伊藤典夫のレビュー一覧

  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ネタバレ

    本を焚書する世界の話
    主人公は昇火士だがだんだん本に惹かれ、所有してしまう、そして殺人を犯し、追われる。
    思考する自由を手近な楽な娯楽で奪う。当事者もそれでいいとおもってる。そうでない人間はおかしいと。
    現代に通ずるものがあるとおもって、読み慣れない文章ながら読み進められた。
    こんな話1953年に書いていることが凄いとおもった。

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    2026年03月22日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    凄く「考える時間」をくれた本でした。

    最初詩的過ぎて、景色が読み取り辛く感じていましたが、読み進めていくと喋っている言葉自体は分かりやすく、ストーリーも何ら難しいこともないので、序盤で❝ウグッ❞と思っても是非読んでみてほしい本ですね。

    以下は読んでて思ったことを書き連ねてみた。

    この世界は人が「考えない」未来を選んだ場合の世界ってことなのかもな。不安に思うこともない。相手のことを考えることもない。馬鹿でいい。低い所で皆一緒。それが幸せ。

    人はいつかAIやネットに考える事を任せ、何も覚える事も、考えることもできずに「AIが言ったことしか言えなくなる」そんな日が来る気がしてならない。


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    2026年03月22日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ネタバレ

    華氏451度の世界では、不快な物を排除し続けた結果、情報は単純化し、人々は快楽をもたらす物にしか関心を示さなくなった。そして、人々はこの世界で起きていることに興味を示さなくなった。人々から好奇心が消えたのだ。その点においてクラリスという少女はこの世界において特異な存在であったと言える。人々から好奇心が失われた世界でクラリスは世界に対する疑問や関心を持ち続けたのだ。クラリスはこの小説における好奇心の象徴であると言える。そしてモンターグはクラリスと関わるうちに、クラリスの持つ好奇心に惹かれていった。真実を知りたいという好奇心がモンターグの心を動かす原動力となったのだ。
    そして私も読み進めるうちにク

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    2026年03月16日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    禁書を燃やす昇火士
    社会を丸め込むには、やっぱりメディアに釘つけさせること。
    偏った情報を浴びせ続けて情報を管理すること、
    何も考えない方が良い、楽しいのがいいと洗脳することなんだ…と。
    人間から思考力を奪うこと、、
    ディストピア小説を何冊か読んだがどれもそのようなことが書いてある。
    このメディアも今のYouTube等じゃないか、
    戦争はドローンでしているようなことも
    色んなことが予想されている。
    ドンピシャで怖い。

    考えることをやめたくない、古典を読みたいと思える本だった

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    2026年03月11日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    めちゃめちゃ面白かった。私が読んだ中のサイバーSFの作品で一番古いかな?(定かでない)
    読んでいる時ニューロマンサーを彷彿とさせた。
    レイ・ブラッドベリ、ウィリアム・ギブスン、フィリップ・K・ディックの御三方を勝手に私が選ぶサイバーSFの御三家においてみて、もう一度読みたい。し、好きなテイストなので未読のものもどんどん読み進めていきたい。(こういうのを書いていると、ふと伊藤計劃の新作が読めないことを思い出して悲しい気持ちになる。)

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    2026年02月26日
  • スローターハウス5

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    テッド・チャンの「あなたの人生の物語」を元にした映画「メッセージ」のヘプタポッドを思い出しながら読みました。

    時間を、線形ではなく全体として一望するという感覚は、決定論や運命論的で自由意思の無い冷酷なイメージもありますが、この小説では一枚のペルシア絨毯の模様を、繰り返し愛おしく撫でる様な優しさを感じました。

    この小説はSFなのか、妄想か、後遺症か。
    過去、現在、未来様々な出来事を断片的につないだ
    ユーモラスな雰囲気とコミカルさの奥に、そう書かざるを得なかった悲惨さと、嘘をつかない為に虚実織り交ぜて書かれた真摯さを強く感じました。

    戦争や自然災害、病気、別離などの困難に直面した際に感じる「

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    2026年02月25日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ぼくたちが幸福でいられるために必要なものは、ひとつとして欠いていません。それでいて、ちっとも幸福になれずにいます。それには、なにかが欠けているにちがいありません。考えてみますに、ぼくたちの手からなくなったものといえば、この十年か十二年のあいだ、ぼくたちの手で焼きつづけてきた書物だけです。そこで、考えました。この不満を補ってくれるのは書物ではないかと

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    2026年02月21日
  • スローターハウス5

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    今日は平和だ。ほかの日には、きみが見たり読んだりした戦争に負けないくらいおそろしい戦争がある。それをどうこうすることは、われわれにはできない。ただ見ないようにするだけだ。無視するのだ。楽しい瞬間をながめながら、われわれは永遠をついやす──ちょうど今日のこの動物園のように。これをすてきな瞬間だと思わないかね?

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    2026年02月16日
  • スキャナーに生きがいはない

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    読んでいる最中にふといつの本だ?と思い奥付をみたら70年前に書かれた話 宇宙というか、SFへの解像度が鮮明すぎる 作者の頭の中にはどんな世界が広がっていたのかな

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    2026年02月01日
  • スローターハウス5

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    第二次世界大戦時に著者本人が体験した出来事をSFを交えながら半フィクション小説として書いた作品。コミカルでユーモアなストーリーの中でも戦争は非常に冷たく、そして自分が死ぬとも思わず淡々と命を落としていく登場人物達が戦争の持つ暴力性をより際立たせている。

    「思うんだがね、あんたたちはそろそろ、すてきな新しい嘘をたくさんこしらえなきゃいけないんじゃないか。でないと、みんなは生きていくのがいやんなっちまうぜ」

    というセリフこそがヴォネガットが小説を執筆する大きな力になっているのだろう。

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    2026年01月21日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ネタバレ

    読んでて何となく1984を思い出した。
    全然ストーリーラインが違うものの、世の中で何かを考えたり大衆に向けた正解を鵜呑みにすること、答えが一つである世界の怖さを描いている気がしたため。

    主人公が殺してしまった上司は死にたがっていたのか、彼は本に詳しく博識なのになぜ昇火士をしていたのか、という点が気になった。

    昇火士をしている人が、本を燃やしつつ本を手放したくない人たちへ罪悪感を持つくだりで「皆一度はこうなる」といった旨の話があったから、本について考えてしまい、世の中の境界に疑問を持つ人が出やすい仕事なのかなと思った。

    少女と出会って楽しいと思っていた主人公は、最初からもう世界の正解から外

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    2026年01月10日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ネタバレ

    家に火をつけて楽しんでいるシーンから始まり驚きましたが、どうやらこの世界では本を所持していたらいけないらしいので、家に火をつけていた主人公モンターグはお仕事中だったようです。所謂焚書。それでは人々はどう暮らしているのか?「ラウンジ」という参加型の放送を楽しみ、「巻き貝」というイヤホンみたいなものをずっと耳につけています。現代と同じような生活ですね。レイ・ブラッドベリはこのような未来を予測していたのでしょうか。現代への風刺かな?と思える物語でした。面白かったです。

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    2026年01月08日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    久しぶりに再読しました。
    とんでもなく面白いです。
    手に汗握る展開の連続で片時も目を離せません。
    何十年も前の小説なのにとてつもなく現代への風刺が効いててその鋭さに圧倒されます。
    とてもシリアスな内容ではありますがな自分にはどこか素朴な手触りを持って読めました

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    2026年01月08日
  • 猫のゆりかご

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    最初に出会ったのはペンギン版、“Cat’s cradle”。まずは書名に感嘆した。どうしたらこんなタイトルを思いつけるのか。
    短いエピソードが127、その積み重ね。エピソード間の一瞬の空白が絶妙な効果を生み出している。インディアナ出身、コーネルで学び、ドイツにて戦争の悲惨さを体験し、一時期ゼネラル・エレクトリックにいたという経験も効いている。ウィットたっぷりの会話とひねりのきいた展開。そしてそれらを包むのがボコノン教だもの。
    ジュニアの頃のヴォネガットの最高傑作。訳もいい。伊藤典夫、26歳の時の訳業。
    (p.s. ボコマルという儀式、soul to soul ならぬsole to sole。ど

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    2026年01月05日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ネタバレ

     ハインリッヒ・ハイネがその著書「アルマンゾル」で「本が焼かれるところでは、いずれ人も焼かれるのです」と記し、1933年5月10日にフンボルト大学にあるベルリン・ベーベル広場でナチス学生が反ナチス的図書と勝手に決めつけた2万冊の本を山のように積んで焼き捨てた。日本は第2次世界大戦中に北京の精華大学でナチスの10倍である20万冊の本を焼いた。今も共和党州であるテネシー州の州都ナッシュビルで同じように焚書が行われたが、トランプ狂信者のMAGAが遅れた野蛮な南部で本を焼いている。そのような現代だからこそこの小説を読む意義がある。

     違法とされた本が燃やされ、その本が隠されている家も燃やす未来で、主

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    2025年12月29日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    ネタバレ

    本を作ること、所有すること、読むことを禁止された世界の話。

    本が禁止された世界で考えることをやめる人々の様子が事細かに描かれ、現代と似たものがあると思い、恐ろしさをおぼえました。
    考えないから、本は悪だと疑いもせず、なぜダメなのかを知ろうとしない。
    誰もがスマホを持ち、本を読む人が減った今、深く考えることが減ったように感じます。

    「国民には穀物生産量1位を当てるクイズを出しておけ」とモンターグの上司の言葉がありました。
    現代でもランキング形式のクイズ番組が増えたように感じます。
    当たると嬉しいけれど、それがなぜ1位なのか実はあまりよくわかっていない、知っているだけということが多い。

    本は

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    2025年12月24日
  • スローターハウス5

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    ネタバレ

     『スローターハウス・ファイブ』、または『子供十字軍』として知られる本作は、村上春樹が多大な影響を受けたことで知られるカート・ヴォネガット・ジュニアの代表作だということで手に取った。

     はじめは「スローターハウス」を文字どおり「虐殺の館」と解釈し、大衆性の強いSFホラーを想像していだが、実際には、SF的装置を用いて、諧謔的に、しかし現実的に、戦争における人の死という主題を鮮明に浮かび上がらせていく作品だった。

     主人公ビリー・ピルグリムは時系列に反して時空間を行き来するため、場面ごとの関連性は薄いように感じられるが、その脈絡の無さが、本作の主題を考えるうえでの中立的な視点を与えてくれている

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    2026年01月22日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    Audibleにて。

    倫理よりも任務(目的)を優先させたHAL9000の完全性の病は一歩間違えば人間にも起こり得るということだろう。いや、我々が倫理を失うのはもっと容易いかも。

    スターチャイルドとしての転生はあまりしっくりくるものではなかったな。直前に鈴木大拙の『禅と精神分析』: 禅の無意識の箇所を読んでいたせいかもしれない。

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    2025年09月15日
  • スキャナーに生きがいはない

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    謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。

    物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとな

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    2025年08月28日
  • たんぽぽ娘

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    片道切符だとわかっていても全てを賭けた妻の勇気がかっこいい。
    最初から最後まで想い合っていたのは感動した。
    大切な人に贈りたい本

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    2025年08月05日