太田愛のレビュー一覧
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失踪した公安警察官の山波を追って、相馬、鑓水、修司の3人は瀬戸内海の曳舟島へ。その島には、渋谷の交差点で天を指差しながら、絶命した正光の過去を知る「白狐」と呼ばれる人物の手がかりが。彼は一体誰で、正光は亡くなる寸前、何を指差していたのか…。
相馬、鑓水、修司の3人組、3部作の最終作。
死に際に天を指差した老人、失踪した公安警察官、政治家とマスメディアの関係、正光の過去を知る「白狐」、様々な点が結ばれて1つの大きな事件の全貌が明らかになった。
今回もどんどんどんどん話が深まり、絶対、上手く事が運ぶと思うんだけど、ヒヤヒヤドキドキしながら、物語の展開を楽しんだ。
ここ最近、戦争の話を多く読む -
Posted by ブクログ
白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で、何もない空を指さして絶命した。死の間際、老人は何を指差していたのか?その謎を突き止めるよう興信所を営む鑓水と修司のもとに依頼が舞い込んだ。依頼人はあの人物。報酬金は1000万円。そして老人が死んだ同じ日、1人の公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられた停職中の刑事・相馬。2つの事件に鑓水、修司、相馬の3人が挑んでいく。
ついに、鑓水、修司、相馬の素敵な3人組の3作目に突入。今回、影の主人公は鑓水。
不可解な老人の死、不明の公安警察官、新興宗教、マスコミと政治家の関係、戦時中の日本軍。またまた、多くの点が現れた。これが後半、1つの線とな -
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上巻の続きです。
相馬と鑓水、そして修司は通り魔事件の裏に巨大企業と政治家が関与していることを突き止める。そして、「佐々木邦夫」という人物が事件の鍵を握ることも掴み、3人はそれらの事実を暴くことを企てる。
改めて、太田さんはすごすぎます。
奇病に罹った乳幼児たちの未来より、自分たちが助かりさえすれば良いという考えが全ての始まりで、巨大企業の隠蔽工作、政治家との癒着、警察の裏の顔と世の中の悪が、これでもかっていうくらい出て来た。そして、それらの悪が絡み合い、ここまでストーリーが深まっていくなんて、想像すらできなかった。
世の中の底辺と言われる人生を歩んできた真崎さん。彼こそが真のヒーロー -
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白昼の駅前広場で、通り魔事件が発生した。4人もの死者が出たが、犯人は近くの雑居ビルで薬物中毒により死亡。ただ1人助かった青年、修司は搬送先の病院で、見知らぬ男に「あと10日、生き延びてくれ」と言われる。その後、謎の男に襲撃された修司は、一匹狼の刑事、相馬に助けられる。修司は相馬の古くからの友人、鑓水の所に匿ってもらうことに…。
太田さん、すごすぎます。皆さん、絶賛するのがわかります。先日読んだ『幻夏』も心が揺さぶられる作品だったけど、今作もなかなかもの。
通り魔事件から、謎の奇病、巨大企業の古すぎる体制、警察組織の裏の顔、次から次へといろんな悪いものが出て来ます。でも、ぐちゃぐちゃにならず -
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ネタバレ幻夏
端的に、面白かった。
冤罪、司法制度がテーマになっていると思うが、それに巻き込まれた家族の想いは想像するに余り有る。
特に、家族を守るために名前を捨てた尚と、父の死の真相を知った拓は、何を想い何を考えたのか。
言葉にならない。
個人的には香苗の元にマスカットのケーキが届いたシーンと、最後に指笛を鳴らすシーンが好き。
また、これは嫌いだが良いと思った展開として、父の時間に関わった人間が結局は普通に良い人生を歩んだところがある。安易に復讐成功!ざまぁ!としなかった展開を書けたのは素晴らしいと思う、感情的には没落展開になって欲しかったけれど、幻夏はそういう話ではない。 -
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事件を大きなジグソーパズルとして、ばら撒かれた謎は小さなピースで、ひとつずつ読んでいって形にしていく感じ。
いやまぁ、ミステリーとはそういうものなのでしょうけど、この3部作はどれもそのピースが細かいし、パズルは大きくて難しい。
そんな風に思えました。
特に今作は、舞台も田舎の小島へ移動するし、戦争や報道の在り方など、読んでいて一番しんどかったかもしれない。
綿密に練られた事件、謎、全て回収されていく後半は、鮮やかでお見事以外の言葉が見つりません。
読んでいる間の充実感。
物語の満足感。
読み終わってしまった喪失感。
もう、全て味わえました。
どれも少しずつ毛色の違う3部作。
はー面白かった -
Posted by ブクログ
圧巻!
脚本家として十分過ぎる実績があるとはいえ、小説はこれが処女作なんだとか。
ミステリとサスペンスを基調に、大企業の隠蔽工作や政治家との癒着、原因不明の奇病など、色んな要素を複雑に絡めつつ、登場人物も多くてなかなか壮大なストーリーなのに、上手く場面や視点を切り替えながらすごく整理されていて、迷うことなくサクサクと読めました。
なかなかの文量なのに、停滞することなく、グイグイと引き付けられて、のめり込んでしまいました。
大まかに言えばハードボイルドでもあるのでしょうけど、すごく緻密な構造になっており、色んなシーンが後から繋がっていく様子はミステリの手法そのもの。
社会派ミステリとしても楽し