伊藤典夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ元々気にはなっていた本だったけれど、最近の日本に対する不安として「華氏451度の世界」という例えがSNSにいくつも流れてきた為、いよいよ読むべき時が来たか!と読むことにしました。
序盤は背景が読み取れずに???となっていましたが、読み進むごとにスピードアップ。
ホントに「今の日本、今の世界」と被る事ばかりで怖い…。
焼いてはいないし禁止では無いけれど、教育の現場や教科書から都合の悪い話や言葉、歴史を消して学ばせない状況。
テレビ等では当たり障りのない話題ばかりで必要な情報を流さず、国民が知らない間に着々と準備は進められ…ある日突然に…
人と一緒に居ても自分向けの情報を手放さず、快楽な映像、中身の薄い情報に溺れる人々。重要な注意を促す人に向けられる冷笑。カメラ付きのヘリコプターなんてドローンだし…
凄いなブラッドベリ!
タイムトラベル出来る方法でも持っていたの?ってくらい今を描いてる!
これは今読んで正解でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ何かしっかりしたSF小説を読もうと思い、本書を手に取りました。随所に出てくる巻貝なるイヤホンやTVがけたたましく放送されているラウンジには現代的な描写として受け取れました。スマホ、AI、がある今のテクノロジーの発展からは少しズレますが、焚書せずとも本に興味がなくなる大衆とは正に今現在の情勢かもしれません。
1950年代当時でも未来には戦争はあるということで爆撃機のシーンもあります。本質的に人間は変われないのか、本があれば不死鳥の如く薪を積み上げ火を放ちその中に飛び込むことはなくなるのか、そんな時がいつかくるのか、そんなことを考えさせられます。 -
Posted by ブクログ
過去に何度挑戦しても読み切れなかった作品。
現在の社会がこの作品と近しい状況になりつつあると知り、読み切ることを目標に再挑戦しました。
挫折した第1部を終えてからはするすると読め、作品の面白さを感じられたように思います。
表現が難しく、イメージしにくい箇所も多かったのですが、名称は異なるものの、身の回りで見たことのあるものを想像させるものが登場するため、慣れてくると情景が頭に浮かぶようになりました。
また、主人公を取り巻く環境や一般化している思想、政治のこと…所々知っている感覚が恐怖を抱かせ痛いところを着いてくるかのごとく胸に刺さってきます。
しかしその分、先人たちの言葉にはきっと大丈夫だと思わせてくれる力があり、主人公の背中を押しつつ、こちら側にも勇気を与えてくれているように思いました。
私たちの生きる社会がこれ以上作品とリンクする前に、主人公と同じように考える頭を持ち続けなければと感じさせてくれました。 -
Posted by ブクログ
全体的にポエムっぽい文章と引用が多くて少し読みづらかったけど、内容は面白かった。
特に印象に残ったのは、みんながダイジェスト版でしか物事を受け取らなくなった社会の話。要約動画やまとめ記事が当たり前になった今の時代と重なる部分が多く、自分も普段からそうしたものを利用しているだけに考えさせられた。本来は文章を読んで、自分の中で噛み砕いて理解する過程にこそ価値があるのかもしれないと思った。
あと、本を燃やす理由が単なる政府の情報統制ではなく、「平等な社会」を守るためだったのも印象的だった。考え方の差による争いをなくすために、その原因になる知識や教養まで排除しようとした結果、人々は考えることそのものを手放してしまうという怖さを実感できた。不平等な社会は望ましくないけれど、考え方の違いまで消そうとする平等も危ういのかも…?この作品は本が重要というより、考えることが重要だよということを教えてくれる作品だった。 -
Posted by ブクログ
「タイタンの妖女」のヴォネガットによる半自伝的SF小説。
読み始めは内容が全く分からずやめようと思ったが、飛ばし読みで最後までたどり着いた後、解説を読んでこの小説のイメージがつかめたので、もう一度読んでみて少し理解ができた。
筆者がそれまで書いてきた小説を踏まえて、実際に経験した第二次大戦の連合国によるドレスデン無差別爆撃という悲劇について描いたものらしい。
「そういうものだ」という言葉が繰り返されることで、醒めた目線を感じさせるが、それはきっと怒りが溢れ返るのと同時に、同じことを繰り返す人間に対する呆れが感じられた。
村上春樹はヴォネガットの影響を受けていると福田和也の本にあったが、タイタンのようにあちこちに飛ぶ主人公は、ねじまき鳥を思い起こさせた。