太田愛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ怖かった…
ここ数日、アフリカのホームタウン問題に、アメリカのチャーリー・カークさん、フランス、ネパール、ドイツ…世界中がえらい事になっているのにTVでは全然報道されない。
というかここ数年TVの報道の在り方に疑問が生じてもうそれほどTVを付けていない。
だから、今生きている現実と本があまりにもリアルすぎて怖かった。
正直、TVの言っていることを鵜呑みにしてのほほんと生きていられた頃に戻りたい。
でもそんなことしてたら、また気付いた時には何も言えなくなっている時代に戻ってしまうんじゃないかという恐怖もある。
今はTVも新聞もネットの情報も全てどこかに何かに忖度しているんだろうと疑いの目をもって -
Posted by ブクログ
非常におもしろかった。
終わり方が好きだなと思える小説は珍しい気がする。司法に関する情報量はもちろん、ミステリーとしての技巧、物語の内容の濃さ、なによりひとつのお話しとして好きな終わり方だった。
ところで、日本の司法制度がここまで構造的問題を抱えているとは知らなかった。
組織的であるが故の病理が、様々な悪弊を連鎖的に生み出している。裁判官の昇進も長時間労働が前提の仕組みだ。司法だけでなく世の中の問題が多面的に示唆されているのがすごい。
刑務所で過ごした時間を奪っただけでなく、社会的地位など、時間以上のものがこんなにも簡単に奪われてはいけないと思う。冤罪被害者もある意味で"殺された& -
Posted by ブクログ
苦しみと喜びと入り混ざりながら、本当に読めてよかった1冊になりました。
上巻からのスピード感を失うことなく、白虎を突き止めるまで、そして公安との駆け引きの緊張感でページを捲る手が止められませんでした。
上巻から引き続き情報量は多いし、内容的にも苦しくなる瞬間も多々ありました。それでも読んでよかった。
ジョージオーウェルの「1984年」を思い出しながら、「1984年」を読んだ後と同じく満足感でも喜びでもない、でも確かに頭と心が満たされている気持ちになりました。
結末も、個人的には前作の「犯罪者」より好み。未来に希望を持てる。
鑓水たちのシリーズはこの3作で終わりなのかなあ、もっと読みたいな -
Posted by ブクログ
ページをめくる手が止められず、早く下巻が読みたくなる!
太田愛さんのシリーズ3作目。
「犯罪者」、「幻夏」を読んでから本作を読んだ方がより楽しめそう。
2つの事件を行き来しながら読み進めるので少し複雑なところはありますが、それぞれの事件の真相が少しずつ重なっていくのが面白い。
上巻では、謎が謎を呼び、ひとつ真実に近づくと新たな謎が生まれ…という感じで、まだまだ事件の革新には遠そう。このあとどうなるんだろう?続きが気になるー!
「犯罪者」が修司、「幻夏」が相馬の話だとすると、こちらは鑓水の話という感じかな。いつも飄々としてる鑓水の心の内を覗くシーンも多く、そこも楽しかったです。
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Posted by ブクログ
ネタバレやっぱり天才。
最初の2篇はストーリーというよりは構成でうならされる。
十月の子供たち、は、昔の戦争の話だと思って読んでいると、小道具から現代の話とわかる。
戦争が昔のことでなく、まぎれもなく"今"のことだと思い知らされる。
サイレンでは、時間軸に混乱させられつつ読み進めていくと、現在にたどり着く。
環境が、周りが変わっていく中で、自我の中での自分はなぜか変わらない。
同じ場所に留まり続けることでおぼえる無限ループ感。この世に根を張る、という事を「知っていく」ことと「知っているものが失われていく」ことを同等に描くことで、自分がいくら変わらないつもりでいても、否応なしに時間 -
Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらず社会派ミステリーとして圧倒的な読み応えと面白さでした。
報道の自由が奪われていき、弾を補充するように人の命が投入されては消えていった戦時の話の数々を通して、「今現在があの時にどんどん近づいていっていないか?」という警鐘を鳴らす作品。
社会派作品としてのメッセージ性の強さや素晴らしさはもちろん、ストーリー展開もすごく良い。
文量がかなりあるけれど、中盤から終盤にかけて頁をめくる手がどんどん早くなるし、止まらなくなる。太田愛先生の作品らしく今回もまるでドラマを見てる時のような、ハラハラドキドキを味わえました。
やっぱり太田愛先生はすごまじい…『犯罪者』も『幻夏』も良かったけれどこちらの -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦時中、国民総動員に向かうプロパガンダとして、新聞や放送などジャーナリズムが国家によって操作されていくことの恐ろしさをまざまざと感じた。
結局、あの大戦はだれが向かわせ誰にとって有益なものだったのだろう。日本中を焼け野原にし数百万人を死に至らしめ、学ぶことも個人の意思もすべて取り上げられ、飢えや病が蔓延した時代。
加害者も被害者も大きさの違いはあれど・・・
真実を知りながらも公安という組織が日本中を統制し、声を上げられなかった人々はその罪を抱えながら戦後を生きていく。
焼け野原に降り立ったのは米人だったが、もしアメリカがこなかったら日本はロシアか中国に支配されていたのだろうかと思うと、空恐ろし -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白いと評判の太田愛さんの作品。初めて手に取ったのだけど、とても面白かった。
とても分厚く、非正規や労組などといった内容で読めるか不安だったけれど、思っていた以上に読みやすかった。
いきなり警察に逮捕されそうになる矢上達。
何をした罪で?と思って読み進めると、まさかの共謀罪。
非正規で雇われ夢も希望もなく、日々生きるだけで精一杯の若者が周りの老人達から知識を与えてもらい現状に疑問を覚え、法律に則って労組を作って労働者の権利を行使しようとした事が逮捕に繋がるなんて!
どのキャラクターも魅力的で、一気に読んでしまった。
別の本も読んでみたいと思う。