太田愛のレビュー一覧
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購入済み
おもしろかったー!!あの人の真意とか、あの人の決意とか、あの人の最期とか、疑惑とか謎とか悪とか正義とか……あぁもう、ぐわぁー!ってなる。読んでいる間中、熱い塊を心臓にぐりぐり押しつけられているみたいだった。
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どこかの街の物語、でもどこにでも起こってきたし、今も起こっているとても哀しい美しい物語でした。
最後の部分で、「人がより良い世界を願い、それを実現しようとする時、そこには長く困難な歳月が横たわっている。(中略)細い水の流れが集まって小川となり、それが河となり、やがて力強い大河となってついには海に至るように、それが実現する時には かつて奇跡として願われたものは、あたかも自然とそうなるべくして成就されたかのように見える。」
いまこうして暮らせているのは、百年以上前の人たちにとっては奇跡なんだろう。
当たり前に思って感謝も忘れてる私たちをみたら、彼らはなんと思うだろう。
でもきっと、アレンカやマリやコンテッサみたいに、思いっきり楽しく生きて!
って見守ってくれている気がします。
あらゆることに感謝を忘れずにいたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
最初、現代日本が舞台じゃないのか…と敬遠していたが、読み始めると、さすが太田愛さんだ!ってなりました。オーディブルで先に『未明の砦』を聴いていて、それがちょっと合わなかったので、あまり社会派すぎるのも…と思っていたけど、多分『未明の砦』が合わなかったのは自分の問題に近すぎて、耳を塞ぎたい話題だったからかも知れない。民選が廃止されても、中央府に芸術や文化を統制されても声を上げなかった多くの人々と同じように。
他の方のレビューに「一冊かけて道徳の授業をされた気分」という言葉があったが、確かに説教じみているところはある。しかし過去も未来にも、現在にも通じる話であり、この作品が鳴らす警鐘に耳を傾けるべきであるとも感じた。テーマは『未明の砦』とほぼ同じであるのに、こちらでは素直に受け取れたのは、ファンタジーという体裁をとっているためだと思う。ディストピアが完成するまでの「始まりの町」の歩みを4人の語り手を通して丁寧に描いている。太田愛さんの描かれる人物はどの作品でも魅力的だが、本作でも遺憾無く発揮されている。ストーリーの関係上、嫌な奴が多い本作だが、語り手たちはとても誠実で不器用だ。そんな彼ら彼女らの人生の物語として読み進めるうちに、作者の主張も自然に受け入れることができた。 -
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ネタバレ太田愛さん第三弾。
渋谷のスクランブル交差点で一人の老人が天を指差して死んだ。その意味は…?
鑓水と修二に、1作目「犯罪者」の敵、政治家磯辺からの依頼が入る。この老人の意味するものを調べろと。
時を同じくして相馬のもとには、公安の前島から、失踪した部下を探すよう依頼が入る。
調べるうちに三人は、この失踪した公安の部下と、渋谷で死んだ老人に接触があったことを知る。
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国に対して反発的な報道をするとこうなるぞ、というでっちあげをジャーナリストに対して行う計画を、ある政治家と公安が立てる。失踪した公安の刑事はこれに反発し、狙われることとなったのだった。
老人ホームで出会った高光は事情を知り、そんなことを起こしてはいけないと、その公安の刑事を自分の旧友、白虎に託す。
戦時中、もはや国全体がおかしくなっていた、その時代の情報統制に高光は絡んでいたのだった。二度とそんなことは起こしてはいけないと。
最終的には最新のメディア、ネットを使用してこの陰謀は明るみに出る。糸を引いていた政治家は、依頼人磯辺の宿敵。だからこその依頼であった。
渋谷で死んだ老人は高光で、指を指した先はいつしかあった渋谷のロープウェイだった。子ども達の無邪気な笑い声を聞いた高光と白虎。こんな時代を、子ども達を、守らなければならないと誓った。そのときの子ども、時代を指差して、死んでいったのだった。
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今回扱う陰謀は「情報統制」。
1作目のような疾走感や2作目のようなノスタルジーさはなく、3作目はじっくりゆっくり腰を据えて、重いテーマをじわじわと展開させていく描き方。
テーマが戦争なだけになかなか読み進めるのが辛い…でも目を背けてはいけない。全国民の頭がおかしくなっていた時代。それを引き合いに、今の時代の情報統制について疑問を投げかける作品だった。
3作全て、強大な権力に立ち向かう一般市民を描いている。すぐ近くにある闇に対して無意識な読者に、エンタメを提供しつつ警鐘を鳴らす描き方が素晴らしいと感じた。個人的には荒削りな1作目がエンタメとしては好きだけど、3作目はもう一度じっくり読んでみたいと思わされた。
続きが出ればぜひ読んでみたい。時間を忘れて読みふけってしまう作品だった。 -
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ネタバレ白昼の通り魔殺人から始まる。4人が惨殺された凄惨な事件の犯人は事件後に薬で死んだ、と思われた。
事件で襲われながらも一人生き残った男の子は、あと10日生き延びろと言われる。通り魔殺人は実は特定の5人を殺すために起きたのか?なぜ自分は殺されなければならないのか?
謎の解明に協力する孤独な刑事相馬、元テレビ会社職員の鑓水はタッグを組み、通り魔殺人がなぜ起きたのかを明かしていく。
その影には…
ある食品会社が幼児向けの新商品を広めようと、サンプルを保育園に配布した。しかしそこには食べた幼児に謎の奇病が発生する、あるウイルスが含まれてしまっていた。
この新商品の認定には大物政治家が協力している。この事実が露見してはまずい。証拠を隠蔽しようとする食品会社は、陰謀を暴こうとするものや証拠隠滅の目撃者を、片っ端から始末していく。
登場人物の真崎は、妻と子を亡くし、どん底にいたとき、食品会社に勤める中迫と再会する。2人で食品会社の悪事を明るみに出そうと動く人物。
奇病の子どもたちのために、巨大組織の闇を明るみにするために死んでいく。つらいけれど、その信念が中迫と主人公3人組をさらに駆り立てていく。
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展開が早く、多種多様な人物が絡み合い、場面がどんどん切り替わる、まるでドラマのよう。人気脚本家の処女作というのも納得。
作戦をことごとく潰されたり、殺人者があまりにも強すぎたり、ドラマ的すぎて若干イライラする部分も。
とはいえ、全体的に疾走感と読後のスッキリ感があり、よく作り込まれた良質ミステリーだった! -
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ネタバレ社会派エンターテインメントの雄が贈る衝撃作
「わたしたちの過去も現在も未来も写しとられている。恐るべき傑作だ」(解説より) 翻訳家 鴻巣友季子
「最初のひとりがいなくなったのはお祭りの四日後、七月最初の木曜日のことだった」――
ここは〈始まりの町〉。物語の語り手は四人――初等科に通う十三歳のトゥーレ、なまけ者のマリ、鳥打ち帽の葉巻屋、窟の魔術師。彼らが知る、彼らだけの真実を繋ぎ合わせたとき、消えた人間のゆくえと町が隠し持つ秘密が明らかになる。人のなし得る奇跡とはなにか――。
社会派エンターテインメントで最注目の作家が描く、現代の黙示録!
面白かった。様々な現代の問題が組み込まれた寓話的な作品。架空の街を舞台にしてあるものの、現代に似通う思想や構造である点が良かった。
民主主義から衆愚政治になり、全体主義的な思想が蔓延るようになるのが、今の日本のようで、この作品の終わり方に通じるものがあるのでは、と思いゾッとした。しかるべき時に声を上げないと、この世界の人たちのように自ら人権といったものを放棄し、ディストピアに陥っていますのであろう。
また、羽虫と言われるような差別人種や伯爵といった上級階級の人がいることも今に似通っていて恐ろしかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ23/12/23〜24/1/2
7月に『23春』、8月に『22秋』、10月に『22春』、今回12月に『23秋』。順番が入れ替わったりしたけど、やっと最新作に追いついた。『23春』だけ、あと4人分がまだ読めてないので、次はそれを。
今回の『23春』は、今まで読んだ3つと比べてとても読み応えがあり、楽しめた。
12/23〜12/27東川篤哉 ★★★
『どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう』
『謎解きはディナーのあとで』以来。
おじさん作者らしいめんどくさい感じはあるものの、軽く読めて面白かった。トリックは想像通りだけど、まあ楽しく読めたのでよし。あるマイカの口調が楽しい。
12/27逸木裕 ★★★★★
『スプリット』
初読み作家さん。
才能を美醜で見分けられるスカウトマンの主人公。研ぎ澄まされた感覚で、粘り強くスカウトする姿が面白く、また主人公の成長物語でもあり、読後感がよかった。
回想シーンの入り方がわかりづらいため、読んでいて混乱した。回想シーンの会話は〈〉表記だと気付いてからはだいぶわかりやすくなった。
12/28長岡弘樹★
『笑う君影草』
初読み作家さん。
スズラン毒なことは、すぐに気付いた。
いじめられっ子が犯人なことはまあいいとして、
①いじめの解決策
②それにより本当にいないものとして見えなくなる
の2点が強引だと感じた。
①については、先生の悪手だと思うし、最後またそれを伝授しているのがダメだと思う。適切な関わりをしてほしかった。
②については、“いない人“が本当に見えなくなるってどんなホラーだよ、という感じ。お見舞いのシーンとか。
え、ホラー作家なのかな。ミステリーじゃなくて、ホラーミステリーなの?それならアリなのかも。私にとっては苦手な作品だった。
12/28似鳥鶏 ★★★
『名探偵名前が適当』
まあまあ楽しめた。いつも個性的なキャラが出てくる作家さんというイメージ。
12/29太田愛 ★★★★
『夏を刈る』
『22秋』の『鯉』は苦手だったけど、こちらは似たような作品ながら楽しめた。ドロドロ部分が少なかったからかな。中編作品を読んだような満足感だった。婚約者も兄もクズだなぁ。
1/2宮内悠介★★★★★
『最後のひと仕事』
面白かった。
結局、天才ではなかったのかもしれないけど、サイコっぽいなぁ。怖い。 -
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冤罪の悲劇
冤罪により引き起こされた悲劇。日本に於ける冤罪が起こる基本的な原因が明確に記載されており、小説として面白いだけでなく、どうして冤罪が起こるのかを示している。
かつては、日本ではTVドラマ等では、裁判に誤謬はない、もし警察・検察が間違っていても裁判官や弁護士により真実が明らかになるとのハッピーエンドばかりでした。その結果、冤罪は稀なケースであるとの考えが主流であったと思います。この作品は、人々の目を覚まさせる作品と思いました。
小説としてもテンポも良く、長編ですが私は一気読みしました。