岡嶋二人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
9篇の短編集。目新しさはないものの、突拍子のない不満な展開などもないので、読みやすいと思います。
【記録された殺人】事件に関わった人物達の証言で話が進みます。証言が増えていくほどに事件の全容が見えてきます。
【こっちむいてエンジェル】【眠ってサヨナラ】この本はそれぞれの話が独立した短編集ですが、この二篇は同じ人物が主人公です。サッパリしてるけど愛情深い主人公に好感が持てました。
【バッド・チューニング】追い詰められると無茶なことを考えてしまうものなのかと切なくなりました。
【遅れてきた年賀状】重い話ではないので気楽に読めました。
【迷い道】ねっとりとした怖さがある話。男女は、好き同士のラブラブ -
Posted by ブクログ
サブタイトル「5W1H殺人事件」と、講談社文庫ということで、80年代の赤川次郎か夏樹静子かという先入観で読み始めたものの、面白い。
まずカメラを調査している探偵が持ち主のもとに向かうと死体が見つかる。その次は突然、別の探偵が喫茶店探しということで、短篇集かと思っていたところ、実は謎の依頼者が同一で…という、なかなか斬新な展開。しかも各章で、有る1点について徹底的に調べる。例えばカメラの修理履歴だったり喫茶店の電話帳、果てはコンピュータープログラムのバイナリコードまで。なかなか最近の作家には出来る技じゃない。
全体を通して、ほとんど姿を表さない共通の依頼者を軸に、視点を章ごとに切り替えるとい -
Posted by ブクログ
ネタバレ岡嶋二人によるミステリの佳作。
隆友と鳩子のもとに、鳩子の親戚筋に当たる宇田川から「ある人を殺して欲しい」という依頼が入る。ふたりはサラ金などへの借金の肩代わりに殺人の依頼を受ける。やがて、対象である美由紀の隣の部屋に移り住むことに成功し、殺人の機会を待つことになる。
途中までは馬鹿っぽい隆友と鳩子の会話に若干辟易するが、殺人を実行しようとする辺りから物語が一転、スリリングに展開し始める。
自分たちが殺そうと思った相手を結局殺すことができず、二人して泣いてしまう辺りはなんだか妙にリアリティがあり、人殺しのハードルの高さを思い知らされる。一方で、その後の展開では隆友が妙な頭の冴えを見せ、徐々に真 -
Posted by ブクログ
ネタバレ16年前、押し込み強盗に両親と妹を殺されたプロボーラーの草柳。彼は仕事で出向いたボーリング場で、当時、盗まれたボールを偶然見つける。持ち主を見つけ、そこから犯人を探し出そうとするが、時効が成立しているため、警察は取り合ってくれない。独自で捜査を進めた草柳は強行突破に出る。 捜査第0課シリーズ第2弾。
長編では唯一のシリーズもので、しかも事実上、合作者最後の作品。
パーフェクトな菱刈、色仕掛けで犯人たちを罠にかける聡美、お調子者で推理力にかけるが行動力は抜群の相馬は健在。 時効が成立してしまった事件ということで、はなっから捜査第0課が動き出す。 今回は前作ほど入り組んだ事件ではないけれど、草