太田愛のレビュー一覧
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不思議な味わいの短編集
一 遊戯室 10月の子供たち
二 中庭 サイレン
三 舞踏室 夏を刈る
四 書斎 鯉
五 階段 給水塔
ごちゃ混ぜ。純文学的子供時代の小編から本格ミステリまで幅広く納めてあり、目次に何らかの意味がありそうで実は関連もない。
どういうテンションで読めばいいのか、少し混乱した。
もちろん、1話ずつの完成度は高い。
が、やはり太田愛さんはミステリの人だと感じる。ミステリを通して人間を描くときの筆の冴えは抜群。
ということで、
第3話 夏を刈る
第4話 鯉
が好きでした。
ミステリとしても○。謎と女性の生き方の描きかたが、やはり上手い! -
Posted by ブクログ
ネタバレ2005年春、駅前広場で5人が刺殺される通り魔事件が発生し唯一の生き残り修司は謎の男に「逃げる。あと10日生き延びれば助かる」と忠告される。直後、謎の暗殺者に襲撃された修司ははみだし者の刑事相馬に命を救われ、彼の古い友人である鑓水のところに匿われる。修司の生き残りをかけて真相を探る三人。襲われた5人の共通点が巨大企業タイタスフーズのトラックによる不法投棄の目撃者であると突き止めた修司は、不法投棄を行った産廃業者真崎の故郷長野にいる友人杉田の元へ向かう。
修司を狙う男は何者か、真崎はどこへ消えたのか、乳児を襲う奇病メルトフェイス症候群と大企業タイタスフーズのつながりは?謎が謎を呼ぶ展開にハラハラ -
Posted by ブクログ
太田愛さんの新作、5作の短編集になります。太田愛さんといえば、「犯罪者」「幻夏」「天上の葦」、それから「未明の砦」…大好きなんですよね!ただこの作品は短編集なんで、おぉ~!さすが太田愛さんっ!!と、読める作品と、あらら…と読み終える作品が混在している感じです。
好きなのは「十月の子どもたち」と「夏を刈る」です。「十月の子どもたち」については、今も戦禍に見舞われている世界の国に思いを巡らせることができました。「夏を刈る」については、なんともいえない独特な世界観、ノスタルジックな感じで、映像化されてもいいかと思います。
私はこだわりなく、短編集も長編も読みます。けれど、やっぱ太田愛さんに -
Posted by ブクログ
最も没頭したのが「夏を刈る」。
年老いた女中の語りが、「お嬢様」の異変を鮮やかに甦らせてゆく。
「お嬢様」の婚約者が亡くなった事件の真相を明かしていくストーリーのはずが、予想外の真相の闇の深さに、ゾッとする。
そこからの「鯉」と「給水塔」どちらも良かった。
幼い頃、自分の浅はかな行為で人を傷付けたり、動かしたりしてしまうことは、この上ない恐怖だった。
未だに、心に刻まれているほど。
最後のエッセイには、空き地に現れるサーカスのテントの話が書かれている。
「異界」「異形」という言葉が使われたタイトルに、ふと獅子舞を思い出した。
自分の家には、割と広い庭があった。
その庭を、太鼓持ちと