太田愛のレビュー一覧

  • 犯罪者 下

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    正義と悪。利他と利己。はみ出し者と権力者。

    無鉄砲な修司、間違ったことができない相馬、飄々としている鑓水。主人公3人全員クセが強くて優しい。ドラマを見ているかのように3人の姿が目に浮かぶ。

    ギリギリの展開が続く緊迫感と巨悪を少しずつ追い詰めていく高揚感で、手に汗を握りながら読み進めた。

    大物政治家と大企業の癒着。社会やメディアから被害者への無責任な攻撃や好奇の目。国を相手にする裁判の難しさ。社会的なテーマも多く描かれていて、非常に読み応えのある物語だった。

    森村と服部は本当に不幸になってほしい。

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    2025年11月13日
  • 犯罪者 上

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    通り魔殺人を唯一生き残った青年に、謎の男から告げられる「あと10日生き延びろ」。乳幼児の顔が半分なくなる奇病・メルトフェイス症候群。
    無関係に見える二つの出来事の真相を追う社会派ミステリー。

    登場人物や背景描写が多いので物語に入り込むのに時間がかかったが、主要人物はキャラが立っているので読み進めれば没頭できるし愛着が湧く。
    全容が見えてくるにつれてどんどん次の展開が気になってくる。作者が脚本家だけあって映像化したらいい作品になりそう。下巻が楽しみな終わり方。

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    2025年10月29日
  • 天上の葦 下

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    なんかすごい考えさせられた。
    改めて権力って色んな意味で怖いなぁと思った。
    渋谷の事件からこんなふうに物語が繋がるのは思いもしなかった。

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    2025年10月19日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    死の香りを纏う短編集。どの短編も空気感が好きで、それぞれにのめり込む。特に夏を刈ると鯉はめちゃくちゃ引き摺る。死と嘘の漂う感じがほんまに良くて、気持ちが複雑に絡まり苛まれる。私も後から来る人のために石を退けておく側の人間として生きたい。

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    2025年10月12日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    初めて太田愛さんの著書を読んだ。一つ一つの描写が細かく、それの積み重ねによって情景がより繊細に浮かび上がる体験をした。言葉や表現の選択が非常に美しい。なぜこんな言葉が使えるか知りたい。
    満点をつけなかったのは、おそらく自分の読書力が足りなくて十分に作品の魅力を感じきれてないからかと感じさせられたので。
    最後の短編なんかは、なんでこんな物語が書けるのか本当に不思議。中学生のなんとも形容し難い感情を給水塔と掛け合わせて表現していて、物書きの才能に溢れた天才の子供しか描けないやろという感じ。
    他の作品も読んでみたい。

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    2025年09月11日
  • 天上の葦 下

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    なぜ今になって
    老人はあの空を指ささなければならなかったのか…
    まるで残された命を燃やし尽くすようにして…

    老人の不可解な死と
    公安警察官の失踪を調べるために
    鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く



    老人が絶命した瞬間から
    小島では大きな歯車が動き出していた…

    穏やかな島の営みの裏では 大きな秘密を隠すべく
    公安の警察官をも巻き込みながら
    巧妙なトリックを仕掛けていく…



    人生の最期に流れる時間は
    降り積もる雪のように
    現在の風景を覆い隠して
    過去へと押し戻すのかもしれない…

    闘えるのは 火が小さなうちだけだ
    やがてその火が繋がり 風が起こり
    風がさらに火を煽り

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    2025年09月08日
  • 天上の葦 上

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    渋谷のスクランブル交差点で
    雲一つない空に向かって
    何かを訴えながら絶滅した老人が
    最期に見ていたものはなんだったのか…

    その意味を探るため
    鑓水、相馬、修司が事件を追っていく

    3人の名コンビ!! また会えて嬉しいー!!



    その一方で…1人の公安警察官が忽然と姿を消す

    ふたつの事件を追いながら
    謎が謎をよび…
    ひとつの真実が近づくと
    また新たな謎が生まれ…

    事件の核心に触れそうなあたりで
    上巻が終わるため
    くぅぅぅ〜早く読みたい〜と
    下巻に手を伸ばしてしまう!

    大きな敵に立ち向かう鑓水たちを
    最後まで見届けたい!!

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    2025年09月06日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    自分の心の拠り所の場所
    今の自分を作ったはじまりの場所
    その場所や景色と共にある
    幸せな記憶や忘れたい思い
    普段振り返ることはないけれど
    自分にとってホームベースのような
    場所や景色は永遠にそこにあるわけではなくて
    消滅することでそこが大切な場所だとわかる
    それを教えてくれた
    5つの物語でした

    懐かしい景色が思い浮かぶ
    お話もありました


    遊戯室(十月の子供たち)は
    現在進行形の
    ホームタウンの略奪の話では?
    読んだ後 暫くしてその事に気がつき
    いたたまれない気持ちになりました

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    2025年09月05日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    Audible。ただ展開に最初入り込めず、間をおいて挑戦。途中からとても面白くなり、スカッとすることができた。弱者が強者を倒す王道物語だけど単純ではないところが良い。労災隠しや組合潰しなど設定上振り切れ感があり、クルマ世界企業のユシマは超絶ブラック企業で笑えるが、細かい点はあるあるだったりもする。労働法周りのうんちくも多く目で追うとしつこいかもだけど、耳で聴く分には気にならず、あらためて勉強になった。太田愛さんは相棒とかドラマ脚本の出身。面白かったので幻夏3部作もこの機会にそろえた。また読んでみたい。

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    2025年09月04日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    5つの短編集と1つのエッセイでなりたっていた。短編集は不安と悲しみを与えてくれる。そして余韻を残して終わってしまう。これも著者の作風のひとつかも確かに心に残る一冊だった!

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    2025年08月10日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    社会派ミステリーのイメージが強い太田さん。みなさんの評価も高い作品が多く、ずっと読んでみたかったが、なかなか読む機会がなく、ようやくこの短編集を読んだ。

    が、短編5作品とエッセイからなるこの作品。全然社会派でなく昭和レトロなノスタルジックなものばかりで、太田さん初読みの私には「あれ?」っとなった。

    今までの作品が好きな方にはあまり評判がよろしくないようだが、日本推理作家協会賞にノミネートされた『夏を刈る』や『鯉』などは「最後にそうきたか!」と驚き、最初の作品『十月の子供たち』は80年前の日本や今まさに起こっている遠方の国の様が感じられ、胸の締めつけられる思いになった。

    次回はぜひ太田さん

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    2025年08月09日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    ノスタルジックで幻想的ながら、うすら寒さがひたひたと迫ってくる作品集 #最初の星は最後の家のようだ

    ■きっと読みたくなるレビュー
    太田愛先生の作品集。「トワイライトゾーン」に吸い込まれたような世界観で、幻想的でありながらも、うすら寒さをひたひたと肌で感じるのです。

    いつもの先生が題材にあげる社会課題を提起するお話から、人生や死に対する恐怖を描いた作品もある。バラエティに富んでるので、飽きずにあっという間に読み進めちゃいますね。

    なお各編の表題名は、家の間取り名とタイトルがセットなっています。旅立つ前に帰ってきたような…いや、初めて訪れる家に来て出会ったような、そんな作品集なんですよね。細

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    2025年07月26日
  • 未明の砦

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    感想
    日本の労働環境の悪さが学べる。会社にばかり有利な法改正で人は使い捨て。第二次世界大戦から変わってないな。

    安く使われる日本の労働者の改善が進むといいなぁ。世界に比べると相対的貧困になってくるのも近い。

    途中で労働史が挟まっててその部分は読むのに苦労した。


    あらすじ
    ユシマの工場で働いていた矢上、脇、秋山、泉原は警察に逮捕されそうになったが、その直前で火事を契機に逃げられる。

    物語は4人がユシマで働き始めた時に遡る。4人が非正規で働いていた自動車工場の班長だった玄羽に夏休みに亡くなった妻の実家に誘われる。最初、4人は純粋に夏休みを楽しんでいた。

    話は現在に戻り、4人の行方を追う

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    2025年07月10日
  • 未明の砦

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    読後、じわじわと感情が押し寄せてくる。
読みやすいのに、深くて重たいテーマが静かにのしかかってくる。

    非正規雇用や労働者の歴史と現実に真正面から向き合いながら、
美しい風景描写と緻密な人間ドラマでぐいぐい読ませてくれる物語。
読み応えがあるのに、気持ちよく読み進められる。
読めてよかった、心からそう思える作品でした。

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    2025年07月09日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

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    ファンタジーというか、中世ヨーロッパの世界観なのに、中身が分かってくると、まるで現代社会、日本への警告メッセージ。
    選挙に参加して、しっかり考える必要性を教えてくれます。

    太田さんの作品で、そうがい、って読めるようになりました。

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    2025年07月03日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    大手自動車メーカー〈ユシマ〉で働く非正規工員の矢上、脇、秋山、泉原の4人。
    玄羽と笛ヶ浜で過ごした夏をきっかけに、慣れてしまった日常の不公正に反旗を翻し闘いが始まる。

    自分たちの無知を知り、知ろうとする姿勢。
    大事な人のために動ける行動力、熱力。
    4人の変化には目を見張るものがあった。

    デモのようなものにはどこか抵抗感があったが、この物語を通して正しいことを主張することは規則を守りながら規則を変えられない状況において、当たり前の権利だと感じた。

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    2025年06月28日
  • 天上の葦 上

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    「犯罪者」「幻夏」からのシリーズ3作目。スクランブル交差点で亡くなった老人と行方不明の公安。2つの事件がどう絡んでくるのか気になって読むがボリュームが凄い。下巻へ続きます。

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    2025年06月21日
  • 未明の砦

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    太田愛さん。非正規労働者の4人が大企業相手に労働闘争を仕掛ける話。
    長いがスラスラと読め、日本の労働法についてもわかりやすく説明してくれている。最初に4人が警察の包囲から抜けたところから始まるが、なぜ追われているのか分からずそれが最後のほうまで分からないので気になるがとても長い過去編に入るのでずっとお預けとなる。4人の夏休みはもう少しコンパクトにしてもよかったと思った

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    2025年06月11日
  • 天上の葦 上

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    「我々は住む家も、着る物も、食べる物さえない焼け跡から、歯を食いしばって立ち上がり、ようやっとここまできたのだ。」
    奇跡の復興をとげた日本。東京オリンピックの開会式で.日の丸を掲げた選手たちが入場してきた姿を見て、体の底から湧き上がるような感動を覚えたと言う。
    その感情は現代を生きる私たちには、一片を想像することはできても、到底及ばない想像でしかない。
    この作品の根底にはその私たちが考え及ばない深い深い感情があるのだろう。
    下巻でどのような結末に向かうのか。
    究極の危機でありながら、飄々と乗り越えていく、お馴染みの3人にまた会えてとても楽しかった!

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    2025年06月11日
  • 幻夏

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    なんとなく、みんなを感じる「あの夏」。それが事件と、哀しいこととつながってしまっている本。懐かしいと哀しいが同居してしまう。

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    2026年02月25日