伊藤典夫のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
過去と今
カート・ヴォネガットは自身が体験したドレスデン爆撃をもとに、この小説を執筆したらしい。
自身で体験されたことあって、表現は、生々しく、そして、ユーモアに書かれている。
ただし、物語として見ると、少し味気ないのかなと思う。
同じ作者の作品のタイタンの妖女の方が、ストーリーとしては好きだ。
場面がコロコロ変わるのだけど、そこまで印象が残るような、物事は起きないから、多分味気ないと感じたのだと思う。
トラルファマドール星人は4次元の目を持っていて、時間を自由に行き来することができるという。
だから彼らは宇宙の終わりも知ってるし始まりも知っているそう。
主人公も、作品中人生の時間の枠で、様々な瞬間 -
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原題 2001 : A SPACE ODYSSEY
D'où venons-nous ?
モノリスに与えられた〝きっかけ〟により、
Que sommes-nous ?
道具を駆使することで世界のあり様を変え、
Où allons-nous ?
ヤペタスを通って似合の玩具を手に入れる。
HAL(アルファベット順で一文字ずらすとIBM)9000の反乱は、人が作り出した道具に人が除外されるという、進歩の昏迷に息苦しくなります。
相対性理論(光より速くは移動できない)が足枷となって知的な存在との邂逅はないでしょうし、宇宙で孤立していることに変わりはないですね。
それじゃつまんないな -
Posted by ブクログ
「2001年宇宙の旅」といえば、スタンリー・キューブリックの映画で有名ですが、その原作者(というか小説版)がビッグ3、アーサー・C・クラークであることは、たぶん知ってる人は知っている。本書は、映画版「2001年宇宙の旅」を下地にした続編です。なぜ映画版と記載したかというと、原作と映画版では舞台が違うんですね。原作は目的地が土星であるのに対して、映画版は木星。ということで、本書では木星を舞台に話が展開していくことになります。
素晴らしい作品の続編、かつ、特にその続編が当初計画されていなかった場合においては、どうしても続編自体が蛇足と思われたり、一作目と比較されて下にみられる印象があります。とこ -
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再読
2026.3.27
言葉で表せない戦争という惨劇の前でただ立ち尽くしてしまう感覚
繰り返される「そういうものだ」 この後には「と言うしかない」と続くのではないか
ラスト付近のこの言葉は無力な個人が、それでも生きていくための祈りだと思う
「神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを見分ける知恵をさずけたまえ」
2022.11.12
人間の自由意志を否定したくなるほどの大量の死をもたらす戦争をトラルファマドール星人式の世界認識で追体験する。彼ら曰く全ては同時に存在しており、死は一時的なものなのである。 -
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ネタバレ映画2001年宇宙の旅を製作50周年記念上映で視聴しており、帰りに本書を書店で購入して帰って以来積んでいたがようやく消化。アーサー・C・クラークは地球幼年期の終わりを途中まで読んだ程度。
本書と映画の関係がいまいち掴みきれていなかったが、どうやら原作でもノベライズ化でもなく制作は同時進行だった模様。途中までは足並み揃えていたが……ということらしい。訳者あとがきに試写会に参加したレイ・ブラッドベリの逸話が載っており、ちょっとクスッとした。
映画が観念的すぎてよくわからなかった……と消化不良に陥る人は多いのではないかと思うが、本書はかなり丁寧にさまざまな事柄が説明されているため読後はスッキリする -
ネタバレ 購入済み
焚書の広まったディストピア
米国のSF巨匠レイ・ブラッドベリ氏の作品。
本が禁制品となり、本を焼く職業である"昇火士"のモンターグが主人公。
本を焼く立場である彼だが、とある少女クラリスの出会いからモンターグに心境の変化が生まれる。
単純な情報統制としての焚書だけでなく、人に処理できない量の情報の氾濫など、
現代にも通じるテーマも含まれたディストピア物の傑作の一つ。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ甚だ奇っ怪な小説。
まえがき
「本書には真実はいっさいない。」「〈フォーマ〉を生きるよるべとしなさい。それはあなたを (略) 幸福な人間にする。」(p4)
※フォーマ=無害な非真実
これがこの物語を端的に表している。
ジョークやユーモアが私たちを豊かにしてくれる。
中身は荒唐無稽の極み。
「世界が終末をむかえた日」について、謎の宗教・ボコノン教徒の男、自称ジョーナが語る。その述懐が人を食ったような、あまりにもヘン。
原爆研究者、フォーニクス・ハニカー博士が開発した究極兵器‘アイス・ナイン’を巡り、カリブの小国サン・ロレンゾ共和国を舞台に破茶滅茶が巻き起こる。
世の中に意味が無い -
Posted by ブクログ
ネタバレ2021/1/
モノリス 真っ黒な角ばった物体
ヘイウッド・フロイド博士
ジム・フォースター 連合ニューズ
ジミトリ ロシア天文学者
ロイ・マイクルズ 惑星物理学者
ラルフ・ハルボーゼン 南部地方の行政官
・ディスカバリー号
デイビッド・ボーマン 主席キャプテン
フランク・プール
ホワイトヘッド
カミンスキー
ハンター
ハル9000 AIコンピューター
TMA・1
すごーく有名なSFなのに、タイトルだけ知ってるだけ。
そこそこSF好きなのに、未読だし、映画も観たことない。
読み終わってから映画を観たい。
1977年に書かれ、1993年にクラークの序章が入った完全版収録。
映画より -
Posted by ブクログ
ビブリア古書堂で「たんぽぽ娘」を知り、井上一夫訳の「たんぽぽ娘」を読み、この本を手に取った。
「特別急行がおくれた日」
「河を下る旅」
「エミリーと不滅の詩人たち」
「神風」
「たんぽぽ娘」
「荒寥の地より」
「主従問題」
「第一次火星ミッション」
「失われし時のかたみ」
「最後の地球人、愛を求めて彷徨す」
「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」
「スターファインダー」
「ジャンヌの弓」
以上13の短編が収められている。
目的はやはり「たんぽぽ娘」にあった。
本書の訳者は以前読んだものと違い、伊藤典夫氏である。
翻訳者が違うと、やはりどこか質感が変わるもので、私は伊藤訳の方が好き -
Posted by ブクログ
ネタバレロバート・F・ヤングが送るSF短編集。全体的にハッピーエンドが多くロマンチックな作品が多い。
「特別急行が遅れた日」
SFでよくある「小さな世界」の短篇。そのネタ自体はオチまで読まずとも察しのつく読者は多いだろう。日常的な日々の中のちょっとした変化と、被造物がこの階層からなる小さな世界とその創造主を意識した所で短篇は終わる。変化はまさに神のいたずらであり、いつもと変わりない日々が固定されているのはゾットするのを通り越して諦観にも似た気持ちを抱いてしまう。
「河を下る旅」
表題作を除けば個人的にはこれが一番面白かった。謎の河下り。薄々その理由に気がついているがそこから目を背けている男女。とど -
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Posted by ブクログ
カッコいい小説てえのを知りきゃ、エリスンを読みな。
まず、タイトルがいい。「『悔い改めよ,ハーレクィン」とチクタクマンは言った」。時間を守れない奴っているわな。それがハーレクインであり、ハーラン・エリスンなのであるが、そいつのせいで超管理社会を管理するチクタクマンまで調子が狂ってしまう話。
「俺には口がない,それでも俺は叫ぶ」。遠未来、AIによって慰み者にされる人類。タイトル通りの話。
「北緯38度54分、 西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」、これも実に凝ったタイトルだが、『SFマガジン』初出時に読んだときには、ランゲルハンス島がおなかのなかにあるなんてことも知らなかっ