太田愛のレビュー一覧
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なぜ今になって
老人はあの空を指ささなければならなかったのか…
まるで残された命を燃やし尽くすようにして…
老人の不可解な死と
公安警察官の失踪を調べるために
鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く
老人が絶命した瞬間から
小島では大きな歯車が動き出していた…
穏やかな島の営みの裏では 大きな秘密を隠すべく
公安の警察官をも巻き込みながら
巧妙なトリックを仕掛けていく…
人生の最期に流れる時間は
降り積もる雪のように
現在の風景を覆い隠して
過去へと押し戻すのかもしれない…
闘えるのは 火が小さなうちだけだ
やがてその火が繋がり 風が起こり
風がさらに火を煽り
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Posted by ブクログ
夏の間に読みたいな、と思っていた作品、その②。
もう9月になってしまったのですが、まだまだ暑いので夏ってことでいいでしょうか…?( 'ᵕ' ; )
トリオシリーズ、2作目。
12歳の夏、川辺の流木に印を残して少年は姿を消した。23年後、刑事となった相馬は少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。あの夏、一体何が起こっていたのか?
前作もそうでしたが、今作も場面の切り替えが多くて、小説を読んでいるというよりは、映像を観ているかのようで引き込まれた。
そして、相馬・鑓水・修司にまた会えたことが嬉しい♡
この3人の掛け合いやチームワーク、好きなんです(*ˊ ˋ*)
3人が調査を -
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白昼の駅前広場で起こった通り魔事件の唯一の生き残りの修司が、謎の暗殺者に襲われながらも刑事と刑事の友人と三人で事件の真相にせまる話
通り魔に襲われた他の四人と生き残った主人公修司との共通点が明らかになり、そして背後にあるタイタスフーズの隠蔽と政治家がらみとが交錯する
なぜ修司の命を狙うのか⋯
四月四日に何があるのか?
著者は「相棒」などの脚本を手がける実力のある作家のようで
これがデビュー作
話の運びもスムーズで難しく書かれてることもなく、
文章が良い意味で堅実で、何よりブレがないので、どんどんのめり込んでいった
目出し帽の男とか、フレームレス(眼鏡)の男とか、謎の人を一言で表現され -
Posted by ブクログ
ネタバレ読みはじめは、無関係に思えたいろんな出来事が、物語の中盤からどんどん繋がっていき、まだページ数あるのにもうここまで分かっちゃうの!?と思うぐらい展開が早くて、飽きずにどんどん読めてしまった。しかも最後までちゃんとミステリでハラハラ感のあるまま読めた。
登場人物それぞれに感情移入してしまいそうになり、その度に胸が苦しくなる。冤罪が世の中で起こり得るこだとわかっていても、自分とはかけはなれた世界の話だと思っていたし、それは今も変わらない。ただ、冤罪が起きている構造が、それぞれの正義や利益のもとに行われた行為だということは、改めて考えさせられるものがあった。自分の仕事や理念の先に、誰かの人生を左右す -
Posted by ブクログ
社会派ミステリーのイメージが強い太田さん。みなさんの評価も高い作品が多く、ずっと読んでみたかったが、なかなか読む機会がなく、ようやくこの短編集を読んだ。
が、短編5作品とエッセイからなるこの作品。全然社会派でなく昭和レトロなノスタルジックなものばかりで、太田さん初読みの私には「あれ?」っとなった。
今までの作品が好きな方にはあまり評判がよろしくないようだが、日本推理作家協会賞にノミネートされた『夏を刈る』や『鯉』などは「最後にそうきたか!」と驚き、最初の作品『十月の子供たち』は80年前の日本や今まさに起こっている遠方の国の様が感じられ、胸の締めつけられる思いになった。
次回はぜひ太田さん -
Posted by ブクログ
ノスタルジックで幻想的ながら、うすら寒さがひたひたと迫ってくる作品集 #最初の星は最後の家のようだ
■きっと読みたくなるレビュー
太田愛先生の作品集。「トワイライトゾーン」に吸い込まれたような世界観で、幻想的でありながらも、うすら寒さをひたひたと肌で感じるのです。
いつもの先生が題材にあげる社会課題を提起するお話から、人生や死に対する恐怖を描いた作品もある。バラエティに富んでるので、飽きずにあっという間に読み進めちゃいますね。
なお各編の表題名は、家の間取り名とタイトルがセットなっています。旅立つ前に帰ってきたような…いや、初めて訪れる家に来て出会ったような、そんな作品集なんですよね。細