【感想・ネタバレ】華氏451度〔新訳版〕のレビュー

あらすじ

華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく……本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!/掲出の書影は底本のものです

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本を焚書する世界の話
主人公は昇火士だがだんだん本に惹かれ、所有してしまう、そして殺人を犯し、追われる。
思考する自由を手近な楽な娯楽で奪う。当事者もそれでいいとおもってる。そうでない人間はおかしいと。
現代に通ずるものがあるとおもって、読み慣れない文章ながら読み進められた。
こんな話1953年に書いていることが凄いとおもった。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

華氏451度の世界では、不快な物を排除し続けた結果、情報は単純化し、人々は快楽をもたらす物にしか関心を示さなくなった。そして、人々はこの世界で起きていることに興味を示さなくなった。人々から好奇心が消えたのだ。その点においてクラリスという少女はこの世界において特異な存在であったと言える。人々から好奇心が失われた世界でクラリスは世界に対する疑問や関心を持ち続けたのだ。クラリスはこの小説における好奇心の象徴であると言える。そしてモンターグはクラリスと関わるうちに、クラリスの持つ好奇心に惹かれていった。真実を知りたいという好奇心がモンターグの心を動かす原動力となったのだ。
そして私も読み進めるうちにクラリスの好奇心に惹かれていった。暫く忘れていた好奇心に火をつけてくれたのだ。この本を読み進めるとどの様な事が書いてあるのだろう、他の本にはどの様な事が書かれているのだろうと。長年忘れていた本への好奇心をクラリスは蘇らせてくれたのである。久々に手に取った本がこの「華氏451度」で良かったと心から思う。

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2026年03月16日

ネタバレ 購入済み

焚書の広まったディストピア

米国のSF巨匠レイ・ブラッドベリ氏の作品。
本が禁制品となり、本を焼く職業である"昇火士"のモンターグが主人公。
本を焼く立場である彼だが、とある少女クラリスの出会いからモンターグに心境の変化が生まれる。
単純な情報統制としての焚書だけでなく、人に処理できない量の情報の氾濫など、
現代にも通じるテーマも含まれたディストピア物の傑作の一つ。

#深い #タメになる #ダーク

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2021年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本が違法となり見つかり次第焚書にされてしまう世界を舞台に、本を燃やす「昇火士」を主人公にした世界。てっきり活字賛美的な話かと思っていたが、そうではない。別に本ではなくて良いのだ。
世界に触れること、そしてそれを人が覚えていたりいなかったりして、それで救えるものがあれば良いじゃないというセンスオブワンダー的なモチベーションを感じた。
文章も詩人のようで極めて感覚的だった。火炎放射器から火を浴びせられる時、当人にはその火は花にも似て見える。
最終章から花がひらくように、色、におい、感触が満ち満ちていた。

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2026年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文体がかなり難解だったけど、どの時代にも通じる普遍的なことが書かれていて読み応えがあった。この小説からは、人は進歩の代償に怠惰の習性を獲得していくことを知れた。何も考えないこと、何かを考えること、正反対に思えるそれぞれの過程は、どちらも確かに幸福に近づくための行為であるはず。社会や時代の流れには逆らえないが、選択をすることはできる。モンターグもその1人であったのだと思った。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 華氏451度は書物の紙が引火する温度(摂氏233度)。

あらすじ:
 戦争間近のとある都市。昇火士のモンターグは、隣に越してきたクラリスという少女に会う。家では薬漬けの妻ミルドレッドがラウンジの壁とおしゃべりするばかりで、自分の生活に幸せを感じない。唯一心を許せたクラリスは姿を消してしまう。
 モンターグは昇火現場から本を盗んで読むようになった。かつて読んでいた本の知識を持つ上司ベイティーが、離職しそうなモンターグを牽制し始める。逃げるモンターグはかつて公園で出会った大学教授フェーバーと再会し、昇火士間で揉め事を起こして梵書をやめさせる方法を算段する。
 ユスリカのように小さいインカムでフェーバーの指示を受けながら職場に行くと、次の現場はミルドレッドの通報を受けたまさかのモンターグの自宅だった。モンターグは言いつけにしたがって自宅を燃やし、ベイティーも燃やし、仲間(ブラック、ストーンマン)を殴り、機械の猟犬も燃やした。
 お尋ね者になって新しい猟犬から逃げながら、ブラックの家に冤罪のために本を隠し、フェーバーの家へ行く。彼の指示に従って川と線路に沿って逃げていくと、同じように身を隠している老人たちと出会う。彼らは書物を隠す代わりに暗記しており、後世に伝える「本」として生きているようだった。モンターグも仲間に入ることを決意するが、しかし開戦したばかりの都市は間もなく爆弾に吹き飛ばされ、早速知識を残すために一行は都市へ戻り始める。

感想:
 設定が奇想天外で最初は読み進めるのが難しいが、慣れてくると惹きこまれる。名言が多くていろいろ考えさせられたが、特にフェーバーの言う「本が知識をとどめるためのただの器」という解釈に対して、後半の老人が自分たちをまさに知識をとどめるための器に使おうとしていることに感心した。それにしても、最初だけ登場したクラリスは何だったのか。
 あとがきで本小説がプレイボーイに3回にわたって連載されていたことを知って驚いた。あの手の雑誌は小説も官能系なのかと勝手に思っていたので意外……。しかも3回なら結構なページ数なのでは。もうひとつ、今回(新訳版)で「Fireman」を「昇火士」と訳した伊藤典夫氏に大拍手。旧約版では梵書官だったらしいけど、昇火士という新しいワードの近未来感やSF感は素晴らしく、この本に欠かせない!

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2026年02月23日

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