太田愛のレビュー一覧

  • 幻夏

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    前作である犯罪者の印象が強く残っていたため、本作も迷わず手に取りました。人が犯した罪は正しく裁かれ、正しく償われるのかという問いが全体を通して重く響きます。物語は複雑に張り巡らされた伏線が次々と回収されていく構成で、何気ない違和感すらも後に意味を持って繋がっていく点が印象的でした。三人の登場人物がそれぞれの視点と能力で真相に迫っていく過程は読み応えがあり、互いの関係性も魅力的です。また司法の構造や冤罪の問題にも踏み込み、正義とは何かを考えさせられました。読後にはすぐに答えが出せない重さが残り、物語のテーマについて考え続けてしまう作品でした。天上の葦も読みたいと思います。

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    2026年05月23日
  • 天上の葦 下

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    ネタバレ

    面白すぎた!
    鑓水、修司、相馬の3人のキャラクターがあまりにも魅力的。つい笑ってしまうシーンが多い。
    ストーリーも複雑ながらも常に先が気になって、特に下巻は一気読みしてしまった。

    3人の老人含む島民の人情には涙が出たし、決してまた戦争を起こしてはいけないと改めて思った。

    あの時代を生きた人から直接話を聞くことができた最後の世代である自負がある。物語としての楽しさ、面白さがあるだけでなく、社会へのメッセージとして大きな意味を持つ偉大な作品だと思う。

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    2026年05月23日
  • 幻夏

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    物語はクマゼミが鳴く、陽射しの強い夏の日から始まる。でも、終始どこか冷たい氷のような張り詰めた空気に、読むこちらの心までが冴え渡るような、独特の緊張感が作品全体を貫いている。

    作中、時系列が頻繁に切り替わるが、全く違和感なく、即座にその場面の空気や情景が浮かび上がってくる構成の妙は流石の一言。だからこそ、あの「黄金に輝いていた少年時代」の瑞々しさと、大人の理不尽によってそれが崩壊していく残酷さが、鮮烈なコントラストとなって胸に迫る。

    ほんの少しのボタンのかけ違いによって生じてしまった父親との、あの悲しい再会。
    その瞬間に、あの利発で母親思いだった男の子の未来は決定的に歪められてしまった。彼

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    2026年05月23日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

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    ネタバレ

    「人がよりよい世界を願い、それを実現しようとする時、そこには長く困難な歳月が横たわっている。
    力を持つ者から迫害を受けることもあれば、今ある現実につき従う者から誹誘され、心を打ち据えられることもあるだろう。けれども、細い水の流れが集まって小川となり、それが河となり、やがて太く力強い大河となってついには海に至るように、それが実現する時には、かつて奇跡として願われたものは、あたかも自然とそうなるべくして成就したかのように見える。

    人のなし得る奇跡、力ない者たちの奇跡とはそういうものなのだ。」

    天上の葦以降の太田愛作品

    これまでの社会派ものと違い、ファンタジー色のあるものかなと思っていたけど、

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    2026年05月23日
  • 未明の砦

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    太田愛さん、期待通りの力作でした。
    労働問題が主題で、そこに大企業、政治家、公安、マスコミの癒着とか横暴さが書かれている。
    労働問題について、法令の説明を登場人物に語らせているので、流れは良くないかもしれないが、労働者の現状を理解するのに必要な記載だったと思う。
    そして、ともに戦う仲間たちはみんな魅力的でした。
    みんなの心の変化や、行動に移すところなどは、青春小説のような爽やかさがあった。

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    2026年05月22日
  • 幻夏

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    先が気になり一気読みしたい気持ちと、悲しい結末が待っていそうで読み進めたくない気持ちを抱えながら読んだ。
    読み終わったとき悲しくて涙が溢れた。
    冤罪に狂わされる家族はどれだけ警察が憎いだろうか。加害者に有利になる証拠があっても弁護側に知らされる訳ではないこと、その上で弁護側が勝訴する難しさ。ただ判を押すだけの裁判官。恨みません調書なんてあるものも初めて知った。
    冤罪が起こってしまう仕組みを根本から変えてほしいし、冤罪が起こらない社会であってほしい。

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    2026年05月18日
  • 未明の砦

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    冒頭の爆発事件はなぜ起きたのか、よくわからないまま話が展開していく。また、登場人物が多いために、話を追っていくのがやっとであった。ただ、読み進めるごとに全貌が少しずつ見え、登場人物の味もわかり、読み進めることが楽しくなってくる。私が働いている会社には組合がないため、泣き寝入りすることが多々ある。そんな状況の私には、非常に痛快な物語であった。

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    2026年05月16日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

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    再読です。前回は電子書籍、今回は文庫本。前回読んでから1年半、状況はますます悪化しています…

    →前回の感想
    解説のとおり恐るべき傑作だと思います。読み終わって茫然自失、溜息すら出ませんでした。久しぶりの太田さんでしたので大いに期待して手に取りましたが、冒頭いままでと全く異なるトーンに驚きました。それでも読み進めるにつれ根底はは同じと気付き、長い物語ですが一気に読まされました。感想や思いがたくさんありすぎて書ききれませんが、私は風刺というよりも反省のない人類への警告と読みました。ナチスドイツ、日本陸軍、そして極右勢力に牛耳られた今の日本と、人間は性悪で経験を生かすことも反省することもできない動

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    2026年05月11日
  • 幻夏

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    切なさと悲しさが交差する物語で何度も胸が締め付けられそうになったけど、最初から最後まで本当に面白かった。

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    2026年05月06日
  • 未明の砦

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    冒頭警視庁の捜査員が、追っていた容疑者に逃げられる所から始まります。
    どんな犯罪を犯したのだろうと思いながら、読んでいくと今度は追われる側の4人の若者が、捜査員に追われるまでの物語が展開されていきます。
    自動車工場で過酷な環境下で働かれている非正規労働者の4人。彼らのことを知れば知るほど、応援せずにはいられなくなります。
    そして彼らを支えてくれる人達も、魅力的な人達が多かった。
    この本を読むことで、勉強になることも多かったです。現政権、警察、検察のやることに疑問を持つことが多い中、このタイミングでこの本に出会えて良かったです。
    結構な分厚さに読むのに気後れしてしまうかもしれませんが、若い人や非

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    2026年05月06日
  • 犯罪者 上

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    ネタバレ

    最初からすごく引き込まれた。
    通り魔殺人から始まるが、その背景には想像を超える色んな問題が絡んでいて、
    読む手が止まらなかった。


    個人的には、亜蓮に繋いでもらうために
    渋谷の美容師さんに亜蓮の連絡先を聞くくだり。
    これ簡単に連絡先教えるの?!とびっくり。

    亜蓮も知らん人に仕事頼まれて修司に連絡先聞いただけなのに、いきなり連絡きて会うんかーいとなったけど...
    修司のことめちゃくちゃタイプだったのか。

    そこだけよくわからなかった。

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    2026年05月04日
  • 犯罪者 下

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    先に幻夏を読んでしまっていた!
    落としどころはこういう感じだろうという期待を裏切り、塗り破っていく展開。大企業や政治家、裁判になった場合など、社会問題もありつつのストーリーがリアリティを増していてよかった

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    2026年05月03日
  • 未明の砦

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    やっぱり太田愛さんはスゴイ!
    今回も強烈なメッセージを伝えてくれています。
    登場人物が多くても一人一人のキャラクターがしっかり立っているから混乱せずに読めるのも、この作者さんのスゴイところ。この分厚さがたまらなく嬉しいと思える本にまた出会えて幸せでした。

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    2026年05月03日
  • 犯罪者 上

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    今夏映像化ということで改めて記しておく。知人から紹介されて知った太田愛さんの作品、最初はその導入に戸惑ったが、読み終わった今は見事な導入だったと思う。主人公の一人があれよあれよという間に犯罪者となっていくスケール感とテンポがとてもいい。上下巻でだるみがちだと思われる展開は予想を遥かに超えて余分を削ぎ落とされていてソリッドだ。

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    2026年05月01日
  • 幻夏

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    尚と拓、母の香苗の親子、兄弟関係はとても素敵だなと感じた。故に、起こった悲劇。
     冤罪は、本人とその周りにまで影響を及ぼす。実際にも冤罪事件の報道があったがどれだけ苦しい思いをしてきたのだろうと想像も出来ない。
     ちょっとしたことや勘違い、思いこみで人は変わるし人生を狂わせることもある。 
    長編大作‼️ひさしぶりの2回目完読だったけど考えさせられる

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    2026年04月28日
  • 未明の砦

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    ⭐︎6 。
    素晴らしい。最初何のテーマの話なのか分からないまま一気に引きこまれその勢いのまま最後までずっとおもしろかった。
    600頁の物語は、自分もユシマの派遣労働者達を間近で見てるようなリアリティある気分にさせられる。
    自動車期間工として働く派遣労働者達の過酷な環境、それを取り巻く経営側、繋がる政府、警察、、

    現実でも契約社員と社員の待遇の差をうめるため同一賃金同一労働の声が上がったことを思い出した。社員の休暇日数を契約社員に合わせることで合意がされ不満の声が上がったが、そんなレベルではない奴隷のような働き方をしてる人達もいることを知り悲しくなった。
    4人に人権や労働について教えてくれる、

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    2026年04月23日
  • 天上の葦 下

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    ネタバレ

    (上下巻とも感想内容は同じ)
    本書は<鑓水、修司、相馬>が活躍する3部作の最後のシリーズ。前2作品は既読。このシリーズのこの3人組(!?)が大好きで、シリーズ最後のこれを読んでしまったらあとがなくなる、それは寂しすぎる!! との思いから、読むのを先延ばしにしまくってきた本。最近作者の本を調べたら、この後に数冊新作が出ていて、そちらの方も評判は上々だったので、だったらこの本を安心して読める…と、読むことにした。

    いや~、相変わらずすばらしかった。
    本書では3人組のうち鑓水に焦点が当たっているのも、鑓水をいちばんのお気に入りにしている私にはうれしい内容になっていた。が、先の戦争=太平洋戦争を絡め

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    2026年04月22日
  • 天上の葦 上

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    ネタバレ

    (上下巻とも感想内容は同じ)
    本書は<鑓水、修司、相馬>が活躍する3部作の最後のシリーズ。前2作品は既読。このシリーズのこの3人組(!?)が大好きで、シリーズ最後のこれを読んでしまったらあとがなくなる、それは寂しすぎる!! との思いから、読むのを先延ばしにしまくってきた本。最近作者の本を調べたら、この後に数冊新作が出ていて、そちらの方も評判は上々だったので、だったらこの本を安心して読める…と、読むことにした。

    いや~、相変わらずすばらしかった。
    本書では3人組のうち鑓水に焦点が当たっているのも、鑓水をいちばんのお気に入りにしている私にはうれしい内容になっていた。が、先の戦争=太平洋戦争を絡め

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    2026年04月22日
  • 犯罪者 上

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    2012年初版。とにかく面白い。スピーディーなストーリー展開。ドキドキが止まりません。500ページを超えるボリューム。下巻で、どのように物語が進むのか楽しみでたまりません。

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    2026年04月22日
  • 幻夏

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    ネタバレ

    冤罪とそれに巻き込まれた家族の話。「23年前にいなくなった子どもを探してほしい」依頼を出した時点で母の香苗は尚が生きていること、そしてとんでもないことをしているのではないかと気づいていたとは…辛すぎる…。自分の死期が近づいても母の子を思う気持ちは永遠だなと泣けた。
    拓は当時8歳。何も知らない無邪気で逞しい子どもだった。何も知らないから、尚が危ない目にあってる守らなきゃ!という気持ちだけで、以前尚に助けてもらった時と同じやり方で近づけさせることなく大人をやっつけた。でもそれが自分たちの父親だった。しかも冤罪だということが証明されて自分たちに会いに来ていたときに…。辛すぎる、
    そして尚は、父を無自

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    2026年04月19日