太田愛のレビュー一覧

  • 未明の砦

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    面白かったです。すぐ前に読んだ「幻夏」があまりにもよかったので、比べるともう一つ。でもそれって、その時の自分の好みとか、その時の自分の状態とかも、反映してるのかも。そして、さすが脚本家。映像が浮かぶし。政治家と警察側の大きな圧力、陰謀?!そして警察側から、はみ出しものの刑事と子分のようなパートナー。取材陣の2人ペア。大手企業側、裏切り者。力のない労働者たち。4人の若者。4人を助けてくれる人達。登場人物が、それぞれ個性的で魅力的。一つ一つのエピソードを読んで楽しむことができる。今年の最後に、太田愛さんの作品に出会えて良かったです。来年は「天上の葦」読みたい❣️

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    2025年12月28日
  • 幻夏

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    よかった。でも、悲しかった。深みのあるドラマでした。「犯罪者」に続いて読みました。太田愛さんの大ファンになりました。脚本家でもあり、さすが、映像が浮かぶような素晴らしい文章。

    子供の時の思い出。友情。子供の考える世界。子供なりに、自分の家族を守ろうとしたことが、悪い方向へ。おとうさんは人殺し、それを背負う家族たち。火のないところに煙は立たないと、やはり思ってしまう、私たち日本人。大人の階級の強い世界。冤罪と、その周囲の人達。考えさせられることが多かった。ハラハラドキドキ、なぜ、なぜと、読書は楽しめた。読後は、ぼーーー。

    3部作と言われているので、もう一つ読みたい。

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    2025年12月25日
  • 犯罪者 上

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    よかった!一気読み。通り魔事件と、乳幼児の奇妙な病気と、大企業でのことと。少しずつ、つながってきて。最初は、バラバラの小さな物語を読む感じで、登場人物が多くて、頭の中もバラバラなんだけど、一つ一つ丁寧に描かれていて、映像が見える感じ。相棒の脚本家さんでもあったのですね。なるほどという感じでした。上巻読んですぐに下巻も一気読み。楽しかったけど疲れました笑。

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    2025年12月24日
  • 幻夏

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    ネタバレ

    犯罪者と同様、読み応えがあり面白い。1日で一気に読んだ。
    冤罪がテーマだったが、冤罪、子供の失踪、子供の誘拐事件、関連がない人たちの殺人と、これもまた繋がりが全然わからない中進む。しかし、この話は相馬の子供の頃のエピソードが重要にからんでいて、心情の描写が心に響く。ほんのささいなタイミングの悪さでどんどん悪い方向にいく悲しさみたいなのがすごい。冤罪に巻き込まれた家族は、家族をお互いに思い遣っていて、それが余計に辛い。とにかく家族を思っての尚の行動に悲しい気持ちになる。

    冤罪を生む司法制度への問題提起になっているのだけど、それ以上に巻き込まれた人々へ気持ちが入ってしまう、一作目以上に登場人物の

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    2025年12月18日
  • 天上の葦 下

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    警察官(半田)が警察官(山波)を追って警察官(相馬)がそれを追って、それをまた警察が追うという。島の人も困惑しただろうなあ。
     複雑な長編だったが、全体から読者に訴える、無自覚なうちに支配されることへの危機感を受け取った。

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    2025年12月16日
  • 幻夏

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    続きが気になって、スラスラと読んでいた。
    テンポよく矛盾も回収されない伏線もなく、とてもすっきり終わったように思う。
    ただ、読み終わってからも、
    もっと良い方法はなかったのか、良い道はなかったのか、そればかり考えてしまう。

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    2025年12月16日
  • 犯罪者 下

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    ミステリーではあるが、濃厚な人間ドラマが丁寧に描写されており、冒頭から一気に引き込まれる。
    読み進めていく中で、何でこんなにも上手くいかないのかと、読んでいて何度も何度も思わされた。笑

    作中では、国家権力ともぶつかっていくが、物事がそう簡単に進まずに、何回も絶望しそうになる中、信念を持って立ち向かっていく主人公達がとても印象的。

    全てが上手くいくわけではなかったが、それでも、一番大事な目的はきちんと果たされていたと思う。

    ボリュームはあるが、お勧めしたい一冊。

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    2025年12月14日
  • 犯罪者 下

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    ネタバレ

    ハァ…すごい小説だった…天才じゃん…
    星ってなんで5個しかつけられないんですかね…10個つけたい。

    結末に向けての謎解き逆転劇だけじゃなくて、すごくリアル。昨今の色んな事件事故の裏側には計り知れない葛藤がありますよね…
    まじでフィクションとノンフィクションのバランスが絶妙だし、雪の日の凍結臨とか磯部の引退後の描写とか最後の噴水広場とかとにかく情景の描写が秀逸。
    頭で映像化してそれを情景として捉えてから文字に起こしてる感じで、不謹慎ながら滝川の殺人の描写さえも引き込まれてしまった。

    上巻は修司の話しから始まってるんだけど、そこあってこその終盤だったし修司の事ただのやんちゃボーイだと思っててご

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    2025年12月14日
  • 犯罪者 下

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    非常におもしろかった!
    あっという間にストーリーに引き込まれ、気がついたら下巻に入ってました。

    登場人物の個性、物語の深さ、心理描写、
    どれをとっても圧巻の仕上がりでした。

    映画化されたら是非みたい作品。

    【覚書】
    通り魔殺人
    メルトフェイス

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    2025年12月11日
  • 犯罪者 上

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    ネタバレ

    途中からどんどん引き込まれた。
    散りばめられた場面がどう繋がっていくのか楽しみ。不法投棄については確かにそうだと気付かされた。今の時代は改善されているかはわからないが、生産ラインが増えてるのに捨てる場所は増えないという問題。誰かがしないといけない仕事。

    政界も絡む巨大企業に3人がどう立ち向かっていくのか下巻も楽しみです。

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    2025年12月05日
  • 幻夏

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    「冤罪」をテーマにした本作
    自分にもあった少年時代の夏の思い出
    近所の名前も知らない友達と神社の境内や公園で夢中になって遊んだ記憶が蘇る

    クライマックスに近づくにつれて読み終わるのが惜しまれる大変良い作品でした。

    著者の他の作品も近々手に入れたいと思う。

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    2025年12月03日
  • 犯罪者 上

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    ネタバレ

    あの…また天才を発見してしまいました…
    読み始めからずっと面白いのすごい…(語彙力なし)

    小説って壮大な物語でもだいたい登場人物が固定されていて主人公目線で語られていく感じだけどそれがないの。
    全ての登場人物がどこかで交わって人生の物語が交差していく過程であの時のあの瞬間や何気ない選択が底支えとなって進んでいくので、小説って言うより映画やドラマみたい。と思ったら太田さんって脚本家なんだと納得。

    通り魔で犠牲になった印刷工場のおじさんの奥さんのくだりとかなぜかちょっと泣いちゃったんだけど、本当に何気ない日常と事件の描きかたが天才すぎる。

    あと「にんじん」のくだりで「アァァァァァァァァッ!」

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    2025年12月03日
  • 犯罪者 上

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    ネタバレ

    ⭐︎3.9
    ・駅前の通り魔事件。一見無差別としか思えない事件の裏、大企業の陰謀や乳児を襲う謎の奇病などとんでもない事実が隠されていて、良い意味でなかなかにしんどい上下900頁だった…。
    被害者5人の共通点の有無や事件の生き残りである修司が執拗に命を狙われる理由など、魅力的な謎が散りばめられていて読む手が止まらず。
    登場人物たちの心理描写もとにかく丁寧で、メインの人物はもちろん、それ以外の人についても深く描かれるので、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。
    丁寧すぎて、冗長に感じる部分も多かったかな。個人的には読みやすいというよりはじっくり物語の重みを味わえるような作品だった。

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    2025年11月29日
  • 犯罪者 下

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    ネタバレ

    ⭐︎3.9
    ・駅前の通り魔事件。一見無差別としか思えない事件の裏に、大企業の陰謀や乳児を襲う謎の奇病などとんでもない事実が隠されていて、良い意味でなかなかにしんどい上下900頁だった…。
    被害者5人の共通点の有無や事件の生き残りである修司が執拗に命を狙われる理由など、魅力的な謎が散りばめられていて読む手が止まらず。
    登場人物たちの心理描写もとにかく丁寧で、メインの人物はもちろん、それ以外の人についても深く描かれるので、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。
    丁寧すぎて、冗長に感じる部分も多かったかな。個人的には読みやすいというよりはじっくり物語の重みを味わえるような作品だった。

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    2025年11月29日
  • 幻夏

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    ネタバレ

    手を怪我した仔犬の四郎が元気にやっているように、尚も立ち上がれるのではないかと願わずにはいられない。
    最後に尚の瞼に浮かんだ思い出が三人の少年の始まりであったのがすごくすごく心にきた

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    2025年11月29日
  • 幻夏

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    何度も胸がギューっと苦しくなった。
    あーー素晴らしく面白かった!
    こんな作品に出会えると、読書しててよかったー!!!って思う。

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    2025年11月29日
  • 天上の葦 下

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    ネタバレ

    太田さんの3人組ラスト!鑓水1番好きだからとても楽しかった。
    戦時中こんなことがあったんだなと。私が当事者だったら、国が大丈夫って言ってるし、みんな残るし、みたいな正常性バイアスで逃げれないだろうな。
    現在のメディアにいたとしても長いものに巻かれて動けない側だと思うから、ちゃんといけないことはいけないしこれは違うってわかってて動いてくれる人たちほんとかっこいいし尊敬する。
    鑓水が適当なこと言いながら適当な態度で、ちゃんと修司や他の人のこと守ってあげてるのがかっこいいー!
    最終章めちゃくちゃ泣けた。

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    2025年11月27日
  • 天上の葦 下

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    プロローグ

    太田愛氏の3部作を読み終えるとそこは福井だった
    達成感と喪失感とが綯い交ぜになった感情に
    この福井という地は寒すぎた
    マフラーを締め直すと、灯りのついた駅を後にした


    本章
    『天上の葦 下』3人が紡いだ軌跡に★5
    いゃ〰熱かった!
    熱過ぎた!

    謎多き曳舟島での衝撃の真相と鬼気迫る脱出
    そして鑓水たちと公安との最後の攻防

    太田愛氏、読ませるな〰まったくー
    好きになっちゃうよー

    正光が指さしていた真相が判明した時
    渋谷スクランブル交差点の景色が一変する
    そこには、確かに戦後復興間もない渋谷があった!

    子供らには自由がある
    思ったことを口に出して話す自由!
    悲しい時に声を上げ

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    2025年11月26日
  • 天上の葦 上

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    プロローグ

    とてつもない巨神から、鑓(ヤリ)が投げられた 
    鑓は、七つの雄大な大陸を飛び越え
    やがて、水源に突き刺さった!

    そして、その水源から鑓水七雄が誕生した
    そう、この物語の主人公だ


    本章
    『天上の葦 上』★5
    2つの事件&物語が交差する
    正光が渋谷のスクランブル交差点で 
    逝く前に指差したものとは!?
    真相とクライマックスの下巻へ


    エピローグ(告知)
    本書とは、全く関係ないが、先日コレド室町の
    地下にあるタロー書房に赴いた
    初めて入店したが、いい本屋だ
    国内にとどまらず、海外ミステリーも豊富に
    取り揃えている

    その中に見つけたんだ

    宝石の原石を
    私に向かって輝いていた

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    2025年11月23日
  • 天上の葦 下

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    上下あわせて800pの大作ではあるが、まさしくの一気読み。脚本家のせいか映像が浮かんでくるような作風。もっと知名度があってもよいと思う。大きな賞も取っていないし、小説そのものの映画化も無いみたいで、そこそこ本を読んでいる自分も最近まで知らなかったのが残念。
    本作がこのミス18位というのは、自分にとっては「謎」でしかない。

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    2025年11月22日