彼らは世界にはなればなれに立っている

彼らは世界にはなればなれに立っている

946円 (税込)

4pt

「わたしたちの過去も現在も未来も写しとられている。恐るべき傑作だ」(解説より) 翻訳家 鴻巣友季子

「最初のひとりがいなくなったのはお祭りの四日後、七月最初の木曜日のことだった」――
ここは〈始まりの町〉。物語の語り手は四人――初等科に通う十三歳のトゥーレ、なまけ者のマリ、鳥打ち帽の葉巻屋、窟の魔術師。彼らが知る、彼らだけの真実を繋ぎ合わせたとき、消えた人間のゆくえと町が隠し持つ秘密が明らかになる。人のなし得る奇跡とはなにか――。
社会派エンターテインメントで最注目の作家が描く、現代の黙示録!

高知市の「TSUTAYA中万々店」書店員、山中由貴さんが、お客様に「どうしても読んで欲しい」1冊に授与する賞、第4回山中賞受賞作。

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彼らは世界にはなればなれに立っている のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月04日

    著者の「犯罪者」からの3部作は、ミステリ系の極上のエンタメだったが、これは作風が違う。
    異国情緒のある導入部で、ファンタジーなのか何か、最初の40ページほどは物語の全体像が見通せずとまどったが、一人の失踪発生後は物語に引き込まれた。
    ミステリ好き、ファンタジー好きとか関係なく多くの人に読んでほしい。...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年11月03日

    ★★★★★+
    少年、怠け者、葉巻屋、魔術師4人の視点で綴られる、ある街に起こった悲しい出来事
    これはディストピア?歴史?現実?
    読む人によっていくつもの感じ方がある
    過去に学ぶための作品なのか?あるいは現在の我々に対する警鐘なのか?
    解き明かされる少年の母に起きた真相はとても深い

    0

    Posted by ブクログ 2024年04月27日

    羽虫(移民)達がしいたげられる架空の街でおこったことを、4人の目線で語る。

    『レーエンデ物語』の一章かと思うようなお話。
    太田愛さんの鑓水シリーズとはガラリと違うものの、
    現状を楽な方へ選択していくとこうなっていくのだ、という『天上の葦』でのテーマを彷彿とさせた。
    最後は涙が出そうだった。

    0

    Posted by ブクログ 2024年04月10日

    太田愛さんの他作品と作風こそ違えど社会への警鐘という根本は一緒だと感じました

    舞台は始まりの町、1人の流れ者が町から姿を消すことから物語は始まる
    なぜいなくなったのか、消えなければいけない理由があったのか

    「この町は根が傷んでいるんだ、もうずっと以前から。深い所から腐っているのに、みんな気づかな...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月21日

    有り得ないほどに有り得るかのような物語
    悲しすぎて読むに耐えられない場面もあったが
    それも含めてこの世のどこかで起こりうる現実
    寓話的で引き込まれるストーリー展開は秀逸で
    読み手の視点で考えさせる手法がすごい

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月13日

    テレビドラマの脚本を手がけ、「犯罪者」シリーズのノンストップエンターテイメントで唸らせてくれた太田愛さんによる、これまでの作品とは大きく変わった寓話小説。
    ただし、そこはさすがにこの作者。寓話の根底には、現代社会が抱える課題が描かれています。
    社会派エンターテイメントへと流れていく過程で書かれた作品...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月06日

    2024-01-05
    こう来たか…ミステリかと読み始め、今とは異なる架空の街でのファンタジーかと思いきや、ガッツリイマココを寓意した風刺小説。
    この小説が炭鉱のカナリアでは無いことを祈るばかりです。嫌だから祈っただけじゃダメなんだってば。

    0

    Posted by ブクログ 2023年11月15日

    この小説の舞台となる国も時代も明らかではないが、その中央集権的な統治が進んでいくところは幾つかの実在の国を思い起こさせる。氏名や地名からは東欧のような感じも匂わせるが、いつの時代だかの日本のようなところもあるし、あるいはこれからの•••
    太田愛の痛快エンタメ作品とは趣きの異なる寓話のようなファンタジ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月06日

    これまで読んだ著者の作品のイメージとは、全く異にする小説なので、戸惑いながら読むことになった。
    序章から始まり、4章で構成され、トゥーリ、マリ、葉巻屋、魔術師と、それぞれ異なる語り手が話を始める。
    彼らの名前からはどこの国とも想像が付かず、彼らの住む町も「始まりの町」と呼ばれ、SFか寓話か、なんとも...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年09月01日

    ファンタジーでなければ辛すぎて最後まで読めなかった。
    陰鬱な中にも、こころ優しい登場人物がいて、なんとか悪い方向にいかないでほしいと願いながら読みました。

    0

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