太田愛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いわゆる「続きが気になる」タイプの作品で、ストーリーはスピード感とテンポの良さが際立ち、とても読みやすかった。
それだけでなく、大企業と政治家の癒着による隠蔽工作や、産業廃棄物の不法投棄といった社会問題にも踏み込んでおり、単なるミステリーで終わらない点も面白い。
さらに、登場人物たちのバランスも良く、それぞれの立場や価値観の違いが物語に奥行きを与えている。
物語の中心人物となる正義感の強い刑事とお気楽な探偵、そして血気盛んな若者、彼らの掛け合いや関係性も読みどころの一つ。
白昼堂々と起きた通り魔殺人事件と、大企業の食品問題という一見無関係に思える二つの要素が、物語の進行とともに徐々に結び -
Posted by ブクログ
ネタバレかなりのボリュームでかなりの大作!
これ働く人、選挙権のある人は皆読んだ方が良いのでは?と思うほど。
地元を支配下に置く大手自動車メーカーの非正規労働者の4人があることをきっかけに自分たちの世界に疑問を持ち闘いを挑むというお話。
いやね、もう病院も葬儀屋もあって警察もグルで地元民はみんなユシマの恩恵の上、生活が成り立ってるのならそら、声をあげるのも疑問に思うのも無理だよ。
読んでいて矢上たちを応援する気持ちが大半なんだけど、この国の在り方に、衰退途上国ということに愕然とした。
もー本当にクソだなという感じ。
言葉悪いけど。
こんなことが許されるのかとびっくりした。
でも本工、期間工、派遣工がひ -
Posted by ブクログ
骨太で読みごたえがある王道のミステリーといった感じでとても面白かった。
23年前に失踪した小学生の行方を探偵の主人公が追っていくうちに現在起きている事件との関連性が見えてきて・・・といったよくありそうな展開でありながらも実際の冤罪事件の内容も取り入れつつ、日本の司法制度についての問題提起がされていて、考えさせられる部分もある作品。
登場人物たちの境遇は悲惨なものが多く、気分が沈むような展開が続いて重くなりがちな内容でしたが、主人公の陽気さで若干中和されている感はあり、それほどにキャラクターの個性が際立っています。
少年時代の「幻のような夏」の描写が美しくも切ない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアパートの一室での逮捕劇の失敗。矢上を筆頭とする四人の若者たちは、共謀罪の疑いにより警察に追われていた。
日本最大手の自動車メーカーユシマの非正規工員である彼らは、同じ工場に勤める玄羽のもとで一夏を過ごすことに。そこで彼らは、今まで知ることのなかった日本を取り巻く労働問題を知った。それは、自分たちを雇用するユシマが労働者の権利を蔑ろにしているという事実でもあった。さらにその後、よくしてくれていた玄羽が工場で命を落としてしまう。ユシマの過酷な労働環境の犠牲になった玄羽のために、四人はついに立ち上がる。彼らは解決の糸口を労働組合に見出したのだった。しかしユシマ側は警察権力さえも味方につけ、それを全 -
Posted by ブクログ
面白い!
御託抜きで、面白かった!
シリーズ2作目らしいけど、前作読んでなくても全然問題なく楽しめた。
興信所を営む主人公のところに、ある女性から「いなくなった我が子を探してほしい」という依頼が舞い込むところから、物語は始まる。しかし、その子がいなくなったのは23年前だという。
それを起点に、23年前の子供の失踪、子供の父親の冤罪事件、冤罪であることが判明した直後の父親の死、23年前の冤罪事件に関わった警察官や検事たちを巻き込む新たな少女誘拐事件、23年を隔てた2つの事件現場に残された謎のマーク。今の捜査と23年前の記憶とを行き来しながら、一見関係なさそうな謎と謎とが絡み合う、よく練られたミ