太田愛のレビュー一覧

  • 犯罪者 上

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    公園での無差別殺人事件。のはずが、黒い目出し帽の暗殺者、タイタスフーズ、メルトフェイス症候群、中迫と真崎の関係と政治家との関係などちょっと時間がかかりながら上巻完読。
     それぞれの思惑がどうなるか、下巻が楽しみ。
    (再読だけど、完全に内容忘れてる(^_^;))

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    2026年07月13日
  • 幻夏

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    このシリーズ大好き

    ただのミステリーじゃない
    犯人も周りの人の心境も
    誰も残さずみんな終わりまで連れて行ってくれる

    尚の心が家族への大きな愛がとっても素敵で
    とっても辛かった

    3人の一夏の思い出が映像のように想像できた

    結局何も知らなかったけど、何かを察していた香苗
    香苗の心境を思うと個人的にはもう辛くて辛くて

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    2026年07月19日
  • 天上の葦 下

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    太田愛さんの作品は『犯罪者』『幻夏』に次いで3作目。個人的には前2作の疾走感、まるで映像作品を観ているかのような追いつ追われつの駆引きのほうが好みではあったものの、太田さんならではの社会性は今作品も負けず劣らず、寧ろより一層の恐ろしさを持して我々に警鐘を突き付けてくる。

    どんな時代の報道の中にも進んで権力にすり寄る者たちがいる。自らの下劣さを処世術や政治力と思い違いをした人々です。批判の声は、権力の名を借りた暴力によって次々とねじ伏せられていく───

    マスメディアによる報道の歪曲性がなんとなく論じられる現代において、膨大な文献を用いた過去の情報統制を引き合いに、その危険性を2段も3段も深く論駁する。しかもミステリーとして読ませながら、それらをプロットしていく手腕は圧巻である。

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    2026年06月29日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    太田愛さん初の短編集。ノスタルジックなタイトルに惹かれて手に取ったけど、内容はそれなりに重い。失われていく記憶や大切な場所への切ない眼差しに、読んでいてどこかしんみりしてしまう。 旧優生保護法や戦争といった現実の重い社会課題が根底に横たわる物語に、太田さんならではの作家性を感じる。「十月の子供たち」と「舞踏室 夏を刈る」の余韻が今も消えない。

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    2026年06月17日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

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    ネタバレ

    ファンタジー小説なのに妙に現実感があり、登場人物たちもともすればRPGなどに出てくるような名付けがされているのに身近に感じる、そんな物語だった。
    作中の「誰もが自分自身を美しいと思えないからこそ美しいものの末裔でありたいと願う。」という一文が心に残った。思い出を美化せずにこの今現在地を愛することは難しいな、と思った。

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    2026年06月16日
  • 天上の葦 下

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    1,2作目が面白かったので期待大でした。
    舞台が島に移ってからは、少しテンポが悪いなぁと思ったけれど。
    下巻で過去が語られ、謎がクリアになっていくにつれ、読むのを止められなくなってしまった。
    戦争の悲惨さ、言論の自由の無い恐ろしさ、面白いだけでなくいろいろと考えさせられました。
    公安コワイ!

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    2026年06月14日
  • 未明の砦

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    第26回大藪春彦賞

    やっと予約が回ってきて楽しみにしていた久々の太田愛さん。これまで読んだ手に汗握るミステリーと違って、こちらは忖度政治や御用労組など労働者を苦しめる社会に切り込んだ物語。
    ボリュームがあり、登場人物は多く、社会的な背景や制度の説明は読むのに時間がかかり難しかったけど、勉強になった。
    ブラック企業に立ち向かう4人に勇気をもらうというよりは、ここまで大変なら声をあげて立ち上がることが怖いと感じてしまう。
    私のパート先もなんとからならないかと思いながら読んだけど、彼らのような人が現れたら間違いなく追従するな。

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    2026年06月07日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    派遣労働者の若者4人が主人公で、労働問題と国家権力の暴走に立ち向かうという内容。
    大手自動車メーカーの工場で働く主人公ら4人は、過酷な労働環境や不当な扱いに苦しむ中、仲間との出会いを通じて、現状を変えようと立ち上がる。
    自分なりに知識を吸収し、労働組合結成まで成し遂げる。しかし、大企業にとって都合の悪い彼らは、共謀罪の適用対象として警察に追われる身となる。そんな状況でも、大事な人の死を無駄にしないために、逃亡しながらも戦うことを諦めない。
    逃亡を続ける主人公たちは、労働者の権利や人間の尊厳を守るため、大企業や権力機構に立ち向かっていく。
    格差社会、非正規雇用、政治への思考停止、日本人という民族の悪いところが盛りだくさん。
    主人公たちの成長と連帯があり、挫けない姿勢が良かった。

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    2026年06月05日
  • 未明の砦

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    主人公は若い労働者4人組。
    経営者、労働者、警察、公安(太田愛さん好きですね)などがそれぞれの立場で凌ぎあう一風変わった青春群像でした。血なまぐさい事件はないので、ミステリーではありませんが、スリル満点のサスペンスでした。
    キャリア官僚等の欲望・野心と戦う若き労働者が最後に選んだ実力行使の手段が読む者をぐっと引き付けてやまないラストでしたよ!

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    2026年05月27日
  • 未明の砦

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    非正規の4人が共謀罪を適用され、その企業と公安を相手に奮闘する社会派サスペンス。

    展開が読めるんだけど胸熱ですね。きっとこんな展開になるんだろうなと思いつつ読み進め、やっぱりそうだと思っても高揚感が止まらない。そんな作品でした。

    太田愛さんの作品は「犯罪者」や「天上の葺」などこれで4作目ですが、どれも面白い。「相棒」好きとして展開が好みなのもありますが。

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    2026年05月26日
  • 犯罪者 下

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    下巻!
    ドキドキハラハラがずっと続く。修二はどうなってんの?相馬は?鑓水は?滝川は何やってんの?ってとにかくドキドキしながら、読めない間もどこかで時間を作って読んじゃいたいくらい気が抜けない感じ。結末がわかってからは登場人物のその後もたっぷりと描かれていて、その間に自分の気持ちもちょっと前の興奮から徐々に冷めていくような、そんな作品。テレビドラマを見ているようなとっても丁寧に書かれた作品です。

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    2026年05月24日
  • 未明の砦

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    一番好きな作家さん。大企業や公安が絡むテーマが大好物なのでワクワクしながら読んだ。
    「犯罪者」から始まる三部作に比べて知識や情報を詰め込んだ小説という感じで、ストーリーは少し薄めに感じた。が、やっぱり知識を吸収できる小説が好きだし一番ワクワクさせてくれる作家さんだなと再確認できた。

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    2026年05月23日
  • 犯罪者 上

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    下巻でまとめて感想を書こうかとも思ったが、現状の本作に対する感想を留めておきたいと思ったため上巻のみでの感想となる。もちろん下巻も読み最終的な感想も書こうと思う。
    信頼している読書系YouTuberが絶賛していたので購入。
    ただ現状そこまでハマっている感じではない。
    もちろん面白いし、スケールの大きい事件に挑んでいく主人公たちを応援しながら読んでいるが、いかんせんどう留まっていくのか予想ができない。
    それゆえ下巻での怒涛の伏線回収に期待してしまう。現状バラバラな事件がやっと細い糸で繋がり始めたがまだ何も分からない。この何も分からないのが個人的には少しネック。
    先が見えなさすぎて今自分の読んでいる物語が綺麗に畳まれるのか不安で仕方ない。しかも下巻は上巻よりもページ数が少ない。このスケールの大きい謎を高々400数ページで本当にまとめ切れるのだろうか、不安は膨らむばかりである。
    ネタバレもできないし、下巻もまだ1ページも手をつけていないので、私の不安を吐露するだけの感想になってしまったがこれがリアルな感想であると開き直ってこの駄文を締めくくろうと思う。

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    2026年05月12日
  • 未明の砦

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    好きな作家さん。工場で働く非正規社員がのお話。工場でバイトをしたことがあるが、あのラインで間違えないように同じ作業をやるのはなかなか大変な仕事だと思う。
    いろいろなことを「どうせ何をやってもだめなんだ」と思わずに、自分たちの手で改革していくことって大事だな、と気づかされる本。自分もちいさなことでもいいので前向きに取り組んでいこうと思った。

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    2026年05月10日
  • 天上の葦 上

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    犯罪者、幻夏に続いて読んでる。相変わらず先が読めなくて面白い。歴史詳しくないけどタンゲン周りの話の真に迫る感じに引き込まれた。下巻も楽しみ。

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    2026年05月10日
  • 未明の砦

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    購入してから労働組合が一つのテーマになっていると知り、組合活動に長らく身を置いているものとして興味深く読ませてもらった。
    終盤、主人公らの主張に皆が耳を傾け、連帯が広がるシーンなど、正直、現実的では無いところも少なからずあるものと感じた。労働者が全体で一致して動き始めることは、そうそううまくはいかず、それでも何とか取りくみを継続させていくことに、日々困難さを感じている。そうした中、作品から何かヒントをもらえるかなとも期待していたが、そこには至らなかった。また、組合の活動としてはこれから、と言うところで終わってしまうことも若干残念だった。
    とは言え、エンタメとしては、やはりこれまでの作品同様、珠玉の出来。労働組合という地味で、あまり一般ウケもないであろうことをテーマとしつつも、「共謀罪」や政治的な野望を絡ませ、スリリングなサスペンスに仕上がっており、どんどん先を読みたくなった。また、解説にも記載されていたが、こうしたテーマで新聞連載するのは、なかなかのことだとも感じた。若い世代に、少しでも労働組合のことを知ってもらえる、きっかけになってもらえれば、と願う。

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    2026年05月10日
  • 天上の葦 下

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    言論の自由、報道の自由の社会問題に切り込む作品。
    考えさせられる部分が多かったが、少しストーリーが長すぎた印象。

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    2026年05月08日
  • 未明の砦

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    本屋で太田愛さんの新作だ!と迷わず購入

    自分と地続きの社会問題の作品は久しぶりで、ドキュメンタリーを読んでいるかのような体験だった
    書きたいというより書かねばならないというような切迫した想いが感じられた
    民主主義を勝ち取った歴史のない、与えられて型にはまっていくことが普通の私たちが、声を荒げて身を挺して抗議をしなければならない現実が本当にあるのだろう

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    2026年05月04日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

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    ディストピア小説。でも『大きな鳥にさらわれないよう』や『密やかな結晶』みたいな美しさとか抒情的な世界観を味わうディストピアでなく、もっと現実的で血なまぐさくて刺激的な方向性の恐さの(強い言葉でいえば悪趣味な)作品だった。
    まぁ・・テレビドラマの脚本家さんだし。そういう恐さが真骨頂の作家さんなのかもしれないけれど。

    最近出逢った若松英輔さんの文章の影響で、「静かで美しい言葉ほど、自然と悲しみがにじみ出てくるし記憶に残る」と思っており。そういう意味ではこの作品は、悲しみにひたったり自分の生き方を悔いたりする文学ではなく、シンプルに恐さを味わうためのエンタメだったなという読後感。(でも、若者にはこのくらいわかりやすいディストピアのほうが刺さるのかな。)

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    2026年05月04日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    天上の葦や犯罪者がとても面白かったので、期待して購入。労組潰しのために共謀罪を使う権力者の横暴という、他の作品と通底するテーマ。ただ、あれだけ団体交渉が進んでいて、ネットに副社長と団交した時の画像まで上がっているのに、全て無かったことにしようとするのは、現代の炎上の状況からして、権力者側としては、やや杜撰な戦法ではないかと感じた。また、矢上達が文庫の本で啓蒙されることが本作における重大な契機であるが、現実の矢上のような境遇にある人が同じ状況になったとしても、夏休みを満喫するだけで、おそらく文庫の本は読まないのではないかなと感じた。そういう意味で、少々野暮な感想ではあるが、リアリティに欠くなと感じた。

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    2026年05月04日