太田愛のレビュー一覧

  • 天上の葦 下

    Posted by ブクログ

    島の人たちが団結して脱出させてくれるところアツかった。何かできるのは火が小さいうちだけで、大きくなってしまえばなす術はない。正光の意思が人々を繋いで、犠牲を出さずに済んでよかったと思う。

    0
    2026年06月30日
  • 天上の葦 下

    Posted by ブクログ

    単なる絶命寸前の老人の奇行、これが多くのドラマを含んでいるなんて信じられなかった。読み始めはどのような物語になるかなんて想像すらできなかったが、いつものトリオの活躍を追っているうちに、どんどんのめり込んでいった。マスメディア、政治、戦争など大きなテーマを含んでおり、着地点も見当がつかなかった。しかし、ハッピーエンドをきれいに迎えたことで、読者はみな気持ち良い読後感であったと思う。またこの3人と本の中で出会いたい。

    0
    2026年06月30日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    労働組合が関わる話です。社会運動へのアレルギー的なものうまく説明している。これまで犯罪者、幻夏を楽しみました。少し作風が違うのですがこれはこれで面白かったです!

    0
    2026年06月28日
  • 犯罪者 下

    Posted by ブクログ

    上巻で緻密に張り巡らされた線が、怒涛の勢いで回収されていく疾走感と緊迫感に惹き付けられて下巻も一気読み。太田さんがこの作品に懸けた情熱がひしひしと伝わった。相馬・修司・鑓水を始めとするキャラクターひとりひとりがとても魅力的で、”弱者を踏みにじろうとする存在"と闘おうとする彼らを応援したくなる。特に、中迫さんと真崎さんの”良心”が切ないな……。
    被害者や巻き込まれた人にもそれぞれの人生があって、事件の後も生きていかなければいけない。そんな当たり前の重みを改めて考えさせられる。
    相馬・修司・鑓水の物語は次作『幻夏』『天上の葦』へと続いていくので早くそちらにも取り掛かろうと思う。

    0
    2026年06月27日
  • 犯罪者 上

    Posted by ブクログ

    冒頭の事件発生から相馬・鑓水・修司が出会い、真相に近づいていく展開のテンポの良さに惹き付けられ、一気に読んでしまった。食の安全、企業と政治、難病(奇病)、と今回のテーマも濃厚。上巻でばら撒かれた真相につながるキーワードが、下巻でどう回収されていくのか楽しみ。きっと下巻もイッキ読み

    0
    2026年06月27日
  • 天上の葦 上

    Posted by ブクログ

    鑓水、修司、相馬、3作目にして、この3人のキャラクターが際立っていてとてもおもしろく、どんどん物語に没入していく。単に、ある老人の最期の奇行から始まる話が、多くの組織や人間に次々と関わっていく壮大なストーリー。これを思いつくことのできる作者は、どれだけ才能があるのだろう。ただ、戦争に関わるところは、重く、難しい内容でもあるが、それは次につながる伏線にもなるので、がんばって読んでほしい。

    0
    2026年06月24日
  • 天上の葦 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上下巻に及ぶ長編社会派ミステリー、言論、報道の自由について考えさせられる。下巻は所々涙腺が緩んだ。
    曳船島編では白虎の判明が明らかになり戦時中の過去が明かされる。報道の制限から始まり偽報道の蔓延、気がつけば言いたいことも言えない世の中の悲惨さの失敗から正光達が命を賭け行動に移した理由が分かり胸が熱くなる。
    真実を報道する番組のメインキャスターに清廉潔白な人気者が携ることに対し、国民のコントロールが効かなくなると邪魔と判断した人間を社会的に抹消する政治家、そこと繋がる警察。リアルでも沢山あるのかもしれないと思うし報道されたことだけを信じるのではなく、そこから一歩自分で考えて意見を持ちたいと気づかされた。

    子供達の笑い声を守るため。鑓水達3人組とその周りの登場人物達みんなカッコよかった、、!

    0
    2026年06月21日
  • 天上の葦 上

    Posted by ブクログ

    スクランブル交差点で空を指差し息絶えた老人は何を指していたのか。という依頼からもうわくわく。一章の終わり、閉じ込められた男と孔雀の不気味な描写がいきなり登場。それも良い。
    下巻へ続く。

    0
    2026年06月17日
  • 天上の葦 上

    Posted by ブクログ

    2017年初版。「幻夏」「犯罪者」と読みました。順序が違いますが。期待通りの面白さです。一人の人間の死から、どのような真実が解き明かされるのか興味津々です。いろんな謎が出てきて、それが下巻で、どのように解決されていくのか楽しみでなりません。

    0
    2026年06月13日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    大手自動車メーカーの若い非正規労働者4人が、共謀罪により、逮捕されようとしていた。その裏には大手企業と政治家、そして公安警察が絡んでいた。

    現代版蟹工船。

    過労死を隠蔽工作したり、悪いことはなかったことにしようとする超大手企業&公安警察VS過酷な労働条件と低賃金で働く派遣工や期間工などの非正規労働者。勝手に決められた規則に反旗を翻す彼らを応援せずにはいられなかった。

    フィクションとはいえ、公安警察ってこんなに怖いの?これじゃあ、戦前、戦中の特高警察と同じ。そして、日本って、労働において(ジェンダーにおいてもだけど)も全然先進国じゃないなぁとも感じた。

    メーカー勤務の身内が、新卒研修で3ヶ月だけ工場の現場研修をした。1週間ごとに昼夜逆転の生活、決められた時間内で行うエアコンのない工場での作業。夜勤などで給料はよかったが、本当に過酷だったと。派遣工や期間工の方たちは、みないい人たちばかりで、過酷な労働生活を何年も続けていて頭が上がらないと言っていた。

    太田さんの代表作『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』の3部作とはまた違った面白さがあった。でも、やっぱりあの3人にまた会いたいんだよなぁ。

    0
    2026年06月06日
  • 天上の葦 上

    Posted by ブクログ

    ついに三部作上巻
    いつもの三人組が大きな闇の中へ
    今回はミステリアス鑓水の過去が少し明らかに
    ちょっと話が途中難しくて離れかけたけど
    やっぱり面白い!先が全然わからない!まだ上巻!すごいボリューム!少し休憩していざ下巻へ

    0
    2026年05月27日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「人がよりよい世界を願い、それを実現しようとする時、そこには長く困難な歳月が横たわっている。
    力を持つ者から迫害を受けることもあれば、今ある現実につき従う者から誹誘され、心を打ち据えられることもあるだろう。けれども、細い水の流れが集まって小川となり、それが河となり、やがて太く力強い大河となってついには海に至るように、それが実現する時には、かつて奇跡として願われたものは、あたかも自然とそうなるべくして成就したかのように見える。

    人のなし得る奇跡、力ない者たちの奇跡とはそういうものなのだ。」

    天上の葦以降の太田愛作品

    これまでの社会派ものと違い、ファンタジー色のあるものかなと思っていたけど、過去の戦争に向かう時と共通するシーンや移民や難民を土地に住む人々としては許容しつつもその存在を侮蔑、軽視する世界は自分たちの住む世界と切り離すことができないものとして映った。

    内容は四人のキャラクターから見たその世界で何があったかを章ごとに話していく構成になっている。

    全編通して、優しさと決断力があるコンテッサがずっと好きだった。

    3章の終わりでその時の体制に抵抗して羽虫たちの土地を作ろうとするコンテッサと怪力の結末があまりにも悲惨だった。アレンカやマリの描写を終えてからの3章だったから、コンテッサの希望が叶って欲しいと期待していたからだと思う。

    4章のコンテッサと魔術師のやりとりを中で過去作の天上の葦の、民衆の政治への軽視からいつのまにか暴走している権力の恐ろしさを想起した。

    その時にも出てきたキャラクターが語った「火は小さいうちに消さねばならない」という肥大化した権力やそれからくる戦争の大きさは止めることができない。というメッセージを大切にしたいと思った。

    今作でも、最初はあった民選という民主主義は人々の政治の無関心からなし崩し的に伯爵の独裁が始まったからこうなっては止めることができないようになってからではもう手遅れだった。 この部分は作者の現在の政治に無関心な人たちに向けた忠告のように感じ

    0
    2026年05月23日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    太田愛さん、期待通りの力作でした。
    労働問題が主題で、そこに大企業、政治家、公安、マスコミの癒着とか横暴さが書かれている。
    労働問題について、法令の説明を登場人物に語らせているので、流れは良くないかもしれないが、労働者の現状を理解するのに必要な記載だったと思う。
    そして、ともに戦う仲間たちはみんな魅力的でした。
    みんなの心の変化や、行動に移すところなどは、青春小説のような爽やかさがあった。

    0
    2026年05月22日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    冒頭の爆発事件はなぜ起きたのか、よくわからないまま話が展開していく。また、登場人物が多いために、話を追っていくのがやっとであった。ただ、読み進めるごとに全貌が少しずつ見え、登場人物の味もわかり、読み進めることが楽しくなってくる。私が働いている会社には組合がないため、泣き寝入りすることが多々ある。そんな状況の私には、非常に痛快な物語であった。

    0
    2026年05月16日
  • 彼らは世界にはなればなれに立っている

    Posted by ブクログ

    再読です。前回は電子書籍、今回は文庫本。前回読んでから1年半、状況はますます悪化しています…

    →前回の感想
    解説のとおり恐るべき傑作だと思います。読み終わって茫然自失、溜息すら出ませんでした。久しぶりの太田さんでしたので大いに期待して手に取りましたが、冒頭いままでと全く異なるトーンに驚きました。それでも読み進めるにつれ根底はは同じと気付き、長い物語ですが一気に読まされました。感想や思いがたくさんありすぎて書ききれませんが、私は風刺というよりも反省のない人類への警告と読みました。ナチスドイツ、日本陸軍、そして極右勢力に牛耳られた今の日本と、人間は性悪で経験を生かすことも反省することもできない動物なのです。多少の時間稼ぎに過ぎないのでしょうが、安倍晋三に続き極右の皮を被った私利私欲だけが目的の高市早苗が国のトップにならなくて心から良かったと思います。

    「中央府は骨の髄まで腐りきってる。今に始まったことじゃないが、あそこにいるのは甘い汁に群がる亡者みたいな連中ばかりだ。少しでもいい思いをしようと上の人間におべっかを使うほか能がない」→これって霞ヶ関の官僚や大手町や丸の内の経済団体のことですよね。

    「これまでと同じように言われたとおりにしていれば、今より何倍も悪くなることはない。みんなそう思っている。羽虫も町の人間も、伯爵や中央府のほとんどの人間も。でもそうじゃない。力がひとところに溜まって動かなくなれば、代謝をやめた生きものみたいに腐っていくだけ」→前半は日本国民のこと。後半はこの国そのものを指していますよね。

    「あそこには二種類の人間がいる。 ひとつは始まりの町の人間であることを大いなる誇りとし熱烈に先祖を信奉して満たされない自負心に悶々とする人々だ。もうひとつは自分が始まりの町の人間であるのを当たり前だと思い目先の生活と他人へ不満だらけの人々。どちらの人間も羽虫を虐げることで瀕死の自由を延命し、なんとか誇りと自尊心を保っている」→高市早苗に投票した様な人と選挙に行かないくせに文句ばかり言っている大多数の国民のこと

    「みんな死ぬ……」  オト先生の目は恐怖に見開かれていた。 「あの子たちは、従うことしか教えられていない。それも、ただ従うのでは足りない、進んで従わなければいけない、学校は、私たちは、そう教えてきたんです。進んで従う者を褒め、そのような態度を競わせ、優劣を評価し、自発的に従う態度を叩き込んだ。そして、それが習慣として身につくまで繰り返した。そうです、まさに歯磨きのように習慣になるまで」→まさに安倍晋三が目指した美しい国、道徳教育、愛国心

    「夥しい死は、無数の人々の選択の結果、あるいは選択を放棄した結果、または選択と思わずに同調した結果」→無関心な日本人が招く近い将来の日本のことです

    1
    2026年05月11日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    冒頭警視庁の捜査員が、追っていた容疑者に逃げられる所から始まります。
    どんな犯罪を犯したのだろうと思いながら、読んでいくと今度は追われる側の4人の若者が、捜査員に追われるまでの物語が展開されていきます。
    自動車工場で過酷な環境下で働かれている非正規労働者の4人。彼らのことを知れば知るほど、応援せずにはいられなくなります。
    そして彼らを支えてくれる人達も、魅力的な人達が多かった。
    この本を読むことで、勉強になることも多かったです。現政権、警察、検察のやることに疑問を持つことが多い中、このタイミングでこの本に出会えて良かったです。
    結構な分厚さに読むのに気後れしてしまうかもしれませんが、若い人や非正規雇用で働いている人達にぜひ読んでほしいです。

    0
    2026年05月06日
  • 犯罪者 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初からすごく引き込まれた。
    通り魔殺人から始まるが、その背景には想像を超える色んな問題が絡んでいて、
    読む手が止まらなかった。


    個人的には、亜蓮に繋いでもらうために
    渋谷の美容師さんに亜蓮の連絡先を聞くくだり。
    これ簡単に連絡先教えるの?!とびっくり。

    亜蓮も知らん人に仕事頼まれて修司に連絡先聞いただけなのに、いきなり連絡きて会うんかーいとなったけど...
    修司のことめちゃくちゃタイプだったのか。

    そこだけよくわからなかった。

    0
    2026年05月04日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    やっぱり太田愛さんはスゴイ!
    今回も強烈なメッセージを伝えてくれています。
    登場人物が多くても一人一人のキャラクターがしっかり立っているから混乱せずに読めるのも、この作者さんのスゴイところ。この分厚さがたまらなく嬉しいと思える本にまた出会えて幸せでした。

    0
    2026年05月03日
  • 犯罪者 上

    Posted by ブクログ

    今夏映像化ということで改めて記しておく。知人から紹介されて知った太田愛さんの作品、最初はその導入に戸惑ったが、読み終わった今は見事な導入だったと思う。主人公の一人があれよあれよという間に犯罪者となっていくスケール感とテンポがとてもいい。上下巻でだるみがちだと思われる展開は予想を遥かに超えて余分を削ぎ落とされていてソリッドだ。

    0
    2026年05月01日
  • 未明の砦

    Posted by ブクログ

    北方謙三『水滸伝』を想起した。
    非正規労働者、だけでなく、自分のことを「普通」と思い込んでいる我々弱者に光を灯す、まさに現代版『水滸伝』。そう断言して差し支えない。
    著者の小説は本作が初めてだが、その生き様をこれでもかと登場人物の台詞から殴打されたような感覚。
    最初の400ページはあまり物語が動かず、苦しい場面も多いことも相まって、こりゃ駄作かなぁと思っていた。失礼ながら早く作業的に読み終えて次の本に移りたかった。
    ところが、である。400ページを過ぎると物語が急加速していく。
    闘う者たちの魂の叫びとでも言うべきか。こちらの心を熱く捉えて放さない。水滸伝ばりの名言連発。

    現実には勝たなきゃ意味が無い、なんて思ってるんだろうけど、そもそも俺たちには勝つと決まってる勝負なんて巡ってこないんだ。お前が本当に勝ちたいならーーー。

    震える。その連続。
    徐々に行動を起こす人々。
    気弱な者、やり直そうとする者…状況は様々だが、みんな素敵。みんなが、自分にやれる最大限の、立ち上がり方をする。

    タイトル『未明の砦』に対して、最後の一節。そういうことだったの!?鳥肌。
    最初の400ページをこらえれば、そこから先、ものすごい熱源が、あなたを待っている。

    0
    2026年04月29日