太田愛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
通り魔事件とメルトフェイス症候群を関係づける緻密な筋書きから、大企業の隠蔽体質と被害者の救済、廃棄産業物の問題、病気を抱える子供の親の気持ちなど、フィクションだが、ドキュメンタリー番組のように丁寧に描いているので、単なる犯罪小説ではなく、社会派ミステリーとして読み応えがあった。
ラスト、修司と滝川の対決は、臨場感もあり、
まさにTVドラマを観ているかのようだった。
敵役として滝川一人が活躍している印象で、
磯辺や服部は、自らの手を汚す事なくだったが、
もっと存在感があってもいいように感じた。
現実的な終わり方だったが、シリーズものの
ようなので、続編も期待して読んでみたい。
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Posted by ブクログ
『犯罪者』に次いで太田さんは2作目。
相馬、鑓水、修司のニンが分かっている状態で読むので彼らの活躍には感じ方も一入。
『犯罪者』と同じく、またはそれ以上に、普段我々が見ることのできない、だけれども根深い社会構造的な問題点にスコープを当てながら、それらをミステリーというフィクションから正確に紐解いていく構成は圧巻。
構造というのは、積極的であろうと消極的であろうと、世間がとりあえずは望む形で安定している、いわば『状態』にすぎない(p.444)───
本作で取り上げられる司法構造の瑕疵と冤罪問題にかかわらず、社会だろうと企業だろうとより小さなコミュニティだろうと、大きな結果を上げる為に目が瞑ら -
Posted by ブクログ
ネタバレ私が今まで読んだ太田愛さんの作品は重厚で社会派、それとは全く違うタイプで、
太田愛さん初の短編集。
結論、やっぱり太田愛さんすごいな〜と、
うなってしまう独特な短編集でした✨
一、遊戯室 十月の子供たち
架空の国のファンタジーかと思って読んでいたら
全然違う、ある日突然ミサイルで幸福な日常が
奪われ、親を失う子どもたちの戦争の話だった。
自国が攻撃されている事をインターネットの報道で見る子供達、そして次の話題はどこかの国のスポーツの結果… 考えさせられる重い余韻。
二、中庭 サイレン
語り手を勘違いしてしまうトリックのような文章に
混乱(?_?)
2回読んですべて合点がいく。 家 -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪者が面白すぎてその後主人公3人がまた登場するシリーズものがあると知りその日中に買いに行って読みました。
こちらもとても評価高く期待してたら本当にそのまま期待を裏切らず面白い。
物語の序盤で死んだ男は父だった、そして冤罪だった、ここまでのことがわかっているけれど先が気になるほどの面白さが詰まってる!
取り調べ時の"叩き割り"や"恨みません調書"が実際に存在した事件であることに驚き、この残念だけど起きてしまっている現状を伝えつつここまでのストーリーを書き上げるのは素晴らしい。
拓は鬱だったからここまでおかしくなってしまった、というのを実際信じられないけど -
Posted by ブクログ
アンソロジー作品『Jミステリー2023 FALL』を読みました。
全篇書下ろしの短篇を収録した贅沢なアンソロジー作品です。
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ミステリー界の最前線で活躍する作家陣による、全編書き下ろしの超豪華アンソロジー「Jミステリー」。
この秋も誰もがよく知るあの作家たちが競演! 大好評だったあの作家の再登板も……これを読まずして日本ミステリーを語ることなかれ。
『Jミステリー2023』もお見逃しなく。
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2023年(令和5年)に刊行された作品で、以下の6篇が収録されています。
■どうして今夜の彼女は魅力的に映