太田愛のレビュー一覧
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audibleで。ストーリーが面白くて、次々起こる出来事に引っ張っていかれる感じ。
交通課の相馬は23年前の夏の短い間、共に過ごした幼馴染の兄弟のことをとてもよく覚えていた。その兄弟の母親が、興信所の鑓水のところに息子のナオを探して欲しいと300万の前金を置いて姿を消した。鑓水と、バイトの修司は母親の素性から探るが、彼女の夫が冤罪で服役し、出所後死亡していることを知る。
一方、相馬は、少女誘拐の現場に残されていた印が、23年前、幼馴染の兄弟の兄の方、ナオが失踪した場所に残されていた印と同じだと気づき、調べ始める。そして鑓水が引き受けた案件のことを知る。二つの印は因果関係があるのか?
少年ナオの苦しく切ない人生と、子どもを思いながらも、どうすることもできなかった母親の悲しみが辛くなる。
どうしようもない権力を傘にきた警察の横暴と、己を振り返りもしない傲慢さに気分が悪くなった。全ては、冤罪から始まったと言うのに、、、、
権力を振るう側と、振るわれる側の人生の対比が酷い。冤罪は他人事じゃない、報道が全てではない、と思うと、信じられるものがとても少ない世の中だな。
いつか、ナオが相馬と笑いあえる日が来て欲しいと願わずにはいられない。
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Posted by ブクログ
大手会社の不祥事に、1社員中迫が立ち向かうのはとても勇気がいることだし難しいとおもう。
また、メルトフェイス症候群を患った子の親が、中迫と会った時に御礼を言ったシーンがあったが本来なら、自分なら御礼どころか文句を言うだろうなと感じた。 中迫のおかげで全貌が明かされたにしても、隠蔽に加担しようとしていた事には変わりなく。なにより、我が子は、顔半分が餓死しているので治る事はない。
そのなかで、明るみにしてくれた事で公になったありがたみはあっても、御礼はいえない。
なんか、社会の縮図みたいな作品。
強者は、よほどの証拠がない限り起訴されないし、弱者は辛い思いをしながら勝訴を勝ち取る難しさ。 勝訴をかちととしても、子供の体は帰ってこない理不尽さ。 -
Posted by ブクログ
太田愛さんの作品は『犯罪者』『幻夏』に次いで3作目。個人的には前2作の疾走感、まるで映像作品を観ているかのような追いつ追われつの駆引きのほうが好みではあったものの、太田さんならではの社会性は今作品も負けず劣らず、寧ろより一層の恐ろしさを持して我々に警鐘を突き付けてくる。
どんな時代の報道の中にも進んで権力にすり寄る者たちがいる。自らの下劣さを処世術や政治力と思い違いをした人々です。批判の声は、権力の名を借りた暴力によって次々とねじ伏せられていく───
マスメディアによる報道の歪曲性がなんとなく論じられる現代において、膨大な文献を用いた過去の情報統制を引き合いに、その危険性を2段も3段も深く論駁する。しかもミステリーとして読ませながら、それらをプロットしていく手腕は圧巻である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ派遣労働者の若者4人が主人公で、労働問題と国家権力の暴走に立ち向かうという内容。
大手自動車メーカーの工場で働く主人公ら4人は、過酷な労働環境や不当な扱いに苦しむ中、仲間との出会いを通じて、現状を変えようと立ち上がる。
自分なりに知識を吸収し、労働組合結成まで成し遂げる。しかし、大企業にとって都合の悪い彼らは、共謀罪の適用対象として警察に追われる身となる。そんな状況でも、大事な人の死を無駄にしないために、逃亡しながらも戦うことを諦めない。
逃亡を続ける主人公たちは、労働者の権利や人間の尊厳を守るため、大企業や権力機構に立ち向かっていく。
格差社会、非正規雇用、政治への思考停止、日本人という民族の悪いところが盛りだくさん。
主人公たちの成長と連帯があり、挫けない姿勢が良かった。 -
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下巻でまとめて感想を書こうかとも思ったが、現状の本作に対する感想を留めておきたいと思ったため上巻のみでの感想となる。もちろん下巻も読み最終的な感想も書こうと思う。
信頼している読書系YouTuberが絶賛していたので購入。
ただ現状そこまでハマっている感じではない。
もちろん面白いし、スケールの大きい事件に挑んでいく主人公たちを応援しながら読んでいるが、いかんせんどう留まっていくのか予想ができない。
それゆえ下巻での怒涛の伏線回収に期待してしまう。現状バラバラな事件がやっと細い糸で繋がり始めたがまだ何も分からない。この何も分からないのが個人的には少しネック。
先が見えなさすぎて今自分の読んでいる物語が綺麗に畳まれるのか不安で仕方ない。しかも下巻は上巻よりもページ数が少ない。このスケールの大きい謎を高々400数ページで本当にまとめ切れるのだろうか、不安は膨らむばかりである。
ネタバレもできないし、下巻もまだ1ページも手をつけていないので、私の不安を吐露するだけの感想になってしまったがこれがリアルな感想であると開き直ってこの駄文を締めくくろうと思う。 -
Posted by ブクログ
購入してから労働組合が一つのテーマになっていると知り、組合活動に長らく身を置いているものとして興味深く読ませてもらった。
終盤、主人公らの主張に皆が耳を傾け、連帯が広がるシーンなど、正直、現実的では無いところも少なからずあるものと感じた。労働者が全体で一致して動き始めることは、そうそううまくはいかず、それでも何とか取りくみを継続させていくことに、日々困難さを感じている。そうした中、作品から何かヒントをもらえるかなとも期待していたが、そこには至らなかった。また、組合の活動としてはこれから、と言うところで終わってしまうことも若干残念だった。
とは言え、エンタメとしては、やはりこれまでの作品同様、珠玉の出来。労働組合という地味で、あまり一般ウケもないであろうことをテーマとしつつも、「共謀罪」や政治的な野望を絡ませ、スリリングなサスペンスに仕上がっており、どんどん先を読みたくなった。また、解説にも記載されていたが、こうしたテーマで新聞連載するのは、なかなかのことだとも感じた。若い世代に、少しでも労働組合のことを知ってもらえる、きっかけになってもらえれば、と願う。