太田愛のレビュー一覧

  • 天上の葦 下

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    なぜ今になって
    老人はあの空を指ささなければならなかったのか…
    まるで残された命を燃やし尽くすようにして…

    老人の不可解な死と
    公安警察官の失踪を調べるために
    鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く



    老人が絶命した瞬間から
    小島では大きな歯車が動き出していた…

    穏やかな島の営みの裏では 大きな秘密を隠すべく
    公安の警察官をも巻き込みながら
    巧妙なトリックを仕掛けていく…



    人生の最期に流れる時間は
    降り積もる雪のように
    現在の風景を覆い隠して
    過去へと押し戻すのかもしれない…

    闘えるのは 火が小さなうちだけだ
    やがてその火が繋がり 風が起こり
    風がさらに火を煽り

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    2025年09月08日
  • 天上の葦 上

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    渋谷のスクランブル交差点で
    雲一つない空に向かって
    何かを訴えながら絶滅した老人が
    最期に見ていたものはなんだったのか…

    その意味を探るため
    鑓水、相馬、修司が事件を追っていく

    3人の名コンビ!! また会えて嬉しいー!!



    その一方で…1人の公安警察官が忽然と姿を消す

    ふたつの事件を追いながら
    謎が謎をよび…
    ひとつの真実が近づくと
    また新たな謎が生まれ…

    事件の核心に触れそうなあたりで
    上巻が終わるため
    くぅぅぅ〜早く読みたい〜と
    下巻に手を伸ばしてしまう!

    大きな敵に立ち向かう鑓水たちを
    最後まで見届けたい!!

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    2025年09月06日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    自分の心の拠り所の場所
    今の自分を作ったはじまりの場所
    その場所や景色と共にある
    幸せな記憶や忘れたい思い
    普段振り返ることはないけれど
    自分にとってホームベースのような
    場所や景色は永遠にそこにあるわけではなくて
    消滅することでそこが大切な場所だとわかる
    それを教えてくれた
    5つの物語でした

    懐かしい景色が思い浮かぶ
    お話もありました


    遊戯室(十月の子供たち)は
    現在進行形の
    ホームタウンの略奪の話では?
    読んだ後 暫くしてその事に気がつき
    いたたまれない気持ちになりました

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    2025年09月05日
  • 幻夏

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    辛い!辛すぎます。
    ストーリーとしては緻密に練られていてどんどん読み進めたが、冤罪の被害者がどうやって作り上げられ、その家族がどれほどの不幸を背負うのか、司法構造の問題点を問う作品でもあった。尚と拓そして若き日の相馬のひと夏だけが、尚にとって楽しい思い出なのだと思うと、切ない。

    4つの文章の羅列に恐ろしさを感じると共に、人の心を歪ませるのは、簡単なのだと思う。

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    2025年09月04日
  • 犯罪者 下

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    修司、相馬、鑓水とタイタスフーズ、政治家とが絡み、暗殺者滝川との攻防戦が繰り広げられ、すべてが白日のもとにさらされる下巻

    丁寧な描写に感嘆しつつも、緻密すぎて、この部分は飛ばしても差し障りないなと思った箇所は斜め読みしてしまいました

    中身が濃く、話の展開が予測のつかないほうへ引っ張られるのは圧巻

    存在感のあるストーリーで重厚感があり読みごたえもあり
    最後の最後まで伏線回収を忘れない細やかさにも驚き

    「幻夏」「天上の葦」もいずれ読んでみたい

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    2025年09月04日
  • 幻夏

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    夏の間に読みたいな、と思っていた作品、その②。
    もう9月になってしまったのですが、まだまだ暑いので夏ってことでいいでしょうか…?( 'ᵕ' ; )
    トリオシリーズ、2作目。

    12歳の夏、川辺の流木に印を残して少年は姿を消した。23年後、刑事となった相馬は少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。あの夏、一体何が起こっていたのか?

    前作もそうでしたが、今作も場面の切り替えが多くて、小説を読んでいるというよりは、映像を観ているかのようで引き込まれた。
    そして、相馬・鑓水・修司にまた会えたことが嬉しい♡
    この3人の掛け合いやチームワーク、好きなんです(*ˊ ˋ*)

    3人が調査を

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    2025年09月05日
  • 未明の砦

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    ネタバレ

    Audible。ただ展開に最初入り込めず、間をおいて挑戦。途中からとても面白くなり、スカッとすることができた。弱者が強者を倒す王道物語だけど単純ではないところが良い。労災隠しや組合潰しなど設定上振り切れ感があり、クルマ世界企業のユシマは超絶ブラック企業で笑えるが、細かい点はあるあるだったりもする。労働法周りのうんちくも多く目で追うとしつこいかもだけど、耳で聴く分には気にならず、あらためて勉強になった。太田愛さんは相棒とかドラマ脚本の出身。面白かったので幻夏3部作もこの機会にそろえた。また読んでみたい。

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    2025年09月04日
  • 犯罪者 上

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    白昼の駅前広場で起こった通り魔事件の唯一の生き残りの修司が、謎の暗殺者に襲われながらも刑事と刑事の友人と三人で事件の真相にせまる話

    通り魔に襲われた他の四人と生き残った主人公修司との共通点が明らかになり、そして背後にあるタイタスフーズの隠蔽と政治家がらみとが交錯する

    なぜ修司の命を狙うのか⋯
    四月四日に何があるのか?


    著者は「相棒」などの脚本を手がける実力のある作家のようで
    これがデビュー作

    話の運びもスムーズで難しく書かれてることもなく、
    文章が良い意味で堅実で、何よりブレがないので、どんどんのめり込んでいった
    目出し帽の男とか、フレームレス(眼鏡)の男とか、謎の人を一言で表現され

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    2025年09月02日
  • 幻夏

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    ネタバレ

    読みはじめは、無関係に思えたいろんな出来事が、物語の中盤からどんどん繋がっていき、まだページ数あるのにもうここまで分かっちゃうの!?と思うぐらい展開が早くて、飽きずにどんどん読めてしまった。しかも最後までちゃんとミステリでハラハラ感のあるまま読めた。
    登場人物それぞれに感情移入してしまいそうになり、その度に胸が苦しくなる。冤罪が世の中で起こり得るこだとわかっていても、自分とはかけはなれた世界の話だと思っていたし、それは今も変わらない。ただ、冤罪が起きている構造が、それぞれの正義や利益のもとに行われた行為だということは、改めて考えさせられるものがあった。自分の仕事や理念の先に、誰かの人生を左右す

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    2025年08月28日
  • 幻夏

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    非常に濃密で心揺さぶられる読書体験だった。警察、検察、裁判所の闇を丁寧に描き、冤罪事件を通して悲劇的な人間ドラマを見させてもらった。とにかく圧倒された。興信所の鑓水、修司、警察の相馬の関係性や連携は読んでいて熱くなれた。

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    2025年08月24日
  • 幻夏

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    子供の時の心情がとてもわかりやすく描かれていて、胸が苦しくなったり、ハラハラドキドキしたり、とてもおもしろかったです。三作目も読もうと思います。

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    2025年08月20日
  • 犯罪者 下

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    凄く緻密に考えられていて凄い。
    面白いけど、長くて途中読み飛ばしたりした(真崎の自転車の思い出話とか…)

    幻夏から読んでしまったので、こちらから読むべきだったな。

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    2025年08月11日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    5つの短編集と1つのエッセイでなりたっていた。短編集は不安と悲しみを与えてくれる。そして余韻を残して終わってしまう。これも著者の作風のひとつかも確かに心に残る一冊だった!

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    2025年08月10日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    社会派ミステリーのイメージが強い太田さん。みなさんの評価も高い作品が多く、ずっと読んでみたかったが、なかなか読む機会がなく、ようやくこの短編集を読んだ。

    が、短編5作品とエッセイからなるこの作品。全然社会派でなく昭和レトロなノスタルジックなものばかりで、太田さん初読みの私には「あれ?」っとなった。

    今までの作品が好きな方にはあまり評判がよろしくないようだが、日本推理作家協会賞にノミネートされた『夏を刈る』や『鯉』などは「最後にそうきたか!」と驚き、最初の作品『十月の子供たち』は80年前の日本や今まさに起こっている遠方の国の様が感じられ、胸の締めつけられる思いになった。

    次回はぜひ太田さん

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    2025年08月09日
  • 幻夏

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    夏休みの小学生の男の子たちの、ちょっと冒険めいた日常が1人の失踪で暗転する。
    登場人物はかなり多く、複雑に入り組んでいくが23年前の失踪事件を軸にぐいぐい引き込まれていく。

    冤罪事件は、残念ながらある。
    警察組織の歪みが、司法制度の隙間がそれを容易に生んでいくのだとしたら?
    あまりにもやるせない。
    尚には幸せになって欲しかった。

    ただの物語ではなく、私たちに訴えてくる作品。

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    2025年08月08日
  • 犯罪者 下

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    オーディブルで聴いた作品。
    ナレーターは一人しかいないのに、声や雰囲気を使い分けて人一人が個々にきちんと聞こえる。
    あっという間に物語の中に引き込まれてしまった。
    ハラハラドキドキさせる展開と綿密に作り込まれた物語に、唸る事しか感想がなかった…笑
    ただのミステリーとは違う、もしこんな事件が起きたら、
    社会にどんな影響を与えるのか、聴いていて考えさせられた。
    作者の太田愛さんは、ドラマなどの脚本家さんなんだとか。
    あたまにあっというまに映像が浮かび上がる文章が書けるなんて本当に羨ましい

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    2025年08月03日
  • 幻夏

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    前作犯罪者も読み応えがあったが
    幻夏もまたよかった
    3人のキャラはそのままに
    相馬の過去からの話
    冤罪は悲しい…
    無くならないんだろうな
    十人の真犯人逃すとも一人の無辜を罰するなかれ
    そうだろうけど、常盤の言う通りな部分もあるのかな
    冤罪の悲劇 悲しすぎる。

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    2025年07月30日
  • 犯罪者 下

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    後半からの畳み掛けが良かった。
    どんどん頭の中で映像が浮かぶし、一人一人のスポットの当て方、書き込み方が凄い。
    真実が大衆に伝えることの難しさを感じたし、真崎のしたかった事が、ちゃんと報われて欲しいなと思った。
    後半の作戦がちょっと現実離れしてたかな。

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    2025年08月05日
  • 最初の星は最後の家のようだ

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    ノスタルジックで幻想的ながら、うすら寒さがひたひたと迫ってくる作品集 #最初の星は最後の家のようだ

    ■きっと読みたくなるレビュー
    太田愛先生の作品集。「トワイライトゾーン」に吸い込まれたような世界観で、幻想的でありながらも、うすら寒さをひたひたと肌で感じるのです。

    いつもの先生が題材にあげる社会課題を提起するお話から、人生や死に対する恐怖を描いた作品もある。バラエティに富んでるので、飽きずにあっという間に読み進めちゃいますね。

    なお各編の表題名は、家の間取り名とタイトルがセットなっています。旅立つ前に帰ってきたような…いや、初めて訪れる家に来て出会ったような、そんな作品集なんですよね。細

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    2025年07月26日
  • 幻夏

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    小学生の謎の失踪で引き込まれ、中盤からのさらなる謎でさらに引き込まれました。
    冤罪事件が生まれる仕組みは考えさせられます。
    この事件に関しては、犯人に感情移入でき犯行を達成してほしいとさえ思いました。
    ラストは、ぶつ切りで回想で振り返る流れとなっていたが、
    リアルタイムで描いてほしかったなと思いました。

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    2025年07月25日