太田愛のレビュー一覧

  • 未明の砦

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    本屋で太田愛さんの新作だ!と迷わず購入

    自分と地続きの社会問題の作品は久しぶりで、ドキュメンタリーを読んでいるかのような体験だった
    書きたいというより書かねばならないというような切迫した想いが感じられた
    民主主義を勝ち取った歴史のない、与えられて型にはまっていくことが普通の私たちが、声を荒げて身を挺して抗議をしなければならない現実が本当にあるのだろう

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    2026年05月04日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

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    ディストピア小説。でも『大きな鳥にさらわれないよう』や『密やかな結晶』みたいな美しさとか抒情的な世界観を味わうディストピアでなく、もっと現実的で血なまぐさくて刺激的な方向性の恐さの(強い言葉でいえば悪趣味な)作品だった。
    まぁ・・テレビドラマの脚本家さんだし。そういう恐さが真骨頂の作家さんなのかもしれないけれど。

    最近出逢った若松英輔さんの文章の影響で、「静かで美しい言葉ほど、自然と悲しみがにじみ出てくるし記憶に残る」と思っており。そういう意味ではこの作品は、悲しみにひたったり自分の生き方を悔いたりする文学ではなく、シンプルに恐さを味わうためのエンタメだったなという読後感。(でも、若者にはこ

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    2026年05月04日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    天上の葦や犯罪者がとても面白かったので、期待して購入。労組潰しのために共謀罪を使う権力者の横暴という、他の作品と通底するテーマ。ただ、あれだけ団体交渉が進んでいて、ネットに副社長と団交した時の画像まで上がっているのに、全て無かったことにしようとするのは、現代の炎上の状況からして、権力者側としては、やや杜撰な戦法ではないかと感じた。また、矢上達が文庫の本で啓蒙されることが本作における重大な契機であるが、現実の矢上のような境遇にある人が同じ状況になったとしても、夏休みを満喫するだけで、おそらく文庫の本は読まないのではないかなと感じた。そういう意味で、少々野暮な感想ではあるが、リアリティに欠くなと感

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    2026年05月04日
  • 犯罪者 下

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    ネタバレ


    先が読めなくて気になって一瞬で読み終わった。
    (特に真崎のシーン)

    どう転ぶかわからない展開にハラハラドキドキしたけど、
    すべてが報われる終わり方ではなかった。

    犯人が逮捕されても、そこがゴールなのではなく
    そこからが本当の戦いなのだと感じた。


    服部...うーん...

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    2026年05月04日
  • 未明の砦

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    刑事ドラマのクライマックスのような始まりで、これは一気読み必至かと思ったが、内容は重厚でじっくり読ませていただいた。

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    2026年05月03日
  • 犯罪者 下

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    いわゆる「続きが気になる」タイプの作品で、ストーリーはスピード感とテンポの良さが際立ち、とても読みやすかった。

    それだけでなく、大企業と政治家の癒着による隠蔽工作や、産業廃棄物の不法投棄といった社会問題にも踏み込んでおり、単なるミステリーで終わらない点も面白い。

    さらに、登場人物たちのバランスも良く、それぞれの立場や価値観の違いが物語に奥行きを与えている。
    物語の中心人物となる正義感の強い刑事とお気楽な探偵、そして血気盛んな若者、彼らの掛け合いや関係性も読みどころの一つ。

    白昼堂々と起きた通り魔殺人事件と、大企業の食品問題という一見無関係に思える二つの要素が、物語の進行とともに徐々に結び

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    2026年05月02日
  • 犯罪者 上

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    時系列といい、登場人物の視点といい、この人は知ってるけどこの人は知らないみたいな進め方が面白いです。下巻へ

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    2026年04月19日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    二話目でビックリ。ミステリーではないが中程で一回転しページ戻って確認。終わり方も予想外なところに落としてきたし、面白い、というのとは違うが、この淡々と緩く狭められて流れるようにそうなる感じ好きだ。
    他の話も良かったし、とにかく上手い。この作者は長編満足度高いが短編集も充分同格。満足。又出してほしい。
    ただ三話目四話目は、話は面白くはあったが、キーな箇所でのキーな人物、脈絡無く甘ったれた浅はかが過ぎて少々ひく。三話目はまだそういうタイプと思えるが、四話目は歳とそれまでに対する観察力に合って無い気が。あと一話目の夫婦優しい。頑張った。

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    2026年04月15日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    かなりのボリュームでかなりの大作!
    これ働く人、選挙権のある人は皆読んだ方が良いのでは?と思うほど。
    地元を支配下に置く大手自動車メーカーの非正規労働者の4人があることをきっかけに自分たちの世界に疑問を持ち闘いを挑むというお話。
    いやね、もう病院も葬儀屋もあって警察もグルで地元民はみんなユシマの恩恵の上、生活が成り立ってるのならそら、声をあげるのも疑問に思うのも無理だよ。
    読んでいて矢上たちを応援する気持ちが大半なんだけど、この国の在り方に、衰退途上国ということに愕然とした。
    もー本当にクソだなという感じ。
    言葉悪いけど。
    こんなことが許されるのかとびっくりした。
    でも本工、期間工、派遣工がひ

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    2026年04月14日
  • 天上の葦 下

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    戦争時代に何があったのか、言論統制とは、そして各々の思惑の行方が明らかになる下巻。正常バイアスの怖さ、戦争の鬱々さ、そして加速する疾走感、と気持ちがあっちこっちする。読み応えがめちゃくちゃあった。また3人の話読みたいな、あとこの世界の警察組織なんとかなれ。

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    2026年04月03日
  • 未明の砦

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    骨太な社会派サスペンス。大企業による労働搾取を皮切りに、この国の在り方を問う。メッセージ性が強く、多数の人物が絡む複雑な群像劇ながら、表現豊かで平易な文章と確かな人物描写、スリリングかつ感情移入を促す見事な構成により、頁を巡る手が止まらない。様々な感情が結実していく終盤は圧巻。超一級のエンタメ小説にして、希望を求める叫びに心が震えた。

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    2026年03月28日
  • 幻夏

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    骨太で読みごたえがある王道のミステリーといった感じでとても面白かった。

    23年前に失踪した小学生の行方を探偵の主人公が追っていくうちに現在起きている事件との関連性が見えてきて・・・といったよくありそうな展開でありながらも実際の冤罪事件の内容も取り入れつつ、日本の司法制度についての問題提起がされていて、考えさせられる部分もある作品。

    登場人物たちの境遇は悲惨なものが多く、気分が沈むような展開が続いて重くなりがちな内容でしたが、主人公の陽気さで若干中和されている感はあり、それほどにキャラクターの個性が際立っています。

    少年時代の「幻のような夏」の描写が美しくも切ない。

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    2026年03月26日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    アパートの一室での逮捕劇の失敗。矢上を筆頭とする四人の若者たちは、共謀罪の疑いにより警察に追われていた。
    日本最大手の自動車メーカーユシマの非正規工員である彼らは、同じ工場に勤める玄羽のもとで一夏を過ごすことに。そこで彼らは、今まで知ることのなかった日本を取り巻く労働問題を知った。それは、自分たちを雇用するユシマが労働者の権利を蔑ろにしているという事実でもあった。さらにその後、よくしてくれていた玄羽が工場で命を落としてしまう。ユシマの過酷な労働環境の犠牲になった玄羽のために、四人はついに立ち上がる。彼らは解決の糸口を労働組合に見出したのだった。しかしユシマ側は警察権力さえも味方につけ、それを全

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    2026年03月26日
  • 幻夏

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    とにかく悲しくて、読み進むたびに心にずしん、とくるストーリー。
    彼が生きた人生の中で、幸せだったときはあったのだろうか。

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    2026年03月18日
  • 幻夏

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    ネタバレ

    尚の人生を想ったら、言葉が出ない。幼い彼を大人が早く大人にしてしまって、誰もそれを止めることができなかったことが悔しくて悲しい。それでも相馬と尚と拓と3人で過ごした夏の日の間だけは、ただの子どもだったのだろうと思う。最後の一文を読んで、それを本当に思った。最後の一文に子どもの尚が見れてほんとうに、涙が止まらない。良作。

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    2026年03月18日
  • 幻夏

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    面白い!
    御託抜きで、面白かった!
    シリーズ2作目らしいけど、前作読んでなくても全然問題なく楽しめた。

    興信所を営む主人公のところに、ある女性から「いなくなった我が子を探してほしい」という依頼が舞い込むところから、物語は始まる。しかし、その子がいなくなったのは23年前だという。
    それを起点に、23年前の子供の失踪、子供の父親の冤罪事件、冤罪であることが判明した直後の父親の死、23年前の冤罪事件に関わった警察官や検事たちを巻き込む新たな少女誘拐事件、23年を隔てた2つの事件現場に残された謎のマーク。今の捜査と23年前の記憶とを行き来しながら、一見関係なさそうな謎と謎とが絡み合う、よく練られたミ

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    2026年03月16日
  • 犯罪者 下

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    ネタバレ

    16章が特に緊迫感ありすぎて読みながら息止まってた。勧善懲悪ものなわけではなく、諸悪の根源が打ち倒されないので、良い見方をすればリアル感があり、悪い見方をすればスッキリしない。修司、相馬、鑓水の3人組のキャラが良くて、彼らの軽い掛け合いが微笑ましい。

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    2026年03月13日
  • 未明の砦

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    今の世の中、働く人すべてに読んでもらいたい傑作だと思います。労働に関する法律などの話も出てくるから、教科書みたいなところもありますが、さすが小説、そういう説明的なところも、読みやすいです。

    出てくる人たちが、とても魅力的ですし、長い話ですが、続きを読むのが楽しみでした。

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    2026年03月11日
  • 天上の葦 上

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    前作の続きで登場人物を知っているからと言うのもあるが、主役が変わっているので新しい小説としても楽しめる。
    時間が経っていたので登場人物をあまり覚えていなかったが、それでも楽しめるし、物語の展開も情景が浮かびやすく謎が深まる展開で物語に入り込める。
    まだどう結末を迎えるのかわからず謎が深まるばかりの上巻なので、下巻が楽しみです。

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    2026年03月09日
  • 犯罪者 下

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    悪事が全部表に出て、悪者は成敗!というスカッとしたストーリーではなかったけど、それぞれがこの事件を表に出すために奮闘した姿を、応援せずにはいられなかった。
    1番成敗されたい人が早々と引退してフェードアウトしちゃうのはなんだか納得がいかないが、良くも悪くもこんなものなのかなとも思う。

    通り魔事件が始まってこんな話の着地になるとは思わなかったけど、読んでよかった。

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    2026年03月08日