っていたけど、どんなものか知らず。ようやく読めた。
不可思議な物体に導かれるように宇宙の旅に。
予期せぬトラブルを乗り越えたどり着く世界。
映画と同時進行で書かれたという世界は、極上のエンタメと奥深い文学の世界が両立する域に到達。

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2021年04月29日

購入済み

先に映画を観てから読んだ方が解りやすい。

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2018年03月11日

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人類の進化と、その上位存在の描写は、クラークの幼年期の終わりからのテーマ
それを現代の科学技術に落とし込んで、ガチガチのSFとしてすごく興味深い作品になってるなぁと思います

全体的にHAL以外のキャラが弱いのが残念

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画も見たこと無いし、原作も初めて読みました(笑)中々面白かったと思います(笑)好みとしては第1部が面白くって(笑)SFの世界に入ってからもいい感じで進んでくれたと思います(笑)ただ『宇宙大作戦』とかのSFが好きな僕にとっては少し路線が違うので(笑)とりあえずは映画の方も見てみよう(笑)『2010年~』の方も気になるし(笑)

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

本作は、もともと映画として構想された物語の小説版ということもあり、映像的なスケールの大きさと思想的な深さが同居している作品だと感じました。中でも強く印象に残ったのは、やはり HAL9000 の存在です。

日本では AI に「人間を超えた万能の存在」というイメージが根強い一方で、海外では「高性能ではあるが融通の効かない機械」として描かれることも多いように思います。HAL9000 はその両者を象徴するような存在で、人間以上の知能を備えていながら、プログラムされた使命ゆえに暴走してしまう。その姿は、AI の可能性と限界の両方を静かに問いかけてきます。

壮大な宇宙の描写と、人類の進化をめぐる哲学的なテーマがじわりと心に残る一冊でした。読み終えたあと、未知と向き合う人間の姿勢について改めて考えさせられる作品です。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 アーサー・C・クラーク氏の『2001年宇宙の旅』は、1968年にスタンリー・キューブリック監督による映画とほぼ同時に世に出された、極めて特異な成り立ちをもつSF作品である。その背景には、冷戦下の宇宙開発競争があり、アポロ計画が頂点に向かって進んでいた当時の高揚と不安が色濃く反映されている。人類が月を目指し、地球の外に「次なるフロンティア」を求め始めていた時代に、この作品は誕生した。科学技術の進歩への期待と、その一方で人間の倫理や意識はそれに追いついているのかという懸念――その二重性が本作の根幹をなしているように思われる。
 物語の出発点となるのは、太古の地球に現れた黒いモノリスである。これは、人類の祖先に「道具の使用=知性の目覚め」を促す存在として描かれており、ここから物語は遥か未来の宇宙探査へと飛躍していく。その中で人工知能HAL9000が登場し、乗組員に反旗を翻すという出来事は、技術が人間を超える瞬間に対する寓話的な描写でもある。当時すでにコンピューターは軍事や科学の分野で急速に発展しており、「機械が人間の知能を上回るのではないか」という不安が芽生え始めていた。その未来像をクラーク氏は冷静かつ大胆に先取りしている。
 小説では、こうした展開が論理的かつ端正な文章で語られており、モノリスの起源やHALの故障理由、主人公ボーマンの意識変容などが比較的丁寧に解説されている。それに対して、キューブリック監督の映画は、台詞を最小限にとどめ、音楽と映像による象徴表現を重視した抽象的な構成になっている。特にラストの「スター・チャイルド」へと至る描写は、理屈を超えた神話的なインパクトを与える。小説と映画は同じコンセプトに基づきながらも、それぞれのメディアの特性を最大限に活かした表現を貫いており、両者で一つの全体を成しているような関係にある。
 この作品が書かれた時代はまた、人類の未来に対して楽観と悲観が複雑に交錯していた時代でもあった。核戦争の恐怖が消えないまま、科学技術だけが猛スピードで進んでいく。そうした背景のもと、『2001年宇宙の旅』は、宇宙を舞台にしながらもむしろ人間そのものの存在と進化に問いを向けているように感じられる。とりわけ、ボーマンの変容――人間の次なる姿としての「スター・チャイルド」――は、進化の終着点を示すのではなく、その先に広がる未知なる可能性を象徴しているのかもしれない。
 本作品の根底には、「人間とは何か」「知性とは何か」「進化はどこへ向かうのか」といった問いが通底している。これらの問いは、単に物語の中にとどまるものではなく、現代を生きる私たち自身の問題としても響いてくる。いま、生成AIに代表されるように人工知能が目覚ましい進歩を遂げ、人間の思考や創造性と見分けがつかないような成果を生み出しつつある。HAL9000のような知性が、決してフィクションだけの存在とは言い切れなくなってきた時代において、『2001年宇宙の旅』が描くテクノロジーと人間性の緊張関係は、ますます切実な意味を帯びている。私たちは、知能とは何か、意識とは何かを本当に理解しないまま、かつてクラーク氏が描いた未来に少しずつ近づいているのかもしれない。その意味でこの作品は、過去の幻想というよりも、現代に生きる読者に向けた静かな警告であり、未来への哲学的な羅針盤のようにも読めるのである。科学と文学、映像と理性、そして人間の想像力の交差点に立つこの物語は、今なお私たちに問いを投げかけ続けている。どこから来て、どこへ向かうのか――その旅路に、終わりはない。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

月の裏側で発見された四角い石板「モノリス」が発した信号をもとに土星の衛星を目指す人類と、地球外生命体の初接触を題材にしたお話。

名前だけ知っていたHAL9000がどういうものなのか知りたくて聴いたが、状況が段々悪化していく辺りは想像より怖くて良かった。
「デイジー・ベル」が歌われたのはこんなやべえシーンなのかよと思った。
超性能の人工知能なのに、嘘を付こうとすると処理落ちでもするのかレスが遅くなるのがかわいい。

後半へ近づくにつれて段々と概念的な内容が多くなっていったが、自分の認識を越える何かを見てしまった場合、こんな感じの感想になるんだろうかなどと思った。

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

ページ数は軽めで、内容もテンポ良くスイスイ読めた。タイトル通り2001年という時代設定ということもあり、登場する科学技術やガジェットは未来の空想物というよりほぼ現実の物に近い。ただしこれが書かれたのが1960年代ということを思い返すと、、驚くべきこと。今現在2025年の時点で、2060年頃の未来をこれほど正しく予想できるかと言われると、かなり難しいだろう。

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

映画の印象と大分違った。映画は数年前、リバイバルで観たが、HALとの対決?が見所な印象が残ってるが、小説だとあっさりだった。

また、宇宙を航行するシーンは非常に面白かった。宇宙の巨大さ、広大さが想像できる、読ませる文だ。

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2024年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔、映画を観て内容よくわからなかった…となっていた作品。読んでみるとこれまで自分が触れてきた小説やゲームなどの作品のなかに2001年の影響があるなと感じられたのは面白かったし、内容について自分なりにこうなんかあぁなんかと考えることができたので良かった!

個人的に印象深いのがTMA•1が〈月を見るもの〉に最初に与えた豊かな暮らしへの羨望という所だった。道具を使う知性とかがヒトザルを人へと押し進めたものっていうのはなんとなく想像しやすかったけど、意志や心といった精神性はこれまで見過ごしてきたなと感じた。道具を用いるのにもそこに至る動機がなければ何も得られない。明確な目的を持ってはじめて道具に用途が産まれる。人間性と道具やテクノロジーの関係性について思わず考えてしまいました。
今やスマホやパソコンといったインターネットの恩恵をただ享受するのではなくそこになぜそれが必要なのかを問う感情が必要なんじゃないかと、稲田さんの『映画を早送りで観る人たち』を読んだあとだからか考えてしまう。
p94でiPadみたいな機器を使っているときのフロイドの独白「無限に移り変わる情報の流れをニュース衛生から吸収しているだけで、一生が過ぎてしまうだろう」も何やら響いてくる。
道具に使われるのではなく、道具を使う側に回る。ハルとの戦いのシーンはハルのもつ目的意識を人であるボーマンが奪い返すことで人間性の再帰をはかるシーンに自分は思えた。
解説や他の人の感想を見ていろいろな考え方ができる可能性を秘めていてこの本はさながらTMA•2みたいだなと思って少しニヤニヤしました。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

映画を観る前に原作読んでおこうと思い手に取った本、結果的には先に映画を観ればよかった。
映画は退屈で、足りない部分・補完・状況含め小説の方が断然面白い。ただリアルタイムで観た世代は未来へのワクワク感や想像力、映像技術など心に残る一本になったのは理解できる。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

1968年の作。HALとか結末とか、こういう話だとは知らなかった。
月面基地で、低重力だと子供の成長が早いというのは、そうなの?と思った。

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2023年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔、映画をみた記憶はほとんどなかったけれど、読んでいくうちに思い出してきた。HALのところは結末を知っていても読むのが怖かった。絶対に味方と思っている存在が敵になったのに、冷静に対処して、最後には許せてしまうのが凄い。

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2022年08月26日

Posted by ブクログ

映画を見た後に読書。
いちいち描写というか想像力が緻密で雄大でした。
テンポも良くて、この訳した方の高い文章力も相まって非常に良かったです。
ここまでのSFの展開は巨匠ならでは、と思います。
AIの反乱
地球外生命体
生命の進化の極地
どれか1つでも頭がパンクしそうなテーマを見事にまとめていたと思います。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

300万年前のモノリスと土星へ行く宇宙飛行士の話
コンピューターの反乱とか宇宙船内での出来事は読んでてドキドキする展開だった
ただ全体的に解決しないまま終わった感がある
結末は理解できるけど、なんでそうなるのか納得はできないかなという印象
続きがあるっぽいのでそこに期待
後半の宇宙の描写は良かった

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

数年前に宇宙モノを読んでみたくて手に取ったものの挫折した為、オーディブルにて再チャレンジ。
今読んでも当時期待していた宇宙モノとは大部分が違っていたなと感じた。なんせ未知と邂逅しても何ひとつ分からないまま終わってしまうのだ。そうだったのかというカタルシスもないまま、一体何だったのだろうと煙に巻かれた感じがある。
唯一面白かったのはHALとの攻防だった。やけに自身の正当性を説いて譲らないAIとのやりとりがつい最近自分の身の上にも起こっていたからだ。軽く腹を立ててやれやれとプロンプトを閉じ、何なら履歴から削除して終えたやり取り。自分はそれで済んだ。だがHALとのこのやり取りはどうだろう。地球から遠く離れた宇宙の深淵で命を握られた状態で一対一で対峙しなければならない状況。空恐ろしさを感じずにはいられない。本作は半世紀あまりも前に未来を空想して描かれた内容でその多くが現実とは乖離しているのにも関わらず、そこだけ妙に親近感を覚えたのが強く印象に残った。

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2026年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画は何度か途中で挫折したせいで、一応最後まで目を通したはずだが内容はほとんど覚えていない、くらいのインプットで今回読んでみた。
この小説と映画は同時進行で制作、今のメディアミックスの形で作られていたということを、前書きで初めて知って驚いた。1960年代といえば米ソの宇宙開発競争真っ只中。そんな中、製作されたこの作品は、すごい熱量で迎えられたのだろう。

本の半分くらいまではなかなか話が進まないが、第四部でボーマン船長が出てきてからストーリーが急速に展開していく。個人的に一番印象に残ったのは人工知能HALの殺害シーン。人工知能を『殺害』と表現するのはなんだか可笑しな気がするが、まるで人間を解体していくかのように機械をこじ開けて、HALが段々と知性を失っていく様子がの描写された一連のシーンに圧倒された。
ボーマンが土星に向かった後のモノリスとの接触の後は、「え、これで終わり?」感が強い。人間ではない何かになってしまったのはいいが、何をするんだろう…。
シリーズであるとは知っているので、続編を読もうかと迷っている。

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2024年10月21日

Posted by ブクログ

あの頃、未知なる未来は希望に輝いていた。

映画「2001年宇宙の旅」が封切られた時、評判は真っ二つに分かれた。
「意味がわからない、独りよがり」
「なんだかわからないけど、なんか凄い」

小説は映像とは違う。
当然、感じ方も異なって当たり前とは思うけど、あまりに映画に感化された者にとっては、文章で説明されてしまうとなんだか……。

あの頃、文明は限りなく進歩するものと思った。
映画を見て、さらに現実にアポロが月へ行き、さらにスペースシャトルが宇宙を飛びまわる。

21世紀に入って、何が進歩しているのか?
確かに、パソコンからスマートフォンへの技術革新、ネットワークの広がりと速度の進歩、画像解析やGPS技術などの精度と応用スピードなど、数えたらきりがない。
でも、この本に書かれたような「未知なるものへの期待」が、人の心にあるとは今は想像できない。

この本を読んで、改めて「希望」の重要性を考えるべきか、それとも「しらけてしまう」のか……。

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2023年04月09日

Posted by ブクログ

★だが、そのうち思いつくだろう。(p.321)

 読んでよかったようなよくなかったような。映画は十回くらいは観てるので読んだ気になっていたが未読だったことに気づいたので読んでみました。映画ほどではないがドライでクールな印象。旧きよきSFで尖ったところがなく読みやすいです。映画版の、混乱をもたらす終盤が小説版ではあるていど理解できるかたちになっています。でもじつのところこれが正解ともいえないのでしょう。謎は謎のまま置いときましょう。

▼簡単なメモ
【一行目】干魃はもう一千万年もつづき、恐竜の治世はとうに終わっていた。

【アリエス1B型月シャトル】宇宙ステーションと月を往還する。三十人乗り。
【移動研究所】月面で活動できる移動基地と呼べるもの。八つのフレックス車輪を擁し少しなら飛ぶことも可能。
【宇宙】《宇宙ではこわい思いはしても、悩むことはない》p.91
【宇宙ステーション1号】三百二十キロの高度にありいまだ地球の重力圏内。直径三百メートル。円盤部は人工重力をつくりだすために回転しておりその中央部は逆回転して見かけ上は静止している。
【クラビウス基地】直径二百三十五キロメートルで月の表側では二番目に大きなクレーター、クラビウス内に作られた基地。男性千百人、女性六百人の研究者や技術者が暮らしている。非常時には百パーセント自給自足可能。
【高傾斜角探測機21号】黄道面からゆっくり高みにのぼる。
【ジミトリ・モイセーウィチ】ヘイウッドの親友。ソ連科学アカデミー所属。五十五歳。
【周回衛星M15号】火星を一日にニ周する。
【深宇宙モニター79号】火星から一億五千万キロ、小惑星帯を漂うモニター装置。
【人工彗星5号】冥王星の彼方をさらに進んでいる。
【新聞】「ニュースパッド」で読むことができる。《コミュニケーション手段が発達するにつれ、その中身がますますくだらなく、けばけばしく、陰惨に見えてくる》p.95。もっとも、フロイドはそれを悪いこととは思っていない。《ユートピアの新聞はおそろしく退屈なものにちがいないからだ。》p.95
【スペースポッド】ディスカバリー号に三機搭載されている球形の船外活動ユニット。直径二・七メートル。操縦席の前には展望のよい窓がある。飛行姿勢制御ノズルで舵取りを行う。ウォルドーと呼ばれる二対の腕があり一方は重労働用、もう一方は微妙な作業用。各種工具を揃えた伸縮自在のタレット台もある。三機の愛称はそれぞれアナ、ベティ、クララ。大活躍します。
【世界情勢】世界人口六十億、三分の一は中国。飢餓の危機にある。
【ダイアナ】ラルフの娘。宇宙生まれの人類の第一世代。
【大温室】クラビウス基地の地下深くに埋設され空気の浄化と副産物として食料のいくばくかを生産する。
【月を見るもの】直立石(モノリス)に選ばれたヒトザルのひとり。
【ディスカバリー号】宇宙船。全長百二十メートル近いがクルーが占有するのは先端にある直径十二メートルの与圧球体の中。その球体には赤道部に回転する鼓輪が設けられており月程度の人工重力を生成しそこに生活空間が置かれている。まず木星に向かいスイングバイにより土星にたどり着き観測し五年後にやってくるディスカバリー2号が乗員を回収する予定。乗員は五名で必要ないときは人工冬眠で眠っている。
【デイビッド・ボーマン】ディスカバリー号の首席キャプテン。応用天文学とサイバネティックスと宇宙推進システムの専門家といってよい能力を持ちながらひとつことにのめりこめない性格からまだまだ学び続けている。
【TMA・1】ティコ磁気異常1号。月面で観測された磁場の異常。クラビウス基地から3百キロの地点で発見された。黒いモノリスが原因でかつそのものを指す。
【ティコ】平原生成後の月面クレーター。直径八十六キロ。
【HAL9000】ディスカバリー号のコンピュータ、というより人工知能。Heuristically programmed ALgorithmic computer(発見的プログラミングをされたアルゴリズム的コンピュータ)の略。一文字ずつ前にずらせばIBMになるというのは有名な話。ほんとか偶然かは知らないが。人工知能が自動的に脳になるための学習方法をミンスキーとグッドが発見しそれにより成長している。地球にも同型機が二機ありディスカバリー号のHALと答え合わせをしたりしている。
【標識のコレクション】地球上各地から集められ月面のクラビウス基地の広間に展示されている。懐かしむためだろう。
【フリンク・プール】ディスカバリー号の乗組員。宇宙生物学方面ではなんでも専門家と言えるレベル。全人類の中で土星に一番乗りしたかも?
【ヘイウッド・フロイド】アメリカ宇宙飛行学会議議長。月に向かう。本来は惑星生成の研究をしていた。
【直立石/モノリス】透明で大きな石。食べることはできそうになかった。映画とは異なり触れただけで知恵がつくわけではなかった。精神をこじ開け学習させる夜毎の儀式を必要とした。
【ラルフ・ハルボーセン】月面の南部地方の行政官。
【ロイ・マイクルズ】月に駐在する科学部長。ハルボーセンとは常に意見を異にするが特に仲はわるくなさそうなのであえてそうしていると思われる。ディベートみたいなものか。

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2022年06月05日

Posted by ブクログ

映画でカットされたナレーション部分が補足されてて、頭の中のハテナが解消された。
特に第一部の猿人類がモノリスによって人類へと進化した過程は、1章丸々割いてくれてる。「現在だけしか知覚しない動物とは異なり、ヒトは過去を手に入れた。そして未来へと手探りをはじめた。」という文章が象徴するように、進化前の猿人類は出来事をすぐに忘れる。米印のように、この記述は今の私たちの感覚であって、彼らは覚えてすらない...という内容の文章がちょこちょこ挟まっているのが、面白かった。
HALが暴走した動機も書かれていたので、映画に比べてHALへの憎らしさは少ない。同情できる分、最期のシーンは切なかった。「チャンドラ博士...今日の...最初の...授業を...はじめて...ください...」が最期のセリフなのは健気すぎる。
想像できないから、想像したことの無いような感覚がいくつも表現されていて新鮮だった。低重力下の基地では、心と体がゆったりした状態になる。宇宙空間で生まれた子供は、転ぶと怪我をするからという理由で地球に行くことを嫌がる。HALは眠ったことがなく、また目覚めが来ることを知らないので、接続を切られることを異様に恐れる。海洋船は沈没するが、宇宙船は沈没できない...など。
訳者の伊藤典夫の解説が興味深かった。映画の色調の話で、白=骨の色、死の色であり、赤=血の色、生の色という考察だ。HALのレンズ、脳中枢が赤いのは物語の中で1番人間らしいからだという解説には興奮した。また、ボーマンはHALを殺すことでしか人間性を回復できなかったとあるが、これは猿人類が人間性を獲得した段階でも同じことが言えるのではないかと思った。道具の導入=進化が前面に出されているが、人類史上では、殺人も、二次的に進化と深く結びついている。実際今でも、道具を使わない、人間以外の動物は、同族を殺すことが無い。殺しこそ人間的な行為であると言える。

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2021年10月07日

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