太田愛のレビュー一覧
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自動車メーカーを舞台とした社会派の青春群像劇。非正規雇用の若者4名が逮捕寸前で公安警察の手を逃れて逃亡した。どうしてこんなことに?
非正規雇用、労使争議、共謀罪などの要素を盛り込んだ作品で、面白くまとめられていると思います。逃亡した4人の背景や周辺人物らとの関係にもグッとくるエピソードがあり、彼らの行く末が気になって一気読みでした。
残念だったのは、楽しみに読み進めていた最終局面の展開が薄っぺらく感じられたこと。小さな矛盾が散見されてリアリティーを欠いてしまい、納得感を犠牲にしてエンタメとして着地したような印象でした。
日本社会に対する作者の憤り、皮肉、揶揄はよく分かります。 -
Posted by ブクログ
内容は期間工や派遣工といった非正規労働者が国家権力と癒着する大手企業という壮大な相手に立ち向かう話である。序盤こそ犯罪小説を期待するが共謀罪とは名ばかりの労働闘争であり、『犯罪者』と比べてもサスペンス要素は薄いし、あの状況で正社員までもがストライキを決行するのは現実性に乏しい、と思うのは平和ボケした日本人だからなのだろうが。
失われた30年の原因としてよく槍玉に挙げられるのは「派遣法」だが、どのような経緯で改正され、いかにして日本を壊したのかというのがよくわかる本。なぜ日本は欧州諸国と比べて労働生産性が低いのか、なぜ日本ではいつまで経っても賃金が上がらないのかなどもとても勉強になった。
ここ数 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自動車の部品メーカーで働く非正規雇用の4人が労働組合作って会社と戦う話。
4人は「馬鹿」と色んな人に言われるけど、
思ったより難しい言葉が会話の中で出てくるな、、とか、今まで本なんて読む時間も興味もなさそうだったのに急に憲法とか雇用に関する本読めててすごいやん!がちょっと違和感だったのと、
私的に玄さんとの関わりがあまり描かれてない気がして(この人なぜこの4人を選んで家に呼んだ、、?何する気、、?という警戒心が私の中で強かった)、だから玄さんに対してあそこまで熱くなれるのもちょっと置いて行かれた感があった。
この本の内容をそのまま受け取ったら日本クソじゃん!ってすごい思うし、
やっぱ世界か -
Posted by ブクログ
ネタバレ相棒の脚本家である太田さんの最新作。相変わらず社会問題と人物描写のリアリティ、的確さが素晴らしい。
この本は大手自動車メーカー、ユシマの生方第三工場に勤める非正規雇用4名、矢上、脇、秋山、泉原の逃亡劇から始まる。印象操作で、「この4人は一体何をやったのか?」という犯罪者としての見方から始まる。
だが読み進むにつれ、彼らは犯罪者どころか、ちょっと恵まれなかった善良な市民であることが見えてくる。そして2017年に新設された「テロ等準備罪」により捜査され、まだ何も実行しておらず、労働組合結成に伴うでっちあげをネタにされた共謀罪で追いかけられていることがわかる。
私自身は人材業界に5年ほどいたため -
Posted by ブクログ
社会派で重たくて、登場人物多いけどそれぞれしっかり人物像が描けていて、何層にも及ぶスケールのでかい伏線回収。
上巻の後半からどんどん盛り上がってきて、これめちゃくちゃ面白いのでは?と思ったがクライマックスのドタバタはあまりにテレビ的だし幼稚。集中して文字で理解しながら追うには無理のある動的な描写が長過ぎて途中から冷めてしまった。テレビ生中継とか神社での一幕なんかは平成の織田裕二が頭にチラついてくる始末。
物語の根底にある真崎の公害や環境汚染に対する強い思いがどこから来るのかもいまいち理解できず。てっきり息子の喘息が大気汚染が原因で恨んでいたのかと思いきやそうではなかった。奥さんは交通事故だっ