太田愛のレビュー一覧

  • 幻夏
    犯罪者が入手できないまま、先にこちらの作品を読んだのだが…最高に面白かった。こちらだけ読んでも違和感なく読み切ることができた。
    キラキラした夏の思い出、大切な人を思いやる気持ち、全ての真相に気付いた時に壊れる心、日本の司法制度の問題点、冤罪が起こりうる危険性、復讐。
    日本の司法の課題に正面から問題提...続きを読む
  • 犯罪者 下
    一言で「圧巻」。
    下巻は途中途中、ハラハラしすぎて読みたいのに一息置かないと読み進められないくらい先が読めず、いよいよ終盤を迎えてしまう気持ちと葛藤しながら読みました。
    ドラマ相棒の脚本家で有名な太田愛さんのデビュー作。本当にデビュー作???と思ってしまうくらい。
    一見繋がってそうに見えないモノ達が...続きを読む
  • 未明の砦
    違法とされてきた非正規雇用を合法化した自民党政権。いま労働者の4割が非正規の日本。子供どころか結婚すらできない。共謀罪という戦前のような法律を作ってしまった自民党。その恐ろしさがよくわかった。選挙に行きましょう。
  • 犯罪者 下
    続編を先に読んだので、メインの3人は無事に生き延びることは分かっているのに、それでもかなりハラハラさせられた。敵の殺し屋が怖すぎる。
    この社会の理不尽さや残酷さについての描写はすごくリアルで、考えさせられた。
  • 天上の葦 下
    圧巻。。続きが気になり一気読み。
    上巻の数々の伏線を見事に回収。考えることが多すぎて、感想が書けない…
    戦争、戦時下の言論統制・報道統制。疎開がなかなか進まなかったのはそういうことだったのか…。
    戦時中のシーンでは目を背けたくなるほど苦しかった。

    一罰百戒。恐ろしいけど現代にもある話。。

    メディ...続きを読む
  • 未明の砦
    大企業に雇用された使い捨てとも言える非正規労働者が、従業員の労働条件改善のために御用組合を頼るのではなく、自分たちでユニオンをつくり労働者の心をつかんでまとめていく。
    社会派のハードな主題でありながら、ラストでは心を揺さぶる場面が登場する小説だ。

    600ページ近くあり、なかなかまとまった時間を取れ...続きを読む
  • 犯罪者 上
    やばい、おもしろすぎる。
    本当に綿密に、今までにないくらい緻密な計画のもと描かれたのだと、本当に圧巻の一作。読み始めた当初は登場人物のキャラクターがバラバラすぎてどう繋がっていくのか全く予想もしなかったけど、上巻(本書)後半に行くに従って、ドキドキハラハラ、一気読みでした。ちなみに、登場人物が多く、...続きを読む
  • 未明の砦
    素晴らしい作品。感動した。物語の冒頭から「一体何が⁈」と引き込まれ、そこから遡る形で全容が明らかになっていく展開から目が離せない。ただ面白いだけではなく、労働問題、共謀罪についても考えさせられる内容。登場人物のキャラも立っていて良い。特に日夏さんがお気に入り。日夏さんが出るところ出るところ、ラプサン...続きを読む
  • 天上の葦 下
    太田愛さん3作目。上下巻。

    渋谷のスクランブル交差点で一人の老人が天を指差して死んだ。このダイイングメッセージの指す意味は…?

    鑓水と修二の前に、1作目の敵、磯辺から依頼が入る。この老人の意味するものを調べろと。
    時を同じくして相馬のもとには公安の前島から、失踪した部下を探すよう依頼が入る。

    ...続きを読む
  • 犯罪者 下
    白昼の通り魔殺人から始まる。4人が惨殺された事件は薬中の男によるもので、その人物は事件後に薬で死んだ。と思われた。
    生き残った男の子は病院で、あと10日生き延びろと言われる。
    通り魔殺人は実は特定の5人を殺すために起きたのか…?なぜ自分は殺されなければならないのか?謎の解明に協力する孤独な刑事相馬、...続きを読む
  • 未明の砦
    本当にいい話だった。

    だけど、このお話は今現在の話で
    戦時中とか戦後すぐとかではないんだよな。
    今もどこかで…

    共謀罪が成立したのは最近のことのように感じたが、
    それを絡めてくるなんてすごいな。
    4人の主人公と
    利害や過去や様々な思いの人々を交わらせて
    長文なのに一気に読み進められた。

    仲間っ...続きを読む
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている
    社会派エンターテインメントの雄が贈る衝撃作

    「わたしたちの過去も現在も未来も写しとられている。恐るべき傑作だ」(解説より) 翻訳家 鴻巣友季子

    「最初のひとりがいなくなったのはお祭りの四日後、七月最初の木曜日のことだった」――
    ここは〈始まりの町〉。物語の語り手は四人――初等科に通う十三歳のトゥ...続きを読む
  • 天上の葦 上
    物語の構造上仕方ないかもしれないが、第二部からのペースダウンが惜しいかな
    まあそれほど物語に引き込まれたという事で!
    下巻も期待してます
  • 未明の砦
    非常に濃厚な1冊。
    労働者の権利を取得するために立ち上がった非正規工員の4人。巨大な企業と警察が立ち塞がる。戦後の労働法制、日本の経済、教育の問題点が勉強になった。
    和を守る事も大切だが自分で物事を考え、声をあげることもより大切だなと感じた。自ら学び、行動した4人が素晴らしい。
  • 未明の砦
    素晴らしかった!
    非正規の期間工として自動車工場で働く4人の若者。
    会社に虐げられ日々の暮らしで精一杯の彼らが胸に抱いた「このままでいいのだろうか」と言う疑問。
    その小さな疑問が水面に投げられた小石が作る波紋のように、徐々に大きく、彼らや、周囲に広がっていく。
    彼らの思いや様々な立場の思惑、あらゆる...続きを読む
  • 未明の砦
    この人の書いた本が面白くない訳がないっていうバイアスが働いてる自覚はあるけど、きっとそれを抜きにしてもめちゃくちゃ面白かった。四人組に刑事のコンビ、記者とカメラマン。物語の大部分を占めるこの人以外に出てくる人たちもなんてカッコいいことか!小さな力が集まって大きなものを倒そうとするところは鳥肌がたつほ...続きを読む
  • 未明の砦
    読み終わった後、会社に対する闘争心みたいな
    物が沸々と出てきた。
    おかしいと思う事には声を挙げようと思った。
    思えば作者も日本という
    国に対して勇気を出してこの小説を
    書いてくれたんやなと感動しました。
    まずは選挙には必ず行こうと決めました。
    子供達にもそれを伝えて行こうと思います。
    沈みゆく船かも...続きを読む
  • 幻夏
    警察が生み出した冤罪によって23年後に事件が起こる。関係者は相馬の幼なじみ家族。
    警察組織の闇、それに振り回される家族。真相は心が痛くなるほどのものだった。 
    悲しい話だったな…
  • 犯罪者 下
    ハイ!下巻!

    大企業、政治家の隠蔽を暴く為に、立ち向かう相馬、鑓水、修司(何で、この人だけ名前なんやろ?)のトリオ!
    綿密な計画を作って実行に移す!
    大きな奴らに立ち向かうには、やっぱ、テレビとか、ネットなんかで、バラすのが効果的なんやろね。

    ハラハラドキドキの遂行劇やけど、ハプニング続出やな。...続きを読む
  • 未明の砦
    共謀罪の容疑者とされた青年達が労働組合を掲げるまでの背景と行方を追う刑事の話。
    なんだこれめちゃくちゃ引き込まれる。
    社会人で働いてるからこそ他人事には思えない。都合の良い労働者にならず、良い労働者になりたいと思う。これがうちの会社なら、自分なら、と考えずにはいられない。この状況で声を上げられるのか...続きを読む