【感想・ネタバレ】華氏451度〔新訳版〕のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月13日

多くのレビューで見受けられた独特の言い回しが個人的には楽しめた作品でした。
また、焚書を題材にしただけあり本を読む事の大切さなどが学べて良かったです。
初めて本を読むならまずこれから読んでほしいと思いました。

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Posted by ブクログ 2024年02月26日

独特の文体に最初は戸惑ったが読み進めていくうち慣れて楽しんで読めた。
少女クラリスの問いかけは読者である自分自身に向けたようなものにも聞こえる。

ちなみに動画サイトで「華氏451度」と調べると作品のネタバレ解説などが出てくる。なんとなく皮肉を感じる…

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Posted by ブクログ 2023年11月07日

暗黒世界を生きる主人公が世界に違和感を覚え、体制に反逆・逃亡するというディストピア小説の典型といえるプロット。現代を生きる我々に対する警鐘ともとらえられる普遍的なテーマのメッセージ性がある。

私が読み取った二つのメッセージは「無知が愚かであること」「読書の価値は高い」ということだ。無知であればある...続きを読むほど支配に気づけない、一方で知識は生涯の最も大きな武器になり得る。特に社会のシステムなどにおいて無知であると損をする日本でうまく生きていくためには知識を得て「賢く」なる必要がある。

また、近年SNSであふれかえっているショート動画を、無意識に何時間も眺めてしまっている経験をしたことのある若者も多かろう。私もそのうちの一人だ。メディアが私たちに提供する「瞬間的・感覚的」面白さで成り立つコンテンツで、人はバカになる。考えた先・知識や教養の向こう側にある面白さこそ至高であり、本がその最も優れたツールになるということを、我々はこのディストピア小説から学ぶことができる。

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Posted by ブクログ 2023年09月15日

SF
「華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わっ...続きを読むてゆく……本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!」

『書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで』
フェルナンド・バエス著 もぜひ一緒に。

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Posted by ブクログ 2023年08月11日

洗練された文章には、ひとつひとつにメッセージが込められていた。
最後は胸にグサグサとくる金言がパレードのように押し寄せて、自分の中に染み渡る感覚があった。

「本を表紙で判断してはいかんぞ」と誰かが言いった。全員が静かに笑い、下流への旅はつづいた
「ぼくはおじいちゃんのために泣いているんじゃない、お...続きを読むじいちゃんがしてくれたことのために泣いているんだ」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月28日

さすがブラッドベリ……。あらゆる本が昇火士(ファイアマン)により焼き尽くされる世界で、自らも焚書を行ってきた主人公モンターグがその行いに疑問を抱くところから始まる物語。設定だけでも面白いのに、生き生きとした人物描写や作中世界のテクノロジーのディストピア感溢れる魅力は見事というほかない。そして直接的な...続きを読む焚書こそ行われていないものの、今の現実的世界はこの作中世界に限りなく近いと思った。

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ネタバレ購入済み

焚書の広まったディストピア

2021年09月10日

米国のSF巨匠レイ・ブラッドベリ氏の作品。
本が禁制品となり、本を焼く職業である"昇火士"のモンターグが主人公。
本を焼く立場である彼だが、とある少女クラリスの出会いからモンターグに心境の変化が生まれる。
単純な情報統制としての焚書だけでなく、人に処理できない量の情報の氾濫...続きを読むなど、
現代にも通じるテーマも含まれたディストピア物の傑作の一つ。

#ダーク #深い #タメになる

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

現代社会(特に日本)もそうなんじゃないかと考えさせられる一冊。

隊長の演説で
「大衆の心を掴めば掴むほど、中身は単純化された」
という一節があるが、まさに現代の娯楽(短時間で簡潔に
楽しむことよりも消費することが重要、は言い過ぎかもしれませんが)
のあり方を表している様に思いました。
1950年台...続きを読むにかかれた作品とは思えない、まさにSF

文体は、詩的な表現も多く正直少し読みづらい部分もありました。
ストーリーがすっと入ってきにくいので、気が向いた時に本を読むくらいの
人だと少し読み進めるのに苦労するかもしれません(私です)

アメリカの文学作品にもう少し明るければより楽しめたのかなとも思いました。

スマートフォンでショート動画とかを見て、理解したつもり満足したつもりに
なってしまっている私には結構考えさせられる作品でした。

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Posted by ブクログ 2024年03月02日

本のない社会ということだけど、学校の教科書とかどうしてるんだろう、映像なのかな、とか考えながら読みました。
本のない世界を本気で想像してみると、案外難しいですね。現代でも、本を読む人より、読まない人の方が多いのでしょうか。だとしても誰も本を読んでいない世界って、ちょっとどころか少しも想像できません。...続きを読む私がもう本を読めなくなってしまったとしても、誰も読んでいないなんて有り得ないし、この世から本が消えてしまっても、その側から書く人が絶対に現れると信じています。

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Posted by ブクログ 2024年02月20日

確かにいろんな人が言うように現代が今作の内容によってきていると言うのは感じた
そして最近読書にハマっている自分にはかなり刺さる部分が多かった
確かに本を読むことで劇的に何かを解決できることはないかもしれないけど、なにかしらの拠り所にはできるよねと。

読みにくさと一部単語や情景を想像で頑張って補う必...続きを読む要があったので星4

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

フェルプスとボウルズとミルドレッドが大画面のテレビに狂乱している姿は一昔前であればテレビ、今ではスマートフォンやパソコンに取りつかれた人たちと重なりましたね。

本書でも警鐘されていたように、現在は情報が溢れていてどんどん情報が簡略化されていっていると思います。(特にYoutube、X、インスタグラ...続きを読むム、TikTokなどのSNS)その情報がただ膨大に流れ込んできて、その情報を消化することで疲弊しており、考えられる人、行動を起こせる人が年々少なくなってきていると感じました。

現実世界では紙から電子書籍へ移行しつつある中で、こういった焚書はより火で燃やす行為よりもより簡単になり現実味を帯びてくるかもしれませんね。

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Posted by ブクログ 2024年02月15日

最初はわからん……って感じだったけど、第2部からグイグイ引き込まれて一気読みしてしまった。結局この本の伝えたいことはわかってないかもしれないけど、名作と言われる理由がわかった気がする。

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Posted by ブクログ 2024年02月06日

いわゆるディストピア小説というものですね。読書を禁止されている世界。禁止されてないけど、本の重要さが薄れている現代。私たちはこれから本というものをどう位置付けていくべきなのか、考えさせられました。

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Posted by ブクログ 2024年01月06日

今の世界は、情報も、人間も、この本の言う通り、早く、短く、浅くなっている。
読書はゆっくりで深いものだから、本をたくさん読んで豊かに生きたいと思った。
比喩の多さによる読みづらさを、面白さでカバーしてる。

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Posted by ブクログ 2023年12月30日

情報が洪水のように溢れる現代。検索すればSEO対策で上位に表示される情報しか閲覧できず、サブスクで動画を見れば勝手に趣味嗜好を判断されオススメを提供される。情報を利用する私たちは、その利便性に溺れ、考えて選択しているようで実は考えていない。

そんな不安な気持ちを抱えることもある中で、この作品が訴え...続きを読むかけるメッセージはかなり刺さるものがあり、読んでいて苦しくなる場面が多かったです。それと同時に、「時間をつくり、本に向き合い、じっくり考えてはじめて知る喜びがある」という気づきもあたえてくれ、もっともっと読書を楽しんでいこうと前向きな気持ちになれました。

本好きの方すべてに読んでいただきたい素敵な作品です。おすすめ!



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Posted by ブクログ 2023年11月21日

本が禁止された時代を描いたSF

以下公式のあらすじ
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華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイア...続きを読むマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく……本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!
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昇火士のモンターグ
職務に忠実で、むしろ本を焼くことに喜びを感じていた程
しかし、近所に住んでいるという17歳の少女クラリスと出会いから彼は少しずつ変化する
雨を口に入れるのが好きなど、不思議な事を言う彼女に出会ってから彼の中で色々な現状に疑問を抱くようになる
いつから本が焼かれるようになったのか?昔はファイアーマンは火を消す仕事だったのか?
本は消し去られ、テレビという媒体が大衆の関心事となり、人々に供される内容は単純化されている。
古典はあらすじやダイジェストだけが伝えられ、人々は「考える」事がなくなっていく。

タイトルの華氏451は、紙が引火して燃える温度

本が禁止された世界を本で描くという状況が面白い


1953年に書かれたというけど、世界背景として当時は近未来を描いていたものが、現代において似たような状況になっているものも多い
小型の音楽プレーヤーの「巻き貝」はスマホやイヤホン
リビングのモニターは巨大化している
デバイスのユーザ間での自由な通信

メディアが与えるのは娯楽ばかり
その結果、人々は、煩わしいことや不愉快なことを考えない事が幸せだと思っている
コミュニケーションは失われ、自分の言いたいことだけ言って相手の言葉を聞いていない
他人に無関心で感動することもない
イライラしたら猛スピードで車を走らせたり、レクリエーション施設で物を叩き壊したりして発散する

一部では実際にそうなってるなぁ

本が危険視されているのは、人々に「考える」事をさせてしまうから


モンターグは少女クラリスに出会い、自らの頭で考えることをはじめ、自分が幸福でないと感じていることに気づく
これはある意味で禁断の果実を口にしたようなものか?


昔、テレビが一般家庭に普及しだした頃に「一億総白痴化」と言われた時代があった
テレビの普及による国民の知的レベルの低下を懸念したことがあったけど
今やそのテレビすら廃れ気味で、ショート動画や玉石混交の動画を見る人が増えている状況
これはもっと酷い事になってるという解釈でいいのだろうか?

その割に、人々が幸福になっているようには思えないのは何故なんでしょうね?
考える事とは?幸福とは?
果たしてそれは相関関係があるのだろうか

それぞれの幸せがあるわけで

考える人の方が幸せとも言えないし、考えない人の方が幸せとも言えない
となると、自分にとっての幸せが何かを「考える」必要が出てくるという堂々巡りなのかな?



文体や表現、言葉選びに若干の読み難さを感じる
「カブトムシ」は車「ビートル」の迷訳かと思ったけど、色々と変形する乗り物なのね
原文がどうなってるかは知らないけど、「機械猟犬」のように既存の言葉を組み合わせるなどわかりやすくできなかっったものかね?
でも、これでも旧訳よりもよほど読みやすいって、旧訳はどれだけ酷い訳になってるんだ?

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

辛抱強く読むと半ばから内容が頭に入ってくるという不思議な体験をした
前半は文章体(おそらく原文もこんな感じなんだろうね)から世界観を把握する迄辛抱が必要かも

何年後かにまた読み返すのもありかな〜なんて

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Posted by ブクログ 2023年10月30日

途中で挫折 話が入ってこなかった。
追記 その後また読み返すと、理解できた。不思議。読む環境の問題?猛スピードで車に乗ってる日々。たまにはゆっくり歩いて景色を楽しむこと。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月16日

YouTubeで海外SFのお勧めの本で紹介されて気になったので読んでみた。
 
正直、初めは何のことかさっぱり分からなくてなかなか読み進められなかったけれど、諦めずに読んでいたら第一部の終わり頃にやっと内容を理解できるようになってきたので、第一部はもう1回読み直した。

どんどん省略化されてスピード...続きを読むが早くなっていった華氏451度の世界も、なんだか他人事じゃないように感じてびっくりした。動画などを倍速で観る人が増えていたり、映画や本などを要約した動画が流行っていたり、自分で考える前に答えを求めてしまう人が増えたのかなってある出来事で感じてたから、いつか現実でも考えることをやめてしまう時が来るんじゃないかってちょっと思ってしまった。

ところどころ理解しにくい部分もあったけれど、読めてよかった作品。考えること、伝えることって大事だと改めて思い知らされた。

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Posted by ブクログ 2023年09月22日

映画でこの作品を鑑賞したいと思っていたが、ご縁がなかったので本を読むことに。まるで映画を観ているように感じるほど疾走感のある文体だったが、それが少し私には難しかった。

生きることは独自の思考を巡らすこと。そして自分が足を踏み入れたことのない価値観に出会う度に、時間をかけて自己を醸成させる行為のこと...続きを読むだと思う。その機会を奪われた人々の未来は明るいだろうか。本当の不自由は不自由を認識出来ないことだとこの本を読んで感じた。華氏451度の世界に生まれなかった幸運を噛み締め、新しい価値観に出会うために、私はたくさんの本を読み、たくさんの映画を観たい。

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Posted by ブクログ 2023年08月05日

 最初の方は話がどう進んでいくのか分からず、全然読み進める事ができなかった。
 しかし三分の一を過ぎた頃からだんだん面白くなりその後は一気に読んでしまいました。
 小説の中で、ハイテクなテレビに取り憑かれて何も考えられなくなっている人の描写が何回か出てきていたが、あれと同じ事がスマホなどでも起こるの...続きを読むではないのかと思った。情報を受け身で受け取り何も考えないとああいう風になってしまうと思う。自分は色々頭で考えていく事を大切にしたいなと感じた。
 小説の中で「物事には正面から向き合わずに、逃げて、愉しくすごすのがいちばんなのかもしれん」という言葉があった。病気になってしまい思い通りに行かない今の自分の状況に向き合わないのが楽なのかもしれないが、そうはせずに、病気や今の自分の状況と戦って行きたいなと思った。

2023年 8/5 評価4.1

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月29日

70周年
だいぶ面白かった。
序盤はクセのある情景描写や隠喩が続いて、古い小説特有の読みにくさがあると思った。ベイティーが家に来るシーンあたりで設定の骨格が分かってきた。
ベイティーがとても好き。即座にあれだけの引用が出てくるあたりもともとはすごく読書家だったんだと思う。そんな中仕事を割り切れたベイ...続きを読むティーと割り切れなかったモンターグでかなりはっきりした対比になっていた。
なんのイベントも起こさず、数日間の対話だけでモンターグを心変わりさせたクラリスがすごい。ああいうキャラがあまりハッキリしない形で序盤に死ぬの相当珍しいと思う。
テクノロジーが進化した社会の描写が、かなりストレスフルな感じでよかった。

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Posted by ブクログ 2023年06月27日

本をめぐる、もはや古典。叙情性、象徴性に満ちて描かれている焚書の時代。掴みどころがない。だからこそ想像の余地があると言えようか。本が失われた世界のあり方が不気味だ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月29日

スマホに依存して読書から離れている生活だと感じたため興味を持った。
常識は社会によって形成されるもので、客観視してみると異常な思考の枠に囚われている可能性もあると感じた。
今までの生活や周りの人を裏切るような行動を選べたモンターグの勇気が素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2024年03月21日

読書の意義を再認識させられると共に、本を読む習慣のない人が増える一方で、事業者から提供される映像サービスにどっぷりハマる人の多い今の状況との近さにゾッとさせられた。
文は詩的表現が多く、自分にはとっつき辛かった。

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Posted by ブクログ 2024年01月02日

そもそも本だけ目の敵にされるモチベーションがピンとこず、いまいち乗り切れなかった。時代に追い越されちゃったかな…

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Posted by ブクログ 2023年12月10日

現代を風刺したディストピア小説と謳われている割には読みやすくて面白い設定な上に説教臭くなくて良かった。
登場人物も魅力的で、特にベイティー隊長が敵キャラとして説得力があった。
最終的に火は何かを消すためのものじゃなくて、何かを照らし温めるものなんだと気づいた主人公に希望を見出せた。

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Posted by ブクログ 2023年09月03日

本が禁忌とされ、見つけ次第燃やすと言う未来の話。
気になっていていつか読んでみたいと思っていた。
何も考えず燃やす職業に付いてた主人公があるきっかけで本に興味を持ってしまい追われる側になると言う。
話の展開的には思ったよりあっさり事が展開してそこで終わるのか…とはなるけど、古典の名作と言われるだけあ...続きを読むって深く解釈すればきっといつまででも語れる1冊だと思った。
人類は何度も同じ過ちを繰り返し、過去の記憶からは何も学ばずいつも唾を吐きかける行為しかしないという言葉はなかなか刺さった。

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Posted by ブクログ 2023年07月12日

面白かった〜。ディストピア系SFって初めて読んだけど、思った以上に楽しめた。

他のレビューでも見かけたが、少し読みにくい。ただ、体感としては読みにくいのは中盤までだったようにも思う。私が読み進める中で慣れた可能性もあるが、主人公が混沌とした独裁社会に疑問を持つにつれて、話に整合性が出てくる感覚があ...続きを読むった。それでも、急に場面が切り替わったり、事実なのか空想なのかわからない場面があり、「え!?今なんの話してる!?」となることは必須だった。それもそれで面白かった様に思う。
好きなフレーズもいくつかあったし、訳者のあとがきも良かった。

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Posted by ブクログ 2023年06月01日

名前は知っていたけれどなかなか読むタイミング訪れなかった本の中の一冊。
書店で見かけるたびに思っていたが、意外とページ数が少ない(本文は260ページ強くらい)。しかし、(漫画以外の)書籍の製造や所持が違法な世界で生きる人々の姿や、詩的な描写の数々によって満足感は高いなと感じた。ただ、その詩的な文体や...続きを読む、突然回想・想像の文章が入り、そして突然現在(現実)戻ってくる流れに、読み慣れるまで少し戸惑った。

読む前は、「本を燃やす立場から、本を守る立場になる人の話」なのかなと思っていた。確かにそれも間違いではなかったが、実際は、自らの力で「知る」「考える」ことの重要性を示した話だったのだなと感じた。重要なのは「本」そのものではなく、そこから自分が何を得るかであり、また、何かを得るには本だけでは不十分なのだとも思う。
個人的には特に終盤、郊外に広がる自然の中を主人公が歩く部分で、序盤のタンポポの花(=自然の一部)の占いが主人公に及ぼす影響との繋がりが感じられ、「本(人の手によるもの)」だけでなく「自然(多くは人の手からは離れているもの)」に触れることで、自分という存在はより厚みを帯びていくのかなと思った。

また、ラジオやテレビで情報を得る中で、考える力を奪われて統制されていく人々を見て、ちょっとハッとしたことがあった。
以前ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだときに、「タイムパフォーマンスを重視するのはいいとして、それによって浮いた時間を自分が幸福を感じるために使うのが重要だ」という考えを持ったのだが、「高速で大量にコンテンツを摂取することそのものが幸福だと感じている場合もあるかも」と、この話を読んで気付いた。個人的にはそこに本当の幸福は無いと思ってしまうが、どうなのだろう……。

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

メアリ1世による弾圧←《男らしくふるまいましょう、リドリー主教……》のくだり
ロウソク 受け継ぐ火⇔火炎放射器 破壊する火
社会のスピードに殺された
洞窟の比喩 フィルターバブル
スピードが増していく社会 概略抄録ダイジェスト
悪魔は言葉で誘惑する(雄弁) ベイティーは悪魔的人物
テレビがダメになる...続きを読むことを予見していた
啓蒙は暴力的でもある
モンターグが最後に呟いているのは『ヨハネの黙示録』
エリートだけが生き残って再生…? 都会の中で啓蒙していこうとした人はみんな死んでしまう いかがなものか? 映画では戦争起こらない
啓蒙と民主主義はセット

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