あらすじ
失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り着いたのは瀬戸内海の離島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。――君は君で、僕は僕で、最善を尽くさなければならない。すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に立ち向かう。『犯罪者』『幻夏』(日本推理作家協会賞候補作)に続く待望の1800枚巨編!
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Posted by ブクログ
太田さんの3人組ラスト!鑓水1番好きだからとても楽しかった。
戦時中こんなことがあったんだなと。私が当事者だったら、国が大丈夫って言ってるし、みんな残るし、みたいな正常性バイアスで逃げれないだろうな。
現在のメディアにいたとしても長いものに巻かれて動けない側だと思うから、ちゃんといけないことはいけないしこれは違うってわかってて動いてくれる人たちほんとかっこいいし尊敬する。
鑓水が適当なこと言いながら適当な態度で、ちゃんと修司や他の人のこと守ってあげてるのがかっこいいー!
最終章めちゃくちゃ泣けた。
Posted by ブクログ
プロローグ
太田愛氏の3部作を読み終えるとそこは福井だった
達成感と喪失感とが綯い交ぜになった感情に
この福井という地は寒すぎた
マフラーを締め直すと、灯りのついた駅を後にした
本章
『天上の葦 下』3人が紡いだ軌跡に★5
いゃ〰熱かった!
熱過ぎた!
謎多き曳舟島での衝撃の真相と鬼気迫る脱出
そして鑓水たちと公安との最後の攻防
太田愛氏、読ませるな〰まったくー
好きになっちゃうよー
正光が指さしていた真相が判明した時
渋谷スクランブル交差点の景色が一変する
そこには、確かに戦後復興間もない渋谷があった!
子供らには自由がある
思ったことを口に出して話す自由!
悲しい時に声を上げて泣く自由!
東横百貨店から伸びるオレンジ色と黄色に塗られた
流線型のロープウェイ!
あの時、その幸せに充ちた子供たちの小躍りを見て
正光と喜重は、誓ったのだ
これを絶やしてはいけないと!
主要な3人と正光、そして曳舟島の人たちとの
想いは、戦後、視えない糸によって繋がって
いたのかもしれない
エピローグ
レビューを書き終えると、そこは富山だった
何故、金沢を通り越して富山だったのかは
神のみぞ知るといったところか!?
とはいえ、来月は金沢に来るのだが、、、
更には、どんちゃんのオ・モ・テ・ナ・シが
ないのには、甚だ閉口せざる負えない(^o^;)
日本人の心は、何処に行ってしまったのだろうか!?
身も心も寂しくて寒い私は、街の灯火に向かって
涙目で彷徨った(¯―¯٥)
完
Posted by ブクログ
上下あわせて800pの大作ではあるが、まさしくの一気読み。脚本家のせいか映像が浮かんでくるような作風。もっと知名度があってもよいと思う。大きな賞も取っていないし、小説そのものの映画化も無いみたいで、そこそこ本を読んでいる自分も最近まで知らなかったのが残念。
本作がこのミス18位というのは、自分にとっては「謎」でしかない。
Posted by ブクログ
読み応え十分。重いテーマでメッセージ性が強く、考えさせられる問題提起もありながら、スピーディーな展開。面白いという表現で良いのか、語彙力がなく上手く表せないですが、どんな展開になるのかワクワクしながら読み進めました。
下巻は凄い。上手く行きそうで上手く行かない、でもそれは想定の範囲内であったり、二転三転。
結末をどう締めくくるのかが難しいと思ったけれど、この結末は良かったと思います。
何でもありではないけれど、思ったことを誰にも言えない窮屈な世界は駄目だと思いました。人間は恐ろしい。
Posted by ブクログ
第3弾 下巻!
言論統制の時代か…
「国家総動員法」
太平洋戦争下では、言論、出版、集会、結社などに関する自由が大きく制限され、政府による報道規制や言論統制が実施された。
「大本営発表」に見られるように、政府は虚偽の情報発信を行い、言論統制と結びついた。
島に住んでいる老人たちの過去、戦時中の話は、なんか辛い。負けてるのに勝ってそうな報道するわ。
疎開もあまり進めず焼夷弾は、簡単に処理できるとか…
で、実際に空襲になって傷付くのは庶民。
今の時代にないわ!って切り捨てられるのか…
私のような最下層の者からは、想像もつかないところで、徐々に…
そういうのを危惧して、こんな作品書いたんかな?
歪められようとした事実を防ぐために(借金を返す為という説もある)、行動する 鑓水、相馬、修司の3人!
公安、政治家を罠に嵌めて、何とか阻止に!
鑓水さん、ボコボコやけど…
エンタテインメントとしても楽しめた!
やっぱり、飄々としてるけど、頭の良い鑓水さんがええ感じでした〜
体力ないけどね(^◇^;)
こんな人に憧れるけど、飄々とは出来ても頭が…_| ̄|○
「曳舟島の老人たちから聞きました。まるで空気が薄くなるように自由がなくなっていったあの時代のことを。着たいものを着る自由、食べたいものを食べる自由、読みたいものを読む自由。気づいた時には誰も何も言えなくなっていた。思ったことを口にしただけで犯罪者とみなされる時代が来るとは、誰も思っていなかった。あなたも覚えているんじゃありませんか?少しずつ自由がなくなっていった時代のことを」
(本文より)
こういう時代に戻らないように、少しでも力になりたいね!
Posted by ブクログ
「犯罪者」「幻夏」を読んで好きになった太田愛さんのシリーズ。主人公たち3人のキャラクターに惹かれ、早く読みたくてうずうずしていた本作品。
主人公たちだけでなく、これまで登場していた人たちも出てきて、ワクワクした!(個人的に服部はわりと好きなキャラだったので、鑓水とのやりとりはクスッとなった笑)
内容としては、戦時中の話が多く出てきたので、読んでいてしんどくなるかなと思っていたけれど、情報量がすごすぎて、かなり勉強になった。戦時中のこと、知らないことが多すぎて、ショッキングな内容はたくさんあったけれど、この作品を通して知ることができてよかった。
テレビやネットで様々な情報が飛び交う日々、そこに出回っているものは当たり前に真実だと思っていたけれど、なんでもかんでも鵜呑みにしてしまわないように、真実はどこにあるのか、しっかりと考えないといけないと思った。
と言いながらも、実際のところはメディアで取り上げられていることを自分は信じてしまうんやろうなあ。
願わくば、これからの世も報道機関が誠意を持って国民に正しいことを伝えてくれますように。
読み始めからずっと続きが気になって、読む手が止まらずあっという間に上下読みきったけど、読み終わるのが寂しかったなあ~。
また鑓水、相馬、修司の3人に会いたい!
Posted by ブクログ
非常に心をつかまれた。思いもよらない方向に話が進んでいって意外な内容だったけど、大切な話だった。現代の日本の社会に対して、本当に全て正しいのかと読者に疑問を抱かせるテーマでここまでの話を書けるあたり、太田愛すごいなって思った。あと、街を歩く老人への見る目が少し変わった気がする。
Posted by ブクログ
怖かった…
ここ数日、アフリカのホームタウン問題に、アメリカのチャーリー・カークさん、フランス、ネパール、ドイツ…世界中がえらい事になっているのにTVでは全然報道されない。
というかここ数年TVの報道の在り方に疑問が生じてもうそれほどTVを付けていない。
だから、今生きている現実と本があまりにもリアルすぎて怖かった。
正直、TVの言っていることを鵜呑みにしてのほほんと生きていられた頃に戻りたい。
でもそんなことしてたら、また気付いた時には何も言えなくなっている時代に戻ってしまうんじゃないかという恐怖もある。
今はTVも新聞もネットの情報も全てどこかに何かに忖度しているんだろうと疑いの目をもって見ている。
正しい情報を得る力が欲しい。
それに負けない強い精神力が欲しい。
戦時中の描写も生々しくて本当に怖かった。
入り込みすぎて出口が分からなくなった頃にふっと時代が現在に戻る。そこでハッと気付いてようやく息ができる。
こんなに読んでいて怖かったのいつ以来だろう。
この本はフィクションだから、ホッと終わるけど、現実世界、まだ間に合うのか⁉︎間に合ってほしい!と祈りながら本を閉じた。
Posted by ブクログ
言いたい事を言い、やりたい事を自由にやれる今の世の中を当たり前のように思っていた。しかし、それが当たり前ではない時代があったという事実に目を背けてはいけない。同じ間違いを繰り返してはいけない。
Posted by ブクログ
苦しみと喜びと入り混ざりながら、本当に読めてよかった1冊になりました。
上巻からのスピード感を失うことなく、白虎を突き止めるまで、そして公安との駆け引きの緊張感でページを捲る手が止められませんでした。
上巻から引き続き情報量は多いし、内容的にも苦しくなる瞬間も多々ありました。それでも読んでよかった。
ジョージオーウェルの「1984年」を思い出しながら、「1984年」を読んだ後と同じく満足感でも喜びでもない、でも確かに頭と心が満たされている気持ちになりました。
結末も、個人的には前作の「犯罪者」より好み。未来に希望を持てる。
鑓水たちのシリーズはこの3作で終わりなのかなあ、もっと読みたいなー!
太田愛さんの作品、ハマりそうです。
Posted by ブクログ
白昼渋谷で死を遂げた老人が指さした先に何があったのか?
きな臭い依頼から公安に追われることになった探偵たち
"権力による言論統制"で繋がってきたのは先の大戦の記憶
複雑に絡まった事実と虚偽と迫りくる公安の手が緊迫感を膨らまし、物語に没頭させられる
はたして事件は解決し、謎は解かれるのか?
とても楽しめました
Posted by ブクログ
上下巻、長かった〰️
挫折しそうだった。
公安がよくわかってないからか難しかった
戦争末期
都合の悪いことは隠し報じない報道機関。
情報操作
なんとなく人々も戦争に負けると気づきながら 口には出せない。
この時代の軍部の情報操作に恐ろしさを感じる
鑓水、修司、相馬の3人のシリーズ3作目
前作2作と比べて、 暗い戦争時代 と現在の公安の情報操作がテーマ で少しわかりづらいところはあったけど、なんとか読み終えた。
また、この3人のシリーズ続編書いてほしいな
Posted by ブクログ
ホームパーティーで出会った男女がとある異国で再会して真実の愛を見つける物語と酒をこよなく愛する知人に勧められて手に取る。
後半の怒涛の追い上げ、残りページ数から、これ終われるの?と思ったけど、めっちゃスッキリした。
Posted by ブクログ
まさか戦争時代の話とリンクしていくなんて思わなかった!
鑓水の出生の秘密が戦争と関係があったり。戦時中の理不尽さとか恐ろしさとかと読んでいて辛かった。
現代の事件と戦時中の後悔が重なり合うお年寄りたちの連携プレイが良かった!
寿命が尽きてしまい切なかったけど、やり切った感がある!
相変わらずハラハラドキドキ!
鑓水、修司、相馬の活躍をもっと読みたい!
Posted by ブクログ
フィクションとしてもちろん面白かったですが、戦時中の話は読んでいて胸が苦しくなりました。そして、この3人のシリーズはどれを読んでも面白いです。
Posted by ブクログ
相変わらず社会派ミステリーとして圧倒的な読み応えと面白さでした。
報道の自由が奪われていき、弾を補充するように人の命が投入されては消えていった戦時の話の数々を通して、「今現在があの時にどんどん近づいていっていないか?」という警鐘を鳴らす作品。
社会派作品としてのメッセージ性の強さや素晴らしさはもちろん、ストーリー展開もすごく良い。
文量がかなりあるけれど、中盤から終盤にかけて頁をめくる手がどんどん早くなるし、止まらなくなる。太田愛先生の作品らしく今回もまるでドラマを見てる時のような、ハラハラドキドキを味わえました。
やっぱり太田愛先生はすごまじい…『犯罪者』も『幻夏』も良かったけれどこちらの作品もすごくすごく良かった。読み終わったあと、なかなか余韻が抜けなかったです。
あと鑓水、相馬、修司のキャラクターや関係性がとても良く、読んでいるうちに愛着が強まって同シリーズをもっともっと読みたくなりました。
これだけ重厚感ある話が続いていると、次の作品も自然とハードルが上がってしまい執筆が大変だとは思うのですが…。それでもシリーズの続きを強く期待しています。
Posted by ブクログ
戦時中、国民総動員に向かうプロパガンダとして、新聞や放送などジャーナリズムが国家によって操作されていくことの恐ろしさをまざまざと感じた。
結局、あの大戦はだれが向かわせ誰にとって有益なものだったのだろう。日本中を焼け野原にし数百万人を死に至らしめ、学ぶことも個人の意思もすべて取り上げられ、飢えや病が蔓延した時代。
加害者も被害者も大きさの違いはあれど・・・
真実を知りながらも公安という組織が日本中を統制し、声を上げられなかった人々はその罪を抱えながら戦後を生きていく。
焼け野原に降り立ったのは米人だったが、もしアメリカがこなかったら日本はロシアか中国に支配されていたのだろうかと思うと、空恐ろしくなる。
そして、奇跡の復興を果たした日本の好景気を後押ししたのが、対岸の朝鮮戦争であったということも悲しい現実だったのだ。
私たちが知らないうちに国家によって統制していくようなことが悲しい現実にならないよう正しいものを見極める知恵を持たないといけない。知識ではなく知識を。
立ち向かった3人の男性たちと、罪を忘れずに戦後を真摯に生き抜いた人たちと警察や国家権力との攻防に引き込まれた数日間だった。
Posted by ブクログ
下巻は一気読み。
満足度の高く、深い読後感をもたらしてくれた社会派ミステリー。戦時中の状況、登場人物の言動など描写が素晴らしく感情が揺さぶられる。凄い。
Posted by ブクログ
(備忘)シリーズ3作目。このシリーズは登場人物も魅力的ながら、序盤から終盤にかけて大きくなる話のスケールが段違いで、先が読めず怒涛の展開に驚かされてばかり。本作のテーマはメディア。情報はなんでも鵜呑みにせず自分で判断することが大事だと改めて思いました。
それにしても、本シリーズの続編まだ出ないのかなあ。心待ちにしてます。
Posted by ブクログ
老人は、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で空をふり仰ぎ、蒼穹の1点を指差して絶命した。
その衝撃的な場面から始まる上巻は、それでもいつもの3人の快活な動きや会話で、クスッと笑えるような楽しさも含まれた。
けれど下巻で真相が明らかになるにつれ、それは読み進めるのも耐え難いほど、過酷な地獄があった。
戦争とは、お国の為と戦い抜いた尊い命を奪い、残された家族の命も奪い、そして奪わなければならない立場の人たちの心を奪った。
今まで生きた70年近くの人生を全て捨ててでも、立ち上がらなければならなかった老人たち。
その時代を真摯に生き抜いた人たちの壮絶な覚悟がそこにはあった。
凄すぎて心が震えた。人はなんて愚かなんだろう。人はなんて純粋で美しいのだろう。
国はいったい何をいつも守ろうとしているのだろう。
鑓水、修司、相馬さん、頑張ってくれてありがとう!いつも、破茶滅茶な3人は希望の光ですね。
Posted by ブクログ
やっぱり、このシリーズは面白かったです。
途中の過去シーンは、ズーンと来るけど、その時代があったということは忘れちゃいけないと。
ドラマをひとつ見終えたような満足感でした。
Posted by ブクログ
1作目も2作目も凄かったけど、3作目が一番面白かった…!
スケールが大き過ぎて、「全貌が全く見えない…謎が深まるばかり、面白い…」が上巻、下巻途中から「なるほど、繋がった!!」と興奮しながら一気読み!お陰で睡眠不足です…
太平洋戦争の描写が丹念で(参考文献の量がすごかった)、気持ちを揺さぶられるので、心が健やかな時に読むのをお勧めします。
Posted by ブクログ
公安警察(バックは官房副長官)の野望を見事打ち砕いて爽快だった。我々は決して戦時中の体制(当たり前のことが言えない、言うと捕まる特高の国家体制)を甦らせてはならない。そういう決意を抱かせる。太田愛の筆力に乾杯!
Posted by ブクログ
テーマは重厚なのにハラハラしながら楽しんで読めるのがすごい。権力を持つ一部の人が作る、大きな流れに漫然と乗っていると取り返しのつかないところまで行ってしまう。そこに警鐘を鳴らす作家さん、ジャーナリストさんのメッセージをしっかり受け止めたい。オールドメディアと揶揄されるけど、責任ある立場で本来のジャーナリズムの役割を果たすメディアを信じたい。
Posted by ブクログ
やっぱりこのシリーズは満足できるなぁ。ズッシリしながらもエンタメ。それだけに多くの人に読んでほしくなる。多くの人が読める筈なだけに。このトリオも好き。続いてほしい。
Posted by ブクログ
なぜ今になって
老人はあの空を指ささなければならなかったのか…
まるで残された命を燃やし尽くすようにして…
老人の不可解な死と
公安警察官の失踪を調べるために
鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く
老人が絶命した瞬間から
小島では大きな歯車が動き出していた…
穏やかな島の営みの裏では 大きな秘密を隠すべく
公安の警察官をも巻き込みながら
巧妙なトリックを仕掛けていく…
人生の最期に流れる時間は
降り積もる雪のように
現在の風景を覆い隠して
過去へと押し戻すのかもしれない…
闘えるのは 火が小さなうちだけだ
やがてその火が繋がり 風が起こり
風がさらに火を煽り
大火となれば誰もなす術がない
もう誰にも どうすることができなくなる…
そうなる前に 鑓水たちは大きな敵に
真っ向から向かい 最後の賭けにでる
大きな敵に挑んでいる時は
特にハラハラドキドキした!!
まるで自分が目に見えない何かに
追われてるようだった
そして老人が雲ひとつない空を指さしながら
絶命した意味を知ったとき…
また上巻の1番はじめの文章に戻ってくる構成に
ぞわぞわと鳥肌がたった!!
すごい!すごい!すごい!すごい!すごい!
今日はこの余韻を味わいながら
眠りにつきたいと思う(大満足!!)
Posted by ブクログ
かなりの大作。そして力作。
ミステリアスな導入部から一気に引き込まれ、長いだけあってところどころ冗長で分かりにくい場面は出てくるものの、概ね退屈することなく最後まで読めた。
終盤の第二次大戦中のシーンなどは、切迫感満載なページと、ダラダラと長ったらしいシーンが交錯していて、なんだか勿体なかったかな。
相変わらず主人公3人に魅力が乏しいのが残念だが、水準をはるかに超える作品であることは疑いようがない。
よくこれだけの内容を書けたなと、作者には感心するばかり。